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 政府の「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針2018」がまもなく閣議決定される。この中の社会保障分野について議論するための資料として、先日公表されたのが、内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省の連名で出された「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」だ(資料は厚労省のウェブサイトで入手可能)。

 2040年といえば団塊ジュニアが高齢者になることで65歳以上の人口がピークを迎え(3921万人)、死亡者数も最多になると予想される年である。加えて、15歳以上64歳以下の就業者人口は2025年と比べて16.6%減の5978万人にまで減り、働き手1.5人で高齢者1人を支える時代になる。日経メディカルでも今年1月に特集を組んでいる

 今回の資料では、社会保障制度を維持するに当たって最大の山場となる「2040年」を見据えた議論を行うため、「社会保障費の推移」と「医療・介護従事者の必要数」の2点について、2040年までのシミュレートを行っている。

 筆者は最初、「2040年は大変なことになるんですよ、ヤバいですよ」という内容のシミュレーションが出てくるものだと思っていた。だが、実際の結果からは「確かに苦しいけど、私たちに任せていただければ何とかなります」という雰囲気が伝わってくる。

 よく考えれば、施政者自ら「ヤバいです」とは言えないはずだから、驚くべきではないのかもしれない。そこで、2040年まで社会保障は本当に「何とかなる」のか、シミュレーション内容を検証してみた。

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