見出し画像

そこら辺の大学生が「機動新世紀 ガンダムX」を観た感想【ネタバレ注意】

「月は出ているか?」

こんばんは、田中です。
今回は、「機動新世紀 ガンダムX」の感想記事です。
田中個人の意見&ネタバレ等、多分に含まれていますので、閲覧の際はご注意ください。
とは言え、1996年の作品ですので、ネタバレもクソもないとは思いますが、悪しからず。

【あらすじ】

第7次宇宙戦争。
地球連邦軍と宇宙革命軍の戦いは「コロニー落とし」を引き起こし、地球で暮らす99%のアースノイドが死亡した。
それから15年(After War 15)。
ジャンク屋で生計を立てるガロード・ランは、依頼の折にとある不思議な少女ティファ・アディールと出会う。

詳しくは、以下の公式HPをご覧ください。

【ここがおすすめ!】

*キャラクターが魅力的!
個人的に、これが一番大きいです。
主人公 ガロード・ランNTニュータイプヒロイン ティファ・アディールをはじめ、先の大戦の呪縛に囚われているジャミル・ニート(陸上艦・フリーデンの艦長)、色んな意味で頼れるテクス・ファーゼンバーグ(フリーデンの専属医)など、味方のキャラが非常に魅力的です。

また、ただ単に魅力的なだけでなく、個々のキャラエピソードもしっかりしており、全体を通して「成長」を感じやすいです。
個人的に、いかにもな端役で登場したエニル・エルが、中盤でがっつりと掘り下げられたことにびっくりしました(「あの子、許さない!」)。

他にも、「薔薇を配給する男(ロアビィ)」「NT白いるか」「おさらばで御座いますおじいちゃん」など、主要人物はそこまで多くないのに、非常に濃いキャラがごろごろいます。

もちろん、敵側のキャラクターもインパクトがあり、仲良し2人組・フロスト兄弟(と言いつつ二卵性双生児)やジャミルのライバル格 ランスロ―・ダーウェル等、こちらも印象に残りやすいです。
特に人工NT(強化人間系)のカリス・ノーティラスは、自らが犯した罪とシナプス・シンドローム(人工強化の後遺症)を十字架として、今後も人々のために生き続けることを誓います。
その実、強化人間系で死亡しないのって、ガンダムシリーズでは珍しいことなんですよね(と言うか、このキャラが初かも?)。

制作陣の愛が伝わってくる、良い作品です。

*雰囲気が明るい
ガンダムは戦争の話がメインになるので、シリーズを通してみても、どうしても暗く陰鬱になりがちです。
ガンダムXも、戦後の世界が舞台ですので、設定自体は暗めです。
治安も非常に悪いですし、生きるための殺人行為が頻発しています。
しかし作品全体の雰囲気が、とても明るくて温かいんです。
特にガロードとその仲間たちが、暗い時代の中でも前を向いて生きている。
それに、「サテライトキャノン」「フラッシュシステム」(NT能力を使用して、複数の無人MSを動かす技術)など、戦闘技術にロマンがあるのも非常に良い!

*タイトル&EDがおしゃれ!
これはよく言われることですが、キャラの台詞がタイトルになっているなんてかっこよすぎるのよ。
EDの「Human Touch」も名曲です。

*NTに一途に向き合ったタイトル
NTを利用する者、NTを憎む者、NTを超えようとする者。
先の第7次宇宙戦争を通して、人々はNTに様々な思惑を抱くようになります。
スペースノイドこそ「人類の革新」であると唱える宇宙革命軍と、それを否定する地球連邦軍。
それはいつしか「呪縛」となって、NTという価値観を形成していく……。
ガンダムXは、宇宙世紀から続く「NT」という概念に、真摯に向き合った作品だと思います。
いやむしろ、アナザー作品だからこそ、このような大胆な解釈が可能なのかもしれません。

【ここが微妙かも?】

*全体的に地味
ぱっと見、地味です。
始まりは王道中の王道・ボーイミーツガールですし、そのままの流れでストーリーが進んでいきます。
特に物語の前半部分は、バルチャーと呼ばれる野盗たちとの戦闘が多く、ティファと同じ能力を持つ「NTを探す」という目的はあるものの、何となくふらふら~っとしている印象です。
そのため、作中で繰り広げられる細々とした描写が、少々冗長に感じられるかもしれません。

*MSのデザインが、特段かっこいい部類ではない
ガンダムX(GX-9900)は王道でかっこいいと思うのですが、他のガンダム(特にフロスト兄弟が搭乗しているもの)がややゲテモノ寄り。
ただ、フロスト兄弟機は悪魔の名前を冠しているので、あえてそういうデザインにしているのだとは思いますが。
それに作中でも、ウィッツに「ゲテモノガンダム」呼ばわりされていましたし。

*若干尺が短い
これは仕方のないことなのですが、放送当時の人気低迷により、4クールの予定が3クールになってしまったらしく……。
終盤の展開が、少々駆け足気味です。
個人的には、フロスト兄弟の過去とか、ジャミルとランスロ―周りの話とか、もっと観たかった……。

【総評】

この作品、私はとても好きです。
キャラクターがとても魅力的で、温かい気持ちになりました。
ガンダムXって、ガノタの間でないとあまり話題にならない印象ですが、機会があったらぜひ一度、観てもらいたい作品です。

【田中の呟き】

・ファーストリスペクトなのか、ところどころでシャアの台詞のオマージュが……。
・カリスやフロスト兄弟など、いかにも死にそうなキャラが生き残っているのがアツかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?