キャラ属性とその在り方【国士舘大学アニ研ブログ】

(この文章はコミックマーケット103にて頒布した部誌である「Cultures Vol.2」にて掲載したものに一部修正・加筆を加えたものになります。)


キャラ属性とその在り方
執筆者:あねもね


キャラ属性について

 「キャラ属性」それは言うまでもなく、キャラクターを彩る根底にある大きな要素です。
性別や種族(人種)、髪の色や瞳の色などの身体的なものの他に、メンヘラやサディスティック、ツンデレ、ダウナーなど性格的なものもあります。
「キャラ属性 一覧」とかで検索してみるとこれ以外にもたくさんの属性やタイプが出てきます。
みなさんの中にも趣向や性癖的なものがあると思います。それらも細かく分けて見れば属性化でるはずです。
性別・年齢・性格・髪の色・境遇などで考えて見ると分かりやすでしょう。
こうして見てみると、キャラクターを単体のキャラとして自立させるため=非モブ化の要素であると言うことがよく分かります。

自立させるとはどういうことか

 モブキャラと言われるようなキャラクターたちと違って、はっきりと明確に描かれるようなキャラクターはそれ単体で自立しています。
名前が公開されていて、性格や生い立ちを元に言動や行動、感情が描かれます。ほとんど説明や設定がされていないモブキャラと違って今後は作品に依らずとも存在を確立(自立)できます。
例えば、「妹」という属性があります。この属性は上記の作品に依らない存在の確立の良い例です。
妹属性、つまり妹キャラと言えば数々のキャラクター名が挙げられると思います。高坂桐乃(俺妹)、桐ヶ谷直葉(SAO)、竈門禰豆子(鬼滅の刃)などなど。
彼女たちの共通点は妹というだけで、それ以外の生い立ちや性格は各々です。しかし、妹というカテゴリーの中では共通していますし、妹キャラという枠の中では必ずと言っていいほど名前が上がるようなキャラクターです。俺妹という作品、SAOという作品、鬼滅の刃という作品に属してこそいますが、妹キャラというカテゴリーだけでもその存在を示すことができるのです。
これが作品に依らない存在の確立です。

キャラ属性は想像によって補完される

 作品に依らない自立としてほかにも、想像される特有の要素を有していることも挙げられます。
昨今話題の『葬送のフリーレン』という作品、こちらの主人公はエルフという種族です。
ここでエルフという種族を属性として捉えるとしましょう。そこで皆さんはエルフという言葉からどんなことを想像するでしょうか。例えば魔法・長寿・長い耳とかが想像しやすでしょう。この要素だけ見るとまんまフリーレンですね。
実際、エルフという言葉からイメージされる要素を元にデザインされたのがフリーレンで、そのおかげでフリーレンはエルフという属性を持っていると言えます。
我々はフリーレンが登場する前からエルフという種族や言葉に対して、例であげたような要素を共通して持っていたはずです。つまり、我々がエルフという種族に対して共通の認識を持っていたために、フリーレンもエルフとしてキャラクターを確立できているわけです。
逆に、エルフという種族に対して全く無知で、想像もつかないという人にとっては、フリーレンの姿そのものがエルフの代表例となります。フリーレンほど一気に有名になった作品であれば、エルフという属性の代表例ともなりえますし、それがまた、多くの人々の共通認識になるでしょう。
属性に対する共通認識からイメージが補完され「このキャラクターはこういうキャラだよね」というふうになるわけです。

分類的に捉える

 分類的にと言いましたが、ここでは樹形図みたいなものを想像していただければわかりやすいでしょう。
「属性」というものを原点に「容姿」「種族」「性格」「性別」などの大きな括りに分かれ、それぞれが「容姿」→〔髪型〕〔服装〕〔肌色〕......、「種族」→〔人間〕〔エルフ〕〔魔族〕......、「性格」→〔ツンデレ〕〔ダウナー〕〔ニヒル〕......、「性別」→〔男性〕〔女性〕〔男の娘〕......、などに分かれ、それぞれがさらに細かく別れていくようなイメージです。
キャラ属性は複数を所持していたり、分類を越えていることがしばしばあります。

引き続きフリーレンを例にあげて見てみましょう。

【フリーレン】
「容姿」→〔髪型:ツインロング〕〔服装:魔法装束〕〔肌色:白色系〕
「種族」→〔エルフ〕
「性格」→〔ドライ〕〔ダウナー〕
「性別」→〔女性〕
と、このように1人のキャラクターに各分類の属性を1つ、または複数個所持していることが明確です。
また、〔エルフ〕という属性は「容姿」に関わる〔長い耳〕という要素も包含していると言えます。
(前の説で書いたように「エルフ」という言葉から連想されるイメージで「長い耳」が浮かぶ場合)
この場合では〔長い耳〕という要素が「容姿」と「種族」の二つの属性にまたがっていると捉えられす。
このように属性を分類、整理してみると、自分の好みのタイプや系統が見えて来るでしょう。


キャラ属性によるキャラクターの自立とイメージによるキャラ属性の補完、属性の分類のお話でした。

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