「テニスの王子様」を分析する(18):意外性
部員のトレーニング用のあれこれを持ち込む乾貞治。
それまで長袖姿しか描かれてこなかった乾の、初の半袖シーンである。
右手にはリストバンド、そして左手にはミサンガのような見える。
対戦相手のみならず、部内のメンバーについても多くのデータを集める乾。そのデータは徹底的に分析され、自身のテニスに反映される。
そんなテニスをする乾が、願掛けの意味合いが強いミサンガをしていることは、読者にとって意外なのではないだろうか(少なくとも筆者にとっては驚きであった)。
絵として手元が寂しいといった理由であれば、リストバンドで充分に思える。
また、メガネという(登場人物それぞれに個性を持たせるための)特徴的なアイテムを身につけている乾にとって、ミサンガは必ずしも必要とも思えない。
それでも乾は、はっきりとミサンガを身につけている。それも、今回のシーンで重要となる「グッズ」のすぐ近くに描かれているのだから、読者に見せようとする意図があるのだろう。
この理由は現段階では分からないが、データ重視の乾が願掛けもする、ということ自体が重要なのではないだろうか。そういった意外性が登場人物に奥行きを持たせ、現実世界と同じような複雑さを予感させることもできるだろう。
「テニスの王子様」を分析するシリーズをマガジンにまとめています。
フォローお願いします🎀!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?