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『寄生獣』敵キャラの深い名言6選 人類の欺瞞を突く言葉、衝撃のタイトル回収も

衝撃的なタイトル回収や母性に目覚めた寄生生物の名言

広川剛志のタイトルを回収するセリフをはじめ、浦上、後藤の名言も飛び出した『寄生獣』第9巻(講談社)
広川剛志のタイトルを回収するセリフをはじめ、浦上、後藤の名言も飛び出した『寄生獣』第9巻(講談社)

●広川剛志「人間に寄生し生物全体のバランスを保つ役割を担う我々から比べれば、人間どもこそ地球を蝕む寄生虫!! いや……寄生獣か!」

 人間でありながら、寄生生物に協力している政治家・広川剛志の言葉です。この言葉で、『寄生獣』というタイトルが、寄生生物ではなく人間を指していたことが分かります。

 広川は、人間の目線で行っている環境保全や動物愛護に対する憤りを語った演説で、この発言を残しました。利己的でありながら、絶対正義のようにふるまう人間への怒りが伝わってくる、衝撃的な名言です。

●田宮良子「我々はか弱い。それのみでは生きてゆけないただの細胞体だ。だからあまりいじめるな」

 田宮良子が、人間にとって危険な生物の目線から、彼らとの関わり方を示唆した名言です。寄生生物は、個としてはライオンよりも強いですが、子孫を残す能力はなく、人間に依存しているため、種としては不自然で弱い存在です。人間は、個としては弱く、種としては最強という、寄生生物とは真逆の存在です。

 現実世界に置き換えて考えてみると、熊などの危険な野生動物は、種と個で人間との強さ関係が逆転します。危険だからと言って駆除をやりすぎれば、強者から弱者への「いじめ」になるのかもしれません。

●田宮良子「この前人間のまねをして……鏡の前で大声で笑ってみた…… なかなか気分が良かったぞ……」

 あえて死を選んだ田宮良子が息絶える直前に新一に伝えた、人間への憧れを示す言葉です。生殖実験のために「A」と性交して子供を産み、子育てを通じて母性に目覚めた田宮良子は、人間である我が子のために、「人間の愛」を理解したかったのでしょう。この言葉とともに、赤ん坊を新一に託し満足げに逝った彼女からは、母親の深い愛情を感じました。

 さまざまな魅力的な悪役も登場した『寄生獣』は、現代版にアレンジされたアニメ『寄生獣 セイの格率』が2014年に放映されています。舞台が現代になっており馴染みやすく、なおかつ原作で扱っているテーマもしっかりと表現されています。興味がある方は、ぜひアニメもご視聴ください。

(SU_BU)

【画像】寄生生物、過激思想の政治家、凶悪犯…それぞれの名言が飛び出た単行本

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