寵臣の強さは自己完結性にある。

これは間違いではないんです。寵臣をプレイして手札を減らして寵臣で引き直すという動きは間違いなく協力です。しかしそれだけが広く伝わった結果、何故寵臣が強いのかをしっかりと認識している人は少ないように思えます。ここでは寵臣がどんなカードなのかを改めて確認し、寵臣のより良い使い方を模索していきましょう。

自己完結性の問題点

「寵臣で手札を減らして寵臣で引き直す」と間違いなく強いこの動きですが、実は大きな落とし穴があります。それが寵臣の枚数です。

寵臣で手札を減らして寵臣をうってそのあと寵臣で……とつないでいくのは非常に強い動きなのですが、そのためにはプレイ枚数分の寵臣が必要になります。寵臣が強い動きをするためには少なくとも4枚以上の寵臣が必要です。これはまず集めることが困難ですし、多人数戦ではそもそも集まりません。

必要枚数が多いことにはさらなる問題もあります。寵臣はそれ単体では銀貨でありある程度集まってからようやく力を発揮し始めるカードです。つまりある程度（３枚～）集めてからようやくデッキが回り始める、構築が進むのが寵臣というデッキです。これは現代ドミニオンどころか古来でものんびりした構築です。だって寵臣3枚が狩猟団3枚ならもう属州を買うタイミングですからね。

寵臣は弱い？

じゃあ寵臣が弱いのかというとそういうわけではないところが問題です。何が強いのかというと

・妨害性能の高さ
・完成したときの強さ

があります。

特に問題が前者で手札4枚に再構成するのは非常に強力なアタックです。ドミニオンは通常買ったカードはデッキ1周でどこかで使えるはずですが、寵臣があるとそうとも限りません。毎週なにが使えるかダイスを振っているような状態になってしまいます。そうなるとうまく回らないことも多く、ゲームが遅くなってしまい寵臣がのんびりしても間に合ってしまうことがしばしばあります。

寵臣の理想形

さて寵臣系の理想形はどんなデッキでしょうか？これは寵臣の一番強いムーブである

仮想コイン→寵臣で再構築

を繰り返すのが強いのでそのためのデッキを組むことが必要です。

そのために必要なのが圧縮と追加の寵臣です。初期デッキにあるような財宝勝利点は上記の流れに一切関係ないカードなので極力圧縮しましょう。そして追加の寵臣ですが寵臣は場に10枚しかないので他のアクションカードで補う必要があります。陰謀のカードであれば手先や風車など手札を減らしつつ仮想コインを出せるカードが理想的です。

寵臣と政治

とはいえ、サプライに圧縮がなかったり多人数戦だったりしてそもそも寵臣の枚数が確保できないなど、自分が寵臣に入っても良い寵臣デッキを組めない状況はよくあります（というか大抵はそうです）。そんなとき寵臣はどう扱うべきなのでしょうか？

まず寵臣より早い戦術があるのならそちらを選択しましょう。弱い寵臣を集める必要はありません。

問題は寵臣より早い戦術がなく、寵臣が”あつまったら”強い場合です。多人数戦でよく起こる状況でしょう。こうした場合たいてい集まらないと弱いので寵臣に行くかどうか悩ましいところでしょう。

ここで最もやってはいけないのは寵臣を完全に無視することです。寵臣を無視すると寵臣のアタックを返す手段を失うだけでなく、強い寵臣デッキが完成してしまいます。そのために寵臣が入ったデッキを構築する必要があります。

しかし、そうはいっても十分な寵臣を集めることはできないため寵臣デッキを組むことはできません。こういう時は寵臣で回すことにこだわらず、寵臣というノイズを受け入れたデッキを組むことが大事です。腐っても銀貨相当なので、極端に言えば鍛冶屋ステロに寵臣が入ったデッキでも問題ありません。確かに寵臣を後引きしてしまうと使えず、通常の鍛冶屋ステロよりは弱いデッキかもしれませんがそれ以上に相手に寵臣を取られないことが重要です。

まとめ

寵臣の強さの理由、デッキの組み方はわかったでしょうか？寵臣は強いカードですが手放しに強いカードというほどでもないのでなぜ寵臣が強いのかをしっかりと考えてデッキを組むことが大切です。

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