活動否定できず→活断層でない なぜ変わった?志賀原発直下の断層判断

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北陸電力志賀原発=石川県志賀町で2022年12月12日、本社ヘリから北村隆夫撮影
北陸電力志賀原発=石川県志賀町で2022年12月12日、本社ヘリから北村隆夫撮影

 北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)直下の断層について、「活断層ではない」とする北陸電の主張が原子力規制委員会に認められた。2016年に規制委の有識者調査団によって「活動性を否定できない」とされた判断は、今回なぜ覆ったのだろうか。【土谷純一、吉田卓矢】

 規制委が評価した敷地内の断層は、陸地にある6本と、海岸や海辺にある4本の計10本だ。特に、1号機の原子炉直下を通る「S―1断層」は、16年に有識者調査団が「(活断層と認定される12万~13万年前以降の)活動が否定できない」と結論づけたものだ。

 当時、結論を導くため評価に用いられたのは、「上載(じょうさい)地層法」という手法だ。

 地面は、各時代に堆積(たいせき)した粘土や砂が層状に積もって地層を形成している。この手法では、断層のある場所を掘削して断面を観察。断層の上に堆積している約12万~13万年前以降に堆積した地層にずれや変形があれば、活断層と判断する。

 しかし、志賀原発では、建設工事の時に上部の地層がほとんどはぎ取られていた。そこでS―1断層は、1号機の南東側の端に試掘溝を掘って断面を確認したが、ここでは活動性は確認されなかった。ではなぜ、有識者調査団は「活動を否定できない」としたのか。それには、1枚のスケッチが大きく影響した。

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