未来日記パラドックス
未来日記パラドックス (角川コミックス・エース 129-16)
- 作者: えすのサカエ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/03/26
- メディア: コミック
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ムルムルの失態で崩壊してしまった因果律によって、
由乃の存在が消滅、雪輝は3rdに敗北してしまい、
雪輝の負傷と因果律とが修復されるまでの間、代役に選ばれたのが・・・
モザイク以来二度目となるスピンオフの主人公に秋瀬を迎え、
本編とは異なったifの世界が描かれる本作。
基本的にダークな展開の多い本編と違って、
コメディ的なノリを中心に展開していますね。
しっかりと未来日記な話はやっているのに何かが違う、
あくまで『代役』と言う事なので時系列は
本編の最初から御目方教編までをなぞっているのに、
主役が雪輝&由乃コンビが秋瀬&ムルムルコンビになるとこうも変わるものなのか。
いくら由乃の代役だからってわざわざ服装とか髪型まで似せなくてもいいでしょうに。
アンバランスすぎて笑ってしまいましたよ。
『飽きた』の一言で更に捻じ曲げられてしまう因果律。
最初はコメディーっぽい展開になりながらも本編に準じた展開だったのが、
途中から脱線し始めてからがある意味本領発揮とも言えますね。
完全に違う展開と結末を迎える御目方教編は色々と暴走しちゃってます。
いい感じで狂ったキャラだったはずの6thがまさかのヒロイン化してしまうとは・・・
正直なところ、可愛くて萌えました。
本編でも2巻〜3巻序盤までと早い段階で脱落していましたから、
もっと活躍させてみたかったと言う作者自身の念もあったのかもしれませんね。
(3rdはどうあってもやられ役にさせたいみたいですが)
そもそも願いが世界の破滅だった6thを口説いてしまった秋瀬の超絶ナンパテクも見もの。
いちいち脚注に『※ただしイケメンに限る』なんて付いているところに
軽い絶望を味わったりもしますけど。
結局顔か!この世界ですらそれは例外じゃないってぇのか!
秋瀬は雪輝のことを臆面もなく『愛してる』とか言うもんだから
もしかしてこいつホモなんじゃないかって思ってましたけど、
今回のことでホモじゃなくて両刀だってことがわかりました。
と、6thがヒロイン化した御目方教編において
実は本編でも何気ない伏線が張られていたことに驚きです。
まさかと思ってもう一度本編を見返してみたのですが、
本当にお鈴と7th(愛さん)がいたよ・・・
基本的に秋瀬がやりたい放題やっちゃってますが、
間もなくクライマックスを迎える本編にも繋がる重要なポイントも隠されてます。
全てが白紙に戻る直前に秋瀬が見た衝撃の光景もそうですが、
何よりもムルムルの動向が全ての鍵に見えてきます。
そもそも因果律が修復されるまでの間、
デウスすら知りえない本来そうなるべき行動をなぞるようにしていたのだから、
本編の最終的な結果も知っていると取って間違いないです。
その上で誰が勝ち残るかデウスと賭けていたときに由乃に張っていたと言う事は、
因果律通りであれば由乃が『神』になると言っているようなものです。
ともすれば由乃の正体についても予測が付くのではないでしょうか
デウスの寿命と世界がいつ崩壊するかも把握してたからなぁ・・・
結局ムルムルは何者であって何が目的なのか。
うっかり口を滑らせた中に真実が隠れているのでしょうか。
かなり回りくどいことをやってるとは思いますが。