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ローディー【ケイトさん】インタビュー

今日は、オーストラリア出身で、実業団のイナーメ信濃山形の選手としてもロードレースに参加されたこともあるケイトさんにインタビューしました。

-本日はよろしくお願いいたします。最初にお名前をフルネームで教えて下さい。

Kate Stevenson (ケイト・スティーブンソン)です。よろしくお願いします。

-ケイトさんに初めてお会いしたのは犬吠埼エンデューロの帰りの銚子電鉄の駅でしたね。とても気さくに話しかけてきてくれましたね。

そうでしたね。犬吠埼エンデューロでは女子の部で二位となりました。

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-ご出身と現在のお住まいをお聞きしても宜しいですか。

オーストラリア出身で、現在は東京住まいです。私は一卵性の三つ子の3人姉妹の真ん中で、私以外はオーストラリアに今も住んでいます。でも姉妹二人はロードバイクはやっていません。

-日本に来られたのはどんなきっかけだったのですか。

日本語が好きだったからです。私の通った小学校では、外国語は日本語しか教えてなくて、しかも他の小学校より2年くらい早く小学2年から教えていました。でも普段アニメは見なかったし漫画も読まなかったですよ。
とにかく日本語が好きだったので、高校まで勉強をし続けて、高校2年の時に日本に短期留学をするチャンスを得ました。ブリスベンと神戸市は姉妹都市だったので、奨学金制度を利用して2〜3ヶ月神戸の高校で学ぶことができました。その留学を終えたときに「将来は日本で働きたい!」と思っていたので、とうとうやり遂げました!(笑)

-日本語はどのように勉強されたのですか。

学生の時は、漢字をたくさん書きました。漢字が好きなんです。そして大学生になって、今度は交換留学で名古屋に行って、丸1年をホストファミリーと一緒に過ごしました。小学生のホストブラザー(弟)が二人いて、とりあえず毎日朝ご飯の時などにポケモンの話とか、たわいもない話を二人の弟達と毎日していました。またゲームもよく一緒にしました。そして新聞と小説も読むようになりました。小説は今でも日本語で読むのがとても好きです。
一方高校の英語の授業に参加したら、その内容を見てこれではしゃべれるようにならないと思いました。

-ロードバイクを始めたきっかけは何でしたか。

学生時代は、スポーツは全然得意じゃなかったんです。自転車は、15歳になってから乗れるようになりました(笑)。日本に移住してから、当時JBCFの参戦チームの「イナーメ信濃山形」で走っていた先輩が自転車競技を見にこないかと声をかけてくれました。そうして私が競技を観戦したりチームサポートをすることになったある日、いきなり中畑清監督に「レースをやってみない?登録をしておいたから」と言われました。だから私の初めてのロードバイクデビューは、実はレースでした。他の楽しみ方は後で知りました。

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-そうして本格的にロードバイクを始めて何年になりますか。

6年になりますね。

-自転車を始めたのも決して早くないし、ロードバイク歴も6年なのに、ずいぶん短期間で色々なイベントに参加されましたよね。犬吠埼エンデューロでお会いしたときが、まだ3年目だったという。その後も偶然いくつかのイベントでお会いしましたね。

そうですね。「ツールド東北」や「アーミーライド」(阿見町自衛隊基地内)、それから「サイクルモード」などでも。アーミーライドでは優勝して迷彩色の大きなジャージをもらいました。でも実はちょっと大きすぎました。

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-今までに参加したサイクルイベントやレースには他にどのようなものがありますか。また何か面白いエピソードはありましたか。

JBCF実業団では南魚沼、那須、赤城山、伊吹山など。その他ではエンデューロにもたくさん参加しました。各地のイベントもツールド沖縄(50キロ、100キロ)、ニセコ、ツールド三陸、ツールド東北(170キロ、210キロ)、奄美大島のロングライド(210キロ)、九十九里のトライアスロン(リレー部門)などに参加。そして台湾のKOMも去年出て完走しました。

台湾KOMですがレースサポートを過去に2回ほどした事があって、ハードなことは知っていましたが、ぜひ出てみたいと考え思い切って参加してみました。完走出来る自信がなかったけど6時間半ほどのタイムで完走しました。当日は快晴で日焼けをするほどでした。このイベントは優勝者に賞金もでるので、上位の人は完走どころか、そのタイムを一秒でも縮めようと争っています。山の神・森本さんも確かトップテン取っているはずです。

エピソードというと、ツールド東北だったかもしれませんが、走行中後方からついてきた男性に「道端カレンですか?」ってきかれましたことがありました。笑

-そう言えば、ケイトさんが奄美大島を走っているNHKワールドの特集番組(サイクル・アラウンド・ジャパン)を観たこともあります。また日本財団主催のパラアスリートイベントでモデレーターもされたことがありますよね。

サイクルアラウンドジャパンのロケでは、奄美大島の島を一周したり離島にもいきました。そこでは地元の名物や染め物や鶏飯などを紹介したり、伝統的な漁のやり方なども紹介しました。そうそう、この特集番組は4月からNHK総合テレビのレギュラー番組になるそうですよ。
日本財団のイベントの方では、パラリンピックトークイベントで杉原佳子さんとパネルディスカッションをやったことがありました。彼女とはJBCFのレースでも以前から一緒で既に知り合いだったので、とても盛り上がりました。

-これまでロードバイクで大きな怪我や事故に遭遇されたことはありますか。

ロードバイクでの怪我はないです。レース中はぎりぎりセーフの時は何回もありましたが。レース会場では何回も事故を目撃していますので、やはり怖いですね。

-ケイトさんは主にいつライドをされていますか。また年間でおおよそどれくらいの距離を走っていますか。そして今までの最長のライド距離や最高地点を教えてください。

去年と一昨年はコロナ禍もあってイベントも中止になり、自転車乗れなかった期間がありました。距離は正確に覚えていませんね。数字自体に興味はそれほどないんです。ただ楽しく走るだけです。でも1日200キロくらいは可能です。東京から静岡、東京から諏訪湖、東京から3日かけて名古屋とか。以前のエンデューロでは100キロは3時間ちょうどくらいで走っていました。

最長だったのは、行き当たりばったり一回目の静岡だったと思います。東京から逗子、小田原まで走って、箱根登って三島へ下って行ったら「静岡まで60キロ」の道標を発見しました。まだ家に帰りたくなくて、60キロじゃ問題ないと思いました。でも車じゃないから走れない道がいっぱいあって、結局迂回がたくさん入って由比駅あたりではもう真っ暗でした。ガーミンが途中電池切れしましたが、230、240キロくらいは走ったと思います。でも2回目はちゃんと計画を立ててから行きました。笑

最高地点の方は台湾のKOMチャレンジに出て上った3275メートルですね。距離も80キロは走りました。車でもきついですよ。日本では、富士山、乗鞍はまだ登ってないです!

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-ロードバイクの楽しみ方は色々あると思いますが、どんな楽しみ方をしていますか。

今はレースというより美しい場所を走りたいです。また温泉や美味しいものを目当てにロングライドするのが楽しみになっています。後は、自分の力を試したいです。だからロングライドをするようになったと思いますし、ツールド日本が以前運営していたエンデューロ・シリーズはとても楽しかったです。

-お薦めのサイクリングコースやイベント、そしてライドとセットできるお薦めグルメはありますか。

奥多摩(柳沢峠)、三浦半島、小田原方面をよく走ります。自転車で走って最後に温泉に入れたら嬉しいです。伊豆も好きです。イベントではツールド東北はやはり良かったですね。
ライドとセットできるグルメというと何といっても和菓子です。パワーバーやゼリーの代わりに羊羹を食べます。どこへ行っても和菓子屋を探します。柳沢峠のそばにあるわらび餅屋さんがとても好きです。

-伊豆といえば「コナステイ」(伊豆長岡にあるサイクリスト向けの宿)の割引券をケイトさんにいただいて、宿泊したことがありました。それと和菓子というと千葉の上総一ノ宮の「角八本店」の「みかん大福」が有名なので、近くに行く機会があったらぜひ寄ってみてください。
ところでこれから走ってみたい場所はありますか。

しまなみ海道とか青森。そして高野山と和歌山。去年計画を立てましたが実施はできなかったんです。日がもう少し長くなったら東京から下田まで1日で走る予定です。

-今乗っているロードバイクの名前を教えてください。

トレックマドンに乗っています。当時イナーメだった高岡亮寛さんが譲ってくれたフレームです。とても大事にしています。

-ご家族はロードバイクの趣味には理解はありますか。

家族は自転車乗らないです。理解はあるはあると思います。両親によく「まじ200キロ走ったの?」と言われます。もう今になって「気をつけてね、写真送って」という程度です。

-日本以外のサイクルイベントに参加されたり、ご自分で走られたことはありますか。また何歳くらいまでロードバイクあるいは自転車を楽しんでいると思いますか。

変な話になりますが、私は母国のオーストラリアでサイクリングをしたことはありません。日本国以外のイベントは、先ほど話した台湾のKOMです。いずれオーストラリア、そしてヨーロッパで走ってみたいです。
そう、たぶん死ぬまで乗っていると思います。かっこいい自転車乗りのおばあさんになりたいです。

-Eバイクについては、どのように思われますか。

強い意見はありません。自分に合っていないだけです。自力を使ってEバイクのお兄さんを負かせることが楽しいです。

-ロードバイク以外の趣味としてはどのようなものがありますか。

温泉巡り、パン作り、読書。おすすめの作家がありましたら聞きたいです。

-将来の夢は何ですか。

ランニングをより強くなりたいです。ハーフマラソンできるくらい。

-これから自転車を始めようとする方に伝えたいメッセージをお願いいたします。

機材は、サドルが大事です。自分の体にあったサドルを探してください。何回も変えてもいいです。仲間もとてもだいじです。楽しさが倍になります。

-Noteを読まれた読者に伝えたいメッセージをお願いします。

自転車イコール自由。好きなときに、好きな場所へ、マイペースで行けて、自転車飛ばしたい時は飛ばしてもいいし、ゆっくりしたい時はゆっくりしてもいいです。
行き先決めないで行って走り終わったら輪行して電車で帰れます。車や電車で気が付かないことがたくさんあります。後は、素敵な出会いがたくさん待っています。

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Enjoy Bicycle となりのサイクリスト
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