引退から2年、斎藤佑樹さんの現在地 「人生はやり直しがきく」

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プロ最後の投球を終え、ファンの声援に手を振る日本ハムの斎藤佑樹=札幌ドームで2021年10月17日、貝塚太一撮影
プロ最後の投球を終え、ファンの声援に手を振る日本ハムの斎藤佑樹=札幌ドームで2021年10月17日、貝塚太一撮影

 プロ野球は今シーズンを終えてオフに入り、来季に向けて「来る人」もいれば「去る人」もいる。2年前、11年間の現役生活に別れを告げた元プロ野球・日本ハム投手の斎藤佑樹さん(35)もその思いを味わった一人だ。その後「株式会社斎藤佑樹」を設立し、多方面で活躍中の斎藤さんなら、セカンドキャリアを歩もうとする選手たちにどう声を掛けるのか。尋ねてみた。

 10月下旬、東京都内であった森永製菓主催のトークイベント。CMに出演している、日本代表「侍ジャパン」で活躍した米大リーグ・カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(26)と斎藤さんが登壇し、爽やかな笑顔で軽妙なやりとりを披露した。

 野球漬けだった日々とは、また違う世界で新たな道を歩んでいる。

 「(会社に)『株式会社斎藤佑樹』っていう名前をつけたぐらいなんで、もちろん僕のことを応援してくださった方たちにはちゃんと還元したいと思っています」

 斎藤さんはそう語った上で、こう決意を語る。「でも今までやってきたことだけでこの先も生きていくというのは違うと思うので、やっぱり新しいことにもチャレンジしていかないと。そのどっちも大事ですね」

 2006年、東京・早稲田実高のエースとして夏の甲子園で全国制覇。早大では1年時から活躍して、ドラフト会議で4球団競合の末に11年に日本ハムに入団した。だが、右肩や右肘のけがもあって力を発揮しきれず、通算11年で89試合登板、15勝26敗にとどまった。

 引退直後、斎藤さんは「株式会社斎藤佑樹」を立ち上げたことを自身のインスタグラムで発表した。「会社を立ち上げるなんて甘いんじゃないかというご指摘もあるかもしれませんが、どこかに所属して面倒を見てもらうよりは、自分で自分の道を切り開いていくんだという気持ちで、まずは会社をつくってみようと思いました」。素直な思いをつづった。

 その後はCMやイベント、テレビ番組への出演だけでなく、プロ経験者が学生野球指導者になる資格を得るための研修会を受講したほか、「野球未来づくり」をビジョンに掲げて野球界に貢献する活動も進めている。

 その一つが都心の野球ジムを運営する企業への出資だ。「場所があれば、人も集まるし、野球を体験したいという子どもも多くなるかもしれない。僕は群馬県出身なので(子どもの頃に野球ができる)場所は困らなかったが、東京では限られてくるので、野球人としてもっともっとその場所を提供してあげたい」と意図を明かす。

 ユニホームを脱いでから2年。改めて気づいたことがある。

 「野球選手は…

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