レビュー

リモコン&Google TVが使い勝手よすぎ! 「Chromecast with Google TV」レビュー

Googleから2020年11月25日に発売された「Chromecast with Google TV」は、スマートフォンのコンテンツをストリーミング再生する従来のシリーズから脱却し、リモコンで「Google TV」を操作するという新しい製品へと生まれ変わりました。今回は、この「Chromecast with Google TV」、そして「Google TV」の使い勝手をレビューします。

リモコン&「Google TV」対応で従来シリーズから使い勝手が大幅アップ

リモコン&「Google TV」対応で従来シリーズから使い勝手が大幅アップ

リモコンにより操作の快適性が超絶アップ

従来の「Chromecast」シリーズは、写真や動画、YouTubeやNetflixのコンテンツをスマートフォンから選んで、それをテレビやディスプレイにストリーミング再生するという仕様を採用していました。

しかし、「Chromecast with Google TV」は、「Google TV」というサービスをリモコンで操作するというまったく違う形へと進化しました。

本体は、Googleのほかのハードウェア製品と同様に、ミニマルながらもやわらかで、どこかあたたかみのあるデザイン。レビューで試したSnow(白)以外に、Sky(水色)とSunrise(オレンジ)が用意されています

本体は、Googleのほかのハードウェア製品と同様に、ミニマルながらもやわらかで、どこかあたたかみのあるデザイン。レビューで試したSnow(白)以外に、Sky(水色)とSunrise(オレンジ)が用意されています

第2世代Chromecastと比べると、サイズは若干大きくなりました

第2世代Chromecastと比べると、サイズは若干大きくなりました

使い方は従来シリーズと同様に、テレビやディスプレイのHDMIポートに差し込み、電源ケーブルを接続するだけです

使い方は従来シリーズと同様に、テレビやディスプレイのHDMIポートに差し込み、電源ケーブルを接続するだけです

リモコンは手のひらにすっぽりと収まるコンパクトなサイズで、ホームボタンやGoogleアシスタントボタン、そしてNetflix、YouTubeを一発で起動するボタンなどを搭載。さらには、設定こそ必要なものの、テレビの電源ボタン、音量調節ボタン、入力切り替えボタンを備えています。対応テレビやスピーカーはメジャーからマイナーに至るまで多数のメーカーに対応しており、よほどのことがない限り、自宅に設置しているものに対応するはず。このリモコンだけで、「Google TV」の操作だけでなく、テレビやスピーカーの操作まで行えるというわけです。

手のひらサイズのリモコン

手のひらサイズのリモコン

上部にある円形のボタンが決定ボタン。その下に、戻る、Googleアシスタント起動、ホーム、ミュート、YouTube、Netflix、電源、入力切替ボタンが並びます。音量調節ボタンは本体側面に搭載

上部にある円形のボタンが決定ボタン。その下に、戻る、Googleアシスタント起動、ホーム、ミュート、YouTube、Netflix、電源、入力切替ボタンが並びます。音量調節ボタンは本体側面に搭載

リモコンが加わっただけなのですが、1週間ほど利用していてそのメリットは非常に大きいと感じました。テレビを起動して音量調節、そしてコンテンツの選択までリモコンを操作するだけでOK。シリーズもののアニメやドラマを見ているとき、「イントロをスキップする」「次のエピソードを見る」といった操作がリモコンから行えます。

従来シリーズだと、スマホをアンロックしてアプリを起動して……と思ったらうまく動作しなくてもう一度キャストしなおし……ということが多々あり、非常にストレスだったのですが、「Chromecast with Google TV」ならリモコンのボタンを押すだけでOKなので、めちゃくちゃ快適です。

リモコンでの操作は、スマートフォンで操作する従来シリーズよりはるかにスムーズで快適

リモコンでの操作は、スマートフォンで操作する従来シリーズよりはるかにスムーズで快適

また、動画の閲覧中に早送りしたいとき、従来シリーズはアプリによってはスライドバーをタップ操作で調節する必要があり、ちょうどいいとこでスライドバーを止められないなんてこともあります。これも、リモコンのボタンで10秒送りできるので、ものすごく快適になりました。

これまでは「スマホから操作するほうがスマートだし便利」と思っていた筆者も、今では「リモコンなしの生活に戻ることは無理」と感じられるほど、リモコンの利便性は高いと感じました。

複数サービスを横断検索できる「Google TV」

「Chromecast with Google TV」のもうひとつの特徴は、先述の「Google TV」を利用できることです。これは、言ってしまえばアップル「Apple TV」やアマゾン「Fire TV」のGoogle版というもの。大きく違うのは、「Google TV」は多数ある動画サービスから横断検索できるという点です。

「Google TV」のホーム画面には、ユーザーに適したコンテンツが紹介されていますが、これらはNetflixやAmazonプライムビデオ、Huluなど多数のサービスの中からピックアップされたもの。普通は、NetflixのコンテンツはNetflixで、AmazonプライムビデオのコンテンツはAmazonプライムビデオで視聴するというように、それぞれのサービスごとに動画を選んで視聴するのが当たり前だったのですが、「Google TV」は多数のサービスを横断検索できるのが特徴です。

「Google TV」のホーム画面(おすすめ)。上部に検索、おすすめ、映画、番組、アプリ、ライブラリのメニューが並び、その下にそれぞれに対応するコンテンツが表示されるデザイン

「Google TV」のホーム画面(おすすめ)。上部に検索、おすすめ、映画、番組、アプリ、ライブラリのメニューが並び、その下にそれぞれに対応するコンテンツが表示されるデザイン

ホーム画面から直接コンテンツを選ぶほか、別個にアプリを起動してコンテンツを探すこともできます

ホーム画面から直接コンテンツを選ぶほか、別個にアプリを起動してコンテンツを探すこともできます

たとえば、筆者の「Google TV」の「おすすめ」には、NetflixやAmazonプライム、AbemaTVなどからピックアップされた作品が並んでいます。特定の作品を横断検索することも可能です。見たいものが契約中のサービスで配信されていれば、そのままスムーズに視聴できますし、契約していないサービスで配信されている場合は、「契約して視聴」「レンタル」「購入」などにナビゲートしてくれます。

ホーム画面から選んだコンテンツは、その直下にキャストやスタッフ、類似作品、同ジャンルのコンテンツが表示されます。出演俳優や監督に関連したほかの作品にアクセスすることができます

ホーム画面から選んだコンテンツは、その直下にキャストやスタッフ、類似作品、同ジャンルのコンテンツが表示されます。出演俳優や監督に関連したほかの作品にアクセスすることができます

契約しているサービス以外で配信されている作品に関しては、その作品の視聴方法を提示してくれます

契約しているサービス以外で配信されている作品に関しては、その作品の視聴方法を提示してくれます

筆者が気に入ったのは「観たいものリスト」を作成できる機能です。これは、サービスをまたがって観たいコンテンツのリストを作れる機能で、今までは、サービスごとにリストを作っていたので、非常に助かっています。「観たかったあの動画はどこで配信されてたっけ?」とアプリ内を探す必要がない、というわけです。

複数のサービスにまたがって作成できる「観たいものリスト」が非常に便利

複数のサービスにまたがって作成できる「観たいものリスト」が非常に便利

また、テレビの大画面からコンテンツを選ぶというUIは、これまでスマホで行っていたのとはまったく異なる体験を与えてくれます。家族で何を見ようか相談しているとき、従来シリーズだと、スマートフォンで見つけたコンテンツを口頭で説明していましたが、「Chromecast with Google TV」だと大きな画面で一緒に確認しながらコンテンツを選べます。もちろん、従来シリーズのようにスマートフォンでコンテンツを選んで、それをストリーミング再生することも可能です。

1週間ほど使用してみて、従来シリーズから乗り換えるべき!というくらい気に入ったのですが、気になった点もいくつかあります。なぜかNetflixオリジナルの作品を「観たいものリスト」に追加できなかったり、スマホからストリーミング再生した場合にスマホから音量調節することができなくなっていたり、スマホの通知バーのChromecastの表示が文字化けしたりなど。こういった細かい点は今後のアップデートでの改善に期待です。

そして、絶対に改善してほしいのが、複数アカウントの対応とペアレンタルコントロールです。現状、「Google TV」はひとつのGoogleアカウントしか登録できません。そのため、自分以外の家族や友人が利用する場合に、おすすめや視聴リストが丸見えになってしまいます。また、ペアレンタルコントロールや子ども用アカウントの設定がないため、子どもが勝手に操作して映画を購入することができてしまい、こちらもユーザーとして不安な点です。

このような気になる点はあるものの、現在Chromecastを利用しているユーザーは乗り換えて後悔はしないでしょう。今までと同じことができるうえに、リモコンや「Google TV」が加わったことで、利便性は格段にアップしています。7,600円(税込)という価格ながら、4K/HDR/HDR10/10+/Dolby Vision、Dolby Atmosなど最新の映像とサウンド規格に対応している点も見逃せません。気になる人は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

水川悠士(編集部)
Writer / Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
AVアクセサリーのその他のカテゴリー
ページトップへ戻る