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【永久保存版】超芸術トマソンを知っているか

めくるめくめぐるの世界にようこそ。
だんだん書店員というより、歩くタモリ倶楽部を目指し始めている諸星です。
今回は路上観察の定番、「超芸術トマソン」について読む配信として解説しています。
今回の写真はTwitterにて【#トマソンめぐる】で募集した視聴者様のご協力で集まっている作品です。ありがとうございます!!!
気になる人はぜひ、Twitterの方でタグ検索してみてください!

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超芸術トマソンとは



超芸術トマソン


そもそも超芸術トマソンとは、赤瀬川原平らの発見による芸術上の概念。
不動産に付属し、まるで展示するかのように美しく保存されている無用の長物のこと。
存在がまるで芸術のようでありながら、その役にたたなさ・非実用において芸術よりももっと芸術らしい物を「超芸術」と呼び、その中でも不動産に属するものをトマソンと呼びます。
その中には、かつては役に立っていたものもあるし、そもそも作った意図が分からないものも存在します。
また、 超芸術を超芸術だと思って作る者(作家)はなく、ただ鑑賞する者だけが存在することも重要です。

トマソンの歴史


1972年、赤瀬川原平、南伸坊、松田哲夫が、東京・四谷(新宿区四谷本塩町)の旅館・祥平館脇の道を歩いているときに、上り下りする形態と機能はありながら、上った先には出入り口が無く、降りてくるしかない立派な階段を発見しました。
これがいわゆる「四谷の純粋怪談」だそうです。
このほかにも、「江古田の無用窓口」「お茶の水の無用門」と名付けられ、共通する概念として浮上した、芸術のように実社会にまるで役に立たないのに芸術のように大事に保存されあたかも美しく展示・呈示されているかのようなたたずまいを持っている、それでありながら作品と思って造った者すらいない点で芸術よりも芸術らしい存在の例として認識されました。
これが超芸術トマソンという概念の誕生のきっかけです。
ちなみにこのトマソンという名称は当時の外国人バッターの名前に由来するそうです。(全く成績が振るわなかったらしい)

保存版!トマソンの分類


トマソンはその見た目や成り立ちの種類で、分類が可能です。
今回は募集して集まった写真(本当にありがとうございました)で分類していきます。

「無用系」


①無用階段


純粋階段ともいわれる。
上って下りるだけの階段。その先に何もないことが美しい。

秋葉原にある無用階段だそうです


②無用扉


同じく門が門として求められる用途を放棄させられた存在。
ビックリハウスみたいで少し怖いのが特徴。

無用扉と蔦美しい


なんで残ってしまった無用扉


錯覚のような無用扉(使っている場合は「高所」になる)

③無用窓


塞がれた窓。存在から否定されているのもよい。

上はヌリカベ下は無用扉の商店ぽいとこ


④無用橋


もうそこに川はないのに・・・

タイヤ含めて最高

その他


無用なものは永遠に。。。
⑤無用カーテンレール

情報量おおい


⑥無用水門

金属部品は取っ払われている


⑦無用火の見櫓

平和の証か、半鐘はもうない


⑧無用アンテナ


景観の違和感が最高
東京タワーも確かにそうよね


⑧無用高速道路

なぜか放置されているらしい壁とド根性ツタ

▲ヒサシ


今回見つからず・・・情報求む
雨をしのぐヒサシだけが取り残されてしまったやつ


「概念否定」ヌリカベ


塞いだ窓や門をコンクリートで塗り込めてあるもの。完全には隠せずに浮き上がる姿はポーの「黒猫」を思いださせる。

空とヌリカベのコントラスト美


「残留系」影タイプ


建物などの痕跡が、壁にシルエット状に残っている物件。
長屋の跡とか、唐突な駐車場の壁面を見上げるとあったりする。

半立体で美しい
ガウディのサグラダファミリアを思わせる発展途上感
ビル群の唐突な駐車場は影スポット


ウヤマ


看板や標識の文字が一部消えているもの。
最初の物件が「(文字欠落)はウヤマ/卯山(文字欠落)店」というものだったのでこの名前が付いた。

もはやアート


▲カステラ


壁面から飛び出した直方体状の部分
出窓の塗りつぶしなどで発生する。また、逆に引っ込んでいる部分は「逆カステラ」と呼ばれる。

でべそ


塗り込めた壁からわずかに飛び出た、ドアノブや蛇口などの小さい突起物。

元船着き場のトマソンらしい。波の音が聞こえてくるようだ


高所


物体そのものは正常だが、普段ある場所よりも高いところに存在しているために違和感をもたらす構造物。
無用扉との差別化には歴史観察が必須

上っても、その先は塞がっているそう


アタゴ


道路脇にある意味不明の突起物。赤瀬川らが新橋から愛宕山に向かう途中でこれの第一号を発見したため、アタゴという名前が付けられた。


立派な岩が埋まってる謎



生き埋め


路上の物件の一部がコンクリートなどで埋められているもの。

とま・・・

地層


地面に断層が形成されたもの。同一箇所を複数回工事したときなどに見られる。

温泉街のマンホールだそう



境界


ガードレール、柵、塀など、境界を表示する物件で、意味が即座に理解しがたいもの。

君は何を守るのか(後ろにあるのは断層?)



▲ねじれ


通常、まっすぐ直角に作られている建築物のなかにおいて、微妙なねじれを有する物件。垂直並行規格で出回っている商品を、斜めに使用した際に発生する。

▲阿部定


途中で切られた電信柱の跡。

もの喰う木


木が、柵やワイヤーなどを飲み込みながら成長しているもの。
厳密には不動産ではないのだが、食われる様子が愛おしい

町中のガードレールは美味いか


ひょいとしてるかわいさ


純粋タイプ


分類不能で、実用的意味が考えられないもの。

都会は純粋階段が多いらしい



蒸発


看板の褪色や、記念碑の一部損壊などで、もともとの意味がわかりにくくなっているもの。

募る気はない


最後に


いかがでしょうか。
永久保存版ですので、まだ集まっていない超芸術トマソンと新しい写真は
随時募集、さらに配信第二弾は想定しています!
ぜひお楽しみに!!

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それではみなさん、さよなら×3