鼻で笑うぜ

鼻で笑うぜ、何回聴いてもいい曲名。

曲中にこんな歌詞出てこないのに
この曲名じゃないとしっくり来ない。

みんなはCD買ったらどのようにして聴くんだろうか。
俺は曲名だけ見て気になったのから聴いてみるタイプ。

世界を聴いてドハマリして購入したred album、
ドキドキしながら開封してパンク好きな俺がまず目に入った曲名が『鼻で笑うぜ』だった。

耳を通じてもっと身体の芯の部分を突き刺すようなギターリフでこの曲は始まる。イントロが良い。
とにかくイントロが良い。死ぬほどかっこいいんだけど何処か儚くて物悲しい感じ、強さの中にある繊細さがこのイントロの一番の魅力だと思う。

『昔褒められた優しさは
つけ込まれるだけの欠点にしかならん
まずね、優しさはそもそも金にはならないし』

という歌詞。昔は優しかったけど色んな人にいいように利用されたり、生活に余裕がなくなったり辟易しているうちに性格が荒んでいくっていうリアルすぎるストーリーが浮かんできてとても好き。
大抵の人間は子供の時からしつこいくらいに「人に優しくしなさい」と教えられる。本質的には優しい人間でありたいと思うけど、でもそう言われた通りに優しさを振りまいて得することと損することどっちが多かっただろうか、結局は優しさなんて人生何の役にも立たなくて、足枷にしかなって無いんじゃないかと思う時がある。

少し自分語りさせて欲しい。
一年の浪人の末に入った大学一年の秋、
本当に孤独だった。親元を離れて遠方の地、日々は大学と荒れ散らかったアパートとの往復だけ、というか少しずつ大学にも行けなくなってしまった。薄暗い部屋でただ一人だった。
受験勉強の時思い描いていた学生生活とは程遠く、友達も出来ず本当にひとりぼっちだった。辞めてやろうかとも死んでやろうかとも思ったが、下手に愛されて育てて貰ったのでそんなこともできる訳もなく。
そんな時YouTubeを読み漁っていて辿り着いたのがCRYAMYの世界のライブ映像、夜通しで他の曲を漁ったりコメント欄を読んだりしていた。とにかく必死だった。そこには沢山の『ひとり』がいっぱい居た。そんなことがただただ嬉しかった。
上手く言葉に出来ない。孤独にはしないんだけど、『ひとり』を『ひとり』で居させてくれる。そんな感じ。

『でもね、君がそばにいてよかったって思うよ』

この距離感よ!この距離感が本当に好き。
ひとりでいる限りずっとCRYAMYはそばに居てくれる

歌詞だけじゃなくて歌メロもいいよね
よかっ↓た↑って↘のとこ。
気づいたら口ずさんじゃう。

『大袈裟なこと言わなくたって私は解ってるわ
金無い、職無い、なんにもないやつに
できることなんて無いさ。
アイツが高校辞めた日も、金なくて殴られてた時も
「金貸してくれ」って言われた日も
言えたのは「ごめんね」だけ』

感想書くのもしんどいくらい重い歌詞、
まさに人生って感じ。
もう言い訳する気力すら無いんだよ。わかる。
恋愛や人間関係の悩みより将来やお金の悩みの方が心がすり減る。もう全部どうでもよくなってとりあえず謝っとくのが一番楽なんだよね。というかごめん以外言えることなんて無いじゃん。

こういう悲しすぎる歌詞をパンク調に唄う曲に本当に弱い。弱くも強くもある曲っていうか、、自虐的だけど開き直っていて優しい感じ?

冒頭でも言及した『鼻で笑うぜ』というタイトル。
なんでこの曲名にしたのか考えながら聴くと結構面白い。個人的にはこの世の不条理とか遣る瀬無い苛立ちや虚無感をまとめて鼻で笑ってやるぜ!的な意味だと思ってる。強がりという意味でも、意気込みという意味でも。

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