築地市場

さらば「日本の台所」 83年の歴史に幕

築地市場最終営業日、生鮮マグロの最後の競りを前に品定めする仲卸業者たち=東京都中央区の築地市場で2018年10月6日午前4時55分、竹内紀臣撮影
築地市場最終営業日、生鮮マグロの最後の競りを前に品定めする仲卸業者たち=東京都中央区の築地市場で2018年10月6日午前4時55分、竹内紀臣撮影

 世界最大級の魚市場を有し「日本の台所」と呼ばれてきた東京都中央卸売市場築地市場(中央区)が6日、最終営業日を迎えた。水産・青果の卸売場では最後の競りがあり、惜しまれながら正午で取引を終えた。移転先の豊洲市場(江東区)は5日後の11日に開場し、83年の歴史が刻まれた築地市場は解体される。

 この日、水産卸売場ではマグロの競りを前に、大勢の仲卸業者らが特別な日にする一本締めをした。午前6時すぎ、「カランカラン」と競りの開始を告げる鐘の音が響き渡ると、競り人が威勢のいい掛け声でつり上がる値段を唱え、ずらりと並んだマグロが次々と競り落とされた。取引された874本の最高値は青森県大間産の生鮮マグロ(162.4キロ)の438万5000円。正午で営業を終え、市場に入る約900の事業者が本格的な引っ越し作業に取りかかった。

 築地市場は1935(昭和10)年、関東大震災で焼失した日本橋の魚市場と京橋にあった青物市場を統合して開場した。敷地面積は東京ドーム五つ分の約23ヘクタール。全国から生鮮品を運ぶ長い貨物列車を限られた敷地に引き込むため、線路が大きな弧を描いて敷かれ、それに沿って造られた扇状の水産仲卸売場棟が特徴だ。

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