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「オレイカルコス・シュノロス」のカルテ(クソカード医学会用資料48)


まえがき

 お久しぶりです。仕事や他のゲームやプライベートもあって投稿間隔が空いてしまいましたが、一旦復活です。

 今回の患者は「オレイカルコス・シュノロス」。
 アニメ遊戯王DMのオリジナルストーリー「ドーマ編」でダーツの使用した準切り札モンスターで、あの海馬を撃破した実績もある大型ボスモンスターです。

 そしてアニメ放送から6年後、同じアニオリカードの「ガーディアン・エアトス」等とともについにOCG化。
 しかし何故かファンデッキですらなかなか拝めないマイナーカードとなっています。いったい何が……。

オレイカルコス・シュノロスについて

 患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

どぐう

 …………こんな効果だっけ
 なんかもっとこう、無効化したダメージによって高くなる攻撃力とか、アリステロスとデクシアがどうとかそんなだった記憶があるんですが……。
 とはいえアニメで見たのがもう二十年も前の話なので、私が効果を間違えて記憶している可能性もありますね。ですのでそんな不確かな根拠から「アニメと効果が全然違う!」などという言いがかりめいた批判を行うのは控えようと思います。
 単純に微妙な効果を批判しようと思います

 まずも何も、この意味不明な召喚条件が目に付きます。
 自分の通常モンスターが戦闘破壊された場合て……。戦闘を介するだけでも遅いのに、現代遊戯王で通常モンスターの戦闘が起きること自体がまずなく、せいぜいブラマジかブルーアイズデッキくらいでしかお目にかかれない状況ですね。
 能動的に出すならそれらのデッキで……となるのでしょうが、サポート豊富なブラマジやブルーアイズでわざわざこいつを採用するメリットはないでしょう。

 出した後も相手の場のモンスターの数×1000の攻撃力という相手依存の攻撃力から、逆転に繋がらないことがしばしば。
 同タイプの効果で魔法罠も参照する「邪神イレイザー」ですら扱いづらいのに、モンスター限定となると攻撃力3000を越えないことも珍しくはなく、また、高攻撃力が見込める状況下では相手の盤面が整っているわけですから、そもそも出しても効果を無効にされる、除去されるなども普通にありえます。耐性ないし
 ダメステで特殊召喚されるので、特殊召喚自体は比較的邪魔されにくいですが、バロネス辺りには普通に止められるのでメリットとまでは言えません。

 そして最後の効果は、"レベル4通常モンスター"に"効果破壊耐性"をもたせるというもの。守備範囲狭すぎ
 通常モンスターのみでも、レベル4モンスターだけでもかなり狭いのに、レベル4通常モンスターのみって……どこに需要があるんだこれは……。
 戦闘破壊耐性や対象耐性まで付くならこの狭さもまだわかるんですが、効果破壊耐性のみ。

 そもそも特殊召喚条件もこの効果も通常モンスターの採用を前提にしていますが、その通常モンスターが現代遊戯王では事故要因になりがちというのも苦しいところ。
 「しゃりの軍貫」のようにサポートが豊富な通常モンスターならまだしもデッキとして成立はしますが、問題はそのレベル4通常モンスターを素材や中継にせず、そのまま積極的に戦闘を行わなければならない点にあります。デッキレベルの大事故必死です。

 問題点をまとめると、
①特殊召喚が手間
②アタッカーとしてもサポートとしても微妙な効果
③通常モンスターの採用が前提なので事故りやすい
 となります。つまり書いてることが全部弱い……。

 じゃあ長所はないのかというと、なくはありません。
 まず、「オルフェゴール・クリマクス」「クリフォート・ゲニウス」でサーチがしやすい闇属性・機械族ですし、レベルが10なのも工夫すれば活かしやすい点でしょう。
 もちろん、それだけなら他に使いやすい機械族レベル10がたくさんいますから、どうにか効果を活かさなくてはなりませんが。

 兎にも角にも、まずは通常モンスターを見繕う必要があります。
 特殊召喚に必要ですし、できればレベル4であれば効果も活かしやすくなります。
 例えば「レスキューラビット」であれば通常モンスターをリクルートし、効果による自壊もシュノロスで防げます。……が、それなら不安定なシュノロスを出すよりもシンクロやエクシーズにつなげるほうが効率的です。
 「素材にしないほうがいい」もしくは「素材にできない」通常モンスターでもいない限り、「オレイカルコス・シュノロス」よりEXデッキのモンスターを出したほうが強い……のですが、効果がないからこその通常モンスターなので、そんなモンスターは当然いない……。

 いや、いる。トークンです。
 トークンは通常モンスター扱いでなおかつエクシーズ素材にできず、リンク素材としても素材の指定外となってる場合が多いです。
 またトークンなら通常モンスター素引きによる事故もない。まさに理想の通常モンスター。
 シュノロスのサーチ手段と相性のいいトークンはいないかと見回したところ、「クリフォート・ゲニウス」の効果を満たせる都合のいいカードがなんとありました! そう! おなじみの!

治療がワンパターン

 「オレイカルコス・シュノロス」は通常モンスターの効果破壊を防ぎますが、それは相手の効果に限りません。
 自分のカードでも、モンスター効果でも魔法でも罠でも破壊されなくなります。
 エンドフェイズに破壊されるジェネレイドトークンも、シュノロスがいれば自分ターンまで生き延び、ジェネレイド共通のリリースコストに利用できます。
 【ジェネレイド】は相手ターンの妨害に長けていますが、トークンのない自分ターンにはコスト不足により妨害手段が足りなくなりがちなので、トークン存命は地味にありがたい。
 つまり、シュノロスの居場所は【ジェネレイド】です。

シュノレイド

 ここの医者、ジェネレイドかディストピアしか処方しねーな。
 さて、具体的に治療プランを詰めていきましょう。
 まずシュノロスのサーチ手段である「クリフォート・ゲニウス」を如何に立てるかです。

地味に無効効果持ちなの偉い

 このカードを出して相手ターンに「王の舞台」でリンク先に同時にトークンを出せば、即座に「オレイカルコス・シュノロス」をサーチ可能です。
 機械族を2体並べられればリンク召喚できるので、有名な閃刀姫出張セットなら召喚権を使わずに出せますし、召喚権ありなら他にもいくらでも手段があります。
 私が目をつけたのは「ライティ・ドライバー」と「レフティ・ドライバー」。

 「オレイカルコス・シュノロス」特殊召喚して次の自分のターンに回ったとき、「レフティ・ドライバー」の墓地効果で2枚目の「ライティ・ドライバー」をサーチすれば、シュノロスとライティで「サイコ・エンド・パニッシャー」をシンクロ召喚できます。
 トークンが戦闘破壊されてライフは相応に減っているはずなので、相手の場にモンスターが並んでおらずシュノロスの攻撃力が微妙でも、耐性付きの高打点へと変換できます。
 また逆に相手の場にモンスターが並んでいるなら、適当なジェネレイドモンスターとライティで「フルール・ド・バロネス」、攻撃後に「超弩級砲塔列車グスタフ・マックス」でトドメ。
 トークンの延命のみならず、自分ターンの攻め手に欠けがちな【ジェネレイド】に一点突破の破壊力を追加できるのは大きな利点でしょう。

とっておきのカウンター
ジャガーノート・リーベもアリ

 ……さて、トークン利用により問題点③を、トークンの延命と切り返しの突破力で問題点②を解決しましたが、ここまでで疑問に思っている方もいるかもしれません。
 「相手がそう都合よくトークンを戦闘破壊してくれるのか?」という点を。

 【ジェネレイド】軸はたしかにシュノロスのサーチと効果の両面である程度の相性は発揮していますが、ゲニウスでサーチした「オレイカルコス・シュノロス」を見た相手があえてトークンを攻撃しないという可能性は大いにあります。トークンを放置してもエンドフェイズには勝手に破壊されますからね。
 単純に攻撃しないだけならジェネレイドモンスターが残るのでさほど問題はないですが、ジェネレイドモンスターを狙われるとガラ空きの盤面で自分ターンを迎えることになります。
 どうにかしてジェネレイドモンスターではなくトークンを狙ってもらわなくては問題点①の解決にはなりませんが、そんな都合良くトークンを攻撃させるカードがあるわけ……。

某氏「この世に不必要なカードは存在しない」

 嘘だろ
 まさかそんな……ありえるのか……「王の報酬」が必要とされる状況なんて……。
 多くのデュエリストに意味不明な効果となじられ、医学会界隈ですらさじをなげられていた超重症患者が治療薬扱いだと……信じられない……。【報酬便乗エクゾ】とかいう意味不明なデッキ作ってたアホもいるが。
 いや、ですが噛み合っているのは事実。認めざるを得ません。
 「王の報酬」は【ジェネレイド】デッキで「オレイカルコス・シュノロス」の特殊召喚をサポートするために生み出されたカードだと。

 そんな「王の報酬」ですが、手札にジェネレイドモンスターさえいれば、おなじみのマルデル⇒「王の舞台」サーチを、マルデル⇒「王の試練」サーチ⇒「王の舞台」&「王の報酬」サーチにすればいいだけなのでサーチも余裕です。

 マイナスにマイナスをかければプラスになる。重症患者に重症患者をかけると超健康になる。
 これが医学と数学にものをいわせた超パワフル&クレバーなアンサー。シュノロス&王の報酬治療デッキ【シュノロイド】です。

相性のいいカード

 基本的には普通の【ジェネレイド】。

・「三戦の号」
 「閃刀起動ーエンゲージ」や「王の試練」をサーチできるので、ゲニウスor報酬が出しやすくなる。「メタバース」を入れれば舞台サーチにも使える。テラフォは死んだ! もういない!

・「星遺物の胎動」
 普通の【ジェネレイド】でも使われるけど、自分ターンにゲニウスのサーチが使える。

・「スポーア」
 レベル1チューナー。墓地効果も、マルデルを使えばグスタフリーベに繋げられる。

デッキ構築

 ゲニウスと「王の舞台」、あとできれば妨害できるバロネスか「神樹獣ハイペリュトン」を立ててエンド。相手ターンにハールをリクルートしてトークンを並べ、ゲニウスでシュノロスをサーチ……が理想の流れ。
 ランクマで実績撮るのが厳しかったのでGと墓穴を入れてます。医学会だと抜くと思う。

 使用感はゲニウスを出せる「ライティ・ドライバー」と「王の舞台」(てかマルデル)を出す「ローンファイア・ブロッサム」「王の影 ロプトル」が召喚権を食い合うのが困りもの。そこは改良したい。
 プラチナ帯なら素のジェネレイドの強さもあってTier1~3くらいを行ったり来たり。重症度は弱めの4ですかね。
 実績は頑張って撮ったんですが、ツイッター(X)がおかしくて投稿できなかった。後日また試します。

実績。2023/11/1追記。

あとがき

 「王の報酬」が治療薬として浮上して来たときは「絶対このデッキ形にしよう」と謎のやる気に満ち溢れてたのですが、色々あって投稿遅くなっちゃいましたね。
 リアルの都合が今は一番の問題です。

 次回は色々考えてるのがあるのでどれになるか未定。
 「エクスチェンジ」のリクエストも来てるんですが、ベストな治療はできたけど面白くはないので記事にするかは悩んでますね。記事にしたとしてもだいぶ先になりそうですが。

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