マイナーなんだろうけど俺は今でも大好きなアニメ『宇宙のステルヴィア』の話
皆様、今週も暑い中お疲れ様でございます。
毎日雨が降ってるなあと思ってたら今度は死ぬほど暑くなってしまって、本当嫌になりますね。僕はと言えば暑い暑いと飲み物を飲みまくっていたら食道炎になってしまって、踏んだり蹴ったりです(笑)
こんな時は自分が好きなものや、かつて好きだったものを書き倒すに限ります。何ヵ月か前に『ストレンジドーン』というもうマイナーもマイナーなアニメを語らせていただいて、未だにビュー数が130くらいなんですが(笑)あれは書いてて本当に楽しいものでございました。
そして今回はですね、僕が初めてドハマりした深夜アニメの話でもさせていただこうかと思います。
その名も、『宇宙のステルヴィア』。
宇宙のステルヴィア
2003年にテレビ東京で半年間放送されたアニメでございますね。監督は90年代の人気アニメ『機動戦艦ナデシコ』や『モーレツ宇宙海賊』の佐藤竜雄さんでありまして、この2作品同様『宇宙のステルヴィア』も宇宙が舞台のアニメとなっております。まあタイトルにも付いてますが(笑)
ストーリーをご紹介しましょう。舞台は未来の地球。人類は一度遠い星の大爆発による電磁波やらによって滅びかけたのですが、長い時間をかけて復活していきました。しかし200年後に第二波がやってくるとわかり、長い時間をかけ太陽系に防御ラインを築いていきます。
物語は防御ラインがすべて整い、第二波を待ち受けている状態の宇宙ステーションで動き始めるわけです。
主人公の片瀬志麻や他のメインキャラ達は宇宙ステーションのロボット操縦の訓練生として集まってきます。そこでの成長や葛藤を描いたアニメという事でありますな。
2003年当時、僕はこのアニメにハマりまくってました。angelaさんが歌うOPとEDはCDを買ってほぼほぼ毎日聴いておりましたし、ビデオに録画して週に何回も観直してました。また、二次元の女の子キャラを好きになったのも『宇宙のステルヴィア』が初めてでして。栢山晶というキャラクターなのですが、
栢山晶(かやま・あきら)
今回『宇宙のステルヴィア』の魅力を語る上での大事な要素にも絡んでくるのですが、栢山晶は真面目で少しつっけんどん。他の訓練生をライバルと思っている節があり、向上心に燃えています。
しかし次第に片瀬志麻や、天才・音山光太などに実力の差を見せつけられ、次第に自信を失っていってしまう。
真面目で努力も怠っていないのに、才能がないというだけで負けてしまう事実に気付いてしまったわけですね。
この作品ではそういった"才能"というものを残酷なまでに描写してるんですよ。例えば片瀬志麻は最初のうちは劣等生のように扱われるのですが、途中で情報処理能力に長けている事がわかり、一気に操縦技術が向上します。
片瀬志麻(かたせ・しま)
メキメキと才能を伸ばしていく志麻なのですが、まあ普通のアニメなら主人公が一番最強になっていくじゃないですか?でもこの作品は違くてですね。
彼女の同学年に音山光太という男の子がいまして、二人はだんだんと良い仲になっていきます。音島光太も最初は平凡な生徒だったのですが、ある事をきっかけに覚醒するんですね。
音山光太(おとしま・こうた)
片瀬志麻の才能に嫉妬したある先輩キャラが練習用のロボットで1対1で戦いを挑んできて、ボコボコにしてくるんですよ。その窮地を救ったのが音山光太で、見たこともないような操縦捌きで先輩を一撃で倒しちゃうんですね。
主人公の好きな人こそがこの作品の最強キャラでして、片瀬志麻は次第に一人の女の子として音山光太が好きだという気持ちと、同じ訓練生として才能の差を見せつけられているという嫌な気持ちで心が板挟みされてしまうわけです。
しかし片瀬志麻はまだ勝負できるだけの才能があるから良いんです。問題は土俵にすら上がれない他のキャラでして。
例えば1話で片瀬志麻の親友になるアリサ・グレンノースは早くから自分に才能がない事を思い知らされ、整備士に逃げてしまう。先ほど紹介した栢山晶は逃げずに挑み続けるのですがやはり勝負にすらならない。早々と負けを認めて逃げたアリサ・グレンノースと負けを認められない栢山晶は次第に仲が悪くなっていき、物語の後半で大喧嘩をしてしまう。そこで各々普段心の奥にしまっていた醜い感情が露出し、全体的に最悪なムードになってしまったりする。
アニメ自体は決して暗くなく、笑える部分や明るいノリのシーンもかなりあるのですが、"才能の差"という部分においてはきっちり描ききってるんですよね。
こういうのって現実でも普通にあると思うんですよ。夢を持って何かを目指し、専門学校やら何やらに入る。そこでであった人達は同じ夢を持つ仲間であると同時にライバルなわけです。自分より上手い奴が必ずいて、努力しても勝てない。次第に努力をやめ腐ってしまったりもする。
夢を叶えられるのはほんの一握りですし、それが自分であるという可能性は残念ながら低い。『宇宙のステルヴィア』でも地球を襲う第二波を止める最終兵器となるロボットを動かすのは片瀬志麻ではなく音山光太であり、栢山晶なんかは結局ロボットにすら乗れません。
しかし『宇宙のステルヴィア』はそんな残酷な描写をしつつ、それを絶望的には描いてないんですよ。
栢山晶は確かに当初の夢を叶えられなかったかもしれませんが、物語の途中で大事な存在と出会います。
ジョイ・ジョーンズというコミックリリーフ的なキャラがいまして、操縦の実力はまったくといっていいほどないのですが彼が最初に栢山晶の自信喪失に気が付くんですね。
ジョイ・ジョーンズはそんな彼女を元気付けようとし、その必死な姿に栢山晶も惹かれていきます。そして二人は付き合い始めるのですが、その過程において栢山晶はだんだんと柔和な性格に変化していきます。
夢って物凄く尊いものですが、同時に自分を苦しませる存在でもあるわけです。ぶっちゃけ言えば叶えられない夢なんかすぐに捨てちゃえばいいんですよ。夢を追うのも大事ですが、苦しめば苦しむほど好きだったはずのものが嫌いになってしまうわけですから。
栢山晶は自分を苦しめていた夢よりも大切なジョイ・ジョーンズという存在に気付きます。そして最終話ではこんなシーンも見せてくる。
彼女を苦しめていたものはなくなり、ジョイ・ジョーンズという安寧を手に入れたわけです。
夢が苦しいなら他に逃げても良い。一人の異性だけを幸せにしたっていい。そういういろんな可能性を提示してくれているわけです。
キャラを絞って説明させていただきましたが、『宇宙のステルヴィア』には他にもいろんなキャラが出てきますし、それぞれ違う葛藤を抱えています。天才と称した音山光太も、天才という苦しみを抱え最終回にはそれが爆発してしまう。それを片瀬志麻が支えるという展開もあってまあ面白いんですよ。
誰かしらに感情移入できるように作られていると思いますし、もし興味が湧いたら一度観てみてください。
というところで今日は終わります。実は今旅先でして、とある作品の聖地に来てますんで来週はその旅行記などを書いてみようかと思っております!
それではまた来週お会いしましょう。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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