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歴史上の有名人物の女体化はいつの間に「普通のこと」になったのか

「織田信長(SSレア・水着バージョン)」


といった感じの表記を見て、いつの間にか「またか」と思うようになってしまっている。言うまでもなく歴史教科書の肖像画に出てくる信長がふんどしをつけているトレーディングカードなどではなく、名前こそ歴史上のアレだが、中身はいわゆる美少女キャラのことだ。

歴史上の人物をゲームキャラとして確立させたといえば、コーエー(現コーエーテクモ)である。「信長の野望」「三国志」「蒼き狼と白き女鹿」などなど枚挙にいとまがない。これらのパッケージ絵といえばリアルタッチの雄々しすぎるものであった。歴史の教科書に載っている肖像画から見ると信長はカッコイイのかどうかよくわからないが、ゲームパッケージではダンディズムと野性味が溢れかえってむせるほどだ。



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これが…


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こうなる。


既に脚色されまくっているビジュアルではある。しかし最近の織田信長というとこんな感じ。

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ゲーム「戦極姫」より織田信長

「乱世の英雄」感はどこへ。もともと、歴史ゲームのいいところといえば「死後何百年と経っているので肖像権料金がかからない」ことだ。現代の有名人などを勝手にゲームに出したりできないのはこの肖像権の問題がある。織田信長だとか関羽雲長だとかそういう人物は「有名なのに金がかからない」という多大なメリットがあるキャラクターなのである。


と思ったらコレ。

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スマホゲーム「三国志乱舞」より。異様に露出度が高い。

青龍偃月刀さえ持たせれば何とかなると思うなよ。これに限らず歴史上の有名人物キャラクター(長いので以下歴キャラ)は、有名な要素を足しておけばOKといった描き方をされる。信長であれば鉄砲や西洋甲冑、諸葛孔明であれば羽根団扇、本田忠勝であれば槍(蜻蛉切)、といった具合に。数々の女体化された先祖を見て、織田信成は何を感じているのだろうか。

個人的には三国志や信長の野望を昔楽しみ、真・三国無双も何作かプレイした(このシリーズもかなりキラキラ感を出してきているので正直今後怪しい)。そのため結構歴キャラに思い入れがあるのだが、そこにこの当たり前のような女体化でヘナヘナとなったりする。

自分みたいな昔の歴キャライメージしかない人間からすると「何で女体化してんだよ」となるわけだが、ポンポンと「戦国なんたら」「三国かんたら」というゲームが出ては次々と性別の壁をぶっ壊していくのを見ると、受け入れている人が多いということになるのだろうか。「絵が可愛けりゃなんでもいい」というだけではないかと疑っているが…。なんだか乱発されすぎてむしろ「信長は女じゃねえ」と吠えてる方が少数派なのではないか、とまで考えてしまう。いや最初にやった人は画期的なアイデアだったかもしれないけど、当たり前に乗っかりすぎではないか。

「関羽、劉備、張飛、誰とデートする?」じゃねえんだよ、と。桃園で誓ったのは「誰が恋の勝者になっても恨みっこなし💛」とかじゃねえだろ、と。

てなことを思っていたらやはり似たようなことを考えている人がすでにいて、「信長が初めて女体化されたのはいつか?」といった記事を見つけた。

多いな~。ざっと見た限り、やはりキャラ付けとして「鉄砲」「甲冑」「南蛮」といった要素が使われており、なぜか「赤髪」率が高い。これは最初のころにそういう印象でもついたのだろうか。

しかしそれと同時に目についたのが信長の「センター率」の高さである。戦国といえば信長なのだ、やはり。見た限りではど真ん中に長宗我部元親が来ているようなゲームは発見できなかった。
信長のブランド力のなんと強いことよ。人気者だからこそいじられまくる、と考えると今後も「戦国→信長→女体化」の流れは止まらないのだろうなあ。

もうだめだ、ぐう…(by 水滸伝)。


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