【例文付き】3月の時候の挨拶を月内全般・上旬・中旬・下旬の別に紹介

【例文付き】3月の時候の挨拶を月内全般・上旬・中旬・下旬の別に紹介

取引先などの関係者に手紙などを送る際には、季節に合わせた時候の挨拶を添えるのが一般的です。そこで今回は、季節の変わり目の3月に使える時候の挨拶をご紹介します。時候の挨拶がどのようなものなのか、今回の内容を覚えておくことで他の季節にも対応できるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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1.時候の挨拶とは?

目上の方や取引先への手紙を書く際には、文章の初めに「拝啓」と書きますが、その後には「時候の挨拶」を続けて書きます。日本には四季があり、移り変わる季節を感じられる表現をこの時候の挨拶に込めて書き連ねます。

では、この時候の挨拶を入れて季節感を表現することは、どのような意味を持つのでしょうか?また、メールやLINEにおける時候の挨拶の必要性についても説明します。

1.1.気遣いが伝わる

時候の挨拶を入れることは、単に季節の様子を表現するだけでなく、季節の移り変わりによって起こる体調の変化を気遣う役割があります。「寒い日が続きますが体調お変わりないですか」など、相手を気遣う一言を添えることができます。

手紙という一種のコミュニケーションツールでは、このように古くから相手への気遣いを表現する手法が誕生しています。時候の挨拶はメールや挨拶状、案内状など様々なツールでも活用できます。

1.2.メールやLINEでは必要?

LINEやチャットなど、短い文章をやりとりするような連絡ツールでは時候の挨拶は不要です。メールにおいても、親しい友人宛や急ぎの用件の場合は、なるべく短くて簡素な文章が好まれます。

連絡を入れるのがカジュアルな場面なのか、かしこまったフォーマルな場面なのかによって、時候の挨拶が必要かどうかが変わります。

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2.挨拶状の構成と送るタイミング

ここでは、仕事関係や目上の方宛に向けた挨拶状の基本的な構成と、それを送るタイミングについて解説します。

2.1.挨拶状の基本構成

挨拶状の基本構成は、大きく「前文」「主文」「末文」「後付」の4つに分けられ、そこからさらに細分化します。時候の挨拶は前文における「頭語」の後に入れます。時候の挨拶を入れることで、その後の本題をスムーズに述べることができます。

【前文】
・頭語:「拝啓」「謹啓」「こんにちは」などの挨拶
・時候の挨拶:季節に合わせた挨拶言葉

【主文】
・本文:内容の本題

【末文】
・結び:締めの文章、自愛を祈ったり乱筆乱文を詫びたりする
・結語:「敬具」「謹白」「さようなら」などの挨拶

【後付】
・日付:年月日、祝い事は「〇年〇月吉日」など
・差出人:手紙を書いた人物の氏名
・宛名:手紙を送る相手の氏名

2.2.挨拶状を出すタイミング

3月は引越しシーズンや新年度に向けて、転居や転勤などを知らせる挨拶状を送ることも多い時期です。どのような挨拶状を出すかによってタイミングが異なります。引越しの場合は転居してから1ヶ月以内に、転勤する場合は転勤前に出すのがベストです。

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3.時候の挨拶は漢語調と和語調を使い分けよう

挨拶状には、「漢語調」と「和語調」の2種類に分けられます。これらは、季節や場面に応じて使い分けをしましょう。

漢語調は「新春の候」「弥生の候」など、ビジネスシーンや目上の方向けに送る際に使用します。「〇〇の候」「〇〇の折」などのかしこまった表現を用いて、季節感を演出します。

和語調は「年も改まり、決意も新たにご活躍のことと存じます」「春うらら、穏やかな毎日を過ごされていることでしょう」など、漢語調よりもやわらかい表現を用いて、カジュアルなシーンで使用します。

4.3月の漢語調の書き出し

ここでは、目上の方やビジネスシーンなどで使用する漢語調の時候の挨拶を、3月の全般・上旬・下旬に分けて以下にまとめました。

4.1.3月全般に使える時候の挨拶

以下の2つは、3月全般に使える主な時候の挨拶です。例文も併せて紹介します。

●弥生(やよい)の候
 弥生は和風月名の1つで、3月の呼び名です。弥生には「いよいよ」「ますます」などの意味が含まれるため、「木や草がいよいよ生い茂る月になった」ということを表現します。

●萌芽(ほうが)の候
 萌芽は「新芽」という意味なので、「春がもうすぐそこまで来ている」「春が来た」などを表現することができます。

<例文>

拝啓 弥生の候、貴社にはますますご清栄の由大慶に存じます。毎々格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて・・・・・・【本文】

 年度末を控え何かと慌ただしくなりがちですが、どうかご自愛ください。

                                        敬具

4.2.3月上旬の書き出し

以下の4つは3月上旬に使える主な時候の挨拶です。例文も併せて紹介します。

●早春(そうしゅん)の候
 2月上旬の立春から3月中旬まで使用します。明確な時期は定められておらず、春めきを感じ始める季節に使用するイメージです。

●仲春(ちゅうしゅん)の候
 旧暦で春の半ばを表す言葉であり、3月上旬から4月上旬頃まで使用します。

●啓蟄(けいちつ)の候
 啓蟄の間のみ、春分の日の前日まで使用できます。「春らしく暖かくなってきました」という意味を持ちます。

●軽暖(けいだん)の候
 厳しい冬の寒さが軽減され、少しずつ春らしい暖かさを感じるようになる時期に使用します。

<例文>

拝啓 早春の候、ご一同様より一層のご健勝をお慶び申し上げます。

 さて・・・・・・【本文】

 まだまだ浅春の折、お体には十分ご留意ください。

                              敬具

4.3.3月下旬の書き出し

以下の4つは、3月下旬に使える主な時候の挨拶です。例文も併せて紹介します。

●春分(しゅんぶん)の候
 毎年3月21日頃の春分の日を迎える時節を意味します。4月3日まで使用できます。

●麗日(れいじつ)の候
 「麗かな春の日になった」という意味を持ちます。3月下旬から4月上旬まで使用します。

●春色(しゅんしょく、はるいろ)の候
 春の始まりを意味する季語の1つで、「春らしい景色になった」などの意味を持ちます。3月中旬から下旬に使用します。

●桜花(おうか)の候
 「桜の花が咲き乱れる季節になった」「桜の花が満開になった」などの意味を持ちます。3月下旬から4月上旬まで使用します。

<例文>

拝啓 春分の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

 さて・・・・・・【本文】

 春暖快適の候、皆様のますますのご健勝を心よりお祈り申し上げます。

                                敬具

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5.3月の和語調の書き出し

親しい友人やカジュアルなシーンなどで使用する和語調の時候の挨拶を、3月の全般・上旬・下旬に分けて以下にまとめました。

5.1.3月上旬の書き出し

和語調における3月上旬の時候の挨拶は、以下のように使われます。

●春まだ浅きこの頃
かぐわしい沈丁花の香りが春の訪れを告げるころとなりました
春の日差しがきらめく頃となりました
野山の雪も解け始め、ようやく当地にも春がめぐってまいりました

<例文>

拝啓 野山の雪も解け始め、ようやく当地にも春がめぐってまいりました。そちらはお変わりありませんか。

 さて・・・・・・【本文】

 寒暖定まらぬ時期ですので、くれぐれもご自愛くださいませ。

                               敬具

5.2.3月中旬の書き出し

和語調における3月中旬の時候の挨拶は、以下のように使われます。

●日毎に春らしくなってきました
●花の便りがあちこちから届くようになりました
●小鳥のさえずりに目を覚ます季節となりました
●穏やかな日差しに春を感じる今日この頃

<例文>

拝啓 穏やかな日差しに春を感じる今日この頃、お健やかにお過ごしでしょうか。

 さて・・・・・・【本文】

 木々の芽吹き時は体調を崩す方が多いようですので、御身おいといてくださいませ。

                                     敬具

5.3.3月下旬の書き出し

和語調における3月下旬の時候の挨拶は、以下のように使われます。

●桜の花が咲く頃となりました
●春うらら、穏やかな毎日を過ごされていることでしょう
●春風にのってほのかに花の香りが漂う頃となりました

<例文>

拝啓 春風にのってほのかに花の香りが漂う頃となりましたが、その後お変わりございませんか。

 さて・・・・・・【本文】

 思いがけぬ春寒にお風邪など召されませんようにご自愛くださいませ。

                                       敬具

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6.3月の結びの挨拶

メールや手紙の最後には、結びの言葉を添えます。こちらにも季節折々に合う挨拶を入れ、文章の締めとします。3月は春が近づく季節であり、月初と月末とで気温差が激しい月であるため、それを考慮した言葉を選びましょう。ここではその一例を紹介します。

6.1.3月上旬の結び

3月上旬に使われる結びの挨拶は、以下のような文言が考えられます。

●春暖快適の候、皆様のますますのご健勝を心よりお祈り申し上げます。
●春寒のみぎり、お身体を大切になさってください。
●春からも変わらぬご厚誼を、何卒お願い申し上げます。
●花便りももうすぐです。お元気でお過ごしください。
●年度末を控え何かと慌ただしくなりがちですが、どうかご自愛ください。

6.2.3月下旬の結び

3月下旬に使われる結びの挨拶は、以下のような文言が考えられます。

●春暖快適の候、皆様のますますのご健勝を心よりお祈り申し上げます。
●浅春の折、何卒ご自愛ください。
●早春の息吹を感じる昨今、どうぞお健やかにお過ごしください。
●天候不順の折から、ご健康にはくれぐれもご留意ください。
●春光うららかなこの季節に、皆様のご多幸をお祈りいたしております。
●〇〇様が素晴らしい門出を迎えられますよう、心よりお祈り申し上げます。

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7.3月の挨拶文でよく用いられるキーワード

時候の挨拶を使用する際には、よく用いられるキーワードについても知っておきましょう。ここでは、3月の時候の挨拶に使えるキーワードの一例を紹介します。

7.1.行事や暦関連のキーワード

3月の主な行事と暦関連のキーワードは以下の通りです。

3月の主な行事

ひな祭り:3月3日に開かれる、女児の成長を願う行事です。
ホワイトデー:3月14日にバレンタインのお礼を贈る日です。
春の甲子園:3月下旬に行われる選抜高等学校野球大会のことです。
卒業式:全国の学校で3月中旬〜下旬に行われます。

3月の暦関連のキーワード

初春:旧暦の1月に由来し、春の始まりを意味します。1月下旬〜3月上旬までのことです。
仲春:春半ばの1か月であり、陰暦では2月を指します。啓蟄の3月6日〜春分の日の3月21日頃までのことです。

7.2.天候や風物関連のキーワード

3月の天候や風物に関連したキーワードは以下の通りです。

花粉症:スギやヒノキ、イネ科などの花粉の分泌が活発になる時期で、花粉症に苦労する人が多い時期です。
春のお彼岸:春分の日の前後3日間のことです。
ひなあられ:桃の節句の時期に食べる和菓子です。
ぼた餅:お彼岸の時期の行事食です。

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8.まとめ

これまで紹介したように、3月は卒業式や引越しなど、1年の中でも環境の変化が大きい時期です。そのため手紙や挨拶状では、その時々に合う時候の挨拶を選ぶ必要があります。この記事で紹介した例文を参考に、相手を気遣う時候の挨拶を入れましょう。

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9.他の月の時候の挨拶

3月以外の時候の挨拶は、下記の記事でご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。

各月の時候の挨拶
1月 > 2月 > 3月 >
4月 > 5月 > 6月 >
7月 > 8月 > 9月 >
10月 > 11月 > 12月 >

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