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午後のおしゃべり 戦争は人の心まで消し去る 俳優・八名信夫さん

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インタビューに答える俳優の八名信夫さん=東京都世田谷区で2023年4月18日、三浦研吾撮影
インタビューに答える俳優の八名信夫さん=東京都世田谷区で2023年4月18日、三浦研吾撮影

 任俠(にんきょう)ものから時代劇まで映画やドラマで活躍してきた八名信夫さん(87)は、悪役さながらスーツにハット姿でインタビューに訪れた。無論、非道なのはドラマの中だけ。顔を合わせて話してみると、情に厚い姿が浮かび上がる。幼いころに故郷で体験した空襲が大きな影響を与えているようだ。主要7カ国首脳会議(G7サミット)で注目された核軍縮や平和。その思いの強さも伝わってくる。

 東京都内の喫茶店に現れた八名さんはオーラがあった。身長180センチと大柄で、87歳となった今も背筋はピンと伸びている。八名さん、最近はネット交流サービス(SNS)でも話題になっていた。岡山県総社市で障害がある人たちが作るデニムマスクを200枚購入したそうだ。「製造現場に行って、一生懸命やっている姿を見てとても感動しまして。何か手助けできるんじゃないかな、と。頑張っている人は放っておけないもんですね」。故郷の岡山で難病の子どもたちを元気づける活動も始め、3年ほどたつという。

 1959年に俳優デビューした八名さんは大柄な体格を生かした派手な殺され方が評価され、名悪役の地位を築いた。殺されようとも、ただでは倒れない。「倒れる位置に灰を多めにまいてもらい、トレンチコートを着て1回転すれば、風でほこりが舞い上がる。背広だとそうはいかない」と工夫を重ねた。高倉健さん、若山富三郎さんといった多くの名優たちに悪役として指名され、「1200回は殺された」。

 俳優を始める前は、プロ野球選手だった。八名さんが野球に出合ったのは終戦直後。疎開先の小学校に進駐軍がシラミ駆除の殺虫剤を散布しに来て、校庭でキャッチボールを始めたのを見て興味を持った。サツマイモを芯に軍手を…

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