セキュリティソフトの選び方
個人情報がつまったパソコンやスマートフォンの安全を守るために必要な「セキュリティソフト」。ここでは、対応OSや更新期限、インストール可能台数など、セキュリティソフトを選ぶ際のポイントを解説します。
2024/2/21 更新
セキュリティソフトのもっとも重要な役割は、パソコンやスマートフォンの安全を守ること。パソコンやスマートフォンに害を及ぼすプログラムの駆除や侵入防止、外部からの不正アクセスのブロック、不要なメールの除去などが主な機能です。そのほかにも、個人情報保護などの付加機能を搭載するソフトもラインアップされています。
パソコンやスマートフォンの動作に支障をきたすコンピュータウイルスなど、「マルウェア」と呼ばれる有害なプログラムをブロック・駆除します。未知のマルウェアを処理できる「ヒューリスティックスキャン」に対応するソフトも増えています。
インターネットに接続したパソコンやスマートフォンは、常に外部の脅威にさらされています。セキュリティソフトに付属するファイアウォールはパソコンやスマートフォンの通信を監視し、外部からの攻撃や不正なデータの送信等を防ぐことができます。
「迷惑メール」を意味するスパムメールには、不要な広告だけでなく、個人情報を盗み、財産も脅かす「フィッシングメール」も存在しています。セキュリティソフトは、そのような迷惑メールを検出し、指定のフォルダへ自動で振り分けることが可能です。
かつては、セキュリティソフトといえば、WindowsとMac OS向けがほとんどでしたが、スマートフォンをターゲットにしたマルウェアも増大した今、Android向け端末に対応するソフトも多数登場しています。セキュリティソフトを購入する際には、手持ちの端末にインストール可能な製品を選びましょう。
世界中でもっともシェアの高いOSだけに、Windowsをターゲットにしたマルウェアは多数確認されています。それだけにセキュリティソフトの需要は高く、種類も豊富。各社が競うようにして機能を充実させています。
かつて、Mac OS向けのマルウェアは存在せず、「Macのパソコンはセキュリティソフトは不要」だと言われていた時期もありました。しかし、iPhoneの普及にともない、パソコン市場でのMacのシェアが拡大。セキュリティ対策の必要性が高まっています。
MacやiPhoneのiOSと比べ、Androidは扱えるファイルやアプリの入手元が多岐にわたり、マルウェアの侵入や外部からの攻撃を受けやすい仕様になっています。大切な情報を保護するには、セキュリティソフトを導入することが望ましいでしょう。
ほとんどのセキュリティソフトは契約期間が決まっており、終了後は、新たなマルウェアに対応できません。契約更新は有料なので、気に入ったセキュリティソフトがあれば、期間が長い製品を選ぶのがお得です。
パッケージ版は、インストールディスクが手元に残るため、安心感が得られます。ただし、価格はダウンロード版と比べて高くなります。
インターネット環境さえあれば、必要なときにすぐに購入できます。また、パッケージ版と比較すると価格も安くなります。
ESETシリーズは、「高いウイルス検出率」と「軽快な動作」が特長。少ないメモリー使用量で動作し、パソコンへの負担を最小限に抑えてくれるため、メモリー搭載量が少ないパソコンやネットブックに最適です。
AI技術を搭載した高い防御力とクラウド技術により、パソコンやスマートフォンにかかる負荷が軽いことが特長の「ウイルスバスター」シリーズ。最新モデルではモバイルを標的にしたフィッシング、詐欺SMS対策が強化されています。
セキュリティ業界の標準として認められているソフト。マルウェア対策、脅威の早期発見、個人情報保護など、多彩なセキュリティ機能を搭載しており、複数台に導入可能なマルチデバイス版など、ラインアップも豊富です。
第三者機関による調査で、高いウイルス駆除精度の評価を受けるセキュリティソフトです。ファイアウォールや個人情報保護なども強力で、総合的にパソコンの安全性を高めたいユーザーは要チェックです。動作の軽快さにも定評があります。
契約更新や継続料が不要で、端末の固定もないので将来のOSでも使用できます。近年増加傾向にある身代金ウイルスにも対応し、機能面も安心。使いやすいメイン画面で、製品やパソコンの状態から設定までがひと目でわかります。ランサムウェアへの防御力が強化されている点も魅力。
パソコンのシステムや作成したファイルのコピーを作成し、万が一の時に復旧できる機能です。バックアップ先として外付けHDDなどのほか、インターネット上のストレージ(クラウド)を選択できる製品もあります。
システムを調整することで、パソコンの反応速度を改善する機能です。初心者が手動で行うには危険のともなうシステム設定を、簡単な操作でカスタマイズできます。パソコンやスマートフォンの操作性を向上させたい人に適しています。
子どもに見せたくないサイトをブロックする機能です。具体的には、アダルトサイトやギャンブルサイトなど、教育上ふさわしくないサイトを非表示にします。パソコンの使用時間を制限する機能を搭載するソフトもあります。
フィッシングとは、銀行やショッピングサイトを偽ったメールを送り、言葉巧みにパスワードなどを盗み取ろうとする詐欺の手法です。セキュリティソフトではデータベースを基に、フィッシングメールを検出しブロックします。
クレジットカードナンバーや電話番号などの個人情報をあらかじめ登録しておくことにより、それらの情報が外部に不正送信されることを防ぎます。
従来どおり、マルウェアの検出や駆除などの機能を利用できます。
ただし、データベースがアップデートされないので、最新の脅威を排除することができません。
iPhoneが搭載するiOS向けアプリは、すべてアップルによる審査を通過しているため、マルウェアが混入する心配はほぼありません。
しかし、フィッシングサイトや詐欺サイトに騙されるヒューマンエラーが発生する恐れはありますので、導入するのが望ましいでしょう。
クラウドストレージ
インターネット上にデータを保存するサービスです。セキュリティソフトでは、データのバックアップに利用します。
フィッシング
銀行やショッピングサイトなどの偽サイトをつくり、IDやパスワードを盗み取る詐欺です。主にメールを利用して、フィッシングサイトへの誘導を図ります。
ランサムウェア
2013年以降、猛威を振るうマルウェアです。ランサム(身代金)の名前のとおり、パソコンをロックし、解放を望むユーザーに金銭を振り込ませるプログラムです。ランサムウェアを防ぐには、対応する機能を搭載したセキュリティソフトが必要です。