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人気アニメ『蒼穹のファフナー』シリーズ無料配信 トラウマシーン連続に胃薬が必要

マグミクス / 2020年5月10日 7時36分

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■「胃薬が必要」ながら人気作『蒼穹のファフナー』

 2004年にTVシリーズ1期が放送されたアニメ『蒼穹のファフナー』は、人類を脅かす未知の生命体である「フェストゥム」との戦いを描いた作品です。2020年5月2日(土)より期間限定で、YouTubeオフィシャルチャンネルでの過去シリーズ無料配信が開始されました。

 現在、TVシリーズ1期と2005年放送のTVスペシャル『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』を配信中です。さらに、10日(日)正午から劇場版『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』、16日(土)正午からTVシリーズ第2期『蒼穹のファフナー EXODUS』第1話~第13話、17日(日)正午から第14話~第26話が配信されるというスケジュール。

 また、2020年劇場先行公開予定の最新作OVA『蒼穹のファフナー THE BEYOND(ザ ビヨンド)』の第7~9話のPVが公開されています。

 2019年11月に劇場先行公開された『THE BEYOND』第4~6話では、衝撃的なラストに観客がすすり泣き、嗚咽しながら退場するといった出来事も。『蒼穹のファフナー』は、ファンから「胃薬が必要」と言われるほど、見る人の心をえぐるストーリーが特徴です。

 見ていて苦しくなるほどの作品にもかかわらず、高い人気を誇る理由は何なのでしょうか。

■日本はすでに滅びていた…平和な島の正体

 TVシリーズ1期は、平和な島に住む主人公・真壁一騎(まかべ・かずき/CV:石井真)をはじめとする子供たちの姿を描くシーンから始まります。日本の昭和後期を思わせる島・竜宮島に、「東京に行ってきた」という皆城総士(みなしろ・そうし/CV:喜安浩平)が帰ってきます。クラスメイトの遠見真矢(とおみ・まや/CV:松本まりか)が東京の様子を聞きたがるも、総士はあいまいな返答をします。

 そこに起こる異変。

「あなたはそこにいますか」

 島に住む人びとの心に問いかける声。竜宮島は文化を子孫に伝えるために偽装された要塞で、すでに日本はフェストゥムの侵攻によって滅びていたのです。

 学校の教師たちは、フェストゥムに対抗する組織「アルヴィス」のメンバー。戦闘の訓練を受けていた蔵前果林(くらまえ・かりん/CV:白石涼子)が出撃前に命を落としてしまったため、特性の高かった一騎が何も知らないまま、フェストゥムに唯一対抗できる人型兵器「ファフナー」に搭乗して戦うことに。竜宮島で作られたファフナーは、人工子宮から生まれた島の子供たちしか操縦することができません。一騎の友人たちもその後、ファフナーのパイロットとして凄絶な戦いに身を投じることを求められます。

「子供でないと兵器に乗れない」という設定は珍しくないかもしれません。ファフナーが心に突き刺さる理由として、搭乗する際に激しい痛みを伴うことがひとつ。また、戦闘で受けた痛みもまた、ダイレクトにパイロットが受けることになります。さらに、司令塔となる「ジークフリード・システム」を操る総士も、パイロットと痛みを共有します。

 また、ファフナーのメインシステムにはフェストゥムの「コア」が組み込まれているため、パイロットは戦いを続けることでフェストゥムとの「同化」が進み、最終的には結晶化し砕け散ってしまいます。戦い続けることもできず、引くこともできず、ギリギリの戦いを強いられます。

 視聴者は、画面の向こうの戦いの「痛み」を容赦なく心に受け続けるのです。

■ピンチに駆けつける救世主はいない

『蒼穹のファフナー THE BEYOND』第7~9話キービジュアル (C)XEBEC・FAFNER BEYOND PROJECT

 よく見かける演出に、絶体絶命の危機に陥り「もうだめだ……!」と覚悟を決めた瞬間に助けが入るというものがあります。『蒼穹のファフナー』では、ギリギリのピンチに「助からない」という結末が待っていることも。

 視聴者の望みを裏切る展開ですが、逆に「まさか来るとは思わなかった」と驚かされる助けの手もあるのが救いでしょうか。人気作では先の展開を「推測」「考察」されることもありますが、『蒼穹のファフナー』はもし予想したならば「こうあってほしくない」という結果が訪れることが多々あります。

 TVシリーズ1期の前日譚である『RIGHT OF LEFT』で描かれた「L計画」が最たるもので、竜宮島を守るために選抜された戦士たちは島に偽装された「Lボート」で航海を始めます。フェストゥムから思考を読み取られることを防ぐために戦う理由すら教えられず、多くの戦士が命を落としていきます。

「L計画」によって、フェストゥムの襲来を一時的に退けることに成功する竜宮島。その後、フェストゥムの本格的な脅威が訪れ、アルヴィスの大人たちは、苦しみながら子供たちを戦いに向かわせます。ある母親は我が子を戦いで失い、養子として迎え入れた子をまた失うという残酷な運命も背負うことに。それでもまだ子供たちを愛そうとし、苦しみを受け入れる姿が目に焼き付きます。

■島を愛する温かな人びと 頼もしい大人と強い子供

 ファフナーのパイロットである子供たちへの負荷を減らすための研究も進み、ストーリーの進行とともに痛みや同化現象の緩和がされていくのですが、最前線で命をかけての戦いが強いられることは変わりません。

 戦いに赴く子供たちは強く故郷を思い続けています。ただひたすら仲間や故郷への愛の深さが描かれているのが、ファンのキャラクターへの愛につながるのでしょう。

「島にはいつ、本当の平和がやってくるのか……」ファンからはため息や嘆きの声が聞かれます。戦いに勝っても、得られるのはつかの間の平和だけです。2020年公開予定の『蒼穹のファフナー THE BEYOND』第9話のサブタイトルは「第二次L計画」という不穏なもの。『RIGHT OF LEFT』で描かれた、悲惨すぎる計画が再び実行されるのでしょうか。

 設定の難解さから、数度繰返し視聴する人も多い作品です。まだ『蒼穹のファフナー』の世界に触れていない方は、無料配信中にぜひ歴史を追ってみてください。

 最後に、現実に起きた悲しい出来事もお伝えします。一騎を想っていたファフナーパイロットのひとり、羽佐間翔子(はざま・しょうこ)役を務めた声優の松来未祐さんが2015年10月27日に38歳で亡くなりました。松来さんの遺族は、「慢性活動性EBウイルス感染症」という非常に症例の少ない難病であったことから、病名を明らかにしました。認知度の低い病で、発見が遅れることも少なくないとのことです。

 また、総士の妹で竜宮島の「コア」である皆城乙姫(みなしろ・つばき)と乙姫の娘にあたる織姫(おりひめ)を演じた仲西環さんは2020年3月14日、44歳で亡くなりました。ふたりの声優が遺した素晴らしい演技も、改めて心に刻んでもらいたいと思います。

(マグミクス編集部)

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