雷乃収声-秋へ-|吉祥のレン公式オンライン
春分の末候に「雷乃発声 (かみなりすなわちこえをはっす)」という候があります。
今回の候はそれの対になります。
「雷乃収声」は、七十二候が秋分の初候に変わり、春から夏にかけて鳴り響いた雷が収まる頃を意味します。
皆様は「雷」と聞くと夏を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実は「雷」は夏の季語、「稲妻」は秋の季語なんです、ご存知でしたか?
春分に鳴り始め、秋分に収まる雷、それは稲が育っていく時期。
その為昔の人は稲妻が稲を実らせると考えました。
落雷した田では、稲が良く育ったため、稲穂は雷に感光して実るとされ、そこから稲の「妻」、すなわち「稲妻」と呼ばれるようになりました。
こうして見ると稲妻が秋の季語なのも納得です。
また、稲妻には「家を守護する」という意味もあります。
その為、稲妻模様が描かれた物を父親へ贈る方も少なくはありません。
夏の間、夕立とともに鳴り響いた雷鳴は、この頃になると鳴りを潜め、夏の終わりを告げる…。
秋分の日を告げるのが「雷乃収声」というのは、とても儚美ですよね。
夏の力強い雷とは違う、儚げな雷鳴は秋の風物詩の1つかもしれません。
いよいよ本格的秋の始まりです。