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GNUダイジェスト(本小冊子)について

編著者: Thomas Bushnell(n/BSG)、Tim Ney、Paul Wendt
イラスト: Etienne Suvasa
日本語版翻訳・発行者: 引地美恵子、引地信之
連絡先: mieko@gnu.org (引地美恵子)または、
    〒102-8605 東京都千代田区平河町1-1-1 (株)SRA
    引地信之 (hikichi@sra.co.jp) TEL(03)3234-2611(大代表)

Copyright 1998 Mieko Hikichi and Nobuyuki Hikichi
本小冊子 (GNUダイジェスト)は、英語原文 (GNU's Bulletin) をもとに引地美恵子 と引地信之が翻訳し、加筆、解説したものである。

GNUダイジェストの定期購読希望者は、送料兼手数料として200円 @Times{} n 回分の総額を(切手ではなく)指定欄空白の郵便小為替または郵便為替を上記連 絡先の引地信之まで送付していただきたい。郵便小為替に差額端数分があっ た場合には、読者宛のDMラベル代や封筒代等への充当についてご了承いただき たい (URL: http://www.sra.co.jp/people/h-mieko/ 参照)。

原作者の意を伝えるべく原文解釈に十分注意を払ったが、さらに不明な点は原 文(GNU's Bulletin Vol. 1 No. 24)を参照されたい。なお、日本のGNUユーザ の事情を考慮した内容を加筆したため、必ずしも対訳ではない部分があるので 予めお断わりしておく。

GNUスタッフの紹介

Free Software Foundationの役員を新たにGNUに迎えた。Geoffrey Knauthは会計を担当し、Timothy Ney は、FSF事務所にて事務局 と配布を管理する。

新任テクニカルライターのMichael Stutzは、A GNU/Linux Cookbookの執筆にとりかかろうとしている。これは、プログラマでない人向 けに、GNU/Linux システムをプログラミング以外の目的で使う方法について説 明したものになる予定である。

Jim Blandy (GUILEの保守はまだ行なっている) や Miles BaderThomas Bushnell (n/BSG) (引き続きGNU HURD作業を 行なっている)、Melissa WeisshausらはFSFを去った。我々は、彼ら の新たな活動に幸運がもたらされることを心から祈っている。

Karl Heuerは、GNU Emacsの拡張と、会計パッケージの作成を行なってお り、デラックス・パッケージの作成もIan MurdockNoel CraggAlia Atlasらと共に行なっている。 Brian Youmansは配布担当マネージャであり、オンラインの問い合わ せにも応じている。 Paul Wendtは、事務所で電話対応と多くの管理業務を行なっている。 我々は、骨の折れる仕事をこなしてくれている彼らに感謝している。

井田昌之 教授は、日本担当のFSF代表代理であり、日本でのイベント開催 や、日本のGNUの友人と共に作業している。

Joel N. Weber IIはGNUマシンのシステム管理者である。 Martin Hamiltonは、GNUメイリング・リストを担当している。 Franklin R. Jonesは、GNU webサイトを担当している。 Steve MorningthunderAlex Bernadinは、GNUプロジェ クトの他の多くのボランティアの調整を支援している。 Richard Stallman は、Emacsの開発を始めとする無数の仕事をボラン ティアとして続けている。

GPLで保護されたその他のソフトウェア

我々は、Copyleftで保護されているがFSFからは現在配布していないソフトウェ アのリストを保守している。GNUのFTPホスト・マシンから `/pub/gnu/GPLedSoftware'というファイルをFTPしていただきたい (see section GNUソフトウェアの入手方法)。FSFが記述すべき追加のソフトウェア があれば知らせていただきたい。GNU Emacs Lisp ライブラリについては載せ ていないが、そのリストは archive.cis.ohio-state.edu マシンから `/pub/gnu/emacs/elisp-archive/LCD-datafile.Z' を FTP すれば入手す ることができる。

FSFとは何か

Free Software Foundation (以下、FSF と称す) は、コンピュータ・プログラムの 使用や複写、修正、再配布に関する人々の権利の制限を排除することを目的として いる。我々は、フリー・ソフトウェアの開発と利用を促進することでこれを遂行し ている。特に、Unix と上位互換性のある「GNU」 (GNU's Not Unix.: GNU は Unix ではない。「グヌー」と発音する) という名の完全な統合化ソフトウェア・システ ムを作成している。このシステムの主な部分は既に使用されており配布可能である。

我々の名前にある「free」という言葉は「自由 (freedom)」のことを指してお り、無料を意味する「free」ではない。GNU ソフトウェアを入手する際に、お 金を支払ってもよいし、支払わなくてもよい。しかし、いずれの場合でも GNU ソフトウェアを入手すれば 3 つの特別な「自由」を得る。第1は、プログラム を複写する自由と友達や共に仕事をしている人に配布する自由である。第2は、 ソース・コードが公開されているので、人々が思うようにプログラムを修正で きる自由である。第3は、修正したものを配布することで、共同体の形成を支 援する自由である。フリー・ソフトウェアとは、ソース・コードを研究したり、 プログラムがどのように書かれているかを学習できる、という意味である。つ まり、フリー・ソフトウェアの移植や改良が可能になり、したがって他の人と 作業を共有することができる、ということである。

GNU ソフトウェアを再配布する場合にそのソース・コードと GNU General Public License を含めるのであれば、配布料金を請求して配布してもよいし、無 料で配布してもよい。詳細は section Copyleftとは何か

たまたま利用可能なフリー・ソフトウェアは何でも配布する組織がある。対照 的に、Free Software Foundationでは、独占システムを使用する必要のない完 璧なGNUシステムを完成させるために作業しつつ、新しいフリー・ソフトウェ アの開発に専念している。

GNU を開発する傍ら、FSFは GNU ソフトウェアやマニュアルを配布手数料で配布し ており、GNU の開発のための寄付 (米国内では控除対象となる) を受け付けている。 FSF の資金のほとんどがこのような配布サービスで支えられている。

【Free Software Foundationの役員】
代表: Richard M. Stallman、役員: Gerald J. Sussman、Geoffrey Knauth

Copyleftとは何か

プログラムを自由にする最も簡単な方法は、プログラムをパブリック・ドメイ ンとし、著作権(Copyright)を放棄することである。しかし、この方法では、 独占的な修正を許し、人々の修正と再配布の自由を拒むことを可能にしてしま う。つまり、そのような独占的なプログラムは、この自由をすべてのユー ザに与えるという元々の目標を危うくしているのである。このような事態を避 けるために、 copyleftは斬新な方法で著作権を扱っている。典型的な 著作権ではこれらの自由を奪うが、copyleftでは保護している。copyleft は、 プログラムを配布する人に対して、ソース・コードの利用と修正、再配布に関 する権利を含めるように要求する法律上の手段である。ソース・コードと上記 の自由は法律的に切り離すことはできない。

GNUプロジェクトで使用する copyleft は、著作権告知とGNU一般公有使用許諾書 (GPL、GNU General Public License) を組み合わせたものである。GPL は 複製のライセンスであり、基本的には前述の自由を備えているという点に言及し ている。また、GNU ライブラリ一般公有使用許諾書 (LGPL、GNU Library General Public License) を用意しており、2〜3の(ほんの一部の)GNU の ライブラリに適用している。このライセンスは、GNU のライブラリを特定の条件 下で、独占的な実行形式にリンクさせることを許可するものである。完全な使用 許諾書の写しは、配布されている全ての GNU ソース・コードや我々が発行する 多くのマニュアルに入っている。希望者にはその印刷物の配布が可能である。

我々は、あなたのプログラムやドキュメントを copyleft で保護するように強 く勧めており、誰にでもそれらを保護することができるように手続きを簡単に した。どのようにしてライセンスを適用するかの詳細は、どちらも各ライセン スの最後に記述されている。

Linuxとは何か

Linux (主要作者のLinus Torvaldsの名前をとって名付けた)は、SysVとBSDの 拡張部分を含む、POSIX.1 仕様の機能を実現している GPLに則ったカーネルで ある。GNU/Linuxシステムは現在、Alphaマシンや386/486/Pentium/Pentium Proの各CPU搭載のマシンで使用可能である。m68kへの移植作業はテスト中であ る(ハイエンドのAmigaとAtariのコンピュータ上では動作する)。MIPS、 PowerPC、Sparc へは移植中である。関連ファイルは、 ftp.kernel.org (米国) の`/pub/linux'ftp.funet.fi (ヨーロッパ) の `/pub/Linux' から FTPで入手のこと。

メイリングリストについてはmajordomo@vger.rutgers.eduへ問い合わせの こと。ニュースについてはUSENETのニュースグループである comp.os.linux.miscなどを参照のこと。

GNU/Linuxシステムとは何か

多くのコンピュータ・ユーザが毎日、GNUシステムの修正版を十分に認識せず に使っている。個々に様変わりしているものも含めて、今日幅広く使われてい るGNU版は多くの場合「Linux」として知られているものであり、多くのユーザ はGNUプロジェクトとの関連性に気付かずにいる。

Linuxとは本当に存在するカーネルのことであり、上記のような人々が使って いるものである。しかし、ユーザはカーネルだけでは動作させることはできな い。カーネルとは、システム全体の一部としてのみ有用である。Linuxが通常 使用するシステムは、GNUシステムを修正した派生版である。つまり、Linuxを ベースにしたGNUシステムを使用しているのである。

多くのユーザが、Linuxというカーネルと、自分達が「Linux」と称しているシ ステム全体との違いを全く知らずにいる。このような名称が曖昧に使われてい るために人々の理解は喚起されていない。

プログラマは一般に、Linuxはカーネルだと認識している。しかし、そのよう なプログラマであっても、システム全体と称している「Linux」を広く耳にし ていれば、そういうものだと想像してしまいがちである。例えば、Linus Torvaldsがいったんカーネルの作成を終えれば、彼の友人らは他にフリー・ソ フトウェアがないかどうかを調べてまわり、特に理由もなくUnix風の システムを作るために 必要なものが既に揃っていた、と多くが信じている。

彼らが発見したものは偶然ではなく、それがGNUシステムだったのである。配 布可能なフリー・ソフトウェアは、1984年の創立以来、ずっとGNUプロジェク トが作業してきたものなので、結局は完全なシステムとなった。GNUプロジェ クトは、Unix風のフリーなシステムである「GNU」を開発する目的を明らかに した。Linuxが作成された頃には、システム(GNU)はほぼ仕上がっていた。

大方のフリー・ソフトウェア・プロジェクトは、特定の作業のための特定のプ ログラムを開発することが目標となっている。例えば、Linus Torvaldsは、 Unixに似たカーネル (Linux)を作成しようと決心した。Donald Knuthはテキス ト清書システム (TeX) の作成を、Bob Scheiflerはウィンドウ・システム (X Windows) を開発しようと決心した。この種のプロジェクトの貢献度をはか る場合、そのプロジェクトで作成された特定のプログラムの量を比較するのが 自然である。

もし、我々がこの方法でGNUプロジェクトの貢献度をはかろうしたら、どうい う結論に至っただろうか? ある CD-ROM ベンダーには、彼らの「Linuxの配布 物」の中で、GNUソフトウェアが最大かつ単独の構成として全ソース・コードの 約 28% を占めており、システムには絶対不可欠な重要な構成要素が入ってい ることがわかっただろう。Linux自体はおよそ 3% である。だからこそ、シス テム上でプログラムを作成した人のものを基にしたシステムの名称をあげるな らば、「GNU」となることが最適で唯一の選択肢なわけである。

しかし、我々は、これが疑問を検討するための正しい方法だとは思っていない。 というのは、GNUプロジェクトは、特定のソフトウェア・パッケージを開発す るプロジェクトではなかったし、現在もそうではないからである。我々は実際、 行なったものの、GNUプロジェクトはCコンパイラを開発するプロジェクトでは なかった。テキスト・エディタを開発はしたが、かといってテキスト・エディ タを開発するためのプロジェクトではなかった。GNUプロジェクトの狙いは、 完全なUnix風のフリー・システム を開発することであった。

多くの人々が、システムの中に入っているフリー・ソフトウェアに対して多く の貢献をしてきた。全て称賛に値する。 しかし、システム 、 つまり、単なる有用なプログラムの寄せ集めではない理由は、GNUプロ ジェクトがその統合化を目指しているからである。 我々は、完全な フリー・ システムを作るために必要なプログラムを作成した。アセンブラやリンカといっ た不可欠ではあるが興味をそそるものではないものも作成した。それらがない とシステムが作れないからである。完全なシステムには、単なるプログラミン グ・ツール以外にも多くのものが必要なので、Bourne Again SHellや PostScriptインタープリタである Ghostscript、GNU Cライブラリといったそ の他の要素も作成した。

90年代初頭までには、カーネルを除いてシステム全体を統合し(、Mach上で動 作する GNU Hurdというカーネルに関する作業も行なってい)た。このカーネル の開発にあたっては、予想以上に困難な点が多いので、完成させるべく、引き 続き作業している。

現在ではLinuxが動作しているので、幸いにも、我々の完了を待つ必要はなく なった。Linus Torvalds が Linuxを作成した時に、彼は最後にして大きなギャッ プを埋めた。そして、LinuxとGNUシステムとを一緒にして、完全にフリーなシ ステム、つまり、LinuxベースのGNUシステム (略して「GNU/Linuxシステム」) を人々が作れるようにした。

単に一緒にするというと簡単に聞こえるが、取るに足らない作業ではない。 GNU Cライブラリ (略称は glibc) では多大な修正が必要だったからである。 いわゆる「バッターボックスから出て」動作するような配布物として完全なシ ステムを統合することは一大作業であった。 システムをインストールしてブー トする問題に取りかかる必要があった。 我々はまだそこまで到達していな かったために、この問題には取り組んでいなかったのである。様々なシステム 向けの配布物を開発した人々が多大な貢献をしてくれた。

GNU以外のプロジェクトでも、Unix風のフリーなオペレーティング・システム を独自に作成した。このシステムはBSDとして知られており、カリフォルニア 州立大学バークレー校で開発された。BSDの開発者は、GNUプロジェクトという 例に励まされ、時には積極的に GNUで活動している人に勇気づけられたが、彼 らの実作業はGNUとほとんど重複しなかった。BSDシステムは今日、いくつかの GNU ソフトウェアを用いている。全く同じように、GNUシステムやその派生シ ステムは、いくつかの BSD ソフトウェアを用いている。しかし、総じて言え ば、それらは別個に発展した2種類の異なるシステムとうことになる。今日存 在するフリーなオペレーティング・システムは、GNUシステムの派生物か、あ るいは一種のBSDシステムのどちらかであると言っても間違いはないだろう。

GNUプロジェクトは GNU システム同様、GNU/Linuxシステムを資金面でもサポー トしている。我々は、GNU Cライブラリに対するLinux関連の拡張部分の書き直 しに資金助成をしたので、今では、うまく統合され、最新の GNU/Linuxシステ ムは変更せずに現在のライブラリ・リリースを使用できる。また、Debian GNU/Linuxの開発の初期段階にも資金を提供した。

我々は今では作業の大半にLinuxベースのGNUシステムを使用しており、あなた にもそれを使ってもらいたいと願っている。ただし、「Linux」という名称を 曖昧に使うことで公衆を惑わすようなことはしないでいただきたい。Linuxは カーネルであり、システムの主要な構成要素の1つである。全体としてのシス テムは、多かれ少なかれ GNUシステムである。LinuxとGNUとの組み合わせであ るシステムについて話すときは、どうか、「LinuxベースのGNUシステム」また は「GNU/Linux」という言葉を使って欲しい。

Hurdとは何か

Hurdは Mach 上で動作するサーバ・プロセス群である。MachはCMUで開発されたメッ セージ通信を使用したフリーなマイクロカーネルである。HurdとMachにより、 GNU/Hurdオペレーティング・システムのカーネルを形成している。GNU C ライブラ リが、適切なサーバへメッセージを送ることにより、Unixの「システム・コール」 インタフェースを実装している。

Hurd は、システムの内部動作について詳細を知らなくても、有用なプロジェ クトをユーザが立ち上げて共有することが可能である。ソース・コードを自由 に入手でき、しかもよく考えられたインタフェースを備えており、マルチサー バを基に設計したものなので、そのようなプロジェクトを開始できるようにな るだろう。したがって、Hurdは、Emacsや GUILEなどの拡張可能なGNUソフトウェ アに似ている。

現在、Mach カーネルは386 PC や DEC PMAX ワークステーション、その他の何種 類かの機種に移植されている。また、Amiga や PA-RISC HP 700、DEC Alpha-3000 マシンへの移植作業も進んでいる。これらの移植作業のいずれかを 支援したい方や自分自身で移植を開始したい方は、FSFまで問い合わせのこと。 GNU Hurdと GNU C ライブラリの移植は、希望するプラットフォームへMachが既に移 植されていれば、(GNU Emacsの移植よりは容易であり、もちろんGCCの移植よりも) 容易である。

Hurdのテスト・リリースが何回か行なわれている。

Hurd 関連の重要なプロジェクトでは、ボランティアを必要としている。 経験豊富なシステム・プログラマは gnu@gnu.org へ連絡を乞う。 新しいシステムへMachカーネルかGNU C ライブラリを移植することは、別の形での 支援となる。

Hurdのテスト・リリースは、GNU FTP配布サイト (see section GNUソフトウェアの入手方法) から入手することができ、i386の GNU/Hurdシステムの完全なバイナリも付いている。それらのバイナリがもっと 安定するまではCD-ROMに入れて配布する予定はない。

FSFの後援者となるには

Free Software Foundationは、もっと明確なやり方で支援者や貢献者に謝意を 表したいと思う。今、誰でもFSFの「正式な」支援者になることができる。そ のようになった方々や組織の名前は See section 謝辞(Thank GNUs)

Free Software Foundation は、米国では全ての支援が免税となる資格、 501(c)(3) を備えた組織である。

フリー・ソフトウェアの再配布組織からの寄付

FSFでは、ソフトウェアの再配布や出版社の売り上げから作られた多くの寄付 金を受け取っている。ユーザの利益ためには、パッケージの外側や本の表紙に FSFへの寄付金額について明確に示している再配布組織や出版社が望ましい。

例えば、フランスのIKARIOS社は、LINDISや SuSE、Red Hat CD-ROMセット の売り上げから、それぞれ 5 FFを寄付している。これらのパッケージには、 「GNUプロジェクトのためにFree Software Foundationへは5 FF」と記述され ている。また、日本の京都マイクロコンピュータ(株)は、GNU関連の販売 利益の10%を寄付している。

Red Hat Software社は、Power Tools CD-ROMセット 1枚につき $1.00を寄付している。

ドイツの Sun Users' Group の場合は非常に明確である。 CD-ROMに、「価格は90ドイツマルクであり、さらにFSFへの寄付金として12ド イツマルク」と印刷されている。以上のフリー・ソフトウェア再配布組織の、 明確な方法による GNU プロジェクトへの貢献に対して感謝する。

Specialized Systems Consultants, Inc. は、Arnold Robbinsと の取り決めにより、彼の著書である Effective AWK Programming と、 関連の AWK Reference Card の販売利益から 3% を寄付している。ま た、SSCの Linux Journal に掲載の多くの執筆者が、自分達の印税の 受け取り人にFSFを指名してくれている。

最終的にフリー・ソフトウェアの成功は、新しく開発されるフリー・ソフトウェ アがどの程度あるかにかかっている。フリー・ソフトウェアやそのマニュアル 類の配布は、そのような開発のための資金調達の機会を道義的な方法で提供し ていることになる。前述の再配布組織や著者はそういった機会を利用している が、他の多くの組織はその機会を逃してしまっている。

配布者に貢献するよう説得する方法として、配布者に要求したり期待する方法があ る。ある意味で、これは、どの程度フリー・ソフトウェアの開発に貢献しているか という観点から配布者を選択することを意味する。最大限の寄与をするには競争し なければならないことを配布者に示すことができる。

これを推進するためには、比較可能な数字を強調しなければならない。「ディ スクが 1 台売れるたびに Foobar プロジェクトに 10 ドルずつ払う予定であ る」といった例である。「利益の一部が寄付されている」といったような漠然 とした公約は、比較の対象とはならない。「このディスクの利益」に対する正 確な比率があってもあまり意味がない。計算の方法と無関係なビジネス上の決 定から、売上額のどこまでを利益として扱うかを大幅に変えることができるか らである。

さらに、どのような内容の開発や支援を行なっているかという点について、しっ かりした情報を開発者に強く求めること。時間の経過と共にこの種の差異([訳 注] つまり、しっかりした開発や支援を行なっているかどうかの差)は非常に 大きくなってしまう。例えば、GNU プログラムから独立した別個のバージョン の保守ではほとんど貢献はないが、GNU プロジェクトに代わってプログラムを 保守するとなれば、その貢献度は多大である。簡単な新しい環境への移植作業 は、きっと誰かがその作業を行なうだろうからほとんど寄与に値しない。新し い CPU をターゲットとし、GNU コンパイラや Mach へ追加するといった難し い移植であれば貢献度は大きい。さらに、新しい重要な機能の追加やプログラ ムの作成ということになれば、貢献度も最大となる。

さらなる開発を支援することは「その行動に値すべき適切なこと」である、と いう考え方をフリー・ソフトウェアやそれのマニュアル等を有料で配布すると きに確立すれば、より多くのフリー・ソフトウェアの開発に必要な資源を安定 して供給することが可能となる。

ソフトウェアハウスからの支援

フリー・ソフトウェア・ビジネスを選択するときは、フリー・ソフトウェアの 開発をどの程度支援しようとしているのかを、ビジネスの提供会社へ尋ねてい ただきたい。例えば、フリー・ソフトウェアの開発資金をいくら提供している のか、一般に使用できるフリー・ソフトウェア自体の改良をどれほど行なって いるのか等である。会社を選択する際にこの点をある程度考慮すれば、フリー・ ソフトウェアから利益を得ている人々にフリー・ソフトウェアの成長に貢献す るように勧めることができる。

Wingnut ((株)SRAの特別GNUサポート・グループ)は、デラックス・パッケージを定 期的に購入してFSFを支援している。この方法は、Wingnutの売上の 10% がFSFへの 寄付に変わる。ここにその連絡先を載せることで、Wingnutへ感謝の意を示したい。

   〒102-8605 東京都千代田区平河町1-1-1
   株式会社 SRA
   Wingnutプロジェクト
   電話番号: (+81-3)3234-2611
   ファクシミリ: (+81-3)3942-5174
   電子メイル: info-wingnut@sra.co.jp
   Web: http://www.sra.co.jp/wingnut/

ヨーロッパでの配布元

Free Software Foundationは、「GNU Distribution Europe, Belgium」という ヨーロッパの配布代行業者を抱えており、トルコで注文を受けて北西部 (つま り「ヨーロッパ」)へ発送している。

多くの注文に対して、ことに小口でも、このヨーロッパの代行業者は、迅速で 低価格な配送を提供している。どの注文に対しても、GNU Europeでは、ヨーロッ パの小切手または現金による支払いを受け付けている。問い合わせ先を以下に 示す。

   GNU Distribution Europe, Belgium
   Sportstraat 28
   9000 Gent
   Belgium

   電話番号: +32-9-2227542
   ファクシミリ:   +32-9-2224976
   電子メイル: europe-order@gnu.org.
   Web: http://www.gnu.org/order/order-europe.html

GNU/Linuxの支援によりタイタニックは甦った

「Linux Journal」issue 46 の記事によると、Daryll Strauss (Digital Domain 社のソフトウェア技術者)はタイタニックの映画向けの画像効果を出す ために GNU/Linux を利用したと書いている。

200 台にわたる DEC Alpha べースのシステム上で、GNU/Linux の Red Hat 4.1 の配布内容を基に PC164 というマザーボードをサポートするようカーネ ルを更新したものを使用した。その結果、Digital Domain 社では、SGI シス テムの 3 倍から 4 倍の性能が向上したことがわかった。GNU/Linux OS と Alpha CPU との組み合わせは、時間と処理の要求に対して、最も費用効果の高 い解決策を提供した。

Daryll Strauss は、特別なフィルムやテレビに対する映像効果の開発により、 GNU/Linux を使用した高性能で費用効果の高い実験台をもたらした、と記して いる。低い導入コストと融通性、接続性の良さから、さらに広範な研究や実験、 配員を進めることを保証する魅力がGNU/Linuxには十分あると結論づけた。

宇宙におけるGNU

宇宙で使用される基板に搭載されたマイクロプロセッサには、Free Software Foundation のGNU C コンパイラが不可欠であったと、European Space Agency は述べている。

ESA のコンピュータの調達は、宇宙船ソフトウェアの特定の要求を満たすよう な適切なツールの有効性に依存している。GCC (GNU C Compiler) や GNAT (GNU New York University Ada Translator) がESAにって採用されたことによ り、特に、MIL-STD-1750 や SPARC V7 アーキテクチャ向けの場合には、安価 なコンパイラ・システムを入手する1つの方法が示された。

GCC と GNAT(GCC の Ada-95 向けのフロンエンド)は、次に示すように、ESA にとって重要となる利点が数多くある。

ESA は GNU プログラムが有用であることがわかったため、Chris Nettleton Software社 (イギリスの Farnborough のフリー・ソフトウェア会社 http://www.ccfn.demon.co.uk)と、GCC や GNU Ada を修正するよ うな契約を結んだ。Nettleton社 は、宇宙船で使用される MIL-STD-1750 コン ピュータ向けの GCC-1750を開発した。このコンパイラ・システムには、宇宙 でのソフトウェア・アプリケーションの開発を容易にする高度なツールとライ ブラリが含まれている。

GNU速報

GNU翻訳プロジェクトへの支援

GNUは国際化しつつある! GNU翻訳プロジェクトでは、ユーザや翻訳者、保守者 が一緒になろうとしている。そのため、GNUは少しずつ多くの外国語を体得し ていくことになるだろう。1997年12月時点で、我々は27個のGNUパッケージを 175個の翻訳ファイルを用いて17ヶ国の言語に国際語化した。翻訳チームは合 計474人いる。

GNU翻訳プロジェクトを完成させるために、好みの言語で、その記述が上手に 行なえて、なおかつ「翻訳チーム」の役割として同じ言語で話す他の翻訳者と 共同作業も行なえる人々が多く必要である。新しいチームを立ち上げたい方や、 既存のチームに関する情報やこのプロジェクトの他の様子を知りたい方は、 translation@iro.umontreal.ca へ問い合わせのこと。この翻訳プロ ジェクトが翻訳者やプログラマを支援するために使用しているツールの gettext に関する情報は section GNUソフトウェアの種類

日本におけるGNUと他のフリー・ソフトウェア

引地美恵子 (mieko@gnu.org) と引地信之 (hikichi@sra.co.jp) は、日本で GNU プロジェクトのためにボラン ティア活動を続けている。彼らは、GNU's Bulletinを日本語に翻訳し、GNU General Public License Version 2 (GNU 一般公有使用許諾書 バージョン2) の日本語版 (2) を付けて幅広く配布している。この日本語版は FSF が承認したもので、 ftp.sra.co.jp [202.32.10.2] マシンの `/pub/gnu/local-fix/GPL2-j' から anonymous FTPで入手可能である。 GNU Library General Public License (GNU ライブラリ一般公有使用許諾書) の正式な日本語化にも携わっている。また、寄付の呼びかけや GNU ソフトウェ アについて人々の相談にも答えている。

Hurd JPプロジェクトが今、日本で Hurd を開発している。このプロジェクト では、Hurdへのソフトウェアの移植を初めとして、GNUシステムのドキュメン トやパッケージの整備が計画されている。詳細は、 okuji@mbox.kyoto-inet.or.jp へ問い合わせのこと(英文可)。

GNU一般公有使用許諾書に則ったハードウェアとソフトウェアの両方について話 し合う日本のメイリング・リストはもはや活動していない。これに関する質問は、 ishiz@muraoka.info.waseda.ac.jpへ連絡のこと。

MULE (MULtilingual Enhancement of GNU Emacs) は、同時に多くの文字コー ドを扱うことができる。詳細はSee section GNUソフトウェアの種類。これは日本で 幅広く使われており、その機能は、Emacsの基本機能としてリリース20当初か ら組み込まれている。MULEは section 1998年3月版ソース・コードCD-ROM から 入手したり、sh.wide.ad.jp マシンの `/JAPAN/mule'etlport.etl.go.jp マシンの `/pub/mule' を FTP にて入手することができる。

(株)ビレッジセンターでは、GNU Emacs Lisp Reference Manual の 日本語訳 (ISBN 4-938704-02-1) を印刷し、Texinfo 形式のソース・ファイル を各種の電子掲示板に置いており、本小冊子(日本語版)も毎号印刷してくれて いる。また、copyleftで保護された引地信之・引地美恵子編著の Think GNU (ISBN 4-938704-10-2) という本を出版している。 これは、FSF 以外の発行のものとしては日本初の copyleft された出版物であ る。


   〒101-0051 東京都千代田区神田神保町 3-2 サンライトビル 6F
   (株)ビレッジセンター

   電話番号: 03-3221-3520
   URL:  http://www.villagecenter.co.jp/
   URL:  http://www.villagecenter.co.jp/gnu.html ← ビレッジセンターが扱っているGNU書籍情報

アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン (株) は、 GNU Make Manual (ISBN 4-7952-9627-X)、 GAWK Manual (ISBN4-7952-9627-8)、 Texinfo Manual(ISBN4-7952-9684-7)、 GNU Emacs Manual 19.34(ISBN4-7952-9690-1)、 Bison Manual(ISBN4-7952-9628-5) の各日本語訳を出版した。連絡先住所を次に示す。

   〒112-0014 東京都文京区関口1--13--19 (玉路園ビル)
   アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン(株)

   電話番号: 03-3226-7404

(株)アスキー (定期刊行物と書籍の出版社)を含む、日本の多くの組織が現在、 GNU ソフトウェアを配布している。

日本からFSF への直接発注は簡単である。fsforder@gnu.orgへ注文し たり、日本向けに日本語のFSF注文票@footnote {[訳注] 本小冊子にも日本使 用限定の同FSF注文票が添付されている。}を使用することもできる。その際、 ソフトウェアが入っているCD-ROM の購入をお願いしている。例えば、企業価 格で CD-ROM を注文していただくと、さらに多くのフリー・ソフトウェアを作 成するプログラマを1人雇えるようになるからである。

先端情報技術研究所 (AITEC、The Research Institute for Advanced Information Technology) は、ICOTフリー・ソフトウェア (IFS)を公開してい る。IFSは、ICOTで第五世代コンピュータ・プロジェクトとその後継プロジェ クトにおいて開発された並列処理/知識処理分野のソフトウェアである。

さらに、AITECでは、委託研究によって多くの研究グループにIFSに関連するソ フトウェア開発を委託し、フリー・ソフトウェアとして公開している。その研 究グループのWebページから、AITECは、主要な20個のIFSプログラムとその他 の80個のIFSプログラム、1995年度のAITECの委託研究で開発された22本のプロ グラム、1996年度開発の27本のプログラムをリリースしている。1997年度では、 22の研究グループに委託研究を依頼している。

1997年11月末時点で、1992年の初版リリース以来、延べ10,000人以上の人が AITEC のサイト (ICOT独自のサイト) アクセスし、およそ41,000個のファイル が転送された。

詳細は、URL http://www.icot.or.jp/を参照のこと。

ImageSearcherは、ファイルの名前や属性に頼らずに、画像自体の属性を指定するこ とにより、画像を検索するオブジェクト指向プログラムである。これは、イメージ の特徴的な色や平均明度、9つの色、広がり、スペクトル中心、手書き画像に関して 絞り込み検索を行なう。VisualWorks 2.5.1 (Smalltalk)上で動作する。IPAとSRA (青木 淳作成)との研究プロジェクトの成果として、ソース・コードとドキュメント がフリー・ソフトウェアとしてGPLに則って配布されており、ホスト ftp.sra.co.jp`/pub/lang/smalltalk/ipa/VisualWorks2.5/' というディレクトリ からFTPで入手可能である。

GNUプロジェクトの今後の展開

リリースされたGNUプログラムの現在の進捗情報はsection GNUソフトウェアの種類。 ここでは将来の計画についてのニュースを知らせている。

GNUソフトウェアの2000年問題について

Free Software Foundation では配布しているソフトウェアを保証していない。 我々にはそれに割く時間がない。だから、我々は、2000年に関する問題が GNU ソフトウェアにないとは約束できない。バグといった2000年問題以外の種類の 問題について保証しないのと同様にである。ただし、そのようなバグは非常に まれであることの理由は示すことはできる。

その主要な理由には理論的な背景がある。GNU システムや全体的に Unix に似 たシステムは、日付と時間を32 ビットの整数で表現し、1970 年からの経過 時間を秒で表している。32 ビットでの計数は 2038 年に溢れてしまう。しか し、その頃には問題は解決されているだろう。 そのときまでに全てのシステムで time_tを 64 ビット整数で再定義しておけばよいからである ([訳 注] ソース・コードが公開されているから、再定義してコンパイルし直すこと が可能なのである)。

ほとんど問題がないという証拠が実際にある。Linux を基にした GNU システ ム、特に Debian GNU/Linux (http://www.debian.org 参照)を 使用しているユーザが、システムのクロックを2000年に進めて使用してみた。 特に問題は報告されていない。 もちろん、このことは徹底的にテストされてはいないが、 GNUソフトウェアに 2000 年問題があったとしても、重大な、あるいは恒久的な 問題を発生させる程のものではないことを示唆している。

どのような 2000 年問題であっても対応してほしいのであれば、自分のマシン の時計を何年か先に進めて何日間か作業してみることを提案する。また、1999 年 12 月 31 日に設定して、作業中に時計が次の世紀に進んだときに、いつも と違うことが発生するかどうかも調べることができるだろう。

何か問題が見つかれば、それに関して報告してほしい。バグであれば、2000 年を迎えるかなり前の次のリリースでおそらく修正されるだろう。

問題に遭遇してもしなくても、この方法でどのプログラムをテストしたか、実 際の運用をどの程度続けたかについて、真摯に耳を傾けたいので、その結果に ついてgnu@gnu.orgまで連絡していただきたい。

GNUプログラムの最新のリリースを使っているかどうかは、FTP のミラー・サ イト(see section GNUソフトウェアの入手方法)にあるバージョンと手元のバージョ ン番号とを比較すればわかる。

フリー・ソフトウェアのサポート

Free Software Foundation はいかなる技術サポートをも提供していない。我々の使 命はソフトウェアの開発である。それが、フリー・ソフトウェアにできることを時 間的に最も効率良く増やす方法だからである。技術サポートは、それを提供して生 計を立てている他の人々のために残してある。医者や弁護士が今日行なっているの と同様に、プログラマもサービスを提供する職業だと考えている。医者の医学知識 や弁護士の法律知識はそれ自体フリーに再配布できるものだが、開業医や弁護士は サービスから収入を得ている。

GNU サービス名簿 (GNU Service Directory) は、サポートやその他のコ ンサルタント・サービスを提供する人々のリストである。 GNU の FTP マシン(see section GNUソフトウェアの入手方法のリスト)の `/pub/gnu/GNUinfo/SERVICE' ファイルや、 GNU Emacs 配布の中の `etc/SERVICE'ファイル、 GCC 配布の中の `SERVICE'ファイル、 Web のURL http://www.gnu.org/prep/service.html に入っている。

このリストに載せて欲しい方 (やリストを欲しい方) は、 gnu@gnu.org までご連絡いただきたい。FSF と利益を共有しているサー ビス提供組織についてはsection ソフトウェアハウスからの支援

GNU のソフトウェアやマニュアルに欠陥を発見したら知らせてほしい。我々は、 バグ報告やアナウンス、質疑応答のために多くの Internet メイリング・リス トを用意している。これらのメイリング・リストは、ニュースグループ gnu.*という USENET ニュースへも転送されている。また、 GNUのメイリング・リストやニュースグループの一覧表は、 GNU の FTP ホスト(see section GNUソフトウェアの入手方法) にある `/pub/gnu/GNUinfo/MAILINGLISTS'ファイルや、 Web の URL
http://www.gnu.org/prep/mailinglists.html、 Emacsの配布の中の `etc/MAILINGLISTS' を参照するか、あるいは、gnu@gnu.orgへ請求のこと。

我々がバグ報告を受け取ると、たいていの場合は問題を解決しようと努力する。我々 のバグ修正は、個々に対応しているように見えるかもしれないが、実際にはそうで はない。すべてのユーザのためになる新しい改良版の作成作業の一部として行なっ ている。我々からパッチ・ファイルを送る場合がある。それを使用してバグの修正 部分をテストし、品質保証に役立てることができる。報告されたバグを我々が解決 していなければ、バグ報告用のメイリング・リストを読んでいるその他の多くのユー ザから、回答を得られるかもしれない。さもなければ、サービス名簿を利用してほ しい。

インストール・スクリプトがどのように動かないのか、マニュアルのどの部分が不 明確なのか、といったことを我々に知らせてほしいのである。ソフトウェアのイン ストール方法や使い方を我々に尋ねないでほしい。

サービスの提供会社を選択するときは、どの程度フリー・ソフトウェアの開発を支 援しているかという点を尋ねていただきたい。例えば、フリー・ソフトウェア開発 プロジェクトへ寄付金の申し出を行なっているか、一般に使用できるようなフリー・ ソフトウェア自体の改良を行なっているか、などの点である。会社を選択する際に この点を考慮すれば、フリー・ソフトウェアから利益を得ている人々に対してフリー・ ソフトウェアの成長に貢献するよう勧めることができる。

GNUソフトウェアの種類

我々のソフトウェア全てが FTP で入手可能である( section GNUソフトウェアの入手方法)。 また、section CD-ROMや、製本されたマニュアルやリファレンス・カード( section GNUマニュアルについて) も提供している。 各媒体の内容を記述している欄の、プログラム名の後ろに付くバージョン番号 は、本小冊子 ([訳注] 英文版) の発行時点のものである。より新しい CD-ROMを 注文する際には、プログラムが更新されている可能性があるのでバージョンが上 がっていることがある。注文情報は、 See section Free Software Foundation注文票(日本専用) を参照のこと。

anonymous FTP で配布しているものの一部は、圧縮されている。そのようなファイ ルを復元できるように、FTP サイトに圧縮・復元ソフトウェアを置いてある。 compress に関わる特許問題のために、我々は別の圧縮プログラムとして gzip を使用している。

その他の我々のソフトウェアを組み込む前に、GNU make をインストールし ておく必要があるかもしれない。あるベンダーでは、makeを配布していなかっ たり、あったとしてもシステム固有の make が、GNU 構築システムの拡張で 使用している基本的な機能 VPATH をサポートしていないものもある。GNU make ソース・ファイルには、そのようなシステムで make自体を作 成するためのシェル・スクリプトが入っている。

プログラム名とパッケージ名との相互参照は、量が増えてきたので、この小冊 子からもう掲載しないことにした。現行のリストは、GNUの FTPマシンの `/pub/gnu/ProgramIndex'からFTPすることができる (see section GNUソフトウェアの入手方法)。

我々は、あらゆるバグ報告と拡張部分を適切な電子メイリング・リストへ送ってく れることを歓迎している(see section フリー・ソフトウェアのサポート)。


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