ウィルコムは4日、NTTドコモの回線を借り受けてデータ通信サービスを提供する「WILLCOM CORE 3G」を法人向けに提供すると発表した。3月9日からサービスを開始し、USB接続タイプの通信端末を発売する。

ウィルコムは、通信速度が下り最大20Mbps以上の次世代PHS(XGP)を、2009年4月下旬から都内の一部エリアで限定サービスを、10月からは本サービスの提供を予定している。以前から、サービス開始当初はカバーエリアが狭いため、それを補完する形でドコモの回線を借りたMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスを提供することを明らかにしていた。

WILLCOM COREとして想定されているさまざまな通信回線。中心にあるのは次世代PHS(XGP)(写真は今年1月の記者会見時のもの)

今回発表されたWILLCOM CORE 3Gでは、XGPに先駆ける形で人口カバー率100%のドコモ網を利用した、下り最大7.2Mbps / 上り最大384kbpsの通信速度サービスをのデータ通信サービスを提供する。回線はドコモから直接借り受けるが、通信設備の一部を、同じMVNOの日本通信から借りてサービスを行う。なお同サービスは、2012年12月末までの時限的なものとなる。これは、より高速なXGPのカバーエリアが一定まで広がることを想定したもの。ただし、同社では「WILLCOM CORE」としてさまざまな通信回線を組み合わせたサービスを提供することを考えており、2013年からの展開については現時点で検討中としている。

今回提供するのは法人向けの「3Gビジネスプラン」で、5回線以上の法人名義での契約が条件。月額料金は30万パケットを含み945円。これにインターネット接続料として月額525円が追加される。30万パケット以上は1パケットあたり0.0126円となる。ただし、上限金額が設定されており、5~14回線までの契約では1回線あたり7,980円以上は加算されない。15回線以上になると同5,985円が上限だ。2年間の契約が条件で、途中解約は9,975円が必要。30万パケットまでの無料通信分は、同一契約回線内での自動分け合いが可能で、無駄なく無料通信を利用できる。

現時点では法人向けのみの提供となるが、個人向けサービスについても現在検討中で、今後提供されていく見込みだ。

通信端末は、USBスティック型の「HX001IN」(ネットインデックス製)を用意。サイズは約27×88×13mm・約30gで、microSDカードスロットも備えている。対応OSはWindows 2000/XP/Vista、Mac OS X 10.4~10.5.6。6月30日まではキャンペーン価格12,600円で販売される。

HX001IN

なお、キャリア間のMVNOでは、ソフトバンクモバイルとイー・モバイルとの間のMVNOが問題視されているが、ウィルコムは3G回線を使っていないキャリアである点、XGP普及までの橋渡し的なサービスである点などから、問題はないとの認識だ。