豪グレートバリアリーフ、「危機遺産」指定回避 ユネスコが勧告

豪グレートバリアリーフ、「危機遺産」指定回避 ユネスコが勧告
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は1日、オーストラリアのサンゴ礁グレートバリアリーフについて、存続が危ぶまれる世界遺産「危機遺産」への指定を見送るよう勧告した。ケアンズで2019年10月撮影(2023年 ロイター/LUCAS JACKSON)
[シドニー 1日 ロイター] - 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は1日、オーストラリアのサンゴ礁グレートバリアリーフについて、存続が危ぶまれる世界遺産「危機遺産」への指定を見送るよう勧告した。
その上で、当地の生態系は公害や海洋温度上昇で依然「深刻な脅威」にさらされていると警告した。
グレートバリアリーフはオーストラリアに60億豪ドル(40億米ドル)余りの収入をもたらすとともに、6万4000人の雇用を支えている。危機遺産に指定されると世界遺産から除外される可能性があり、観光の魅力が薄れる恐れがあるため、同国は長年指定回避を働きかけている。
ユネスコは昨年11月、頻発するサンゴの白化現象を理由に危機遺産指定を勧告。しかし最新の報告では、豪政府による保全措置確約と初期対応を評価するとした。
アルバニージー首相は「今回の仮決定では、気候変動や水質、漁業の持続可能性で大幅な進歩が見られたと評価された」と説明。同時に、グレートバリアリーフの懸念が払拭されたわけではなく、指定回避を維持するには一段の努力が必要だと語った。

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