希望新聞

東日本大震災 この場所で生きる 岩手・大船渡 ふれあい地蔵尊 受けた恩、返していく

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2022年8月 「ふれあい地蔵尊」を移設した平山睦子さん=岩手県大船渡市野々田で、奥田伸一撮影
2022年8月 「ふれあい地蔵尊」を移設した平山睦子さん=岩手県大船渡市野々田で、奥田伸一撮影

 岩手県大船渡市野々田地区にある「ふれあい地蔵尊」は、毎月11日の東日本大震災の月命日をはじめ、折々に地域のお参りの場所となっている。土地を所有する平山睦子さん(66)が2017年6月、保管していたお地蔵さんを移設し、支援者の協力を得てほこらを整備した。

 地蔵尊は、かさ上げされ真新しい住宅や店が建ち並ぶ一角にある。周囲で津波の痕跡を探すのは難しいが「たくさんの支えがあったことを忘れない場所。散り散りになった人が集える所」。平山さんは高さ20センチほどの小さな地蔵尊に願いを込める。

 震災当日、平山さんは地蔵尊の南側にあった自宅兼クリーニング店で被災した。店には洗濯を済ませた顧客の衣類と可燃性の洗剤があり「洗濯物と火事が心配でたまらなかった」。津波が迫っていたが、気持ちはすぐ避難には切り替わらなかった。

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