なぜ煉獄の七杭は存在するのか
これまでの考察で「六軒島では死体が動く」と指摘したわけですが、ではその死体はどのように動くのか推測したいと思います。
・どのように死体を動かすのか?
わかりません。
それがわかる描写があれば「悪食島の悪霊のお話」なんて遠回りをする必要ありませんから。私が気づいていないだけかもしれませんが。
・死んだ後の行動や思考はどうなるの?
基本的に行動や思考は生前と変わりません。
例えばEP4のロノウェに敗れた後に戦人にかかってきた朱志香の電話。
その電話で朱志香は自分の死んだ状態を予言するかのように戦人に伝えましたが、
すでにその電話の時点で死んでいたと考えれば、自分の死後の状態を伝えることができるのも納得です。
この際の朱志香の言葉は誰かに言わされたものではなく、彼女自身の言葉のように思えます。
つまり、思考は生前のまま正常を保っていると推測できます。
また、順番が逆になりますが、各EPを死体行動説で解こうとすれば、死者が生者として他のみんなの前に姿を見せる必要もあるので死体が損壊していない限り行動も正常と考えていいでしょう。
・真犯人を裏切らないの?
EP4朱志香の後に霧江が戦人に電話をかけてきました。
その際、存在しない鍵穴について霧江が言及しました。
これは小さな嘘を話に混ぜることで、自分の話全部が嘘であると戦人に伝えたかったのではないでしょうか。
つまり、裏切ることができたとしてもせいぜいその程度であり、何らかの縛りがあって死体を行動させている真犯人を裏切ることはできないと考えます。
・生きてるの?死んでるの?
メタ的に言えば「〇〇は死んでいる」などの赤字関係がありますので動いていても死んでいると思いたいところです。
話は少し飛びますが、煉獄の七杭があります。
なぜこの七杭は存在するのでしょうか?
七杭は言ってしまえば犯人の遺留品です。
犯人特定のヒントになる以上、犯人としては残しておいてメリットはあまりないはず。
見立て殺人を行っている……という割にはEP1の第二の晩のように杭を使う必要がないところにも出てきています。
このように使われている以上、何らかの意味をもって存在しているはず。
そして常に死体の側にて見つかっていることから考えるに、死体に何らかの作用をさせるために使われているのではないでしょうか。
しかし、七杭はEP5にて何の変哲もないただの文鎮と指摘されています。
が、問題ありません。
さすがに、ただの文鎮で死体を動くようにするのは無理がありすぎると思いますが、
逆に動かした死体を止めるためならどうでしょう。
七杭はいつも死体の側で見つかっているのです。
死体を止める方法は作者の設定次第ですが、その設定が血中に大量の鉄を含ませるとかであれば、ただの鉄の文鎮を刺すだけでもいいわけです。
また、悪食島の悪霊の弱点がクモであることを考えれば、ただの文鎮に少量のクモの巣を絡ませて体内にねじ込むとかでもよさそうです。
全ては作者の設定次第なので必ずしもこれというものは言えませんが、ある程度想像することはできるし、杭が刺さった死体は元の死体に戻ると考えられれば詳細はそれほど詰めなくてもいいかと思います。
まとめます。
六軒島では
・死者を行動させることができる
・死者は生前同様、自律した思考と行動ができる
・死者は行動させた相手を裏切ることができない
・死者は主に煉獄の七杭を使うことによって元の死者に戻る
と推測します。
本当はもう一つ行動した死体に条件がありそうなのですが、あまり使われている頻度がないようなので、後ほど記述します。
…しかし、本当にそんな現象が起きるとしたら、えらいミステリーのバランスブレイカーですよね。
まず、アリバイが成り立たなくなります。
死んでいるので犯行を起こせないと言う考えが通用しないので、生者だけのアリバイを追っても無駄になります。
また、一見殺されたように見える被害者も、場合によってはもっと以前に、他の場所で殺されていたケースが出てきます。
密室も成り立たなくなりますね。
内鍵もチェーンも部屋の中に死体がある時点でかけ放題です。
死体を置けない密室殺人てなんだ。ただの空き室なんですが。
唯一ヱリカの封印ぐらいが密室を成り立たせることができるのでしょうか。
この条件だと共犯者も作り放題ですね。
我らの告白だと、大金で共犯者を作るとしていましたが、それだと親子、恋人を殺した時点で裏切られる可能性が高くなります。殺す順番をよく考えなければなりません。
アリバイも、密室も、共犯者も作り放題。
なるほど、無限の魔女のゲーム盤にふさわしいではないですか。