フランスの春

草木が緑に染まり、太陽の光が降り注ぐ季節となりました。窓を開けたら、春の新鮮な空気が入ってきて、気持ちのいい瞬間。冬の曇り空から解放され、不思議と気持ちが前向きになります。そんなフランスの春は、お掃除の季節と言われ、この時期大掃除をするのがフランス人の習慣となっています。日本とは違う、そんなフランスのお掃除法をご紹介します。

年末ではないフランスの大掃除

窓掃除

お正月を迎えるために日本では年末に大掃除するのが習慣となっていますが、フランスは春が大掃除の季節。春になると太陽の光が、部屋を明るく照らしてくれるので、冬の間は気づかなかった汚れなんかが目に入ります。「こんなところが汚れてたのか。ここにも埃が溜まっている。」などと、冬の間気づかなかった汚さに驚くことがあるほどです。そのせいでしょうか、春になると、不思議と大掃除をしなきゃという気分になるのです。それに、この季節は窓を全開にしてお掃除ができるので、家中に新鮮な空気が充満するよう。春のフレッシュな風と共に部屋を綺麗にすると、気持ちがリフレッシュされるように感じるのです。

またこの季節は、Vide grenier(ヴィッド・グルニエ)が開催されます。 Vide grenierとは、屋根裏をからっぽにするという意味。処分したいものを大放出するフリーマーケットのようなものです。大掃除で処分したいものを分別し、 Vide grenierで出す。近年フランスでは Vide grenierがブームになっていて、春から秋にかけてどこかしらで Vide grenierが開催されています。ブロカントよりも安価でいいものを見つけることができる!という人もいるほどです。

フランスの掃除法

フランスのナチュラルクリーニング洗剤売り場
フランスのナチュラルクリーニング洗剤売り場。自分で調合できるように様々な種類の自然由来の材料が販売されています。

ところで、フランス人の掃除法とはどのようなものでしょうか。日本人とは違う?

フランスでは、近年ナチュラルクリーニングがブームとなっています。ナチュラルクリーニングとは、自然由来の材料を使って掃除する方法です。フランスでは環境の負担を減らすために、なるべく地球に優しい材料を使おうという動きがあります。例えば、重曹やクエン酸、お酢やマルセイユ石鹸を使った掃除。これらの材料を使って、自分だけの洗剤を作ることがちょっとしたブームとなっています。スーパーでも、自分で調合するエコ洗剤の材料売り場があるほどです。エコ洗剤だからといって、汚れが落ちにくいなんていうことはなく、市販の洗剤より汚れが落ちる魔法のようなレシピが本やネットで紹介されているほどです。

ホワイトビネガーを使った我が家の掃除法

ホワイトビネガー
スーパーで販売されているお掃除用ホワイトビネガー

我が家では、台所と洗面、風呂場、冷蔵庫の中の掃除は、ホワイトビネガーを使って掃除をしています。最初は市販の洗剤を使って掃除をしていたのですが、「ホワイトビネガーで掃除をするとピカピカになるよ」と知り合いから聞き、使用してみたところ、びっくりするほど綺麗に汚れが落ちて、今ではホワイトビネガーを常備するようになりました。ホワイトビネガーさえあれば、家中を掃除できると言われているほど、本当に万能な洗剤!わざわざ洗剤の買い分けをする必要もなくなったのも、気に入っている点のひとつです。

私が住むパリの郊外は、硬水が比較的きつい場所。石灰の汚れや水垢が付きやすいのです。普通に洗面所を使用しているだけで、二、三日ぐらいで石灰の汚れが目立ってくるほどです。そんなときは、ホワイトビネガーをスプレーで吹きかけて、スポンジでゴシゴシと磨く。すると、ジャグジーは簡単にピカピカになります。

ホワイトビネガーは、石灰や水垢だけでなく、茶渋も簡単に落とすことができます。ホワイトビネガーのついたスポンジで磨くだけで、するりと茶渋を取り除くことができるのです。わざわざ漂白剤につけておかなくても、簡単に落とすことができるのが嬉しいですよね。

フランスでホワイトビネガーがよく使われるのは、冷蔵庫の中の掃除です。自然由来で環境にも人体にも影響がないホワイトビネガーは、冷蔵庫の掃除に最適。ホワイトビネガーは、水で流す必要がないので、手軽に掃除と除菌ができてしまうので、その点もお気に入りの理由のひとつです。ホワイトビネガーの匂いがどうなの?と思われるかもしれませんが、ツーンとした匂いが最初は気になりますが、少し時間が経つと、匂いは消えてしまいます。

我が家では、ホワイトビネガーを掃除洗剤の基本としていますが、フランスにはいろんな洗剤レシピがあるので、また他の機会にご紹介したいと思います。

※この投稿は1年以上前に投稿された記事です