東京の環状8道路、その歴史と未来 構想100年、3路線未通

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環状2号線(築地-新橋間)開通記念式典で、通り初めを行う関係車両=東京都中央区で2022年12月18日午前11時1分(代表撮影)
環状2号線(築地-新橋間)開通記念式典で、通り初めを行う関係車両=東京都中央区で2022年12月18日午前11時1分(代表撮影)

 東京には皇居を中心に、同心円状に広がる8本の環状道路がある。このうち2号線(環2)が2022年12月に全線で開通した。1946年の東京都の都市計画決定から、76年を経ての完成となった。しかし、実は環状道路の全通は5路線目で、残り3路線はいまだに完成していない。100年前の大災害を起点とした首都・東京の一大プロジェクトである環状道路整備。その歴史と今後の展望を探った。【柳澤一男】

「環2」は計画76年で開通

 「個性あふれる東京の街を一筆でつなげて、都市の魅力を引き上げてくれることでしょう」。東京都中央区の築地市場跡地で12月18日に開かれた環2全通の記念式典で、小池百合子知事はこう述べた。

 環2は東京ビッグサイトがある江東区有明を起点に、中央・港両区を経て、都心の千代田区神田佐久間町に至る全長約14キロの都道だ(一部国道を含む)。今回、築地市場跡地からJR新橋駅付近までの1・4キロが開通し、全区間がつながった。

 新しく開通した区間は築地市場跡地の地下に設置された片側2車線のトンネルで、もともと20年に予定されていた東京オリンピック・パラリンピックまでに整備される計画だった。しかし、豊洲への市場移転が約2年延期されたことで整備が遅れていた。

 開発が進む臨海部の有明地区と都心を結ぶ幹線道路は、環2完成前は晴海・豊洲両地区を通る「晴海通り」くらいだった。臨海部は企業の物流拠点も多いことから、都建設局の担当者は「晴海通りの渋滞緩和や物流ネットワークの強化、災害時の避難ルートが拡充されることによる防災力向上が期待される」と話す。

 環状道路は、都が市街地整備などの都市計画と一体的に整備している幹線道路の一種で、8本の環状道路のうち、全通は5路線目となる。これまで他には環1(6・2キロ)▽環6(20・0キロ)▽環7(57・1キロ)…

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