spモードメールのWi-Fi接続活用で通信料を節約

2011年6月29日 06:00
(石野純也)

 発表会のレポートなどをご覧になった方もいると思うが、「CommunicAsia」という展示会を取材するため、先週、4日ほどシンガポールに滞在した。日本からはドコモ版の「Xperia arc」を持って行き、国際ローミングで利用。同時に、海外出張のお供になっている「Nexus S」を持参し、現地のSIMカードを挿して使うことにした。

 現地では、シンガポール最大手の「SingTel」でプリペイドSIMカードを購入し、7S$(1S$=約65円とすると455円)で1GBとなるデータパックを、2GB分申し込んだ。深夜便で渡航したため空港に着いたのは早朝だったが、両替所がSIMカード売り場を兼ねていたおかげで、街中のショップが開くのを待つこともなかった。朝6時台でもプリペイドSIMカードを買えるのは、さすがハブ空港といったところだ。肝心の通信品質もよく、3Gが比較的高速で安定していた。GSMに接続し速度がガクンと落ちることはあったものの、使い物にならないというほどではない。4日間の滞在だったため、データパックは2GBで十分。Nexus Sのテザリング機能を活用し、PCやiPad 2のデータ通信もこの回線に集約していたが、途中でデータパックを追加購入する必要はなかった。意識的に動画などの大容量データを避けたことが、功を奏したようだ。

 ただ、Nexus Sをメイン端末にしてしまうと困ることもある。その1つが、spモードメールだ。spモードメールは、ドコモ端末にのみ対応しているため、当然ながらNexus Sでは利用できない。メールのためにXperia arcのデータローミングをオンしてもいいが、Androidだとほかの通信も一気に始まる可能性があり、気づかないうちに1日の上限に達してしまう。これでは、せっかく現地でSIMカードを調達した意味がない。そこで、Xperia arcとNexus Sの2台を、以下のように使い分けてみた。

Xperia arc 普段の番号での着信とspモードメール
Nexus S データ通信、現地での電話、国際電話、テザリング

 この端末構成なら、データ通信はNexus Sに一本化できる。spモードメールはWi-Fi接続に対応しており、Nexus Sのテザリングを経由すれば、データローミングがオフになったXperia arcでも送受信可能だ。なお、テザリング起動中は電池の減りが激しくなるため、必要な時だけオンにした。それでもよかったのは、spモードメールの着信通知を電話回線経由(SMSでプッシュされる)で受けられるため。この通知は国際ローミング中でも無料だ。メールが届いていることを確認した上でテザリングを使用し、本文や添付ファイルを受信すれば、データローミングの料金は一切かからない。

 結果として、現地でのデータ通信料は、上述したデータパック2GB分の14S$(約910円)で済んだ。端末が2台に分散してしまうため使い勝手は悪いが、海外パケ・ホーダイが4日間で1万1920円になる(20万パケット以上使った場合)ことを考えると、料金は“格安”だといえる。端末の準備や、現地でSIMカードを購入する程度の語学力は必要だが、節約しながら海外でも通信を楽しみたいという人にはオススメだ。もっとも、自分の場合はここで浮かせた以上の金額を、カジノに納めてしまったわけだが……(笑)。


やっぱり便利だケータイナビ

やっぱり便利だケータイナビ

2011年6月17日 06:00
(津田啓夢)
助手席ナビ

 平素より津田は、わりとフラフラしている。どれぐらいフラフラしているかというと、洗車したついでに京都に行ってしまったり、スーパーマーケットに行くつもりで寺泊(新潟県)に行ってしまったりするぐらいなので、「わりと」と言って差し支えないレベルだろう。

 基本的に何も決めずに出かけるのだが、そんなとき役に立ちまくっているのが、「助手席ナビ」と「EZナビウォーク」だ。先週末、車で松戸(千葉県)に行った帰り、ほとんど訪れたことのない町屋(東京都荒川区)を通った。たまたま路面電車を見かけ、町屋が都電荒川線の出発駅であることを知ると、とたんに好奇心がうずき出した。うずき出したら止まらない、「Somebody stop me!(誰か止めて!)」と思いつつも、実際に停めたのは車の方であり、結局、町屋から終点の早稲田(新宿区)まで電車に乗ってしまった。

 そのまま引き返し、途中の滝野川一丁目駅で下車すると、今度は徒歩で「霜降銀座商店街」を練り歩き、友人のラーメン屋さんに向かった。電車乗車中にたまたまラーメン屋が近いをこと知ったから向かってみることにしたのだ。美味しいラーメンを食べ、駒込駅から電車と地下鉄を乗り継いで町屋に戻った。

 ここまで全然ケータイの話が出ていない! のだが、フラフラした一連の行程を成立させているのは、まぎれもなく助手席ナビとEZナビウォークだった。そもそも、松戸にも「G11」の助手席ナビで向かっており、町屋駅周辺でコインパーキングを探したのも、助手席ナビである。安いコインパーキングは駅まで少し距離があったのでEZナビウォークを使ったし、電車の中では助手席ナビの「My地点」を登録した。面白そうなものがあれば、いつか行けるように登録しておいたのだ。滝野川一丁目駅からラーメン屋までの数kmの道のり、そしてラーメン屋から町屋までの徒歩と駅の乗り換えルートもEZナビウォークである。

 片手で操作しやすいケータイは、ナビサービスにとても向いている。大きな画面で地図を確認するのはスマートフォンが便利なのだが、何度も場所を確認したり、途中でTwitterやFacebookを使ったりと考えると、正直言ってバッテリーが不安だ。アプリリニューアルによって、助手席ナビの案内もかなりカーナビらしくなった。“フラフラ”するのはお好きな方だけとしても(笑)、ケータイのナビサービスはまだまだ使える現役選手なのである。

EZナビウォークでルートを検索 ラーメン

 


続・Xperia arcをひかり電話の子機にする

続・Xperia arcをひかり電話の子機にする

2011年6月10日 06:00
(石野純也)

 5月23日に掲載された「Xperia arcをひかり電話の子機にする」に、自分の予想をはるかに上回る反響をいただいた。ウケがよかったネタは飽きられるまで掘り下げるのが基本(笑)。というわけで、本日の「みんなのケータイ」では、あの記事に盛り込み切れなかった“外出先でのひかり電話”を紹介していきたい。

ショートカットとウィジェットでVPN接続の手順を省略

 前回は、焦点を絞るためあえて自宅内での子機設定に話をとどめていたが、もちろん、VPNを経由すれば外出先でもひかり電話の番号で発信が可能だ。この場合、ドコモのspモードではPPTPなどのVPN接続ができないため、同時に契約しているmopera UにAPNを変える必要がある。APNを切り替えてからVPNで接続するという一連の流れは、設定メニューから行うのが少々面倒。以前紹介したようにウィジェットやショートカットを駆使して、極力手間を省きたい。なお、この際に利用していた「ApnSwitcher(Beta)」は、Androidマーケットから消えてしまったようだ。Xperia arcを購入した3月時点でも見つからなかったため、前回簡単に紹介した「Shorty」というアプリでANP設定へのショートカットを作って、ウィジェットの代わりにしている。

 VPN接続が終わったら、あとは自宅内にいる時と同じように「インターネット通話(SIP)アカウント」を開き、「着信を受ける」にチェックをつければよい。これだけで、3G回線を使って外出先からひかり電話のルーターにアクセスできる。実際、3G経由でひかり電話を発信してみたところ、ちゃんと固定電話の番号が着信側に表示された。ただ、自宅でWi-Fiに接続している時より音声の遅延が大きくノイズも多いため話しづらい。回線の状況にもよるが、ケータイの音声通話のような品質は、期待しない方がよさそうだ。VPN接続を継続しながら着信を受ける設定にしていると電池の消費も激しくなるため、実用的とはいいがたい気がする。Wi-Fi接続なら音質もそれなりだが、公衆無線LANだと発着信できるエリアがかなり狭くなってしまう。このように考えると、外出先にいてどうしても固定電話の番号で発信しなければならない事情がある時など、利用シーンは限定されそうだ。ちょっとしたアリバイ工作にはなるかもしれないが……(笑)。一方で、海外にいながらにして国内発信ができるというのは料金的な魅力が大きいので、出張の機会があればぜひ試してみたい。また、ひかり電話は回線とセットのサービスだが、IP電話だけを単体で提供している会社もある。これらとXperia arcなどのAndroid 2.3端末を組み合わせるのも、面白そうだ。

3Gのネットワーク経由でひかり電話の登録ができた 自分のiPhone 4に発信してみたところ

 なお、Android 2.2以下やiPhoneの場合は、アプリでインターネット電話を実現できる。AndroidマーケットやApp Storeにアクセスし、「SIP」でキーワード検索すれば、いくつかのアプリが見つかるはずだ。ここでは詳細まで踏み込まないが、いくつかのアプリではきちんと発着信できた。これらの端末をお持ちの人は、ぜひ試してみてほしい。