理性と感性の交差点

UbuntuとMacで音楽制作したときのメモ

ubuntuのDAW "Ardour"の紹介

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私が実際に使っているArdourの画面キャプチャ

概要

ググってもすぐ出てきますが概要は以下を参照ください。

画像やイラストの世界ではAdobePhotoshopIllustratorが主流ですが 代替となるフリーソフトGIMPInkscapeというアプリがあるのをご存知 でしょうか。フリーとは思えないくらい高機能、高性能のものです。

ArdourはDAW版のGIMPInkscapeと言えるくらい高機能、高性能です。 音楽用に高価なMacWindowsを購入して、さらに高価なProToolsCUBASEなどを買わずに、同じようなクオリティの制作ができるなんて とても素敵です。

導入

ubuntu Studioには標準でバージョン4がインストールされてますから バージョン4であればインストール作業は必要ありません。

最新のバージョン5は本家サイトからダウンロードしてインストールします。 ただしバージョン5は有料です。体験版は無料ですが一定時間が経つと 音が出なくなります。ソースをダウンロードして自力でビルドすれば 無料で使えるそうですがLinuxの知識が必要です。ビルド済バイナリは 継続的な寄付か一時的な寄付をすることでダウンロードできます。

また事前にjackは設定しておきましょう。 私の設定はこちら を参照ください。

メリットとデメリット

Ardourのいいところ

オーディオの録音とミキシングは申し分ないです。後述のとおり プラグインも一通り揃ってますしオートメーションも使えるので本格的な ミキシングが可能です。オートメーションはフェーダーやパンニングのほか プラグインのパラメータも操作できます。

コントロールサーフェスも使えます。コントロールサーフェスの設定については またいつか書きます。

トラック数は私の経験上は16トラックくらいで各トラックに2~3個のプラグインを 入れても十分に動いてます。それ以上、特にプラグインを多用するとノイズや 遅延が目立つようになります。

トラックやプラグインを多用するときは録音の設定を低くするか「Freeze機能」を 使うことをお勧めします。

Freeze機能

いわゆるバウンスで、トラックやリージョンにプラグインやオートメーションの 処理をかけた状態とさせるものです。リアルタイム処理が重くなったら完成している トラックやリージョンをFreezeさせると処理が軽くなります。

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Freezeをかけた画面。上がFreeze前、下がFreeze後。コンプがかかってます。

Ardourの苦手なところ

MIDI周りは正直まだ完成度が高くないと思います。 てか、私はまだあまり使ってません。 少なくともバージョン4ではノートやイベントの細かい編集ができませんでした。 バージョン5でもMIDIファイルの読み込みでテンポや拍子がうまく読み込めません。 プログレだとこれが面倒なんですよね(笑)

ドラムやパーカッションの打ち込みはHydrogenとの併用がお勧めです。

私はKPROではキーボードパートはMacのLogicでMIDI録音したものを バウンス、メンバーからもオーディオファイルをもらってArdourで ミックスしています。

プラグイン

ubuntu Studio標準

Ardourというかubuntu Studioには標準でかなりたくさんのプラグインが インストールされます。多すぎて一度には把握できないくらいありますが Calf Studio Gearには音源やエフェクトの一通りが揃っているので 困ったときはCalf Studioを探せばよさそうです。

ubuntu向けのプラグイン

前の記事 にも書いたリストを再掲します。

また最近これを見つけたのでリンクを貼っておきます。

Ardourのプラグインマネージャ

参考までに画面を貼っておきます。たくさんあることはお分かりいただけるかと。

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プラグインマネージャ画面。アルファベット順番でAのところ。たくさんあります。

Ardourのバージョン4と5の相違

Ardour5になってよくなったこと

VCAが使える

最近、主なDAWにも搭載された機能です。複数のトラックをまとめる機能ですが グループ化やバスセンドと違ってフェーダーのオートメーションなども使えます。

コントロールサーフェスの操作性向上

コントロールサーフェスからの操作でマーカー間を移動するのが格段に よくなり、特に巻き戻し方向への連続移動が可能です。また再生時の ちょっとしたモタりがなくなりました。早送り・巻き戻し時にテープの ような倍速移動も可能となっています。

ミキサーとエディタの画面の統合/分離が可能

バージョン4ではミキサー画面とエディタ画面は分離のみでしたがタブ式の 切り替えも可能です。右クリックで統合か分離かを選択できます。 ミキサー画面でも再生位置が確認・指定できるミニタイムラインがあります。

Ardour4のほうがよかったこと

無料

何といっても無料でフル機能が使えます。バージョン4でも十分と言えば 十分かもしれません。

トランスポートボタン

バージョン4は再生・停止などのトランスポートボタンが大きくて押し やすいです。またパネルをウィンドウから切り離すことができるので ミキサーやエディタウィンドウと独立させることができます。

ubuntuで使えるArdour以外のDAW

最後にubuntuで使えるArdour以外のDAWを挙げておきます。

有料ですが総合DAWです。私もバージョン9の体験版を少し使いました。 体験版では一定時間ごとにノイズが生成されます。

ubuntu Studioに標準で入っていて無料です。オーディオも扱えますが MIDIシーケンサとしての機能ががメインです。私もubuntuMIDIで制作 するときはこれを使います。ただしMIDIファイル出力に少し問題があります。 このことはまたいつか書くつもりです。

ubuntu Studioに標準で入っていて無料です。EDM向きかな。 ドラムやベースのパターンを作ってループさせることが主な 使い方となるようです。

WindowsMacでもお馴染みのDAWです。動作が軽快で人気がありますが 私は使用してません。

これもWindowsMacでもお馴染みのDAW。ライブからレコーディングまで 使えるそうです。私は使用してません。