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ウッドストックになれなかったウドーフェス伝説

このコロナ禍で野外フェスはなかなか開催は難しい状況だが、フジロックやサマーソニックは日本のロックフェスとして確立した感がある。
それを思うと2006年に開催されたウドーフェスティバルが不憫でならない。

海外から幾多のアーティストを招聘してきたウドー音楽事務所の集大成といえるのがこのフェスであった。
筆者が見た大阪南港でのステージ2日目はセンターステージにはサンタナ、ジェフベック 、ドゥビーブラザーズ、プリテンダーズ、バディガイら、サイドステージにはラリーカールトンやボブジェイムスのフォープレイ、チャーらそうそうたるラインナップだ。
1日目はKISSやポールロジャースがベックやサンタナの代わりに出演。
なお静岡の富士スピードウェイでも同様のライブが行われた。
○ベックスボレロを弾くジェフベック先生。

しかし蓋を開けてみれば、閑古鳥が鳴くとはこのことだ。
これだけのビッグネームのアーティストを集めながらまさかのフェスであった。
富士スピードウェイの方はまだそれでも映像を見る限りましのようだ。
大阪の泉大津フェニックスの会場はほんとに酷かった。
前の方に観客は集まってるが、後ろはガラガラ。
さらにもう一つ酷いことにセンターステージのすぐ横にオプションステージ。
音漏れがなんともならない。

なぜお客がこれほどまでに集まらなかったのか?
私の感触では当時の40代から60代くらいまでのファン層がかなり占めて、真夏の野外フェスを避けていたように思う。
それとこれだけのベテランアーティストが出演するのでフルなステージは観られないということからパスしたというのが正解だろうか。
そういえばだいたいは1時間前後のステージであった。

○デトロイトロックシティを演奏するKISS。
なぜか富士のステージの動画しか上がってこない。


あまりにも少ない観客なのにアーティストらはほんとに熱演。
やっぱりプロですわ。
ジェフベック 先生、サンタナでトリとなったが、先生のステージから大雨、風も吹いたりしてちょっと嵐のような状態、
サンタナはそれでもちょっと長めのステージをこなした。
ウッドストックのようなわけにも行かず、最後まで観ずに帰る観客も。

そんな散々なウドーフェスだったが、収穫もあった。
それはもはやレジェンドであったバディ・ガイを観れたことだ。

黙々とスローなブルースナンバーを弾いていたバディがふと突如ギターをかき鳴らし始めた。

横のサイドステージのバンドがパンクなサウンドをやり出したときだ。
爆音だ。もろにセンターステージの会場まで聴こえてくる。

バディはジミヘンの「ブードウ・チャイルド」のワウをかました。
めちゃくちゃ大音量。お隣の音漏れに頭がきたか?
自分は過去見たライブではエアロスミスかレインボーの音がでかかった。

顔を見たらかなり怒ってる。
マイクに擦り付け、歯でも弾き倒す。
そのあと紫の煙、リトルウイングらしきサウンド。
まるでジミが乗り移ったようだ。
もうすっかり観客はカオス状態に陥っていた。
ほとんど立ち上がってみている。
伝説のブルースマンは最大のロックギタリストでもあることも見せてくれた。

確かにウドーフェスはウッドストックになれなかったのかもしれないが、私にはアーティストらが真摯にプレイする姿は感動ものであった。
あの日会場にいた人ならたぶん理解できるだろう。
一つだけ欲をいわせてもらうと、富士スピードウェイと同じくジェフベック 先生が飛び入りでスーパーブギーをやってもらいたかった。
果たして欲張り過ぎだっただろうか‥

伝説よさらばー






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