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探す? 作る? ノベルゲームの背景素材

個人でゲームを開発しています。有料無料問わず、ノベル系のゲームを作る機会が割とあります。私はイラストを多少描くのですが、背景が苦手で、さりとて人に依頼するほど度胸もなく、自分にできる範囲でなんとかしようと奮戦してきました。

背景素材を探す時のあるある問題として「いい素材はあるけどトーンやテイストがバラバラ」「解像度たりねえ」「公園と学校は見つかったが、オフィスがない」などが挙げられます……やたら悩み事の解像度が高いのは私も経験者だからで、お察しします。

本稿では、無料、有料、AIに描いてもらうなど、私が思いつく限りの「ノベル系ゲームの背景を揃える手段」をまとめました。

無料背景素材

イラストAC

投稿系サイトですが、国内なので比較的安心して使えるサイト。

探し方のコツとして「背景 街」などで検索してゲームに合いそうなものがヒットしたら、その作者さんの名前リンクをクリック→作者さんの検索窓で欲しい素材を検索、といった手順を踏むとトーンが揃ったものを見つけやすいです。

sworcさんの背景素材
カネコさんのイラスト素材
きららむしさんのイラスト素材

素敵なイラストは数あれど、中でも「ゲームの背景」という観点から特にすごいと思っているイラストレーターさんはsworcさん、カネコさん、きららむしさんです。解像度も高くトーンが揃った素材が大量にあるので、閲覧するだけでテンションがブチ上がります。本当は人に教えたくないんですが、栄えて欲しいので載せちゃう。

pixabay

https://pixabay.com/ja/illustrations/風景-景色-風光明媚な-見る-5120075/

海外の投稿系サイトで、日本語にも対応。ほとんどのものがフリー素材ですが、ごくごく稀に「教育目的のみ使用可」素材があり、無料ダウンロードボタン下に規約が書かれていますので念の為確認を。

探し方のコツとして「背景素材」などではヒットしにくいので、まず「風光明媚」などと入れて「イラスト」プルダウンを選択すると、それっぽいものが出てきます。類似のイラストを探すなら、出てきた画像の下部にハッシュタグがあるので、それをクリックすれば関連画像が見つかりやすいです。

個人投稿系サイト利用の重箱の隅をつつく注意点として「投稿されたものの著作権を本当に投稿者が所有しているか」はその人のモラルに委ねられています。しかし、だからこそ万一何かあっても使った側のモラルが問われることはないだろうとは(個人的に)思います。

CLIP STUIDO PAINT 素材(一部)

公式からもいくつか無料背景素材が配布されています。CLIPPYで入手できる背景画像もあり、私はログインボーナスをコツコツ貯めて時々購入しています。

写真を加工する(CLIP STUDIO)

上記記事の「イラスト調フィルター」はPRO版のみの機能ですが、併せて紹介されている「スマートスムージング」機能ならPRO版じゃなくても使えますし、個人的にはこちらの方がイラスト風に近い加工ができると思います。上記加工のうち、後半の影をつける工程以降を難しいと感じる方は、彩度調整とスマートスムージングくらいまでの加工だけでも結構ええ感じになるはずです。

ゲーム背景に用いる場合、複数枚に渡り違和感なく完成させるために「加工前に解像度(サイズ)を揃える」など少しコツが必要ですが、難易度はそれほど高くなくて「どうしても写真加工とバレたら嫌」というケースを除けばおすすめです。

ただ、写真加工は選定に始まり、明るさやトーンをある程度加工で揃える必要も出てくるので、こだわる場合は習得する必要があります。

写真を加工する(photoshop)

詳細こちらに描いていますが、おすすめの方法ではありません。

なお、加工するための写真を無料で探すなら国内サイトの「ぱくたそ」さんと「写真AC」さんが、海外サイトを使うのに抵抗がない方なら上述のPixabayが日本語対応のうえ物量・クオリティがすごいのでおすすめです。

有料(お安め)背景素材

本稿に挙げた解決案のうち、無難で一番おすすめなのがこの「有料(お安め)素材」です。

個人開発では素材にお金をかけるのに抵抗がある方もいるのではないでしょうか。無理のない範囲でやりたい、というお気持ち察します。ただ、ご自分の目的が「ゲームを無料で作ること」「時間がかかっても、完成させなくてもよい」であれば、なんとしても無料におさめるべきかも知れませんが、そうではなく「ゲームを完成させたい」が目的なら、数千円の出費で時間を浮かし、それをシナリオやキャラを魅力的にするためのリソースに割り振るのがおすすめです。

背景専門店みにくるさん

拙作「インディーゲームを作ろう!」より

ある程度トーンの揃った背景素材がジャンル別でモリッと入手可能。CLIP STUDIO のストアでも一枚ずつバラ売りされてますが、ジャンルごとに十数枚入ったセットが1000〜3000円前後で売られてたりするので、そこそこ場面転換のあるゲームを作る予定ならこちらがおすすめ

差分も豊富なので、画像加工の知識がない人でもそのまま使えるクオリティです。

Midjourney(ミッドジャーニー)

A simple Asian inn room, medieval times, visual novel background, color rough --ar 16:9

言わずと知れたAIお絵描きシステム。サブスク月10$で200パターンくらい生成可能、30$で制限なし。私は10$で登録しており、Midjourneyの頭文字+AIでmaiちゃんと呼んでいます。

私の主な利用目的は商用のラフに使うため。上記のようなコマンドで依頼をかけるんですが、「このタッチでこれを」と頼んでも、思う通りに上がってこないことがよくあります。しかし、相手が人ではないので何度リテイクを出してもあんまり心が痛まないのは大きなメリットです。

ただそもそもサイトが英語なので入口がややわかりにくい。枚数制限はラフや失敗作も一律含み、かつ翌月持ち越しがないみたいなので私は割とあっという間に使い切ってしまい、翌月を待ちがちです。

また、maiちゃんにも癖や好みがあるみたいで、うっすら空間が歪んでいたり、やたら木の枝が多かったりします。なので、こだわる方や商用に使うには多少の加工技術が必要かも知れません。

とはいえ私が描くのより断然上手なので、背景を探し続ける時間を思えば心強い味方です。

Stable Diffusion

Midjourneyよりはわかりやすいインターフェイスです。手元で調べた範囲では横幅1024pixelが最大値でしたが、コマンドを追加することである程度のサイズまで生成できるようです。

少し調べたところ、有料版は200クレジットが2ポンド。ということですが、そのクレジットでどのくらい描けるのかはよくわかりませんでした。

また、どうもなんらかの技術を使えば無料で利用できるようになる? みたいなんですけど、私が読んだ限りかなり専門的なことが書かれてあったので、使いこなすのは難しそうです。

Midjourney同様、最初は無料お試しできるみたいなので、どんなものかな〜と覗いてみるのもいいかも知れません。

誰かに依頼する

お金と依頼力に余裕がある方なら、有料でどなたかにお願いするのも一つかと思います。

私は誰かにイラストをお願いした経験はほぼないので知見もなく……そこで「依頼してこんな感じだった」という体験談を探しましたが、見つかりませんでした。相場も本当にピンキリのようで、依頼の仕方も謎に包まれています。

いつかどなたかに頼んでみたいと思ってますので、何年先になるか分かりませんがもし実現したら、絵師さんに交渉してこちらに追記します。

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