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第386回 裏切られた野鳥オナガ

①https://www.photo-ac.com/main/search?q=共存共栄&pp=70&srt=-releasedateより引用

   「共存共栄」をする野鳥でネット検索すると、オナガが圧倒的に多くヒットします。オナガカケスと同じカラスの仲間で、知能はほかの野鳥と比べてみても高い方と思います。そのオナガの「共存共栄」の相手は猛禽類の中で、最小と言われるツミがその相手です。

オナガ(体長約36㌢)

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   オナガは雌雄同色で、その「共存共栄」の手段として、猛禽類のツミの巣の近くに自分たちも営巣したのです。その理由とは、ツミはナワバリ意識が強いので、半径50m以内に侵入者がいると、直ちに追い出してしまう習性を見越して、自分たちの巣もツミの近くに作ります。

ツミのつがい(左がオス体長約27㌢、右がメス体長約30㌢)

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   また、ツミは一番小さな猛禽類で、漢字表記は「雀鷹」です。日本には夏に繁殖して東南アジアで越冬する夏鳥です。食性は動物食で、主に小さな野鳥を捕食し、爬虫類、小形哺乳類、昆虫なども捕食します。そのツミオナガは用心棒としたのです。

④http://www.miyuki-net.co.jp/blog/?p=1636より引用のツミの巣とヒナたち

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   そんなツミも④のよに営巣して、写真のようなヒナをもうけます。ツミの天敵はカラスです。カラスは猛禽類ではありませが雑食で、身近な光景でもスズメツバメのヒナが餌食となっています。その天敵がツミの巣に近づくとオナガがけたたましく鳴いて、ツミに危険を知らせます。

⑤http://hybwc.blog39.fc2.com/blog-entry-2879.html?spより引用のツミオナガの幼鳥を襲って捕食している

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   そのオナガの鳴き声を聞いて、ツミの親鳥は危険を回避することができるのです。共存共栄の典型例な例と言えます。しかし、⑤は裏切りです。ツミのヒナが幼鳥に育つ時、一番身近な餌として、なんとツミオナガのヒナを襲って、我が子に与えます。自然界の裏切りで。

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