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屋根や空き地の見慣れた光景となった太陽光発電設備。大手電力会社が決まった価格で電気を買い取る制度によって普及したが、買い取り価格が下がると導入実績も減少した。そこで脚光を浴びているのが導入の新たな仕組みで、その活用が急拡大している。一体どのような仕組みで、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた新たな切り札になるのか取材した。
持たずに場所を貸す
北九州市小倉南区の国道沿いにある喫茶店。南向きの屋根には太陽光発電パネルが置かれ、地面には大人の胸ほどの高さがある真っ白で縦長の蓄電池が備えてある。パネルは2020年4月に設置された。
設備を保有するのは、ガソリンスタンドを中心にエネルギー販売を手掛ける新出光(福岡市)。設備の費用や工事費は新出光が負担しており、喫茶店はそこで発電した電気を購入している。大手電力会社から購入する場合に含まれる送配電に関する費用などが省かれ、料金は安く設定されている。喫茶店は20年程度の長期契約を結んで月々の料金を支払い、新出光は投資した費用を少しずつ回収する仕組みだ。
新出光の担当者は「電気の使用量が多い店舗なので、全体に占める太陽光の割合は16%ぐらい。それでも節約には貢献している」と説明する。新出光は19年4月に初期費用が不要のこうしたサービスを始め、21年11月末までに全国70カ所で計約1万キロワット分の太陽光発電設備を受注した。
安くなって急拡大
国内で太陽光発電が普及するきっかけとなったのは、政府が12年に始めた固定価格買い取り制度(FIT…
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