任天堂がMiiverseの「自活」廃止、投稿数制限など管理強化。アルバムほか新機能も

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任天堂がコミュニケーションサービス Miiverse の大幅なリニューアルを発表しました。リニューアルの時期は2015年夏を予定。サービスを使いやすくする新機能が追加される一方で、一部ユーザーには好評だった機能が廃止ないし制限されます。

Miiverseは任天堂が Wii U や 3DS向けに展開している独自のネットワークサービス。ゲームの感想や自慢を文章や手描きのイラストで投稿でき、気になるゲームやいま楽しんでいるゲームについて世界中の人々の書き込みを眺めたり、「そうだね」ボタンで共感を伝えられるソーシャルネットワークです。

『NewスーパーマリオブラザーズU』ではプレイ中に他のユーザーの書き込みが表示されたり、『ファミコンリミックス』ではステージ選択の際にほかのプレーヤーの感想が表示されるなど、ゲームによっては連動機能もあります。

発表された主なリニューアル内容は、ざっと次の通り。

●アルバム機能

ゲームの画面写真を簡単に保存できる「アルバム機能」が実装されます。アルバムには画面写真を100枚まで保存できますが、自分のアルバムは他人には見えない仕様です。

●プレイ日記機能

ゲームのプレイ中にMiiverseを起動して感想や出来事を記録できる「プレイ日記機能」も追加。日記形式でゲームとの日々を書き溜めていくことができます。

●コミュニティが見やすく

各ソフトごとに用意されてるコミュニティの中で、投稿がテーマごとに分別されて見やすくなります。「プレイ日記」、手書きの投稿の「お絵かき」、話題をタグで分けた「トピック」に三分されるとのこと。

どれもユーザービリティを高めそうなパワーアップですが、Miiverseでは悲観的な投稿が少なからず「そうだね......」を集めている現実。その理由は「その他の変更点」にあります。

●「自分の活動」の廃止
ユーザーの間で「自活」と呼ばれていた日記機能がプレイ日記機能に変更。つまりゲームをプレイしていない時に、単なる日記としての投稿ができなくなります。

●連続投稿の待ち時間が短縮、ただし1日の投稿やコメント数は合わせて30件まで。
Miiverseには一定の投稿を排除するフィルタリング機能があります。まず、禁止用語による機械式フィルタリング。次に運営サイドの人の目による確認。さらにユーザーからの報告による三段構えのため、現在はなかなか投稿が反映されません。

それがスピードアップされる代わりに、投稿数が制限。チャット的な使い方はやめてね、ということでしょう。

これまでSNSサービスの経験が少なかった任天堂は、Miiverseの運営に試行錯誤を重ねてきました。2012年にWii U専用でスタートした直後は、見たくない相手を非表示にするブロック機能もなく、ようやく実現すればブロックした相手が一覧から消えないコント的な一幕もあり。

そうしたSNSの基本機能を実装したところで、2013年末に3DSに対応すると小中学生のキッズ層がどっと流れ込み、ネットリテラシーを備えた(はずの)大人を顧客としてきたSNS業界としても常識が通用しない、未曾有の隠しステージに突入しています。

Miiverseはゲームをより楽しむための付加価値サービスであると定義するならば、 ゲームに関係ないことで炎上したセガBBS先輩の例に学んで、 プレイしてないユーザーに書き込みをご遠慮願うのは原点に戻っただけといえます。一方で想定外の使い方で楽しんでいたユーザーにとっては、不本意にコミュニケーションのチャンネルを閉じられる不満となります。

9月10日に発売を控える『スーパーマリオメーカー』では画面にブロックやノコノコなどのキャラを配置して力のかぎり自己表現ができますが、土管を並べて浦安っぽいネズミの顔文字を描いたり、ユーザー自作のステージと任天堂運営の鍔迫り合いがアツい秋になるかもしれません。