「for good」という英語の意味はなんでそうなるの?

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英語には単語と単語が組み合わさると、「なんでこれがこういう意味になるの?」と不思議に思うような表現がたくさんあります。

それぞれの単語が持つ意味とは一見かけ離れている意味に見えるので、混乱させられたことがある方も多いのではないでしょうか?

そのような表現の中の1つに「for good」という言い回しがあります。パッと見だと「良いために」という意味に思えますが、実はちょっと違った意味合いで使われます。

そこで今回は、「for good」の意味や成り立ち、使い方などを紹介したいと思います!

「for good」の意味は?

「for good」の意味は「永遠に」や「一生」という意味です。

念のため、ケンブリッジ英英辞書ではどのように書かれているかチェックしてみたところ、
・permanently
とだけ書かれてありました。

「permanently」の意味は「always and for ever」、つまり「ずっと、永遠に」という意味になるので、「for good」もそのような意味になるということがわかりました。

ではなぜ「for」と「good」を組み合わせると「永遠に」という意味になるのでしょうか?グーグル検索で調べてみたところ、以下のような解説を見つけることができました。

・永遠の別れのときに使う「Good Bye」の「good」から来ている
・「for good」は「for good and all」の省略形

ただし、諸説は色々あるようで、絶対確実な情報は見つけることができなかったため、参考程度にしておきましょう。

「for good」の使い方

次に、「for good」の使い方を例文で紹介したいと思います。

My cousin went away to New York for good.
彼は永遠に(日本に帰らないつもりで)ニューヨークに行っています。

I decided to quit smoking for good.
一生タバコを吸わないと決めました。

I’m leaving Australia for good.
オーストラリアを一生離れる予定です。

I’m not going to close my shop for good but just temporarily.
永久に自分のショップを閉めるわけではなく、一時的にです。

I will never work with that guy for good.
あの人とは一生一緒に働くつもりはありません。

I’m leaving Japan tomorrow. I’m going to live in Thailand for good.
明日日本を離れます。一生タイで暮らすつもりです。

I didn’t know that you were in Japan. Are you back for good?
あなたが日本にいることを知りませんでした。ずっと(日本に)いるのですか?

「for good」と「forever」の違い

多くの英語学習者にとっては、「永遠」という意味の英単語は「forever」のほうが馴染みがあるのではないでしょうか?

そのため、ここまで読んでいただいた方の中には、「for goodとforeverの違いは何?」と思っている方もいるでしょう。そこで、ここでは「for good」と「forever」の違いを説明したいと思います。

[for good]

「for good」は、ずっと続いていた習慣などを終わりにし、金輪際やらない意味での「永遠に」というニュアンスになります。

例えば、

・ずっとタバコを吸っていたけど、これからは「永遠に」吸わない
・ずっとイギリスに住んでいたけど、これからは「一生」日本に住む


のような意味合いで言いたいときに「for good」が使えます。

[forever]

一方、「forever」は以前から続いている状況を、これからも変わらず「永遠に」続けるというニュアンスになります。

例えば、

・10年間この会社で働いていてとても楽しい。これからも「永遠に」ここで働き続けたい。
・あなたのことを今までずっと愛してきたし、これからも「永遠に」愛するつもりだ。


のような意味合いで言いたいときは「forever」が適しています。

なお、気軽にネイティブスピーカーに質問ができる語学学習プラットフォーム「HiNative」にて、「for good」と「forever」の違いのわかりやすい説明がありましたので、一部引用して紹介します。

“"Forever" is used with a continuous action. "For good" is used with a one-time action that permanently starts or finishes something.

I'll love you forever. (= I'll continue to love you for all time.)
I'll love you for good. ("to love" is a continuous action so this doesn't make sense)

She broke up with her boyfriend for good. (= She broke up with him, which permanently ended the relationship)
She broke up with her boyfriend forever. (sounds like the break-up itself is what lasts forever, or that she keeps breaking up with him)”

「forever」は継続的なアクションとともに使われます。「for good」は、何かを永続的に開始または終了する1回限りのアクションで使用されます。

I'll love you forever.
私はずっとあなたを愛し続けます。

I'll love you for good.
私はずっとあなたを愛します。
※「愛する」は継続的なアクションなので、これでは意味がわかりません。

She broke up with her boyfriend for good.
彼女は彼と別れた、それは永久に関係を終えた

She broke up with her boyfriend forever.
※別れること自体が永遠に続くか、または彼女が彼と一生別れることを続けるように聞こえる

(HiNativeより英文引用)

まとめると、

for good=これまで続いてきたことを「ずっと」終わらせる、またはこれから始めることを「ずっと」続ける
forever=これまで続いてきたことを、これからも変わらず「ずっと」続ける

という違いになります!


ここで少し余談!

下記記事では「used to」と「be used to」の違いについてご紹介しています!かなり似た表現になるので、混乱しないようにしっかりと押さえていきましょう!

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「good」を使った英語表現

最後に、「good」を使ったよく聞く他の英語表現を4つピックアップして紹介したいと思います。

[a good amount of 〜]

「a good amount of 〜」は、「かなりの〜」という意味の表現です。「amount」は「量」という意味の単語なので、基本的に数えられない名詞に付きます。

例文
He lost a good amount of money in gambling.
彼はギャンブルでかなりのお金を失いました。

It took me a good amount of time to get used to working at this company.
この会社で働くことに慣れるのにかなりの時間がかかりました。

You had a good amount of beer last night. Don't you remember that?
昨夜あなたはかなりの量のビールを飲みました。覚えてないのですか?

[I'm good.]

「I'm good.」は、「How are you?」や「How are you doing?」などの挨拶への返事として、「元気だよ」という意味で使われることが多いです。

また、何かを勧められたときに、「大丈夫です」と断りたいときにも「I'm good.」を使うことができます。

例文
A: How are you doing today?
いかがお過ごしですか?
B: I'm good.
元気してます。

A: Would you like some?
これいくらかいりますか?
B: I'm good. Thanks.
大丈夫です。ありがとうございます。

[So far so good.]

「So far so good.」は、「今のところ順調です」という意味で使われるフレーズです。「so far」は「すごく遠い」という意味もありますが、「今までのところ」という意味でもよく使われます。

例文
A: How is your new project going?
新しいプロジェクトはどうですか?
B: So far so good.
今のところ順調です。
So far so good?
今のところ順調ですか?
※語尾を上げることで、疑問形で使うこともできます。

[good at 〜]

「good at 〜」は「〜が得意な」という意味の表現です。「at」の後は名詞、もしくは動名詞(〜ing)を付けて使います。

例文
I'm good at mathematics.
私は数学が得意です。

She is really good at cooking.
彼女は料理が本当に得意です。

I'm not good at drawing.
私は絵を描くのが得意ではありません。


ここでまた少し余談!

下記記事では、「few」と「little」の違いについてご紹介しています!英語には、微妙にニュアンスが変わる言葉がかなり多く存在します。間違って付けってしまわないように正しい使い方を覚えていきましょう♪♪

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まとめ

では今回の記事のまとめです!

・「for good」の意味は「永遠に」「一生」
・「for good」は、続いていたものを「ずっと断ち切る」、もしくは新たなことを「ずっと続けていく」ようなニュアンス
・「forever」は、今まで続いてきたものを、「この先も同じようにずっと続けていく」ニュアンス

いかがでしたでしょうか?

「for good」がまさか「永遠に」という意味になるとは、とても意外ですよね。また、「forever」との細かい違いもとても興味深いです。

今回紹介した例文なども参考に、ぜひ実際の会話やオンラインレッスンでも積極的に使ってみましょう。

また、記事の中では全てを紹介しきれませんでしたが、他にも「good」を使った表現が色々あるので、気になる方はぜひインターネットで調べてみるのもおすすめですよ!