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台湾フルーツ日記#4 思い出の蜜棗

蜜棗 3月~4月

蜜棗(ミーザオ)は、読んで字のごとく蜜のように甘い棗(なつめ)。

日本では、棗はあまり生で売っているのを見かけない。
日本の私の生活圏で棗を見かけるとすると、中華街にある食材屋さんで売っている乾燥棗だっただろうか?
中学生くらいのとき、一時期マンガの影響でナツメヤシの蜜づけにあこがれて、乾燥棗を買ってもらいハチミツに漬けてみたが、そんなにおいしくなかったのは、いい思い出。
その後、そもそも棗とナツメヤシは違うものだということも学んだ。

脱線してしまったが、私が初めて生の蜜棗に出会ったのは、実は台湾ではなく大学時代、アメリカのスーパーだった。
いつも新鮮なフルーツが、多種大量に売っている韓国系のスーパーだったのだが、その中である季節にだけ売られるSugar Plumと書いてあったフルーツ。
アメリカのスーパーは割と自由なので、どんな味かを確かめるために、買ってもいないフルーツを、1粒くらいならその場で味見をしてしまってもいい。そこで一粒食べたSugar Plumが、周りにある他のプラムと全く違う甘味でおいしすぎて爆買いした。それからは、スーパーに行くたびにSugar Plumを仕入れておやつに食べていた。

大学を卒業し日本に帰り、星野リゾートに就職して早11年。
また食べたいとSugar Plumへの思いをそこまで募らせてはいなかったものの、時折思い出しては、いつかまた食べたいと思ったことはあった。

そして、今年2023年の春、私たちはついに再会を果たした。
市場の中のいつもの八百屋さんに山積みされていた、思い出に残るフォルム。まさか、まさか、、、!と思いながら、ここでもパクリと試食。
そう、この味!ちょっと思い出の中で美化しすぎていたところはあったかもしれないけれど、この味は確かにあの時の(だと思う)!
プラムと棗は品種というか植物的に全く異なるものであるはずなので、心中で10%くらい自分の舌の記憶を疑っているところはあるのだけれど、90%の私は再会を純粋に喜び、今日もまたおやつに食べています。

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