Windowsでスリープしなくなった…どうして? 解決法を紹介

2017/03/23

Windowsでスリープに移行しなくなった……そんな経験はないだろうか。原因究明のため調べてみても、いまいち解決策をまとめているサイトが見当たらない。そこで、復旧に向けて試してほしい方法と、意外に見落としがちな対策をまとめる。

◆スリープ設定の見直しが原因究明への第一歩

自分が設定している時間が経ったにもかかわらず、スリープ状態にならない現象が起きることがある。

実際、筆者も最近、急に同様の事態に陥ったのだが、原因を突き止めるのに悪戦苦闘。というのも、いったい何が悪いのかが、一見するとわかりにくいからだ。では、どうすればいいのか。

“Windows・スリープにならない問題”を解決するにはいくつか方法があり、まず最初に試してほしいのが、「Windowsの設定を見直し」という手段。

なお、今回紹介する方法はWindows10環境で実施したものだが、Windows7などでも試したことがあり効果を確認しているので、それほど古いWindowsでなければおおむね通用するはず。

設定の見直しはもっとも基本的な方法だが、自分がきちんとスリープ設定をしている、と思い込んでいる場合もあり、意外にすんなりと直ってしまうことも。

(1)「設定」→「システム」→「電源とスリープ」
(2)デスクトップの何もないところで右クリック→「ディスプレイ設定」→「電源とスリープ」

(1)または(2)いずれかの操作でスリープ設定の確認が可能。ここで「スリープ」の下にあるプルダウンメニューで、しっかり意図した時間が選ばれているかをチェックしよう。もし「なし」となっているようなら、選択肢の中から任意の時間を選べばスリープ設定が完了する。

ノートPCの場合はデスクトップと違い、スリープ設定が「電源に接続時」と「バッテリー駆動時」の2種類あるため、両方ともに時間設定の確認を忘れずに。

◆PC遠隔操作を機能させるアダプターが不要ならオフに!

スリープ設定に問題がないようなら、次は「Wake on LAN(ウェイク オン ラン)」機能に注目してほしい。

この機能は簡単に言うと、「ネットワーク経由でPCを遠隔操作」するもので、この機能が反応してしまうことでスリープが気付かないうちに解除され、見た目上“スリープに移行していない”との判断になるケースもよくある(※Microsoftサポートのページでも言及あり)。

解決方法はいたって簡単で、遠隔操作機能が必要ないのであれば、同機能をオフにしてしまえばいいだけ。

(1)スタートメニューを右クリックし「デバイスマネージャー」を開く(※Windows7は「コンピューター」を右クリック→「プロパティ」を選択)
(2)一覧の中から「ネットワークアダプター」→「Realtek PCIe GBE Family Controller」を選択(※「PCI-E Gigabit Ethernet Controller」の場合も)
(3)右クリックorダブルクリックで「電源の管理」を開き、「このデバイスで、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする」のチェックをはずす

以上の手順を終えたら、しっかり「OK」ボタンを押して設定変更を“適用”させること。その後、スリープに移行したらしばらく待ち、解除されなければ問題は解決となる。

◆コマンドプロンプトでスリープ阻害の要因を特定しよう

次は少しだけ難易度が上がるが、「コマンドプロンプト」を使って原因を探る方法を紹介する。コマンドプロンプトを起動して、下記の命令文をコピペしてもらうだけなのでそれほど難しくはないが、どうしても不安という人は、この方法は使わない方がいいかもしれない。

コマンドプロントはスタートメニューを右クリックして出てくるメニューの中にあるが、このとき「コマンドプロンプト(管理者)」と書かれている方を選択すること。

起動させたら「powercfg /requests」を入力してEnterキーを押す。するとPC内でスリープを阻害しているシステムなどがないかの調査が行われ、結果を表示。項目には

・DISPLAY:「ディスプレイの電源を切る」を妨害している要因
・SYSTEM:「PCをスリープ状態にする」を妨害している要因
・AWAYMODE:「退席中モード」を妨害している要因

という3種類あり、何か表示されていた場合はそれがスリープへの移行を阻んでいる原因となる。つまり、全項目が「なし」という結果であれば、正常にスリープ状態が作動することになるのだ。

筆者の場合、SYSTEMの項目に

[DRIVER] FileSystemsrvnet
アクティブなリモートクライアントが、このコンピューターに最近要求を送信しました。

といった表示が確認された。ほかにもよくある要因として、「現在 1 つのオーディオ ストリームが使用中です」などもある模様。これらを解決するには、問題となっている要因をオフにしてしまえばよく、

powercfg -requestsoverride DRIVER srvnet SYSTEM

などのように「powercfg -requestsoverride」という命令文の後に、阻害要因となっているプロセス名(※筆者の場合なら上記のように「DRIVER srvnet SYSTEM」)を記入して実行すればOK。

完了後は、「powercfg -requestsoverride」という命令文を入れることで、変更が反映されたかの確認ができる。

◆マウスによるスリープ解除をオフにするのも有効!

このあたりまでくれば大半のパターンに該当し、スリープ問題は解決できていると思うが、いずれの手順を行っても解消できないこともあり、筆者が実にそれだった。

そんなときふと思い浮かんだ解決法が、スリープが正しく動作できる環境であるかということ。

そもそも「音楽を再生している」「動画を視聴している」「アプリケーションが動作している」など、何らかのアクションがあるとスリープには移行しない。その中で意外に見落としがちなのがマウスの「電源の管理」だ。

マウスやキーボードをきっかけにスリープから復旧できるのだが、有線だろうが無線だろうが、マウスが少しでも反応していると、スリープが解除されてしまう。そのためスリープが上手く使えないことに。

解消するには「デバイスマネージャー」→「マウスとそのほかのポインティングデバイス」と進み、使用しているマウスをダブルクリック。表示されたメニューから「電源の管理」を選び、「このデバイスで、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする」のチェックをはずせばいい。

これでマウスによるスリープからの復旧はできなくなり、少し不便な面もあるかもしれないが、意図しないスリープ解除の防止になる。

今回紹介したいずれかの方法を試せば、スリープ問題は解消できるはず。原因がわからず困った……という人は、是非お試しを!

※記事内容は2017年3月現在の情報を基に作成。

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