2011年の東日本大震災で幼稚園に通っていた長女を亡くした母親がこのほど、石巻市内で講演しました。母親は、参加者に当時の状況を語りながら命を守る大切さを訴えました。

佐藤美香さん:
「ニコニコっと笑顔で娘が帰ってきてくれることはもう二度とありません」


石巻市内で講演したのは、市内在住の佐藤美香さんです。佐藤さんは、11年前の震災で当時、幼稚園に通っていた長女、愛梨ちゃんを亡くしました。

講演会では、佐藤さんが集まったおよそ30人を前に、愛梨ちゃんが乗っていて被災した送迎バスの写真などをスライドに映しながら当時の状況を語りました。


佐藤美香さん:
「想像を絶する状況だったのではないかと思っている。生きたくて生きたくて必死に子どもたちが叫んでいたと思う」


6歳だった愛梨ちゃん。

石巻市の高台に建つ日和幼稚園に通っていましたが、地震の後に乗せられた送迎バスが海側に向け出発し、津波とその後の火災に遭い亡くなりました。


あの日の朝、「行ってきます」と言って出て行った愛梨ちゃん。佐藤さんが会うことができたのは震災から3日後のことでした。