銀座のダンディズムどこへ 生誕100年・没後30年 吉行淳之介さ~ん!
毎日新聞
2024/4/12 東京夕刊
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ちょっとさみしい。生誕100年、しかも没後30年も重なる吉行淳之介さんのことだ。どこぞの出版社がフェアをしていそうなものだが、そんな気配はない。ま、いいか。幸運にもラストインタビューがかなった私はひとり、東京・銀座でモテにモテた作家をしのぶとしよう。
押し入れの段ボール箱にしまったままだった1本のカセットテープを取り出した。<吉行淳之介>と記したラベルが貼ってある。「サンデー毎日」記者だった私が晩年の吉行さんにインタビューしたときの録音だ。1994年の新年合併号を飾るスペシャル企画で、題して「ヘアヌードというより毛・毛・毛の話」。いまなら「不適切にもほどがある!」と突っ込まれそうなシロモノだが、…
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