急遽テレワーク導入!の顛末記

「WoLのためにスリープ運用しているPCが勝手に起動する…」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(166)

乗り換えて1カ月、会社用ノートPCの困りごとを解決してみた

スリープに関する設定を一通り見直してみたのだが……

 会社の据え置きマシンをデスクトップPCからノートPCに交換して1カ月以上が経ったが、スリープが勝手に解除されるなど困ったことが起きている。どれも細かいことではあるが、このまま放置しているとストレスの原因になりそうなので、1つずつ解決しておきたい。

……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて200日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中でノートPCに起きているトラブルを、順次解決してみた。

【今回のハイライト】
スリープを解除するような設定をオフに
休止状態にしてみたら……
マシンの動作が重くなった?

11月20日(月):スリープ関係の設定を調整してみたのだが……

 会社の据え置きノートPCは現在、Wake on LANのためにスリープで終了するようにしているのだが、この運用で1つ困ったことがある。それは、スリープして帰宅したはずのノートPCが、自宅に戻って遠隔操作しようとした時に、勝手に起動していることだ。

 そこで、スリープに関係するWindowsの設定をイジってみたところ、デバイスマネージャーの「ヒューマン インターフェイス デバイス」に関する設定を変更したことで、一時的にスリープがすぐには解除されなくなった。恐らく、マウスが振動を検知するなどして、スリープを解除していたのだろう。ただ、そのまま放置しておいたところ、気が付いたら再びスリープが解除されていたので、どうやらマウス以外にもなにかあるらしい。

まずは、コントロールパネルの「電源オプション」→「詳細な電源設定の変更」で、「スリープ」の「スリープ解除タイマーの許可」を「無効」に
「タスクスケジューラ」で、スリープを解除するようなタスクがないかを確認して
デバイスマネージャーで、マウスやキーボード、ヒューマン インターフェイス デバイスのプロパティから、「電源の管理」のチェックボックスを一通りオフにしてみた

 LANを通じてネットワークアダプターに何らかのデータが送られると、それをマジックパケットと誤認してスリープが解除されることがあると聞くが、「ネットワークアダプターからスタンバイ解除を行う設定」は有効のままにしておかないと、そもそもWake on LANでの電源操作が行えない。これはどうすればよいのだろう……。

「ネットワークアダプター」の「電源の管理」もオフにしたいところだが、この設定を変えると、Wake on LANで起動できなくなってしまう

11月21日(火):ノートPCを休止状態にしたら、勝手に復帰しなくなった!

 昨日はいろいろと設定を試してみたのだが、結局ノートPCがスリープ状態から勝手に起動することを防ぐことができなかった。そこで、試しにスリープではなく休止状態にした上で帰宅したところ、ノートPCが勝手に起動しなくなった。この状態でもWake on LANによる遠隔起動は可能だったので、今後はノートPCを休止状態にして終了させることになりそうだ。

 ちなみに、これまでの設定変更によって、マウスやキーボードを操作しても、ノートPCが休止状態から復帰しなくなった。そのため、筆者はオフィスに出勤した際、ノートPCを目の前にスマホを操作。「Amazon Alexa」アプリを使って、ノートPCの電源を入れている。

コントロールパネルを「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」と操作。画面左のメニューから「電源ボタンの動作を選択」を開き、「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
先ほどグレーアウトしていたチェックボックスが操作可能になったので、「休止状態」をオンにする
スタートボタンから表示できる電源メニューで、ノートPCを休止状態にできるようになった
出勤したら「アレクサ、PCを起動」……と言うのは恥ずかしいので、「Amazon Alexa」アプリの定型アクションからノートPCを起動している

11月22日(水):外付けモニター接続によるマシンへの負荷は?

 ノートPCを会社のメインマシンとして使うようになってしばらく経つが、ときどきマシンの動作が重くて困っている。もしかすると、外付けモニターを2台繋げたことで、マシンに負荷がかかっているのか? と思ったのだが、「タスクマネージャ」や「リソースモニター」を見る限りでは、GPUに大きな負荷は見られなかった。

グラフィックボードを搭載していないため、CPU内のGPUがメインメモリを共用しているが、通常時で300MB程度しか容量を消費していなかった

 ただ、UIまわりの視覚効果などを制御する「dwm.exe(デスクトップウィンドウマネージャー)」のメモリ消費量は、外付けモニターを増やすと若干増えるらしい。試しに、外付けモニターなし/ありの場合で比較してみると、消費メモリ容量が20MBほど増えていた。とはいえ、この消費量ではマシンに大した影響はなさそうなので、動作が重くなる原因はほかにありそうだ。

 その後も、マシンの様子を見ていたが、どうやら重いアプリを複数起動した際にメモリ容量が不足していたようだ。これは、ノートPCをシャットダウンせずに運用していることも影響していると思われるので、定期的にメモリを開放するフリーソフトを導入することに。とはいえ、どこかのタイミングでメモリを増設した方がよいかもしれない。

外付けモニターなしの場合の、「dwm.exe」のメモリ消費量は約30MB
外付けモニターを2台繋ぐと、メモリ消費量が約50MBまで上昇した
ひとまず、定期的にメモリを開放するフリーソフトを常駐させることにした

11月24日(金):ノートPCでヘッドセットが使えない…原因は?

 会社にこのノートPCを持ち込んでから、何度かWeb会議があったのだが、外付けヘッドセットが使えなくて困っている。他のPCでも使ってみたところ、ヘッドセットそのものに不具合はなく、ヘッドフォン端子に接続の際は確認メッセージも表示されるので、機械的なトラブルではなさそうだ。

 ひとまず、「NDI HX Camera」というアプリを使って、iPhoneをWebカメラ兼マイクとして使ってみたが、周囲の音を広範囲に拾ってしまうので、職場のデスクでの利用には向いていなかった。そこで、いろいろと調べてみたところ、どうやらヘッドセットを接続した際に一時的に表示される「コネクタ設定」画面で、接続したデバイスが「ヘッドセット」ではなく「ヘッドフォン」として識別されていたらしい。

 このノートPCを会社に持ってくる前は、同じヘッドセットで何度かWeb会議をしていたので、恐らく外付けモニターを複数接続した時だろうか? 何らかの原因で「コネクタ設定」が初期化されていたらしい。最初はヘビーな使い方をしたせいで「ノートPCに変な負荷がかかったか?」と焦ってしまったが、特に問題がなくて助かった。

ひとまずiPhoneをWebカメラ兼マイクとして使うことに。さらに、HDMI出力しているモニターのヘッドフォン端子にヘッドセットを接続して、ビデオ会議の音声を聞いていた
このノートPCではヘッドセットを接続した際に「コネクタ設定」画面が表示されるのだが、その接続先が「ヘッドセット」ではなく「ヘッドフォン」として認識されていたのが原因だった

 PCの乗り換えから約1カ月が経ち、ようやくこのノートPCにも慣れてきた。主なトラブルはおおむね潰せたと思うので、引き続きこのノートPCをオフィスにおけるメインマシンとして運用していきたい。

とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。

飛田九十九