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旧東海道を歩いてみた。(8日目その2:(31)新居宿~(29)浜松宿)

潮見坂を下りて、元白須賀を歩き、新居宿へ向かって行く。

この日、一番に楽しみにしていたのが「新居関所跡」「浜名湖」だ。思いがけず、白須賀宿と潮見坂が良かっただけに、楽しさはさらに増えていったのだけど。

さて、そんなこんなで、浜名湖が近づいてきたのを感じつつ、いよいよ新居宿エリアに入ってきました。

(32)白須賀宿から(31)新居宿へ

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◆8:25 棒鼻跡
枡形(曲尺手)、棒鼻はセットということかな。

国道沿いをそのまま歩いていたら、ここにはたどり着けないので、ちゃんと適切な交差点で曲がること。(浜名湖が近いので、国道を間違えて歩いてしまいがち)たぶん江戸方からの方は大丈夫かと。

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◆8:27 新居の一里塚跡
今はお花に囲まれている。碑がただ立っているだけでもいいんだけど、お花に囲まれていると、より気分が良くなる。

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◆8:34 新居宿本陣跡
上の写真に写っているあたりが本陣跡があったところ。空き地の部分と、その隣の旧家っぽい建物が並んで本陣跡。

今は交通量がかなり多くなっている。桝形になっているので、東海道は右折して新居関所に向かう。

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ふむ、舞坂宿まであと6キロ弱、1時間半ぐらいで着くかな?
なお、「夢舞台東海道」の標石のように、本陣の名前が上の写真と違うところにご注目。いくつかある本陣は大抵「苗字+本陣」という名乗りが多かったのが、こちらは「フルネーム+本陣」になっている。

おそらく、代々本陣の当主はこの名前を世襲していたんだろうなぁ。歌舞伎役者みたいに。「市川團十郎襲名」みたいに。

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◆8:36 新居宿本陣跡(飯田武兵衛本陣跡)
へぇぇぇ、ほぉぉぉ。うーん、この看板を読むと、せっかくだからもうちょい残っていたらなぁ、と思ってしまう。

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新居関所が近づいている。右手に見えている建物は、元旅籠らしく…

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◆8:37 旅籠紀伊国屋
先ほどの写真の正体は、旅籠紀伊国屋でした。本屋さんを思い浮かべてしまった人、正直に手を挙げなさい。私もそうです。

ここって、泊まれるのかな?時間が早すぎたせいか、閉まっていて中の様子が分からなかった。

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新居宿では、このような、かつての商家を示す看板が掲げられていた。市街地化してしまったためか、頻繁にかかっている、ということはなく、ちょこちょこと、という感じ。

それを思うと、土山宿のあの膨大な数は奇跡的だなぁと思う。うん。江戸方からの旅人の方、びっくりすると思いますよ。

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◆8:38 新居関所大御門
新居関所の門。これは京方面からくる旅人のほうが、結構おおっという感動もありそうな。

おや、私の影が写ってるぞ(笑)思いっきり腕を伸ばして撮ってます。帽子がひょっこりはん。

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◆8:38 新居関所高札場
その大御門のすぐ左手(京方面から見て)にある高札場。こんなに大きく残っているのは、覚えている限りだと関宿ぐらいかなと。ほかは少し規模が小さくなるかなぁ。

門と一緒にあるからか、圧巻。

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◆8:40 新居関所
時間が早すぎたこともあって、入れない。無理に入ったら不法侵入になってしまう。東海道の健全な旅人、法を犯すことはダメ。(旅人でなくてもダメです)

なお、小さな堀のようなものがあったので、小さなお城のような感じがした。

新居関所の取り調べは相当厳しかったようなので、女性は特に嫌がり、そこで姫街道をあえて通ることもあったという。姫街道かぁ…(ちょっと気になる)

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◆8:49 浜名橋
新居関所を過ぎ、いよいよ浜名湖へ向かっていく。この橋の下自体も、なんとなく浜名湖の一部のような気がしないでもないけど、この橋の名前をうっかり「浜名湖」と読んでしまいそうになった。

どっちにしても、浜名湖はもうすぐそこ。

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◆8:54 新居町駅
浜松まであと17キロほど。駅は小さいけど、浜松まで電車で行くなら、そう遠くないようだ。歩き旅だと、4時間弱くらいという距離かな。

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地下道の入口が、冠木門の形をしている! これは面白い! 中がどうなっているのか気になったけど、そんな時間もなくスルー。それにしても凝ってるなぁ。

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ずんずん歩いていると、競艇場が見えてきた。そうか、湖だから競艇か。ハートに炎を燃やしている人たちがたくさんいるんですね。

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ガソリンスタンドが新居関所をPRしている!(楽しい♪)
観光地は、行政のPRに任せっきりにするんじゃなく、民間企業もこんな風にやってくれると、民間ならではのユニークさでみんな楽しくなると思う。

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浜名湖が近いからか、釣り餌の自動販売機があった。結構いいお値段。タバコ1箱をガマンすればいいんじゃないですかねぇ。

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◆9:07 ファミリーロッジ旅籠屋さん(浜名湖店)
計画段階では、一旦ここに宿泊する予定だったところだー! と思いながら歩いていた。すごくいい場所なので、おそらく東海道の旅人はかなりお世話になっているのでは? 東海道を一気に歩く旅人は、結構宿泊している率が高そうだ。

浜松宿から掛川宿までは一気に行ったほうが良さそうだったので、どうしても浜松宿を「ゴール&スタート」地点にせざるを得ず、こちらに泊まるのを断念したけど、どうやらチェーン店のようなので、ほかのところでも泊まれそうなら泊まってみたい。

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天守のようなものがあるぞーと思ってみたら、廃墟になっていた。「珈」の文字があったので、もしかしたら昔はカフェ(喫茶店)だったのかもしれない。

新幹線から見えていて、ずっと気になっていたので帰りの新幹線でも確認したら、「あ、さっき歩いたところ!」と感慨深かった。うーん、長年のナゾが解決された!

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浜名湖を通過中。うーん、いいお天気!快晴だ!
橋を渡ることになるけど、今回の橋はそれほど怖くなかった。(ちょっとビビってたけど)

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橋を渡っていると、すぐそばをJRの在来線が通っていく。

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そして新幹線も通っていく。
あの新幹線に乗ったら、東京まであっという間。そして東海道もゴール…いやいや、歩くことに意義があるのだ。

歩き旅の良さは、ゆっくり歩を進められること。だから視覚から入ってくる情報量が物凄いことになっている。

(31)新居宿から(30)舞阪宿へ

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◆9:25 浜松市西区に入る
逆光なので分かりにくいけど、浜松市に入った!
というか、こんな時間にもう浜松に入っているというのに我ながら驚く。

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◆9:29 弁天島
浜松市に入ってからすぐ、弁天島が見えてきた。大きな鳥居に圧倒される。でかい!

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弁天島の入口はこんな感じ。
リゾートのようになっているのか、駐車場などが整備されている様子を感じられた。

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弁天島の近くには、ホテルもあった。このあたりは確かに、釣りもできるし、リゾートとしてゆっくりもできそうなので、楽しいかも。

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太平洋方向を眺めながら。舞阪宿はもうじきだ。風が気持ちいい。

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◆9:39 舞阪宿
舞阪宿エリアに入った。近くには良い漁港もあり、気持ちのいいところだ。

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青い空、青い海、船、漁港、気持ちのいい風。
結構気に入っている写真。

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◆9:42 舞坂宿北雁木
船着き場とのこと。確かにすぐそこに船が停泊している。
浜名湖は昔は橋がかかっていなかったので、渡し船で往復していたということらしい。新居宿までいけたということか。

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◆9:42 舞坂宿本雁木
さて、「雁木」を「がんぎ」と読んだ人。ちょっと後で職員室に来なさい。ここでは「がんげ」と読むんだそうです。

ええ、私は雁木を「がんぎ」と読みましたよ。そして、「ああ、指し手で一瞬矢倉と思わせぶりをするアレね、あの囲いね」と思い浮かべた人とは、良いお酒を飲めそうだ。

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その本雁木からほんのり渡し船のあった方向を眺める。

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舞坂宿は本陣跡はもはや看板のみなので、脇本陣が実質メインとなっているらしい。弁天島駅を過ぎたあたりから、電柱でのアピールが激しかったが、どうやらそういうことらしい。

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◆9:44 舞阪宿脇本陣
おおっ!アピールのとおり、これは立派な脇本陣!またも料亭のような外観に、少しヘロヘロになってきたところで元気がよみがえってきた。今は資料館になっているらしい。

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◆9:45 舞阪宿本陣跡
一方、本陣跡はこの碑だけである。この舞坂宿は脇本陣が有名な、少しイレギュラーな宿場町。もちろん江戸期は本陣も賑わっていただろうけど、これは現代の都市整備でこうなってしまったのだから、時代の流れということで仕方ない。

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静岡県に入っているからか、お茶を打っている商店も多くなってきた。街道を歩いている雰囲気を醸し出している。

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◆9:52 舞坂の一里塚跡
家と家に挟まれたところに、一里塚跡が。空き地のようなところに突然あったので驚いた。看板は江戸方からくる方なら見つけられるはず。

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◆ 9:55 江戸方舞阪宿入口
分かりにくいけど、写真の下の方に舞坂宿の看板がある。江戸方の方はこの看板を見たら、舞阪宿に入ったどーーー!と叫んでください。交差点の名前を撮りたかったので、画面下に看板が写ってしまった。「新町」です。

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松並木が美しい道を進んでいく。愛知を経てから松並木が現れるようになった。東海道ウォーカーは、この松並木を楽しみに歩いているといっても過言ではないと思う。

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◆9:57 浪小僧の像
東海道松並木にある像。色合いとポーズを見て、お金持ちになれる像と勘違いしていた。

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東海道松並木、右手を見ると民家が建ち並んでいる。いい木陰になっているし、眺めはとっても良さそう。

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さて、松並木を通り抜けると基本的に(退屈な)一本道だ。車もすぐ傍を通っていくので、気を付けながら歩を進めるが、それにしても…本当に退屈だ。

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◆10:48 篠原の一里塚跡
ぼーっと歩いていたら見過ごしそうだったけど、看板が立っている。

土地勘のないところの一本道を歩いているので、本当に少しの距離が長く感じる。地図をチラチラ見て、何か目印になるものや史跡はないか探す。看板だけでもあると、助かる。

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◆10:52 立場跡
元は本陣だったらしい。ということは、この近辺はかなり栄えていたんだろうと思う。

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◆11:00 救世主ローソン様
いかん。お腹が空いてきた。出発前におにぎりを食べたものの、もう何時間も歩きっぱなしだ。

お昼ごはんは、うなぎの駅弁と決めていたので、ローソン様が見えてきて、涙が出そうなくらい嬉しかった。心の中でバンザイ!!このローソン様は写真の左右に道路があり、私は左手を歩いていて、右手の道路に合流する。その合流地点にあった。

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からあげクンでパワーをつける。迷いはなかった。おにぎりよりガツッと胃を満たしたかった。

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そんなに疲れてるんかい!と言われそうだけど、浜松宿まであとひと踏ん張りの、気合の一本。帰りの新幹線の予約時間との闘いが始まっている。

おそらく、時間的には余裕はありそうだけど、お土産物を物色したかったので、早く到着したかったのだ。

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◆11:17 麦飯長者跡
少し休憩を入れたおかげで、パワーが戻ってきた。少しハイペースで浜松宿の本陣まで進めようとする。

浜松はさすが政令指定都市なだけあって、都会なので、そのまま史跡が残っていることはほとんどなく、このような看板での案内が続く。

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◆11:22 堀江領境界石
そういえばあまり気にしていなかったけど、昔は互いの領地の境界は「境界石」を置いていたらしい。

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◆11:25 領地境界の標柱
背後のGUが気になって仕方ないが、このあたりは領境だったらしい。GUが目印だね!

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浜松市街まであと4キロほどになった。ただいま11:42なので、帰りの新幹線には間違いなく間に合う。迷わなければ。

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◆11:43 名残の松
ここからしばらく、名残の松が続く。東海道の松並木はずーーーーっと松が続いているが、名残の松はこんな風に点々としている。家より高い松の迫力は、すごかった。

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◆11:50 秀衡の松
秀衡とは、どうやらあの奥州藤原氏の藤原秀衡のことらしいけど、平泉からはるか遠くのここ浜松の地に、側室の亡骸を埋めた、という伝説が気になっている。すごく遠いけど…何があったんだろう。

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◆11:51 高札場跡
上の秀衡の松の近くにある。秀衡の時代と江戸時代とでは何百年と時代が違うけど、御堂が残っていて…ということは、相当由緒あるんだなぁ。

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◆11:52 若林の一里塚跡
スルーしそうになったけど、一里塚跡がありました。

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さて、あと3キロで浜松市街に入る。さっき栄養ドリンク飲んだのに、やはり足がかなり痛くなっている。山越えの疲れがたまっているんだろうか。写真の奥のほうの背の高い建物が、おそらく浜松駅前だろうと推測。あの建物が近づくほど、市街に向かっていると思い、元気を振り絞って歩く。

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◆11:55 八丁縄手

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浜松市街に入った。左右が、少し市街というには古めかしい感じがあったり、立ち退きがあったのか工事の状態になっているせいもあり、道が合っているのか、何度も地図やアプリを確認して進んだ。

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◆12:24 梅屋本陣跡
浜松宿の本陣に到着。
下の写真の下のほうに何かあるのは、ここにサラリーマンの方が座っていたため、顔を写さないようにしようと思ったら、このように斜めからのアングルになりました。まあ、「本陣跡」の石碑も撮れたし、いいや。

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浜松城が近い。ぜひ行きたいところだけど、そんな余裕は、ない。

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◆12:37 ゴール「板屋町交差点」
本日のゴールはここ、板屋町交差点。続きはここからスタートとなる。この交差点からまっすぐ歩けば、浜松駅に着く。

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さっきの、遠くから見えていた高層ビルはこれだったらしい。アクトシティ浜松かな? 東海道ウォーカーはきっと、これを目印にするはず!はず!!

浜松市は静岡市と並んで静岡県の政令指定都市だけど、人口でいえば浜松市の方が多いとのこと。まだ静岡市には行っていないけど、確かに都会だ。浜松で泊まって、一気に掛川まで行っても良かったかなぁと思ったりもしたけど…今日のところは、これでおしまい。

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◆12:43 JR浜松駅着
本当の意味でゴールしたなぁぁぁぁ!と思ったのがここ、駅についてからだった。山越え、浜名湖渡り、よく頑張ったよ自分!

新幹線まで少し時間があったので、うなぎのお弁当を探せた。いろいろ荷物整理も済ませたり、スタバでアイスコーヒーを飲みながらゆっくり足を休めた。

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浜松駅構内。そうかー、ヤマハが有名だからね!グランドピアノがある。昔、私もグランドピアノがあったよ…カワイだけど。(すみません)

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人、いなーい! こだまで帰ります。
13:51 新大阪行には十分に間に合った。

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今は浜松、昨日は豊橋にいたんだなぁ。そして次回は一気に掛川まで行く。新幹線ならそれぞれ、一駅でビュン!と行けちゃうんだなぁ。

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新幹線で、贅沢なう。
うなぎ、おいしーーーーー!!!!!
ビールも、いつものリキュールや発泡酒ではなく、一番搾りをゴクゴクする。体に、染みるぅぅぅぅ!!!!!

8日目を終えて

今回は、「前半の部(愛知県豊川市~静岡県湖西市)」と「後半の部(静岡県湖西市~浜松市)」でした。

初の帰る時間にタイムリミットが発生してしまったので、ちょっとヒヤヒヤしながらの旅だった。普通のペースならいけるだろうけど、なにせ長い距離なので足が持つかどうかが心配。無事に歩き切れて良かったです。途中からのモチベーションが「ゴールしたらうなぎ!」でした、旅というより食につられておった(笑)

今回は山越え・太平洋見る・浜名湖渡りの三本立てで、楽しみにしていたんですが、やっぱりやって良かった!!と感動。江戸方からの方は潮見坂が苦労してしまうと思いますが、太平洋が綺麗に見えるので、お楽しみに。京方からの旅人は、ゆるい山越えの後に太平洋、そして浜名湖です。

浜名湖を渡っているときに、「新幹線でよく見ていた景色のところを歩いてる!」と思いながら歩いていました。新幹線ユーザーの方は楽しいかもしれない。

宿場町としても29番までやってきた。京方からなので、数字が減っていくのがカウントダウンしているみたいで楽しい。次の旅では確実に東海道を半分まで進められるので、楽しみだ!

本日のまとめ

歩いたところ:二川宿(33)~白須賀宿(32)~新居宿(31)~舞坂宿(30)~浜松宿(29)
歩いた距離:33.07キロ(寄り道含む)
歩いた時間: 約6時間40分(休憩含む)
宿泊ホテル:なし(帰宅)
費用:
 ・交通費:9,210円(格安きっぷ等使用) 
 ・飲食代:3,880円
 ・宿泊代:なし

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