ubuntuのDAW "Ardour"の紹介
概要
ググってもすぐ出てきますが概要は以下を参照ください。
- Ardourご本家→ardour - the digital audio workstation
- Wikipedia→Ardour - Wikipedia
- 私の言いたいことはほとんどここに→オープンソースのDAW Ardourを使ってみる
- 丁寧な解説→第169回 Ardourの実力(前編)マルチトラック・レコーディング編:Ubuntu Weekly Recipe|gihyo.jp … 技術評論社
- 簡単な一通りの使い方説明→Ardourクイックスタート
画像やイラストの世界ではAdobeのPhotoshopやIllustratorが主流ですが 代替となるフリーソフトにGIMPやInkscapeというアプリがあるのをご存知 でしょうか。フリーとは思えないくらい高機能、高性能のものです。
ArdourはDAW版のGIMP・Inkscapeと言えるくらい高機能、高性能です。 音楽用に高価なMacやWindowsを購入して、さらに高価なProToolsや CUBASEなどを買わずに、同じようなクオリティの制作ができるなんて とても素敵です。
導入
ubuntu Studioには標準でバージョン4がインストールされてますから バージョン4であればインストール作業は必要ありません。
最新のバージョン5は本家サイトからダウンロードしてインストールします。 ただしバージョン5は有料です。体験版は無料ですが一定時間が経つと 音が出なくなります。ソースをダウンロードして自力でビルドすれば 無料で使えるそうですがLinuxの知識が必要です。ビルド済バイナリは 継続的な寄付か一時的な寄付をすることでダウンロードできます。
また事前にjackは設定しておきましょう。 私の設定はこちら を参照ください。
メリットとデメリット
Ardourのいいところ
オーディオの録音とミキシングは申し分ないです。後述のとおり プラグインも一通り揃ってますしオートメーションも使えるので本格的な ミキシングが可能です。オートメーションはフェーダーやパンニングのほか プラグインのパラメータも操作できます。
コントロールサーフェスも使えます。コントロールサーフェスの設定については またいつか書きます。
トラック数は私の経験上は16トラックくらいで各トラックに2~3個のプラグインを 入れても十分に動いてます。それ以上、特にプラグインを多用するとノイズや 遅延が目立つようになります。
トラックやプラグインを多用するときは録音の設定を低くするか「Freeze機能」を 使うことをお勧めします。
Freeze機能
いわゆるバウンスで、トラックやリージョンにプラグインやオートメーションの 処理をかけた状態とさせるものです。リアルタイム処理が重くなったら完成している トラックやリージョンをFreezeさせると処理が軽くなります。
Ardourの苦手なところ
MIDI周りは正直まだ完成度が高くないと思います。 てか、私はまだあまり使ってません。 少なくともバージョン4ではノートやイベントの細かい編集ができませんでした。 バージョン5でもMIDIファイルの読み込みでテンポや拍子がうまく読み込めません。 プログレだとこれが面倒なんですよね(笑)
ドラムやパーカッションの打ち込みはHydrogenとの併用がお勧めです。
私はKPROではキーボードパートはMacのLogicでMIDI録音したものを バウンス、メンバーからもオーディオファイルをもらってArdourで ミックスしています。
プラグイン
ubuntu Studio標準
Ardourというかubuntu Studioには標準でかなりたくさんのプラグインが インストールされます。多すぎて一度には把握できないくらいありますが Calf Studio Gearには音源やエフェクトの一通りが揃っているので 困ったときはCalf Studioを探せばよさそうです。
ubuntu向けのプラグイン
前の記事 にも書いたリストを再掲します。
- Loomer
- DISTRHO - Cross-Platform Audio Plugins
- Argotlunar by Michael Ourednik
- u-he Software Synthesizers and Effects
また最近これを見つけたのでリンクを貼っておきます。
Ardourのプラグインマネージャ
参考までに画面を貼っておきます。たくさんあることはお分かりいただけるかと。
Ardourのバージョン4と5の相違
Ardour5になってよくなったこと
VCAが使える
最近、主なDAWにも搭載された機能です。複数のトラックをまとめる機能ですが グループ化やバスセンドと違ってフェーダーのオートメーションなども使えます。
コントロールサーフェスの操作性向上
コントロールサーフェスからの操作でマーカー間を移動するのが格段に よくなり、特に巻き戻し方向への連続移動が可能です。また再生時の ちょっとしたモタりがなくなりました。早送り・巻き戻し時にテープの ような倍速移動も可能となっています。
ミキサーとエディタの画面の統合/分離が可能
バージョン4ではミキサー画面とエディタ画面は分離のみでしたがタブ式の 切り替えも可能です。右クリックで統合か分離かを選択できます。 ミキサー画面でも再生位置が確認・指定できるミニタイムラインがあります。
Ardour4のほうがよかったこと
無料
何といっても無料でフル機能が使えます。バージョン4でも十分と言えば 十分かもしれません。
トランスポートボタン
バージョン4は再生・停止などのトランスポートボタンが大きくて押し やすいです。またパネルをウィンドウから切り離すことができるので ミキサーやエディタウィンドウと独立させることができます。
ubuntuで使えるArdour以外のDAW
最後にubuntuで使えるArdour以外のDAWを挙げておきます。
有料ですが総合DAWです。私もバージョン9の体験版を少し使いました。 体験版では一定時間ごとにノイズが生成されます。
ubuntu Studioに標準で入っていて無料です。オーディオも扱えますが MIDIシーケンサとしての機能ががメインです。私もubuntuでMIDIで制作 するときはこれを使います。ただしMIDIファイル出力に少し問題があります。 このことはまたいつか書くつもりです。
ubuntu Studioに標準で入っていて無料です。EDM向きかな。 ドラムやベースのパターンを作ってループさせることが主な 使い方となるようです。