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音速の3倍…「中国『偵察用ドローン』部隊設立」米機密文書に記載

登録:2023-04-19 19:28 修正:2023-04-20 08:20
無人偵察機「WZ-8」…流出文書に内容
2021年、珠海エアショーで展示された中国の無人偵察機「WZ-8」/ロイター・聯合ニュース

 米情報当局は、中国軍が音速より3倍速い高高度無人偵察機(偵察用ドローン)をまもなく実戦配備できるようになると評価しているという。

 米「国家地理空間情報局」(NGIA)の機密文書に、中国人民解放軍の無人偵察機「WZ-8」が上海から東に350マイル(560キロ)離れた空軍基地に配備されたことを示す衛星写真が掲載されていた。ワシントンポスト紙が18日(現地時間)報道した。同紙によると、米国当局は中国人民解放軍が東部戦区に初の無人偵察機部隊を設立したのは「ほぼ間違いない」と評価した。この機密文書は、最近米国マサチューセッツ州防衛軍のジャック・テシェイラ一等兵がソーシャルメディア「ディスコード」に流出した米軍機密文書の一つだった。

 これらの無人機が配備された空軍基地を管轄する人民解放軍東部戦区は、台湾を作戦区域としている。中国が偵察用無人機を実戦で運用することになれば、台湾を支援するために配備された米軍の戦艦と軍隊の位置情報をより正確に把握し打撃できるようになるとみられる。

 中国はWZ-8を2019年10月の中華人民共和国樹立80周年記念行事で初めて公開したが、当時はこの無人機が実戦配備されるほどの性能を出せる状態だと信じる専門家は多くなかった。しかし、この数年間で脅威的な偵察無人機に生まれ変わった。

 WZ-8は、中国空軍の爆撃機H6-Mに搭載され空中で発射され、高高度の上空で主要施設の映像撮影や位置確認などの偵察活動を行っているという。今回暴露された文書には、H6-M爆撃機がWZ-8無人偵察機を積んで離陸した後、中国近海の上空でWZ-8無人機を発射し、韓国西海岸と台湾内陸を海抜10万フィート(3万メートル)上空から偵察する航路も一緒に示されている。これらの文書は、WZ-8無人機がどのように推進力を得るかは具体的に説明していないが、「エンジンの特性がロケット燃料と関連している」とし、ロケット推進型であることを示唆した。

 文書はまた、これらの爆撃機と無人機の航路について「必ずしも信頼できるものではない」との但し書きをつけたが、これら無人機に搭載された電子光学カメラとセンサーはソウルを含む韓国西海岸の主要都市と台湾に対する地理軍事情報を収集できると説明した。また「SAR」(合成開口レーダー)という映像レーダーは、夜でも霧が立ち込めた曇天でも情報を収集できると付け加えた。

 台湾の国策防衛産業研究所である国家中山科学研究院のチー・リピン氏は「この無人機の一次的な用途は、台湾ではなく米国と太平洋にある米軍基地の偵察になるだろう」とし「中国の『接近阻止・領域拒否』(A2AD)用兵器」だと話した。また「攻撃用に設計されたものではないだろうが、今後攻撃用に改造できるだろう」とし「探知と迎撃が難しく、既存の対空兵器では十分ではない」と付け加えた。

 米国ポトマック政策研究所のディーン・チェン氏は「中国がインド太平洋地域全体を監視できる能力を上げていることを示している」とし、米国や韓国を越えて日本やインド、東南アジアのすべての国家が心配しなければならない問題だと話した。

パク・ピョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1088544.html韓国語原文入力:2023-04-19 16:52
訳J.S

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