30日にNTTドコモが開発発表した「F1100」「HT1100」の2モデルは、いずれもWindows Mobileを搭載しながら、一般的な携帯電話と同様に10キーを備えたスライド式のボディを採用。既存のWindows Mobile搭載機とは異なり、フルキーボードを備えていないため、より普通の携帯電話に近い使い勝手を実現している。

いずれも発売は2007年度第4四半期ごろの予定。価格はFOMA 90xシリーズ前後の価格帯になる見込みだという。

左から富士通の伊藤公久氏、ドコモの永田清人氏、HTCのPeter Chou氏

F1100

FOMA F1100(富士通製)は、通信速度下り最大3.6MbpsのFOMAハイスピード(HSDPA)に対応するほか、IEEE802.11a/b/g対応の無線LANを搭載する。スマートフォン用のパケット定額サービス「Biz・ホーダイ」に対応するので、端末内での通信は定額で利用できる。

F1100

手のひらにすっぽり収まるコンパクトボディ

本体背面にはカメラと指紋センサーを搭載

法人による利用を想定しており、企業内IP内線ソリューションの「PASSAGE DUPLE(パッセージ・デュプレ)」「ビジネスmoperaIPセントレックス」に対応予定。IEEE802.11e準拠のQoS機能を備えたことで高音質での通話を実現。プレゼンス機能、インスタントメッセージング機能も搭載した。内線電話に必要な保留・転送・ピックアップ・保留応答などの機能も備えており、発信も、アドレス帳から無線LAN経由の内線、FOMA経由の携帯電話といった使い分けができるようになっている。

本体側面

セキュリティ機能として指紋認証機能を搭載。端末からアクセスしたWebサイトなどのID・パスワードを指紋認証から入力するパスワードマネージャを搭載するほか、追加インストールされた業務アプリケーションにも指紋認証によるセキュリティを設定することが可能だ。また、FeliCaチップを内蔵し、企業ユーザーの勤怠管理にも応用できる。なお、iモードサービスには接続できない機種のため、FeliCaチップはおサイフケータイとしては利用できず、あくまでFeliCaを使ったアプリケーションのために使われる。

一般的な携帯電話ユーザーになじみやすいデザインを採用しており、ボタン類も十字キー左右で発着信履歴の表示、終話ボタンで電源ON・OFF、クリアキーに相当するBackボタンなど、スマートフォンユーザーでなくても違和感なく使いこなせるようにした。待受画面も独自のデザインを採用。受信メールの件数や不在着信・伝言メモの表示、マナーモードの状態といった、携帯電話でなじみのあるアイコン表示を可能にしている。

そのほか、4つのソフトキーを採用。外出先ではよくかける電話番号を登録する、オフィス内では保留や転送などの内線電話の機能を設定する、自宅ではメディアプレイヤーや電卓などのショートカットキーとして使う、といった使い分けができる。

待受画面(左)とプログラム画面

富士通の経営執行役上席常務・伊藤公久氏は、F1100を富士通の戦略商品と位置づけ、同社の企業向けソリューションと組み合わせて販売していきたい意向だ。NTTドコモ執行役員・プロダクト&サービス本部の永田清人プロダクト部長も、富士通のソリューションとの組み合わせによる販売に期待感を示している。