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サザンオールスターズデビュー45周年とBiSH解散の共通点

デビュー8年目に起きたサザン解散疑惑

1978年6月25日にデビューしたサザンオールスターズはデビュー45周年を迎えます。おめでとうございます。サザンが解散危機に面したのはメンバーの原由子さんが妊娠して活動休止に入った1985年のことです。KAMAKURA というアルバムを発売後、KAMAKURA TO SENEGALというライブを原さんを除いたメンバーで行いました。そしてデビュー8年目1986年4月サザンの中心メンバーである桑田佳祐さんがKUWATA BANDとしてデビューするのです。「BAN BAN BAN」、「スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)」とヒット曲を連発し、原さんの産休中の1年限りという限定で活動し1987年に解散しました。ただ「でたらめなロックをやりたい」といって作られたKUWATA BANDはドラムの松田弘さんを除けば、一流スタジオミュージシャンで固められ、演奏技能の高さとコンポーザー能力の高い桑田さんの合流は明らかに日本のロックに衝撃を与えました。1987年にサザンが復帰すると思っていたファンからするとKUWATA BANDはサザン解散を想起させるものではありませんでした。むしろその後、1987年10月にソロ桑田佳祐として「悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)」を出した時に、もうサザンはないんじゃないか?と思わせてしまうのです。桑田さんのソロは小林武史さんと藤井丈司さんが楽曲制作に参加します。小林さんは後にミスターチルドレンのプロデューサーや岩井俊二監督の「スワロウテイル」の音楽監督として活躍されます。1988年、サザンデビュー10周年に「みんなのうた」で復活するのですが、「サザンオールスターズプレゼンツ 1988大復活祭」というライブでは、桑田さんのコーナーはサザンと別メンバーが演奏することになり、ファンにとっては桑田さんはソロの方がいいと思っているのでは?と感じさせてしまいました。

桑田ソロとサザンの差別化に慣れるまで

桑田佳祐さんのソロが出た後は、小林武史さんがサザンの活動にも参加します。実はメガヒットが続くようになったのは小林さんが参加した1988年以降だということも何か皮肉です。「いとしのエリー」の後はヒットがなく、BiSHの毎月シングルリリースの先駆けとなった?FIVE ROCK SHOW"(ファイブロックショー)という5か月連続シングルリリースでは、ヒットが出ない状態が続きました。レコーディングとライブを優先し、テレビの露出を抑えたことでサザンは忘れられた存在になりかけました。その後、歌謡曲調の「チャコの海岸物語」からヒットを出し続けましたが、全世代に広がったのは小林武史さんとの共同作業後でしょう。しかしサザンのメンバーを差し置いて小林さんに頼ってしまったことで、桑田さんはサザンが分解する雰囲気を感じ取ったのでしょう。実際に学生時代からの盟友である関口和之さんが1991年から94年まで体調不良で療養しており、ジャケットにも顔を出さない状況があったため、サザン自体も厳しい状況にあったといえます。しかし1993年11月に小林さんとサザンの共同作業がなくなり、1994年に関口さんが復帰したことで、桑田さんのソロとサザンとの作業に明確な差が出てきたと言えます。2001年8月にギタリストの大森隆志さんがサザンを去ることになり、サポートメンバーに斎藤誠さんが入ることになり、桑田さんのソロとサザンのギタリストが同じになってしまうという状況が生まれます。そこからの22年はサザンと桑田さんソロというのが交互にあるという感じで、ファンもそれぞれの受け入れ方でサザンと桑田さんソロを楽しんでいます。

BiSHとの共通点

BiSHの解散がサザン解散危機の8年目であることと、それがBiSHリーダーのセントチヒロチッチ、サザンのリーダー桑田佳祐共に30歳の出来事である点は注目です。また桑田さんがソロで数多くのアーチストと接して、ソロとしては演奏能力を磨いていく中で、第2期ソロ活動を桑田さんと共同で進めた小倉博和さんとの間で骨太のロック&ブルースを桑田節の1つとして加えました。BiSHのアイナ・ジ・エンドが2022年ミュージカル「ジャニス」の主役を務めた際のギタリストが小倉博和さんで、アイナが女桑田佳祐に変貌する期待も持てます。桑田さんはフジテレビ「音楽寅さん」を通じて「桑田佳祐 & SUPER MUSIC TIGERS」というバンドを組んでいますが、このベーシストが亀田誠治で、アイナの「ジャニス」でもベースを弾いた他、VIVALAROCKなどで深く、アイナのソロ活動に関わっています。「ジャニス」では第三期の桑田さんソロのドラマー河村"カースケ"智康さん、山本拓夫さん、西村浩二さんといった桑田組のメンバーがアイナのバックを務めています。アイナが桑田さんソロのような存在として生き残り続ければ、いつか清掃員の止まり木としてBiSHがなんらかの復活を遂げ、サザンのように45周年とか迎えるかも・・・なんて思っています。

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