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アクティブ運用のメリット・デメリット! ファンドの種類と選び方を紹介

記事公開日 2023/1/31 16:00 最終更新日 2023/1/31 16:00 経済・ビジネス コラム・インタビュー 市場用語再点検 金融コラム

【QUICK Money World 片岡 奈美】投資信託(ファンド)の運用方法はアクティブ運用とパッシブ運用の大きく2種類に分けることができます。アクティブ運用は、ベンチマーク(運用指標)となる株価などのインデックス(指数)を上回る投資成果を目指すものです。今回は、アクティブ運用のメリット・デメリットやファンドの選び方を紹介します。

◎アクティブ運用とは

投資信託(ファンド)は、投資家から集めたお金を運用の専門家が金融市場で株式や債券などに投資・運用する金融商品です。その運用の中心となる株式や債券といった資産クラスの軸が、ベンチマークです。ベンチマークは市場全体の値動きを表すもの(株価指数など)です。

アクティブ運用とは、このベンチマークを上回る運用成績をあげることを目標とする運用方法です。例えば日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)をベンチマークにするアクティブファンドならば、株価の上昇が期待される個別銘柄を厳選して投資し、それらの指標を超える投資成果を目指し積極的に運用します。価格が上下に振れるリスクは大きくなりますが、得られる投資リターンも大きくなることが期待できます。

一方で、ベンチマークに連動する運用成績を目指すのがパッシブ運用(あるいはインデックス運用)です。ベンチマークとする指数の動きに連動するように機械的に運用します。ベンチマークが下がればファンドの価値も一緒に下がってしまいますが、市場全体の値動きとそう大きくはずれないのでリスクは相対的に小さくなります。また、運用銘柄を細かく選定していくわけでもないので、コストも比較的少なく抑えることができます。

 

◎アクティブ運用のメリット

アクティブ運用を用いたファンドを選んだ場合のメリットをいくつか確認してみましょう。

より高いリターン/相場下落時への備えに期待

アクティブファンドは、ベンチマーク「以上」を目指す運用ですから、より高いリターンを期待することができます。ベンチマークに連動するパッシブ運用では相場下落時に追随して運用成績がマイナスになってしまいます。ですが、アクティブ運用では投資銘柄を選りすぐるなどして運用益を出せる可能性があります。ファンド内の現金の保有比率を引き上げるなど、相場下落に備えた対応がとりやすいのもアクティブ運用ならではです。

運用のプロであるファンドマネジャーが個別銘柄や市場について調査・分析し、手間をかけて銘柄を選定しているアクティブ運用だからこそのメリットといえるでしょう。

種類が豊富/理念に沿った投資もできる

アクティブ運用を用いたファンドは銘柄数が多く、投資家のニーズや好みに合わせた選択肢が増えることはメリットといえるでしょう。SDGs(持続可能な開発目標)や脱炭素、健康など様々な切り口から投資対象を絞り込む「テーマ型」と呼ばれるものも、アクティブファンドの一部です。中小型株や割安銘柄などに絞った運用を手掛けるなど、アクティブファンドの運用方針はそれぞれ異なります。

パッシブ運用がベンチマークに連動するよう機械的に運用されるのに対し、アクティブ運用では運用をする人の意思が介在します。多くの種類の中から、ご自身の運用方針や理念に沿った投資がしやすいのもメリットのひとつと言えそうです。

 

◎アクティブ運用のデメリット

アクティブ運用を用いたファンドを選んだ場合のデメリットは、想像に難くないかもしれません。パッシブ運用に比べると運用には手間がかかりますので、信託報酬などの手数料は高くなりがちです。また、うまく運用できれば高いリターンを得ることができますが、運用成果の振れ幅は大きく、リスクはパッシブ運用に比べれば当然大きくなってきます。

手数料が高め

投資信託への投資では「購入(買い付け)時の手数料」「信託報酬」などの手数料が必要になります。パッシブ運用を用いたインデックスファンドでは「ノーロード」といって買い付け時の手数料(販売手数料)が無料とうたうファンドも少なくありません。一方で、アクティブ運用を用いたファンドでは、買い付け手数料が3%を超える場合もあります。

さらに、ファンドを保有する期間は、投資信託を運用・管理する費用である信託報酬は払い続けなければなりません。インデックスファンドの場合は年間で0.1%程度のものも散見されるなど、ファンドによって多少の差はありますが、全般に低く抑えられています。アクティブファンドの運用は常に情報収集や分析などを進め状況に応じて投資先を組み替えるなど手間暇がかかります。その分、信託報酬も1~2%台など、かかるコストは相対的に高めになります。

ファンドマネジャーの腕に左右される

ファンドマネジャーが運用の銘柄選びを手掛けますから、担当者の手腕によって運用成績が左右されるといっても過言ではありません。可能であれば、他の担当ファンドの運用実績なども確認してみるとよいでしょう。

市場平均を必ずしも上回るとは限らない

ベンチマークに連動するよう機械的に運用されるパッシブ運用と異なり、基準とする指数をみるだけではファンドの運用成績がわかりにくいのがアクティブ運用です。運用に手間をかけて高いリターンを求めるということは、その分成果の振れ幅といいますか、価格変動のリスクは大きくなります。絶対に損をしないというわけではありません。時にベンチマークを下回る推移をする場合があることも、理解しておきましょう。

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◎アクティブ運用の種類

アクティブ運用にはいくつかの種類があります。ここでは組み入れる銘柄の属性の分類方法として代表的な「グロース型」と「バリュー型」について紹介します。

グロース型

将来有望な「成長株」を探す方法です。もうすでに市場では評価されPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)は高いけれども、さらに成長が期待できる銘柄に投資していく手法です。今後数年単位で大きな株価上昇が見込めるなど大化けする可能性を秘める一方で、業績を予想して投資していますので、少し見誤れば大きく値下がりすることもあります。

バリュー型

いわゆる「お買い得」銘柄を探す方法です。PERやPBRが低い、配当利回りが高いなど、会社の価値が株価よりも高いと判断される銘柄に投資する手法です。業績や保有資産からみた株式の個別銘柄の割安さに着目しますので、先々の値下がり不安はグロース型に比べると小さいといえそうです。

 

◎アクティブファンドの選び方

アクティブ運用を手掛けるファンドは特徴もさまざまで、種類も豊富——せっかくですからご自身の運用方針やリスク許容度にあった銘柄を選べるようにしていきましょう。

運用成績を確認しよう

成績が良いファンドとはどういうことでしょうか?価値が右肩上がりに上がっている——だけではないのです。そのファンドの騰落がベンチマークとする指標を上回っていたかどうかを確認してみましょう。

ファンドは交付目論見書や運用報告書などで、基準価額などの推移や変動要因、騰落率などを明らかにしています。足元の動きだけではなく、長期の運用成績も含めて見渡せば、そのファンドに投資してもよいかどうか、判断の一助になることでしょう。

また、運用で取ったリスクに見合うリターンを上げたかどうかを測る「シャープレシオ」も、運用成績を確認する際には役立つ指標のひとつです。

手数料を確認しよう

長くファンドを保有することを念頭に置けば、手数料も投資判断するうえでは無視できない材料でしょう。購入時の手数料や、実質的な信託報酬などの運用・管理にかかる費用をチェックしましょう。

純資産総額も見てみよう

純資産総額はファンドが保有する株式などの資産の合計金額です。運用成績が良ければ純資産総額は増えますし、多くの投資家の人気を集めるほど資金流入額も膨らみますので、純資産の額は積みあがるでしょう。

純資産が少なければファンド全体の運用効率が下がりかねません。また、純資産が少なすぎる場合は繰り上げ償還がされていないかどうかも確認しましょう。

◎人気のアクティブファンド

ここまでアクティブ運用のメリット・デメリットや種類、選び方などについて見てきましたが、実際どのようなファンドが人気を集めているのでしょうか。ここでは、国内公募の追加型株式投資信託(ETF、投資一任専用を除く)のうちアクティブ型のファンドについて、2022年上半期(22年1~6月)に資金流入が多かった(人気を集めた)ファンドを見てみましょう。

2022年上半期アクティブファンドの資金流入額ランキング

最も純資産総額(残高)を伸ばしたアクティブファンドは、アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」でした。同ファンドは、成長性が高いと判断される米国株式に投資するファンドで、決算日直前の基準価格の水準に応じて、毎月あらかじめ決めた分配金を支払います。前年から好成績を背景に資金流入が続いていました。アライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズは為替ヘッジの有無や決算の回数の異なるもので4本が設定されており、年2回決算型の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」も2位にランクインしています。

アセットマネジメントOneが運用する「ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンド」も、半年で1000億円を超える資金を積み増しています。世界の株式のうち、業種や流動性、財務指標の各基準で銘柄を絞り込み、優良企業を厳選して投資するファンドで、足元では米国への投資が過半となっています。

22年上半期の時点では、上位に入った銘柄では米国を中心とする海外の株式で運用するファンドが目立ちました。しかし、米国成長株の変調を受け、その後は人気に陰りがみられる場面も出ています。この記事を読んでくださっている時点では、いかがでしょうか。景況感の良し悪しでもまた人気となるファンドも変わってきますので、都度、状況を把握するようにしてみてください。

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著者名

QUICK Money World 片岡 奈美


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