ReadyBoost+ReadyDriveの機能を持つIntel Turbo Memory

Windows Vistaでは、USBメモリにスワップページをキャッシュすることで高速化するReadyBoost、そしてHDDのリード・ライトをフラッシュメモリにキャッシュして高速化するReadyDriveという技術がサポートされている。

インテルは、この両方の機能を同時にサポートするノートPC向けの新しいソリューションとして「Intel Turbo Memory」をリリースしている。これは従来コードネームRobsonとして知られていたものだ。Intel Turbo Memoryはフラッシュメモリと専用コントローラLSIで構成された製品で、アドオンボードやオンボードの形でノートPCに搭載されることになる。

ポイントは、Intel Turbo MemoryがReadyBoostとReadyDriveの両方の機能を併せ持つという点だろう。特にReady DriveがサポートされることはノートPCベンダーにとってもインパクトが大きいはずだ。

もともと、Ready DriveはHDDユニット上にフラッシュメモリを装備させる「ハイブリッドディスク」を前提にしている。PCベンダー側は、そのようなドライブを装備しない限りReadyDriveをイネーブルにできないわけだが、これはHDDユニットの選択を狭めることにもつながる。とくに現状では、ハイブリッドHDDがリリースされていない(サンプルは出回っているようだが)わけで、ReadyDriveはイネーブルにしたくてもできない状態にある。だが、Intel Turbo Memoryを装備すれば特殊なHDDユニットを使用せずにReady Driveをイネーブルにでき、HDDユニットの選択の自由度が広がるわけだ。

使用したマシンには、1GBのTrubo Memoryが内蔵されていた。

Intel Trubo Memoryコンソール

画面例に示すようなIntel Turbo Memoryコンソールというアプリケーションがインストールされており、Trubo Memoryの動作をカスタマイズできるようになっている。ただし、画面からも分るようにカスタマイズといってもReadyBoost、ReadyDriveのそれぞれをオン・オフできるだけで、それ以上の機能はない。

ReadyDriveをオンにすると、ドライブのプロパティに「NV Cache」という項目が現れる。

NV Cacheタブ。387MBのNV(Non Volatile…不揮発)キャッシュが有効になっていることがわかる

NV CacheはATA8で新設されたATAコマンド(HDDを制御するコマンド)で、HDD上のNVキャッシュを制御するコマンドセットのことだ。だが、搭載されているHDDはプロパティのタイトルから分るようにHTS721080G9SA00……HGSTのTravelstar 7K100 80GBという、ごく一般的なものでHDD上にフラッシュメモリはない。Intel Turbo MemoryがHDD上のフラッシュメモリのように振る舞っていることが分る。

サイズはタブに示されるように387MBだ。ReadyBoostをオフにしている状態で、この容量というの解せないところだが、どうやらReadyBoostのオン・オフ状態にかかわらずReadyDriveで使用されるキャッシュ容量は387MB固定らしいのである。

とはいえ、効果は確実にあるようだ。Futuremak PCMark05(v1.20 Vista対応)のHDDスコア、およびWindows Vista Experience Indexの値をReadyBoostオン・オフで計測した結果を示しておこう。