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本当にお得なの? NTTドコモの「スマホおかえしプログラム」を徹底解説

NTTドコモは、2019年5月16日に、新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」に対応する新しい端末購入補助「スマホおかえしプログラム」を発表した。すでにその概要は紹介しているが、ここではより詳細な情報や、利用する際の注意点を解説しよう。

2年後に返却すれば、端末料金を2/3に抑えられる

NTTドコモは、スマートフォンの端末価格と通信料金の分離にともない、2019年5月31日に従来の「月々サポート」や「端末購入サポート」といった、回線契約を前提にした端末購入補助の新規受付を終了する。その代わりとして6月1日から登場するのが、「スマホおかえしプログラム」だ。

「スマホおかえしプログラム」は、36回の分割払い(金利・手数料なし)で対象のスマートフォンを購入した場合、1〜24回分を支払った時点でNTTドコモに返却すると、最大で12回分の分割払いの残債が免除されるというものだ。端末の購入価格を最大で端末価格の2/3に抑えられ、ちょうど2年間隔で端末を買い換えるような場合にもっともおトクとなる。

「スマホおかえしプログラム」は、端末価格と通信料金を分離させた新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」の利用を想定したものだが、従来の「カケホーダイ&パケあえる」といった旧料金プランのユーザーが、6月1日以降にスマートフォンを購入する場合に、「月々サポート」や「端末購入サポート」の替わりとしても使われる。

「スマホおかえしプログラム」は、端末価格の債務が最大1/3免除されるが、手元に端末が残らない。端末の価格に限って見れば、割引率も高く端末が手元に残る従来の「月々サポート」や「端末購入サポート」のほうが、おトクに感じられる。だが、NTTドコモの試算では、月間30GBの通信契約と、ソニー「Xperia XZ3」を2年間使ったうえで下取りに出した場合のトータルコストを、新旧の料金プランで比較すると、新料金「ギガホ」+「スマホおかえしプログラム」の組み合わせのほうが約30,000円安くなるとしている。

なお、、先日NTTドコモのユーザーサポートページ「My docomo」で公開された新旧料金の比較シミュレーター「しっかり料金シミュレーション」を使うことで、現状の料金プランとの比較が簡単に行える。

「スマホおかえしプログラム」は、次の端末の買い換えが必要ない点や、途中で回線の解約が行える点が、auの「アップグレードプログラムEX/EX(a)」や、ソフトバンク「半額サポート」などの類似サービスと異なる

6月1日以降、端末は一括払い、12回払い、24回払い、36回払いという4種類の支払い方法が選べるようになるが、「スマホおかえしプログラム」はそのうち36回払いのみに対応する

月間通信容量30GBで「Xperia XZ3」を2年後に端末を下取りに出す場合、2年間にかかったトータルコストを新旧の料金プランで比較すると、通信料金では新料金の「ギガホ」が約60,000円のコストダウンとなり、端末価格は約30,000円のコストアップとなる。差し引き30,000円の値下げとなる計算だ

特定の端末を選ぶことで月額1,500円の割引を永続して受けられる「docomo with」と「スマホおかえしプログラム」を組み合わせることもできる。これは、docomo withの継続条件として、docomo withの対応端末を継続して購入する場合のほか、「月々サポートや端末購入サポートなどの端末購入補助を利用せず、定価で端末を購入した場合もdocomo withの割引が継続する」というものがあり、これに当てはまるためだ。

筆者の契約で新しい料金シミュレーター「しっかり料金シミュレーション」を試した結果。「月々サポート」が適用期間内であれば、旧料金のほうが月額で2,700円お得という結果となった

対象はハイエンドモデルのみ。iPhoneも利用可能

「スマホおかえしプログラム」は、基本的に以下に掲載するスマートフォンが対象となっており、いずれも高価なハイエンドモデルに限られている。なお、当初の情報では、iPhoneシリーズが含まれていなかったが、先日公開された情報でiPhoneシリーズも含まれることが判明した。なお、6月1日以降の端末価格は、従来の一括払いの端末料金と同じではない場合がある。

iPhoneシリーズ
iPhone XS
iPhone XS Max
iPhone XR
iPhone X
iPhone 8
iPhone 8 Plus

2019年夏モデル(最新モデル)
Xperia 1 SO-03L
Galaxy S10 SC-03L
Galaxy S10+ SC-04L
Galaxy S10+ Olympic Games Edition SC-05L
AQUOS R3 SH-04L
HUAWEI P30 Pro HW-02L(予約受付停止中)

2018-2019冬春モデル
Xperia XZ3 SO-01L
Galaxy Note9 SC-01L
Google Pixel 3
Google Pixel 3 XL

2018夏モデル
Xperia XZ2 Premium SO-04K
Xperia XZ2 SO-03K
Xperia XZ2 Compact SO-05K
AQUOS R2 SH-03K
HUAWEI P20 Pro HW-01K
Galaxy S9 SC-02K
Galaxy S9+ SC-03K

2017-2018冬春モデル
Xperia XZ1 SO-01K
Xperia XZ1 Compact SO-02K
Galaxy Note8 SC-01K
arrows NX F-01K
M Z-01K
V30+ L-01K
JOJO L-02K

「スマホおかえしプログラム」の注意点

総じて、要求される条件が少なく、仕組みもシンプルな「スマホおかえしプログラム」だが、注意点もいくつか存在する。

返却せず使い続けることも可能

「スマホおかえしプログラム」を契約したものの、スマホを返却せずに支払いを完済することは当然可能である。

契約できるのは端末購入のタイミングのみ

「スマホおかえしプログラム」は端末を購入した時点でのみ契約できる。購入後に改めて契約するとか、分割払い中の端末に適用させるといったことはできない。

破損などが理由で引き取りの際に追加料金が発生する場合がある

端末代金の残額が免除されるためには、端末を返却する際、故障、水濡れ、著しい外観破損および画面割れがないことや、NTTドコモの用意する査定基準をクリアしていることが必要だ。査定基準をクリアしていない場合、故障時利用料の20,000円(税別)を支払う必要がある。なお、「ケータイ補償サービス」または「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」に加入している場合、支払額は2,000円(税別)となる。

田中 巧(編集部)
Writer / Editor
田中 巧(編集部)
通信を中心にしたIT系を主に担当。Androidを中心にしたスマートデバイスおよびその周辺機器には特に注力しており、対象となる端末はほぼすべて何らかの形で使用している。
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