JPH05188144A - 標的をレーダによって検出する方法とレーダ装置 - Google Patents

標的をレーダによって検出する方法とレーダ装置

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JPH05188144A
JPH05188144A JP4119564A JP11956492A JPH05188144A JP H05188144 A JPH05188144 A JP H05188144A JP 4119564 A JP4119564 A JP 4119564A JP 11956492 A JP11956492 A JP 11956492A JP H05188144 A JPH05188144 A JP H05188144A
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Jerome E Freedman
ジェロム・エドウィン・フリードマン
John J Gallagher
ジョン・ジェームス・ガラガー
Michael S Perry
マイケル・ストッカム・ペリー
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General Electric Co
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    • G01S2013/0254Active array antenna

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】4象限に向けられた大規模アレーアンテナを持
つ航空交通管制用の多目的レーダ装置を提供する。 【構成】装置は何れも、迎角が0°から60°までゞ、
±45°の方位をカバーする4つの別々の能動形位相調
整形アンテナを含む。各々の位相調整アレー・アンテナ
の各アンテナ・エレメントが低損失通路を介して、送受
信(TR)モジュールに付設された固体増幅器に結合さ
れる。各々のアンテナが一連のペンシル形ビームを発生
し、これは扇形ビームよりもTRモジュールからの送信
電力が少なくて済むが、扇形ビームと同じ空域をカバー
するのに、ペンシル形ビームをシーケンスに従って進め
なければならない時間がより長く必要とする。短い時間
内に所定の空域を走査する為、PRFがビームの迎角に
応答し、この為一層大きい迎角は一層高いPRFを使
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明はレーダ方式、特に予定の高度よ
り下方にあると判っている標的に対して作用する様にし
たレーダ方式に関する。
【0002】航空輸送量により、航空交通管制装置に対
する要求が強まっている。航空交通管制装置は、接近す
る航空機並びに管制領域内にある航空機を検出する為の
捜査レーダ装置、それを備えた航空機のトランスポンダ
を作動するビーコン装置、航空交通管制官と航空機の間
の通信、ウインド・シヤー検出器、気象レーダ、端末接
近装置、平行な滑走路に使う端末接近装置、伴流渦監視
及び場合によってはその他の機能を利用することが出来
る。各々の空港で必要な種々の設備は個々に高価であ
り、それを独立に現場に設けるには、大がゝりな設備及
び大きな場所を必要とすると共に、設備と管制センター
との接続の為に大がゝりな通信線路と施設をも必要とす
る。独立の場所には、夫々保安及び保守の備えをしなけ
ればならないが、これはコストを増やす。現在の航空交
通管制のASR−9の様な主要な捜査レーダは、機械的
に走査される扇形ビーム装置である。
【0003】捜査用の機械的に走査される反射アンテナ
は、一般的に方位走査をしながら、仰角をもカバーする
為に、「余割自乗形」の扇形ビーム放射パターンを使っ
ている。機械的に走査される装置は、反射アンテナがか
なりの慣性を持っていて、ある位置から別の位置へ素早
く動かすことが出来ないので、追跡の為、並びに最終接
近制御又は大気擾乱の監視に普通に使うには有利な形で
適応させることが出来ない。レーダでは、航空機又は局
部的な気象現象の様に反射を発生するあらゆる状態が
「標的」と呼ばれる。航空機の最終接近の制御では、反
射アンテナのある回転から次の回転までの遅延が非常に
長く、この為あらゆる状況のもとで、特に航空機及び大
気の擾乱の標的が、回転の間に変化したり、或いはかな
り移動する場合、航空機の正しい管制が可能でないこと
がある。パルス・ドップラー波形を用いて長い距離を明
確にカバーする為には、パルス繰返し間隔(PRI)を
長くすることが必要である。PRIが長いことは、回転
する反射アンテナが各々の増分的な方位位置に比較的長
い時間停留することを必要とし、この為その曖昧でない
最大距離を減少せずに、アンテナの回転速度を増加する
ことが出来ない。60海浬(nm)の計器範囲(装置の
設計並びに最適化が行なわれている最大範囲)では、A
SR−9は約5秒で360°の走査を完了する。1海浬
は1,852m又は1.1508法定マイルである。
【0004】長い距離と云う条件により、小さい標的を
確実に検出する為に、比較的高い送信電力を使うことも
必要になる。送信電力が高いことは、ピーク送信機電力
が比較的高いこと又は送信機パルスの持続時間が一層長
いこと(これは「幅広」パルスとしても知られている)
であることを意味する。利用し得る最高ピーク電力を仮
定すると、距離が長くなることは、送信パルスの持続時
間が一層長くなることを意味する。持続時間が一層長い
パルスは、同じ様な距離にある標的を識別する能力であ
る距離の分解能が低下する傾向を持つ。パルス圧縮方式
を使って、パルスの持続時間が長くても、距離の分解能
を改善し、こうして高いピーク電力で短いパルスの必要
性をなくするが、標的を検出することが出来る最小距離
が、送信パルスの長さと共に増加する。従って、送信機
パルスの持続時間が100マイクロ秒(μS)である場
合、標的を検出することが出来る最小距離は約8海浬
(nm)である。勿論、この様な持続時間のパルスを用
いる捜査レーダを使って、空港に着陸し又は離陸しつゝ
ある航空機を検出することは出来ない。パルス圧縮に伴
う別の問題は、主距離ローブの他に(アンテナのサイド
ローブと区別される)距離サイドローブが現れることで
ある。主ローブの時間的な位置又は距離は、標的が存在
するかどうか、並びにその標的のパラメータ(反射エネ
ルギ又は電力、接近速度、エコー・エネルギ及び接近速
度の変動等)を推定する為に試験される位置である。圧
縮パルスに距離サイドローブが存在すると、主ローブの
距離とは異なる距離から発したエコーと干渉する。この
干渉は、「フラッディング」と呼ばれていて、主ローブ
によってカバーされる距離セル(即ち距離増分)内のエ
コーの特性の誤った推定値を招く原因になり得る。距離
サイドローブを抑圧する従来の方式は、「ゼロ・ドップ
ラー」方式があり、この方式では、距離サイドローブ抑
圧方式は、所望のエコーと共に、干渉するエコーが、圧
縮されていないパルスの持続時間にわたって、目立った
ドップラー位相変化又はシフトを持たない接近速度を有
すると云う仮定に部分的に基づいている。圧縮されてい
ないパルスにわたるドップラー移相φDVは、圧縮されて
いないパルスの持続時間とドップラー周波数偏移の積の
2π倍(即ち、φDV=2πfd 0 ラジアン)である。
このドップラー移相が実際にゼロであるか或いは非常に
小さい時、ゼロ・ドップラー形の設計により、中位のサ
イドローブの抑圧が達成し得る。然し、ゼロ・ドップラ
ー形の設計は、小さいドップラー周波数偏移に非常に影
響され易く、気象図の作成、晴天乱流の検出及びマイク
ロバーストの検出の様に、非常に深いサイドローブの抑
圧が望まれる様な用途での深いサイドローブの抑圧を不
可能にする。
【0005】電子的に走査されるアレー・アンテナは慣
性がなく、敏速に走査することが出来る。敏速に走査す
ることが出来ることにより、種々の航空交通管制と気象
の監視の用途を捜査と多重化することが出来る。中央の
電力送信機と「集合形」給電部を用いるアレー・アンテ
ナは、送信機とアレー・アンテナのエレメントの間に、
電力分割器を含めて損失を持つ伝送線路部品を持ってい
る。この様な損失の為、妥当な寸法のアンテナ、低電力
の移相器及び中位の電力の送信機を用いて、所望の電力
利得を達成することが困難になることがある。
【0006】能動形位相調整アレー・レーダは、その送
信機モジュールが多数あることにより、送信機1個のレ
ーダよりも、信頼性を改善することが出来る。更に、そ
の送信機モジュールの数が多いことにより、大きい電力
利得が得られるし、最終的な増幅の前の低い電力レベル
で電力損失が起る為、送信機とアンテナの間の電力損失
が小さい。能動形アンテナの構成によっても、大多数の
受信機損失が低雑音増幅の後である為に、受信の際のシ
ステム雑音が減少する。慣性のない走査である為、これ
は、捜査以外の機能を集約し、こうして全体的にコスト
を切下げる可能性がある。
【0007】
【発明の要約】標的を検出するレーダ装置が、パルス繰
返し周波数(PRF)制御入力ポートを持つ制御自在の
信号発生器を持っていて、制御入力ポートに印加された
PRF制御信号によって制御される繰返し周波数で、無
線周波数信号のパルスを発生する。この発明の一面で
は、制御自在の能動形アレー・アンテナが信号発生器に
結合される。アンテナは薄くした開口を有する。アンテ
ナは制御入力ポートを持ち、無線周波数(RF)信号に
応答して、アンテナの制御入力ポートに印加された制御
信号によって定められた方向に、少なくとも1つのペン
シル形ビームを送信する。仰角決定装置がアンテナの制
御入力ポートに結合されていて、アンテナのビームを予
定の方向に差向ける為の仰角制御信号を発生する。この
発明の一面では、信号発生器が、仰角制御信号に応答し
て、繰返し周波数を制御する為に仰角決定装置に結合さ
れる。この発明の特定の実施例では、仰角制御信号がビ
ームを比較的高い迎角(60°近い)に差向ける時、P
RF制御信号が比較的高い速度(15又は16kHz と云
う様に高い)で発生され、仰角制御信号がビームを(0
°近い)比較的低い迎角に差向ける時、PRF信号が比
較的低い速度(1kHz 近い)で発生される。この発明の
別の一面として、容積走査がビーム多重化動作モードに
よって加速される。この時、ペンシル形ビームが、逐次
的な送信/受信期間の間、相隔たる位置の間を交互し、
この為、他の場合には距離の曖昧さを低下させる為にだ
け使われるパルス間時間の一部分を利用して、余分の役
に立つ情報を取出す。この発明の特定の実施例では、ペ
ンシル形ビームの方位角が、方位方向に少なくとも12
°相隔たる位置の間を交互する。この発明の別の一面と
して、大きい迎角の時は比較的短い送信パルスを使うと
共に小さい迎角の時は比較的長いパルスを使うことによ
って、容積走査が加速され、この為、短い距離の有効範
囲を埋める為には、小さい迎角だけを短いパルスで再び
走査すればよい。この発明の特定の実施例では、約10
°未満の迎角では、持続時間が100μSのパルスが送
信され、約15°より大きい迎角では、持続時間1μS
のパルスが送信される。この発明の別の一面として、ペ
ンシル形ビームを軸線から外れて走査することによって
起る利得の損失又は信号対雑音の余裕が、軸上で送信さ
れる数がそれより比較的少ないのに較べて、各々のビー
ムで送信されるパルスの数を相対的に増加することによ
って補償される。これによって、アンテナ利得が一層低
い方向に送信される合計電力を増加する。この発明の別
の実施例では、ドップラー処理を使って、半径方向速度
を表わす周波数ビンに戻りを分離し、各々の周波数ビン
で信号に加えられる距離サイドローブの抑圧により、他
の距離の所からの散乱因子による干渉を減少する。この
発明のこれに伴うその他の特徴は以下説明する。
【0008】
【実施例の説明】図1は建物又は構造の斜視図である。
構造10は面又は側面12,14を持つ截頭四角錐の形
をしている。構造10が基礎16の上にのっかってい
る。構造10の各々の面12,14が平面状アレー・ア
ンテナ18を担持する。アレー・アンテナ18aが面1
2に付設され、アレー・アンテナ18bが面14に付設
され、この他の2つのアレー・アンテナが、構造10の
隠れた2つの面に付設されている。アレー・アンテナの
当業者であれば、18に示す様なアレー・アンテナが、
アンテナ・エレメントの数が数百又は数千個の2次元の
アレーであってよく、これを空間給電部又は拘束形「集
団」給電部の何れかと共に、そして1つ又は2つの軸線
に沿って走査する為の移相器と共に、使うことが出来る
ことを承知していよう。普通の1つの軸線が、図1に示
したφ=0°軸に対してx−y平面内で測る方位角φで
ある。普通使われるもう1つの角度は天頂から又はz軸
から測定する天頂角である。天頂角に代わるものが、z
−y水平平面から測定する迎角θである。
【0009】アンテナ18bの一部分が簡単にした形で
図2に示されている。アンテナ18bは、全体的に19
で示した面部分と、全体的に30で示した給電部分とを
有する。図2で、面部分19は断面で示されており、そ
の外側の、目に見える「前」面が破線20で示されてい
る。複数個のアンテナ・エレメント22a,22b,2
2c……22nが前面20に付設されたものとして示さ
れている。線20は、アンテナ・エレメント22の位相
中心の軌跡である平面の縁と見なすことが出来る。前面
20に直交する破線24が、アレーの横方向を表わす。
基準方位φ=0°が、水平平面に対する横線24の投影
である。アレー・アンテナ18bの前面20は水平に対
して傾斜していて、横方向の線24が、水平に対して傾
斜迎角θT をなす様になっている。この発明の特定の実
施例では、θT は15°に選ばれている。この為、アン
テナ・アレーの横方向24が、水平の方位基準線φ=0
°の上方に15°の迎角だけ傾斜している。
【0010】図2の各々のアンテナ・エレメント22
a,22b……22nにはブロック26として示した両
方向送受信(TR)プロセッサ又はモジュールが付設さ
れている。即ち、アンテナ・エレメント22aにTRモ
ジュール26aが付設され、アンテナ・エレメント22
bにTRモジュール26bが付設され、アンテナ・エレ
メント22nにTRモジュール26nが付設される。後
で説明するが、各々のTRモジュールは電力増幅器、1
つ又は更に多くの移相器、低雑音増幅器、及び多重化又
はダイプレックス装置を含んでいてよい。母線導体線4
2が、移相器等に対する動作電力及び動作モードの制御
信号等をTRモジュール26に伝達する。
【0011】この発明の一面では、送信モードで各々の
TRモジュールを駆動する信号源が別のアンテナ・エレ
メント28であり、受信モードでは、各々のTRモジュ
ールの負荷が同じアンテナ・エレメント28である。図
2に示す様に、こう云うアンテナ・エレメントの別の1
組は、内側アンテナ・エレメントと呼ばれるが、28a
−28nとして示されている。即ち、内側アンテナ・エ
レメント28aがTRモジュール26aのポートに結合
され、内側アンテナ・エレメント28bがTRモジュー
ル26bに結合され、内側アンテナ・エレメント28n
がTRモジュール26nに結合される。平面34が内側
アンテナ・エレメント28の位相中心の軌跡を表わす。
【0012】中心単独パルス空間給電装置が図2に全体
的に30で示されており、照準線24の投影の近くにあ
って、平面34から隔たった単独パルス・ホーン・アン
テナ32を含む。ホーン32には、サーキュレータ36
から無線周波数(RF)主信号を供給する。このサーキ
ュレータが伝送線路38を介して送信機(図2には示し
てない)から信号を受取る。この為の無線周波数と云う
言葉は、マイクロ波及びミリ波周波数を含む。ホーン3
6が、アンテナ28から受取った信号から和及び差の単
独パルス信号を発生し、和及び差信号が別々の和及び差
チャンネル(別々には示してない)によってホーン32
からサーキュレータ36及び別の伝送線路40を介して
受信機(図2には示してない)に結合される。
【0013】図3は、図2の装置に使うことが出来るT
Rモジュールの簡略ブロック図である。説明を明確にす
る為、図3は図2の代表的なモジュール26bを示す。
図3で、内側アンテナ28に入った信号がサーキュレー
タ208によって制御自在の移相器210に送られ、こ
の移相器がデータ通路42の一部分を介して受取った指
令に従って、移相を制御する。指令は、送信アンテナ・
ビームの特性を定める為の移相を選択する。移相器21
0は、指令された移相に応答して変化する減衰特性を持
っていてよい。212に示した可変減衰器を移相器21
0とカスケード接続にして、移相器210の減衰を補償
する形で制御することが出来る。一定振幅の移相信号が
減衰器212の出力から電力増幅器(PA)214の入
力に結合される。PA 214が信号を増幅して、送信
する信号を発生する。この信号がサーキュレータ216
を介してアンテナ22bに結合され、空中に放射され
る。標的から反射された戻り信号をアンテナ22bで受
信し、サーキュレータ216に結合する。サーキュレー
タ216が受信信号を低雑音増幅器(LNA)218に
循環させ、この増幅器が信号を増幅して、更に処理する
間、信号対雑音(S/N)比を維持する。受信して増幅
された信号が、LNA 218から移相器220に結合
され、これは受信アンテナ・ビームを定める様に選ばれ
た形で、データ通路220の一部分を介して受取った信
号によって制御される。受信して移相された信号がサー
キュレータ208によって内側アンテナ28bに循環さ
せられ、図2のアンテナ32aに放射される。当業者で
あれば、図2の全体的な構造にいろいろな変更を加える
ことが出来ることが理解されよう。特に、サーキュレー
タ208及び216の減衰又は損失は、それを被制御ス
イッチに置換えることによって減少することが出来、ス
イッチは、所定の送信及び受信期間の間、母線42を介
して制御することが出来る。
【0014】当業者であれば、アンテナが、送信モード
でも受信モードでも同じ様に動作する受動形可逆装置で
あることを承知していよう。普通、アンテナの動作の説
明は、送信又は受信だけで行なわれ、他方の動作モード
はそれから判る。図2−3のアンテナ・エレメント2
2,28及びホーン・アンテナ32は、レーダ装置の動
作モードに応じて、送信モードでも受信モードでも動作
する。この為、この明細書の説明は、場合に応じて送信
及び受信と云うが、他方の動作を排除するものと解して
はならない。1つの中心空間給電部30が各々のアレー
・アンテナ18に付設されている。各々のアンテナ・エ
レメントに付設された送信増幅器を持つアンテナ・アレ
ーは、「能動形」アレーと呼ばれている。能動形アレー
・アンテナ18aは、アレー・アンテナ18bに対する
対応する給電部とは独立した中心給電部30を有する。
【0015】動作について説明すると、図2−3のホー
ン32に低レベルの送信パルスが供給され、それがアン
テナ28に向って電磁界として放射される。アンテナ2
8がパルスを受信し、その結果得られた低レベル信号パ
ルスをTRモジュール26に結合する。各々のTRモジ
ュールが、母線42を介して印加された適当なビーム方
向制御信号によって決定された分だけ、信号を移相し、
その結果移相された信号を増幅し、増幅された信号を離
散的な減衰器を含まない通路を介してアンテナ・エレメ
ント22に印加する(が全ての通路は固有の減衰を持っ
ている)。各々の固体TRモジュール26が発生し得る
エネルギは比較的小さいが、アンテナ18bの開口全体
にわたってこの過程を繰返した累積的な結果として、所
望の方向に送信される大エネルギの放射パルスが発生さ
れる。各々のパルスが送信された後、これから説明する
様に、装置は受信モードに変わり、この時各々のアンテ
ナ・エレメント22で受信した信号をTRモジュールに
結合し、その低雑音増幅器218で増幅し、受信して増
幅された信号が被制御移相器220を通され、対応する
内側アンテナ・エレメント28によって放射される。こ
の様な全ての内側アンテナによる累積的な放射効果によ
り、受信して増幅された信号のビームが単独パルス・ホ
ーン32に向って放射される。ホーン32が受信信号を
和及び差信号に分離し、受信して累算した和及び差信号
をサーキュレータ36を介してこれから説明する様に装
置の受信機へ結合する。受信の間、ビームは前の送信方
向を向いていてもよいし、別の方向を向いていてもよい
が、これもこれから説明する。
【0016】図4はこの発明の装置の簡略ブロック図で
ある。図4の内、図1,2及び3と対応する素子には同
じ参照数字を用いている。能動形アンテナ18bが図4
の右側にある。アンテナ18bのビーム方向が、ブロッ
ク48で示したビーム方向ぎめ論理回路(BSL)によ
って制御される。このブロックは、タイミング及び制御
信号装置(TCU)58からデータ母線42を介してタ
イミング及び制御信号を受取る。こゝで強調しておきた
いのは、BSL 48は全てのTRモジュールに共通に
指令データを供給する外部装置であってもよいし、或い
は各々のTRモジュールが、各々のTRモジュールに送
らなければならないデータ量を減少する為に、BSLの
それ自身の部分を持っていてもよいことである。アンテ
ナ18bの中心無線周波数給電部30が、伝送線路3
8,40によって、ブロック50として示した送受信
(TR)多重化(MPX)装置に結合される。受信モー
ドでは、多重化器50が前に述べた様に、RF給電部3
0からの振幅の小さい又は低レベルの信号を受取り、且
つ中心RF給電部30からのRF信号を、図ではブロッ
ク52として示した受信機のアナログ信号プロセッサ
(RCVR/ASP)に結合する。ブロック54として
示した無線周波数波形発生器(WFG)が、受信モード
では、受信機52に対して低レベルの基準局部発振器
(LO)信号を供給すると共に、伝送線路56を介して
多重化器50に低レベルの送信波形を供給する。多重化
器50はタイミング及び制御信号装置(TCU)58か
ら母線59を介してタイミング及び制御信号をも受取
り、送信モードでは、RF給電部30に低レベルの送信
波形を結合する動作を制御すると共に、その後、受信し
た和及び差信号を受信器52に結合する通路を作る。
【0017】適切な場合、和及び差チャンネルの受信信
号が、図4のブロック52で下向き変換されると共に低
雑音増幅され、その結果下向き変換された信号、即ちベ
ースバンド信号が、60に示した伝送線路を介して、ブ
ロック62の一部分として示したアナログ・ディジタル
変換器(ADC)に結合される。ブロック62は、これ
から説明する様に、受信してディジタル化した信号を記
憶するバッファをも含んでいるが、これはデータ通路6
4を介してTCU 58から受取ったタイミング及び制
御信号の制御のもとに行なわれる。アナログ・ディジタ
ル変換は「距離」クロック速度で実施される。このクロ
ック速度は、識別し得る最も小さい距離増分を定める。
ディジタル化された和の同相及び直角位相信号と、ディ
ジタル化された差の同相及び直角位相信号が、その両者
を合せたものがアンテナ18bに対する標的からの戻り
を表わすが、図4−7のADC及びバッファ62から、
データ通路66を介して、ブロック68で示したディジ
タル信号プロセッサ(DSP)に結合される。
【0018】図4のDSPブロック68は、(イ)隣接
するドップラー偏移からの信号の漏れ(周波数の漏れ)
を制御する為のデータの加重と共に、速いフーリエ変換
(FFT)アルゴリズムによるパルス間のドップラー・
フィルタ作用、(ロ)ディジタル・パルス圧縮、(ハ)
距離サイドローブの抑圧、及び(ニ)CFAR(一定の
虚偽警報速度)処理、標的を検出する為の閾値作用、気
象図作成用のスペクトル処理等を含むその他の信号処理
を作用として行なう。この内、(イ)、(ロ)及び
(ニ)項は、周知の形で行なわれ、この発明の一部分を
構成するものではない。(ハ)の距離サイドローブの抑
圧は、後で図43乃至47について説明する様に、ドッ
プラーに対する寛容性を持つことが有利である。ブロッ
ク68によって行なわれる処理の結果は、(イ)標的検
出報告(航空機)、(ロ)レーダ追跡検出報告、(ハ)
空間の分解し得る各々の容積に対する気象成分を含んで
いてよく、この(ハ)項は、(ハ1)エコー強度、(ハ
2)エコー接近速度及び(ハ3)エコーのスペクトルの
拡がりを含む。情報のこう云う成分をディジタル化レー
ダ検出報告(DRDR)に含めることが出来る。DRD
R報告は、検出が発生したアンテナ・ビームの角度座
標、検出の距離、受信してディジタル化した信号から抽
出された単独パルスの和及び差の値、及び検出が発生し
た停留のPRFに関するデータをも含んでいてよい。標
的のIDも、検出が追跡ビームで発生した場合に含める
ことが出来る。DRDR報告がデータ通路70を介して
検出プロセッサ(DP)ブロック72に印加される。
【0019】DRDR報告を作成する時、図4のDSP
ブロック68がパルス・ドップラー及び移動標的表示子
(MTI)又は移動標的検出器(MTD)フィルタ処理
を実施する。パルス圧縮の分野の当業者であれば、レー
ダ・パルスは、DSPブロック68が、受信信号を既知
の送信パルス・コードと相関させることが出来る様にす
る何等かの形で、符号化しなければならないことを承知
していよう。この相関過程が、信号対雑音比を改善する
と同時に、標的エコーの距離分解能を改善する。当業者
であれば、従来も、満足し得る種々のパルス符号化方式
が利用出来ることが知られている。こう云う方式とし
て、周知のバーカー・コード、擬似雑音コード、及び線
形FMコーディング方式がある。従って、DSPブロッ
ク68は受信信号に対するディジタル・パルス圧縮をも
実施する。
【0020】和チャンネルの処理済みの振幅出力が、図
4のDSPブロック68で検出閾値レベルとも比較さ
れ、振幅が閾値を越えれば、検出が宣言され、上に述べ
た距離、和及び差の値及びその他のデータがディジタル
化レーダ検出報告に書式の形で入れられ、データ通路7
0を介してDPブロック72に伝達される。レーダ検出
の分野の当業者であれば、レーダの特性、所望の検出確
率(Pd)及び虚偽警報確率(PFA)に従って、閾値
レベルをどの様に設定すればよいか知っているし、一定
虚偽警報率(CFAR)検出器の特性を持つ検出過程と
する為に、移動標的検出器(NTT)からの出力及び干
渉の平滑推定値を使う為にどの様に閾値検出器を設計す
ればよいかも知っていよう。DSPブロック68は種々
の形で構成することができる。1)DSPに要求される
特別の処理だけを実施する特別に設計されたハードウエ
ア、2)DSPに要求される特定の処理を実施する様に
プログラムされる高速の汎用コンピュータ、3)DSP
に要求される特定の処理を実施する様にプログラムされ
た高速の汎用アレー・プロセッサ、及び4)上に述べた
ものゝ組合せである。
【0021】検出プロセッサ・ブロック72が、DSP
ブロック68からデータ通路70を介して、追跡報告
(後で定義する)を含むDRDR報告を受取り、ディジ
タル化された和及び差の値を処理して、単独パルスの補
正値を推定し、こう云う補正値をビームの角度座標に加
算して、検出された標的の角度位置を計算する。検出プ
ロセッサ・ブロック72は、検出された標的の距離及び
距離速度をも計算する。検出プロセッサ72は、処理さ
れた距離、角度及び距離速度をディジタル化検出報告に
付属させ、その結果得られたDRDR報告及び追跡報告
をデータ通路76を介してレーダ制御コンピュータ(R
CC)ブロック78に送ると共に、データ通路74を介
してその他の外部ユーザに送る。RCCブロック78が
検出及び追跡報告を用いて、新しい標的を確認し、操縦
している標的を確認し、専用追跡を確認し、追跡ファイ
ルを更新すると共に、その結果を使って、後で図36−
42について説明するが、図4−7にブロック80とし
て示したレーダ計画制御プログラム(RSCP)に従っ
て、制御パラメータの新しい組を構成する。レーダ計画
制御プログラムは、実際には、レーダ制御コンピュータ
・ブロック78にある。
【0022】図8−11は、アンテナ18bのアレーの
開口を薄くすることを例示する。開口を薄くすること
は、この発明の1つの面であり、これはこの発明のその
他の面と共に有利に利用することが出来る。図8−11
に示す様に、矩形開口が55個の列を持ち、その中にア
ンテナ・エレメントが現れることがあり、更に59行あ
り、合計3,245個の場所又は「スロット」がある。
ポピュレーションが一杯のアレーでは、行の間隔は、三
角形のエレメント格子を構成する為に一つ置きの行にエ
レメントが必要になる様になっている。ポピュレーショ
ンが一杯の開口の列1は、奇数番号のスロット1乃至5
9にエレメントがあって、合計30エレメントあり、列
2は偶数番号のスロット2乃至58にエレメントがあっ
て、合計29エレメントある。従って、1つ置きのスロ
ットが埋まり、完全に埋められた又は完全なポピュレー
ションのある開口(薄くしていない開口)は、3,24
5個のスロットに配置された1,623個のエレメント
を持っている。薄くしたアレーのスロット(ポピュレー
ションの1員)にアンテナ・エレメント(並びにそれに
対応する送受信モジュールと内側アンテナ)が存在する
ことが、図8−11では対応する行と列の交点に数字
“1”として示してある。数字“1”が存在しないこと
は、薄くしたアレーが、その場所にアンテナ・エレメン
トを持たないことを示す。図8−11の列57は各行に
数字を列記してあるが、この数字は、薄くした分布の
内、その行にあるアンテナ・エレメントの数を表わし、
列58は数829を示しているが、これはエレメントの
総数を表わす。同様に、行62は、各列にあるエレメン
トの総数を表わす数を示しており、こう云う数の合計が
検査として行65に現れる。
【0023】アレーを薄くすることは、テーラ分布に基
づく確率に従っている。こう云う形式で薄くすることが
IEEEトランザクションズ・オン・アンテナ・アンド
・プロパゲーション誌1964年7月号、第408頁所
載のスコルニク他の論文に記載されている。勿論、薄く
するこの他の分布によって、ある目的では満足な性能が
得られることがある。この様に薄くすることにより、開
口の中心近くの密度に較べて、開口の縁近くのアンテナ
・エレメントの密度が下げられる。アンテナ技術の当業
者であれば、こう云う種類のエレメント分布は、エレメ
ントの一様な分布の場合に較べて、サイドローブが比較
的小さいアンテナ・パターンが発生されることを承知し
ていよう。即ち、図8−11に示す様に薄くすること
は、図2−3の各々のTRモジュール26の電力出力を
変調する必要を避けている。即ち、各々のTRモジュー
ル26の電力増幅器214が同じ出力電力で動作するこ
とが出来、アンテナ・アレーの開口にわたる実効振幅の
分布は、所望のサイドローブ・レベル及びビームの形を
生ずる様になっている。各々の無線周波数増幅器(図3
の214)が、放射すべき同じ電力量を発生する場合、
この様に薄くしたことにより、完全なポピュレーション
を持つ開口にテーパをつける為に電力を制御する為、各
々の電力増幅器216の後に減衰器を設ける必要がなく
なる。こう云う種類の薄くする方式は、各々のTRモジ
ュールに関連する電力出力を制御する減衰器の必要性を
少なくするだけでなく、全てのTRモジュールの送信増
幅器は同一の装置にすることが出来、これらの装置は同
じ最大出力電力レベルで動作し、従って最高効率で動作
し、その為に、可能な送信電力と利得の積が最高にな
る。これは、固体無線周波数(マイクロ波又はミリ波)
増幅器を使う時特に重要である。現在の技術状態では、
こう云う増幅器は、真空管に較べて利用し得る出力電力
が制限される傾向がある。こうして薄くすることは、コ
ストの観点からも有利である。それは、減衰器に対する
制御母線を設ける必要がなく、あるポピュレーションの
アンテナ開口内にあるTRモジュールの数が、完全なポ
ピュレーションを持つ開口に於ける場合よりも小さく、
各々のモジュールは減衰器なしに作ることが出来るから
である。上に述べた様に、最終的な無線周波数増幅器と
関連するアンテナ・エレメントの間に減衰器を使うのを
避けるのが有利であるが、相互接続部にある種々の部品
及び素子に固有の減衰を避けることが出来ないことに注
意されたい。こう云う相互接続部が図3の可変移相器2
10の様な可変素子を含む場合、避けることの出来ない
減衰又は損失も可変になることがある。従って、内側ア
ンテナ28とRF電力増幅器の間の通路が、ビームの方
向ぎめの為に制御される210に示す様な可変移相器を
含む場合、種々の移相器の減衰を等化して、一定の実効
PA出力電力を維持する為に、212に示す様な関連す
る減衰器が必要になることがある。
【0024】図12aは、1,623個の一様な分布の
エレメントを持つ一杯に埋められた又は一杯のポピュレ
ーションを持つ開口の仰角放射パターンのコンピュータ
・シミュレーションを示す。図12aのパターンは、横
軸(図1,2及び3の24)がある垂直平面内のφ=0
°で求めている。図12aに示す様に、第1のサイドロ
ーブは約14dB下である。図12bは何れも同じ振幅の
829個のエレメントを持つ図8−11の分布の場合を
示す。図12bに示す様に、主ビーム510は幅が狭く
て対称的であり、サイドローブ・レベルは20dBよりも
多く下にある。図12bの場合のシミュレーションによ
るエレメントの誤差は最大rms振幅誤差が0.1ボル
ト/ボルト(10%の誤差)であり、最大rms位相誤
差が18.71°である。薄くしたアレーの小さいサイ
ドローブが、これから述べる様に航空交通管制レーダ装
置の場合には有利である。これは、発生される個別のビ
ームが、隣接するビームからの戻りを排除する傾向があ
るからである。アレー・アンテナ18bによって発生さ
れるアンテナ・ビーム510は、方位平面内の全体的な
形が仰角平面内と同じであり、扇形ビームとは対照的
に、「ペンシル形」ビームと見なすことが出来る。
【0025】図1のアレー・アンテナ18bは、ASR
−9の機械的に走査される装置に対応する扇形ビームを
発生する様に設計することが出来る。然し、この様な扇
形ビームは、送信電力がペンシル形ビームよりも一層大
きな容積に分布し、従って電力密度がペンシル形ビーム
より低いと云う欠点があり、その為、遠隔の標的の検出
には、各々のTRモジュールからより大きな電力を必要
とする、と云う欠点がある。云い換えれば、扇形ビーム
を使うと、TRモジュールの所定の最大出力電力に対し
て検出し得る標的の距離が短くなる。更に、扇形ビーム
を発生するにはかなりの量の振幅と、開口分布の位相テ
ーパを必要とするが、これは前に述べた様に、全体的な
電力利得を低下させると共に、効率を低下させる。
【0026】この発明の一面として、図1,2及び3の
能動形アレー・アンテナ18bは、ある離散的な方位及
び仰角方向にペンシル形ビームを発生することが出来
る。ビームの形は、1つには、各々のアンテナ・エレメ
ントから送信されるRFパルスに加えられる相対的な移
相によって決定され、こう云う移相が各々のTRモジュ
ールに付設された移相器によって制御される。所定の方
向のペンシル形ビームに必要な移相は周知である。図1
3aは容積走査動作モードで1つの八分儀(半球の1/
8)内に発生される各々のビームを楕円体として示して
おり、図13bは短距離動作モードで同じ八分儀内に発
生されるビームを示している。図1の各々のアンテナ1
8は、それを合せたものが一象限(円又は球の1/4)
に対応する様な2つの八分儀の有効範囲を生ずる。即
ち、アンテナ18bは、図13aに示すビームと、同じ
数の別のビーム(その正確な数は、図13aは2つの八
分儀に重なる軸上ビームを示しているので、同じではな
い)を発生する。普通はφで示す方位角が、ミリ余弦
と、横線24(図1)のφ=0°の水平x−y平面への
投影に対する度数の両方で示されている。
【0027】図13aの左側で、線616が方位の横方
向を示し、この図の下の近くにある線618は0°の仰
角を示す。右側の線620は45°の軸外の輪郭を表わ
し、上側の線622は60°、即ち関心のある一番大き
い迎角を表わす。図13aに示す様に、アンテナは、約
0°から約60°までにわたる、関心のある全ての迎角
でペンシル形ビームを発生することが出来る。方位方向
では、ビームがφ=0°からφ=45まで発生される。
図1の構造10の隣りの面にある別のアンテナ・アレー
18が、図13aに示す45°を越えた先の走査を続け
る。
【0028】有効範囲としての捜査容積を拡大すると共
に、この実施例で60°より上方の「沈黙円錐」をなく
す為、迎角は水平より上方に、90°まで走査すること
が出来る。山の頂又は崖の様な場所の特殊性に合わせる
為、迎角は(傾斜角が適切であれば)水平より下方の9
0°まで走査することも出来る。
【0029】図13aに示す様に、ペンシル形ビームが
13個の別々の迎角で発生される。方位方向では、ペン
シル形ビームの数が仰角に関係する。最も小さい迎角
(公称0°)では、図示の八分儀内で20個の軸外アン
テナ・ビーム601b,601c……601g……60
1uがある。これと相補形の八分儀(図に示してない)
では、一番小さい迎角の所で別の20個の軸外アンテナ
・ビームが発生され、これが軸上のペンシル形ビーム6
01aと合せて、方位方向に合計41個の別々のビーム
位置を作る。ビーム601は公称0°の仰角であるが、
ビームの中心は実際には約1.2°の迎角を中心として
おり、この為各々のペンシル形ビームの3dB帯域幅(約
3°)により、公称の有効範囲は地上レベルまでに及
ぶ。当業者であれば、地上レベルまでの有効範囲によ
り、地上クラッタが生じて、望ましくない戻りが生ずる
が、これは信号処理によって始末することが出来ること
を承知していよう。公称、各々のビーム601が3dBの
輪郭で隣りのビーム601と重なる。後で利得の余裕に
ついて説明する様に、実際のビームの重なりは3dBとは
異なることがある。
【0030】図13aの迎角の次に高い迎角の増分は、
3.765°を中心としているが、この増分では、図1
3aに示した八分儀内の種々のゼロでない方位角の所
に、21個の軸外ビーム602a……602uからなる
別の1組が現れる。ビーム602は方位方向にはビーム
601に対してずれており、その結果、軸上ビーム60
2はない。例えば、ビーム601a,601b,602
aの中心661a,661b,662aが、図6bに更
に詳しく示す様に、破線698で示す三角形を形成す
る。この様に互いにずれたビームが累積することによ
り、三角形の格子が生ずる。公称、各々のビーム601
a,601b,602aは3dBの輪郭で隣りのビームと
重なる。ビームは逐次的に発生されるのであって、同時
ではないから、この重なりは考えの上だけのことである
ことに注意されたい。一象限内に合計2×21=42個
のビーム602がある。
【0031】図13aの迎角の次に高い増分は、8.0
43°の所にあるが、この時、1本の軸上ビーム603
aと20本の軸外ビーム603b……603uの別の1
組により、一象限内に合計41本のビームが生ずる。合
計20本の軸外ビームが図13aではビーム604a−
604tとして示されており、その全ての中心は仰角で
12.381°(40ビーム/象限)にある。同様に、
図13aで示す様に、19本の軸外ビーム605b……
605t及び1つの軸外ビーム605aが、何れも1
5.829°(39ビーム/象限)の迎角を中心として
いる。表Iには、1から13までの行番号と、対応する
迎角と、図13aに示したペンシル形ビームの数(#)
と、図13aの配置の八分儀に対するビームの参照符号
とが示されている。一象限内のビームの総数(合計の値
#)も示されている。
【0032】
【表1】 表 I 角 度 ビームの符号 合計# 1 1.200° 21 601a…601u 41 2 3.765 21 602a…602u 42 3 8.043 21 603a…603u 41 4 12.381 20 604a…604t 40 5 15.829 20 605a…605t 39 6 19.627 20 606a…606t 40 7 24.037 20 607a…607t 39 8 28.806 18 608a…608r 36 9 34.006 18 609a…609r 35 10 39.527 16 610a…610p 32 11 45.273 15 611a…611o 29 12 51.153 13 612a…612m 26 13 57.235 12 613a…613l 23 表Iを見れば判る様にビームの数は、迎角の増加と共に
減少する傾向がある。カバーすべき空間の容積が迎角の
増加と共に縮小するから、この結果は予想される所であ
る。
【0033】図13aの各々のビームはその隣りと十分
に重なって、方位は0から±45°で、公称0°から約
60°の迎角まで、容積を連続的にカバーする。前に述
べた様に、ペンシル形ビームは公称3dB電力の点で重な
り、従って両方向(送信及び受信)損失は6dBである。
図1に示す様な配置から生じた図13aに示す様なビー
ムの4つのアレーは、方位で360°、迎角で60°ま
でをカバーすることが出来るが、これは航空機の管制に
は十分である。ペンシル形ビーム形の逐次的な発生は後
で詳しく説明する。図13aの領域6100,611
0,6101は、この発明の1実施例について後で説明
するが、容積捜査動作モードで夫々100,10及び1
μSのパルス持続時間をビームに与える領域である。
【0034】図14は図13aと同様であり、対応する
部分には同じ参照数字を用いている。図13aは、主た
る容積捜査又は走査の為に使われるビームを示している
が、図14のビームは、短距離捜査と、最終接近管制の
様なその他の短距離動作モードに使われる。この様に用
途が違う結果として、図14のビームは、比較的短い距
離の所で応答並びに精度を持つ必要のあるビームを表わ
しており、従って、送信パルス幅又は持続時間が容積捜
査に使われるものよりもずっと小さいビームを示す。即
ち、この発明の1実施例では、図13aのビーム60
1,602,603は、100μSのパルス幅を持つビ
ームを表わすが、図14の短距離ビームは、1μSのパ
ルス幅の送信から生ずるものである。
【0035】図14の八分儀で、614a乃至614u
と記す21本のビームを2.0°の迎角で発生すること
が出来、別の21本のビーム615a−615uを7.
205°の迎角で発生することが出来、更に21本のビ
ーム616a−616uを12.456°の迎角で発生
することが出来る。41本のビーム614、42本のビ
ーム615及び41本のビーム616がある。こう云う
「3層」のビームは、図13aのビームとは異なる迎角
にある様に選んで、図14の「3層」が、図13aの一
番下側の「4層」(ビーム601,602,603,6
04)と大まかに云って全体が同じ迎角をカバーする様
にしている。こうするのは、短距離走査に費される全体
的な時間を短縮する為であり、こう云うことが可能なの
は、利得余裕(後で説明する)が短距離動作モードでは
一層大きく、この為、短距離動作モードの各々のビーム
は、ビームのピークから一層遠い所で隣りのビームと重
なることが出来る、即ち輪郭が3.0dBではなく、7.
0dBにある為である。
【0036】図15は、図13aの装置の任意の特定の
方位角で「見える」13本のビームの図であって、呎数
で表わした高度と海浬で表わした直線距離とに対して示
してある。図13−14のビームの輪郭は、全体的に迎
角が増加するにつれてカバーする角度が増加するが、そ
の高度の有効範囲は、場の強度の測定を行なう距離に関
係する。即ち、図15で、ビームの幅は、迎角が小さい
ビームでは一層大きく見える。これは、迎角が一層大き
いものよりも、直線距離が一層大きい所で測定するから
である。現在の基準で空港の端末区域の航空機管制の捜
査用に使う場合、関心のある最大距離は60海浬として
定められており、これは110kmに対応し、関心のある
最高高度は24,000呎(7,300m)である。明
確にする為、図15のビームは図13aのφ=0°(0
°の方位)の所で表示した様に示されている。従って、
図15の最も小さい迎角のビームが601aであり、次
が601b……であり、最も大きい迎角のビームが61
3aである。ビーム601a及び602aの検出輪郭の
重なり(その3dBの輪郭が合流すること)は60nmかそ
の先で起り、こうして60nmにあって24,000呎よ
り下方にある標的が所要の確率及び虚偽警報率で検出さ
れることが保証される。即ち、標的は両方のビーム60
1a,602aによって順次照射され、この標的の場所
で、両方のビームが照射することは、その方向にある標
的が、少なくとも一方のビームによって所要の統計で検
出されることを仮定している。確率輪郭としてのアンテ
ナ・ビームの重なりは、こゝに定めた高度及び距離の範
囲内にある任意の標的に対して余裕の減少がないことを
保証する。
【0037】これまで説明して来た所では、この発明の
装置は、所望の容積をカバーする様に、種々の角度で逐
次的なペンシル形ビームを発生する。一象限内に合計4
63本のビームがある。60nmまでの有効範囲に対し、
ASR−9のビームの様な単独パルス・ビームは少なく
とも744μSの間停留しなければならないし、曖昧で
ない距離を拡張しようとすれば、更に長く停留しなけれ
ばならない。744μSに463を乗ずると、約0.3
4秒である。これは満足し得る象限走査時間である。然
し、ASR−9は、雨及び地上のクラッタからの戻りを
除去する為に、ドップラー・フィルタ作用を使ってい
る。ドップラー・フィルタ作用は良好なフィルタ作用に
する為、並びに距離−ドップラー盲区域を除く為、1つ
のビーム当たり複数個のパルスを必要とすることが望ま
しい。例えば、ASR−9は、2種類の異なるパルス繰
返し周波数(PRF)で、夫々8個のパルス及び10個
のパルスからなる2つの別々のコヒーレント処理期間
(CPI)に構成された18個のパルスを使う。この条
件により、走査時間は、曖昧さを減少する為に必要にな
るかもしれない過剰の受信時間を考慮に入れなくても、
90°の一象限に対し、6秒を越える様になる。6秒又
はそれ以上は、捜査走査時間としては過大であると考え
られることがある。
【0038】この発明の一面として、全体的な走査時間
を短縮する為、パルス繰返し周波数(PRF)を現在放
射しているペンシル形ビームの迎角に応答する様にす
る。例えば、図15について云うと、24,000呎の
天井を表わす線24,000が15nm未満の直線距離で
ビーム605a……613aと交差する。このことか
ら、大きい迎角の時に必要な停留時間が、744μSよ
りずっと短く、従って迎角の大きいビームでは、PRF
を相対的に増加することが出来ることが判る。これによ
って、多くのビームに対する停留時間が短縮され、PR
Fが一定であって最大距離に基づいていた場合よりも、
完全な容積走査を一層短い時間の内に達成することが出
来る様になる。この発明のPRF制御について、次に図
19−35について説明するが、その構成は後で図5に
ついて説明する。
【0039】前に述べた様に、長距離動作に対する所望
の電力を達成する為に必要な長いパルス幅により、その
範囲内では標的を検出することができない最低距離が長
くなる。この発明の別の一面として、送信パルスの持続
時間が、発生されている特定のアンテナ・ビームの迎角
に応答して変更され、直線距離が短い場合、大きい迎角
の時には比較的短いパルス幅を使い、距離が一層長い、
小さい迎角のビームに対しては、比較的長いパルスの持
続時間を使う。連続的な変化を使ってもよいが、パルス
幅の3つの別々の範囲で動作させることにより、受入れ
ることの出来る結果が得られると考えられるし、その方
が実施するのが簡単である。この発明の特定の実施例の
捜査モードでは、図13aのビームの組601,60
2,603(領域6100)に対応する迎角のビームに
は、100μSのパルスを使い、ビーム604(領域6
101)に対しては10μSのパルスを使い、ビーム6
05……613(領域6101)に対して1μSのパル
スを使う。
【0040】図16は、迎角と直線距離との関係とし
て、φ=0°の様な特定の方位角に於ける図13aのビ
ームを示している。図16で、その範囲内では標的を検
出することの出来る距離は、図13aのビーム601,
602,603に対しては100μSのパルス、ビーム
604に対しては10μSのパルス、そしてビーム60
5−613に対しては1μSのパルスを使った場合、陰
影線を施した領域又は容積810によって示される。陰
影線を施した領域810の片側が、24,000呎の高
度の輪郭である線24,000によって区切られてい
る。24,000呎の輪郭が弯曲しているのは、縦軸と
横軸の取り方の為である。陰影線を施した領域810の
反対側が、夫々15km、1.5km及び150mの距離を
表わす線15,801及び150によって区切られてい
る。約10°の迎角まで、約8nm(15km)までに及ぶ
距離を持つ694と記した容積内では、0°から約8°
の迎角まで、標的を検出することが出来ない。これは、
ビーム601a,602a,603aに関連するパルス
が100μSと比較的長い為である。更に、迎角で約8
°から約16°まで、ビームの604aに伴う10μS
のパルスの為、最小距離は約1海浬である。16°より
大きい迎角では、1μSのパルスは、150メートルと
云う接近した標的をも検出することが出来る。航空機管
制用としては、150メートルの検出は近さとして適切
であると見なされる。
【0041】この発明の別の一面として、図14に示す
別の3つのビームの組614,615,616を1μS
と云う様な短い送信パルスで周期的に動作させて、長距
離の標的の検出と共に接近も出来る様にしている。捜査
又は容積走査モードで大きい迎角の時に短いパルスを使
うと云う方式により、短い距離の標的の検出の為に大き
い迎角の時に2回目の停留を必要としないことに注意さ
れたい。これによって、全体的な容積走査時間を短縮す
るのに更に資する。
【0042】図17は図16と同様であり、対応する部
分は同じ参照数字で示してある。図17では、ビーム6
14,615,616は図14のビームに対応し、7dB
の輪郭が破線15の所で重なる。これは陰影線を施した
容積814の外側の局限である約8nm又は15kmを表わ
す。陰影線を施した容積814は、その範囲内では標的
が接近モードで高い信頼性で検出される領域を表わし、
約150mから15kmまでに及び、迎角は約15°にま
で及ぶ。
【0043】パルスを送信し、レーダが、PRIによっ
て定められた距離より先の前のパルスからの戻りを受信
する時、距離の曖昧さが生じる。図18は時間線を示し
ており、等間隔の時刻T0,T1,T2……がある。T
0乃至T1又はT1乃至T2に対応する距離にある標的
に関心があり、時刻T1,T2,T3……にパルスを送
信した場合、所望の距離の1.5倍の所にある標的は、
前に送信したパルスを反射することがあり、これが距離
の曖昧さとなって現れる。例えば、図18の時間T0−
T1′に対応する距離にある標的は、時刻T0に送信さ
れたパルスを反射し、このパルスは時刻T1のパルスの
送信の後にレーダに戻る。戻った信号が検出される位に
強力であると、それは一層狭い距離T1−T1′にある
標的から発生された戻りと識別することが出来なくな
る。従って、標的の距離が、T1−T1′か、(T1−
T1′)に(T0−T1)の倍数を加えたものかどう
か、曖昧になる。標的からの戻りの強度は、距離の4乗
に反比例するものとしてしばしば表わされる係数倍だけ
減少する。伝搬条件が良好で、レーダの送信機及び受信
機が電力及び感度の仕様を越える場合、大きな標的は、
設計の距離を十分に越えた所から識別し得る信号を発生
することがある。これは、PRFを減少して、PRI
が、関心のある最も遠い標的が存在する距離より長くな
るようにすることによって、避けることが出来る。図1
8で、偶数番号の時刻T0,T2……の間だけ送信する
こと等により、PRFを半分にすると、レーダの聴取時
間が2倍になり、望ましくない戻りを受信する惧れがあ
る距離が2倍になる。これは、望ましくない戻りの強度
が係数24 =16分の1に減少し、望ましくない戻りを
受信する惧れを減少する傾向を持つ点で、望ましいこと
である。然し、この方式は、役に立つデータは増加せず
に、各々のビームの停留が2倍になると云う影響があ
る。従って、所望の距離に必要なよりも低いPRFを使
うと、容積走査に必要な時間が長くなる。その為、高い
PRFは、走査時間の条件を減ずるが、距離の曖昧性の
問題を持込む。
【0044】前に述べた様に、高いPRFを使うと、検
出しようとするよりも一層長い距離の所にある標的から
異常な又は曖昧な結果を作ることがある。高いPRFと
共にドップラー・フィルタ作用を使うと、別の問題が生
ずる。ドップラー・フィルタ幅(FW)をm/秒で決定
するには、次の式を使うことが出来る。
【0045】
【数1】 FW=Vmax/N=λPRF/2N (1) こゝでVmaxは曖昧でない速度区間、Nは1組当たり
のパルスの数、λは空気中の波長、PRFはヘルツで表
わしたパルス繰返し周波数である。
【0046】式(1)から判る様に、ドップラー・フィ
ルタ幅はPRFに正比例する。λが0.107m(約
2.8GHz に対応する)で、PRFが5kHz である時、
曖昧でない速度区間は267.5m/秒であり、各々の
ドップラー停留のN=8パルスとすると、ドップラー・
フィルタ幅は FW=0.107(5,000)/16=33.4m/
秒 になる。これは65ノットに対応する。65ノットと云
う大きいドップラー・フィルタ幅は、レーダに対して大
体接線方向に動く大抵の標的が、最低周波数のドップラ
ー・フィルタに入り、この様な他の標的やクラッタによ
ってぼかされるので不利である。PRFの変化は、標的
をクラッタ・フィルタの外へ出すには、非常に大きくし
なければならなくなる。その為、ドップラー・フィルタ
を使うには、小さいPRFを必要とする様に見える。こ
の為、どのビームにも、高いPRFを使うのは望ましく
ない様に見える。
【0047】この発明の別の一面として、簡単の為「ビ
ーム多重化」(BMPX)と呼ぶビーム走査パルス方式
を使う。これは距離の曖昧さを減じながら、必要な走査
持続時間を短くすると云う利点を有する。BMPX動作
では、レーダは、8個と云う数であってよいが、ビーム
位置のサブセットをサイクルとして循環する。サブセッ
トの各ビームは、各々の送信/受信期間の間に1回パル
ス駆動してから、サブセットの次のビームに移り、送信
機(送信パルスの源)は高いPRFで動作するが、各々
のビームは、この様なシーケンスの結果として一層低い
PRFで動作する。標的からの戻りを表わすデータが、
データ処理の為に記憶される。サブセットのビームをこ
うしてパルス駆動した後、走査(各々の送信/受信期間
の間のパルスの送信、戻りの待ち、戻って来たデータの
記憶)を、やはりサブセットの最初のビームから開始
し、そのセットの全てのビームにわたって続けられる。
これは、ドップラー・フィルタに適切な入力を供給する
のに十分な数のパルスがサブセットの各ビームから送信
されるまで続けられる。この為、各々のビームは低いP
RFで動作し、そのビームに対する戻りパルスの組は実
効PRFが小さく、この為信号は、狭帯域ドップラー・
フィルタ(後で図43−47について説明する)によ
り、図4−7のディジタル信号処理ブロック68でフィ
ルタ作用にかけて、距離率を良好に分離することが出来
る。各々のビームの実効PRFは小さいにも拘らず、有
効なビームの数が大きい為に、容積走査速度は高い。こ
の為、ビーム多重化動作では、サブセットの全てのビー
ムが時分割多重化又はインターレースにより、パルス繰
返し間隔(PRI)からPRIへと切換えられる。
【0048】一般的に、送信機の電力、利得の余裕、ビ
ームの重なり、アンテナ開口とビーム幅、横方向から離
れた時のアンテナ利得の低下、迎角の関数としての大気
損失等は、迎角に関係なく、各々のビームで同じ数のパ
ルスを送信してφ=0°で信号プロセッサによって処理
しなければならない様に、選び又は釣合いをとる。後で
更に説明するが、このパルスの基本数はこの発明の1実
施例では18であり、第1のPRFの8個のパルスと第
2のPRFの別の10個のパルスとの群に分けられる。
【0049】横方向から外れた方向にビームを走査する
ことに帰因し得る余裕の低下又は電力利得の減少は、送
信機の電力並びに/又はアンテナ開口を増加することに
よって補償することが出来る。固体RF増幅器は既に一
杯の電力で動作しており、従って、横方向の電力を減ら
す為に可変減衰器を使わずに、送信機の電力を増加する
ことは出来ないので、横方向からずれると相対的に増加
することがあり、アンテナ開口を変えることは極めてコ
ストがかゝる。その代り、この発明の別の一面では、位
相調整アレーのペンシル形ビームを軸上状態から方位方
向に遠く離れて走査する時に起る余裕の低下又は電力利
得の減少は、軸上状態よりも、相対的に多数のパルスを
適応的にまとめる(送信、受信及び処理)ことによって
軽減することが出来るが、これは後で更に詳しく説明す
る。パルス数が一層多くなると、容積走査時間が長くな
って望ましくないが、これは、アンテナ開口、送信電力
又はその両方を増加すると云う様な代案のコストを考え
れば、望ましい兼合いと考えられる。適応形パルスまと
め方式は、ビーム多重化方式、PRF及びパルス持続時
間の迎角に伴う変化によって、容積走査時間が短縮(占
有時間の節約)の為に有効になる。
【0050】図19は、捜査モード及び短距離モードの
両方で動作させたこの発明の1実施例による図4−7に
示す様な1つの装置の占有時間を要約したものである。
図1に示す様な迎角θt に15°傾斜したアンテナ・ア
レーのエレメントの三角形格子を想定し、ビーム構造は
図13−14のものであると仮定する。1dBの装置の余
裕を仮定する。この実施例での余裕の測定は、方位角φ
=0、及びアレーの横方向より13.8°下方に対応し
て1.2°(水平より上方)の迎角の所で行なわれる。
この為の余裕とは、特定された検出確率を充たすのに必
要なよりも過剰の電力利得を意味する。
【0051】図19で、列Iの行1の“1”と云う数字
は、「走査#」と云う標題がついているが、図13−1
4の41個のペンシル形ビーム601全部の走査(従っ
て、一象限の走査)を表わす。列IIは「迎角(度)」と
記されているが、ペンシル形ビームの中心がある迎角を
列記したものであり、走査#1では1.200°であ
る。列III の“RNG(km)”は、2,400呎に対
応するkmで表わした直線距離を示し、1.2°のビー
ムの場合は、計器距離であり、従って関心のある標的が
その中にある距離を表わす。走査#1では、距離は60
nmに対応する111.12kmである。列IVの“PW(μ
Sec)”は、容積走査動作モードに対するマイクロ秒
で表わした対応する送信パルス幅を列記したものであ
る。列V及びVIの“PRF1(Hz)”及び“PRF2
(Hz)”は、各々のビームにあるN個のパルスからな
る相次ぐ組のPRFである。高い方のPRF、即ち、P
RF2は、走査の特定の迎角で所望の直線距離になる様
に選ばれる。2番目のPRF(PRF1)は、ドップラ
ー・フィルタに対して、盲距離効果を減ずる為に設けら
れている。PRF1は、1つのドップラー・フィルタか
らの戻りを次へ適切にシフトする為に、PRF2の4/
5になる様に選ばれる。列VII の「デューティ(%)」
は、パルス幅及び高い方のPRFから計算されたデュー
ティ・サイクルを列記している。例えば、走査#1で
は、デューティ・サイクルは、1,340×100×1
-6×100=13.4%と計算される。デューティ・
サイクルは、TRモジュールのピーク及び平均出力電力
を設定するのに関係することがある。列VIIIの「時間
(msec)」は、各々の迎角で方位方向に±45°
(一象限)走査するのに要する合計時間をミリ秒で列記
したものであり、その迎角の各々のペンシル形ビームに
対して2組のパルス(一方の組はPRF1、他方の組は
PRF2)を用いる。列IXの「パルス」は、一象限内の
1つの迎角での走査に対する送信パルスの総数を列記し
たものである。
【0052】図19の列VIIIに列記した時間は、各々の
迎角の走査に対する時間で表わしてあるが、次の迎角に
移る前に、ある迎角での全ての走査を完了することは必
要ではなく、原則的には、個々のビームは任意の順序で
走査することが出来る。この為、図19の走査1は10
0μSのパルスで動作し、最も小さい迎角の41本のビ
ーム(1つの八分儀内にある図6の21本のビーム60
1及び関連する八分儀内にある対応する20本のビー
ム)の各々をアドレスし、方位の横方向のビームに対
し、少なくとも8個のパルスはPRFが944Hzで、そ
の後別の少なくとも10個のパルスが1,180HzのP
RFである。944HzのPRFに於ける1サイクルの持
続時間は約1.06msecであり、1,180Hzでは、約
0.848msecであり、従って、ビーム当たり18個の
パルスは約(8×1.06)+(10×0.848)=
16.95msecかゝる。後で図20−35について詳し
く説明する様に、若干の軸外ビームには18個より多く
のパルスを用いる為、1.200°の迎角に於ける方位
方向の象限全体(φ=±45°)の走査の時間は、ビー
ム当たりの16.95msecに(1.2°の迎角に対す
る)41本のビームを乗ずると云う様に簡単に計算する
ことは出来ない。
【0053】前に述べた様に、この発明の一面として、
アンテナ・アレーの軸外走査によって起る余裕の低下
は、標的を表わす信号を発生する為にまとめられるパル
スの数を増加することによって、補償することが出来
る。その為、軸上ビームの場合よりも、方位の軸外のあ
るビームに対しては、より多くのパルスが送信される。
従って、走査#1の象限に対して送信されるパルスの総
数は、図19の列IXに列記されている様に、1,194
である。これは、走査時間が、1つのビーム当たり18
個のパルスだけということを基準にして計算される0.
695秒の時間よりも長いことを意味する。図19の列
VIIIに示す様に、走査#1の41本のビーム全部に対す
る走査時間は1,125msecである。
【0054】八分儀に対するパルスの総数は、偶数番号
の走査では、図19の列IXに示す数の正確に半分であ
り、奇数番号の走査では、その数に(軸上ビームに対す
る)18を加えた和の半分である。従って、走査#1
(奇数)に対する八分儀内のパルスの数は(1,194
+18)/2=606である。
【0055】同様に、図19の列IIは、走査2が3.7
65°の迎角に全てのビームを持ち、列III から、この
角度に於ける設計の最大距離はやはり111km(60n
m)である。送信パルス幅は100μS(列IV)であ
り、パルスの第1組は944HzのPRFであり、第2組
は1,180Hz(列V及びVI)である。最大のデューテ
ィ・サイクルは11.8%(列VII )である。列VIIIを
見れば、一象限を走査するのに要する時間は約1,09
4msecであり、列IXから、この象限は1,162個の送
信パルスを必要とする。図13aを参照すると、図示の
八分儀は偶数個のビーム602を持ち、その為、一象限
当たり合計1,162/2個のパルスがある。
【0056】図19の表にある走査3は、100μSの
送信パルス(列IV)を持ち、走査4は10μSのパルス
を持つ。図19の表に示す様に、1μSのパルスが走査
5から走査13までの走査に対して使われる。図13−
17について述べた様に、この発明のこゝで説明してい
る実施例の容積捜査モードでは、合計13個の迎角又は
走査がある。従って、図19の表に示す走査1乃至13
は、13個の通常の容積捜査走査の全部を取入れてい
る。
【0057】図19の走査#14,15及び16は、前
に図14及び17について述べた短距離走査に関係す
る。図19に走査14,15及び16について表で示す
様に、容積(図16−17の容積814)を走査する為
の別の1組のペンシル形ビームに対して、完全な容積走
査には1μSのパルス幅を用いる。この容積からの戻り
は、#1,2及び3では、100μSのパルス幅の為に
得られなかったし、走査4でも、10μSのパルス幅の
為に得られなかった。1μSの送信パルスを用いて、
1.200°、3.765°、8.043°及び12.
381°の迎角でも、図13,14の同じペンシル形ビ
ーム601,602,603,604を走査することが
可能であるが、2.000°、7.205°及び12.
456°の様な他の迎角で走査することも可能である。
これは、距離が一層短いことによって得られる増加した
余裕により、重なりの所での利得余裕を、満足し得る検
出確率が得られる値より低い値まで下げることなく、ビ
ームをビーム・ピークより3dBより多く重なる様に選ぶ
ことが出来るからである。4個の代りに3個のこの様な
走査を使うと、全体的な走査時間が節約される。
【0058】図19の表に示す走査#14,15及び1
6は、迎角が2.000°、7.205°及び12.4
56°であり、所望の最大距離が15km又は8nmであ
る。パルス幅は1μSであり、この為約150m以内ま
でカバーすることが出来る。PRFは、3つの走査全て
ゞ7,920Hz及び9,900Hzであり、デューティ・
サイクルは同一である。表10の列VIIIの表に示す様
に、一象限を走査する時間は、走査14,15,16の
間で異なるが、これはビーム当たりのパルス数が異なる
為であり、これは後で更に詳しく説明する。走査1−1
3で、図19の表に示す様に、一象限を走査する時間の
違いは、ビーム当たりのパルスの数が違う為、並びにP
RFが違う為である。
【0059】図20乃至35は、図19にまとめて示し
た16個の走査全部に対し、八分儀内にある各々のビー
ムに対する各々のPRFでのパルス数、各々のPRFで
のビーム当たりの時間、及び合計ビーム時間を詳しく示
す。軸外の角度での送信パルスの数の増加は、dBで表わ
した両方向走査損失を次の式で表わすことが出来ると云
う仮定に基づいている。
【0060】
【数2】 SL=50Log ρ (2) 但し ρ= cosg/ cosg0 cosg= cosθ cosφ cosΨ+ sinθ sinΨ cosg0 = cos(Ψ−θ0 ) こゝでg0 はθ=1.2°、φ=0°に於ける走査角、
gはアンテナの横側から測定した特定のビーム位置に於
ける合成走査角、θ0 は基準迎角で、この例ではθ=
1.2°である。
【0061】θ=ビームの迎角、φ=ビームの方位角、
Ψ=アレーの傾斜角である。
【0062】上に述べた実施例の装置は、前に述べた様
に、アンテナの傾斜を15°にして、距離が60海浬の
所で、標準的な大気中で、横方向の方位及び水平より上
方に1.2°の迎角で、1.0dBの検出余裕が得られる
様な寸法になっている。横方向のビームを迎角0°から
上向きに走査するにつれて、迎角走査損失が減少し、こ
うして15°の迎角に達するまで、横方向の余裕が徐々
に増加する。15°の迎角より上方に走査が進むと、徐
々に増加する迎角走査損失が余裕を減らす。更に、迎角
が1.2°より大きくなると、最大距離が減少し、単位
距離当たりの大気損失が減少し、こうしてやはり方位の
横方向余裕を増加することに寄与する。
【0063】図20は、図19の走査#1に対応する迎
角1.2°での八分儀の各ビーム内のパルス数を示す表
である。前に述べた様に、迎角1.2°に於ける方位横
方向余裕は1.0dBであり、基本的なパルス方式の為、
コヒーレント処理期間CPI1の間は944Hzの8個の
パルス、そしてCPI2の間は、1,180Hzの10個
のパルスが要求される。こう云うパルスの組の各々に対
する合計時間は、8.47msecであり、合計するとビー
ム当たり16.95msecである。2.0°、4.0°、
6.01°、8.03°、10.05°、12.09°
及び16.22°の方位走査角で走査されるビームで
は、式(2)のSLの値は僅か0.89dBの最大値に達
するが、これは1dBの利得余裕を越えない。この為、方
位の横方向からφ=16.22°未満だけ離れたビーム
では、余裕が0を越える。φ=18.31°では、両方
向走査損失(SL)は式(2)から次の様に計算され
る。
【0064】 SL=−50Log[( cos1.2 cos18.31 cos15 + sin1.2 sin15)/ cos(15−1.2)] SL=50Log[.9222408/.9711343] SL=1.123dB これは、利用し得る1dBの余裕を0.123dB越える。
従って、θ=1.2°、φ=18.31°のビームで
は、少なくとも0.123dBに対応する分だけ、パルス
の数を増加することにより、余裕を増加しなければなら
ない。これは次の式で計算される。
【0065】
【数3】 N2/N1=10dB/10 (3) こゝでN2は新しいパルス数であり、N1は初めのパル
ス数である。0.123dBについて計算すると、式
(3)からN2/N1の比は10 0.123=1.029に
なる。従って、パルス数を2.9%増加すると、1.2
°の迎角及び18.31°の方位角のビームに対する走
査損失が埋合される。然し、追加することが出来る最も
小さいパルス数は1であり、コヒーレント処理期間1
(CPI1)の場合、これがパルス数を944HzのPR
Fでは8から9に、そしてCPI2では、1,180Hz
のPRFで10から11に増やす。図20の表に示す様
に、φ=18.31°では、走査時間はCPI1では
9.53msecに、そしてCPI2では9.32msecに伸
びる。
【0066】パルスの数が増加したことによる電力利得
の増加は、次の式で計算することが出来る。
【0067】
【数4】 dB=10 log10N2/N1 (4) φ=18.31°で、パルスが8個から9個に増加した
場合、式(4)から0.51dBの余分の電力利得が得ら
れ、パルスが9個から10個に増加したことは、0.4
5dBに対応する。
【0068】当然予想される様に、パルスの数が8から
9並びに10から11に増加することにより、1つより
多くの方位角の増分に対し、十分な余分の余裕が得られ
る。φ=20.43°(図20)では、式(2)から、
SL=1.403dBである。正味の実効余裕が少なくと
も1.45dB(もとの1.0dB)に、0.51dB及び
0.45dBの内の小さい方を加えた値であるから、φ=
20.43°では、φ=13.31°で使った数に較べ
て、パルス数を増加する必要はない。
【0069】θ=1.2°、φ=22.58°(図2
0)のビームは(式(2)から)走査損失SL=1.7
22dBであり、これはCPI1及びCPI2に於ける夫
々の実効余裕1.51及び1.45を夫々0.212dB
及び0.272dB越える。式(4)を使うと、22.5
8°に於けるパルス数は、CPI1に対しては、少なく
ともN2/N1=1.050(0.212dBに対応す
る)に、そしてCPI2に対してはN2/N1=1.0
65(0.272dBに対応する)に増加しなければなら
ない。この増分も、パルス数としては整数しかない。C
PI1でパルス数を9から10に、そしてCPI2でパ
ルス数を11から12に増加すると、電力利得余裕が0
dBより上に保たれる。
【0070】一般的に、特定のCPIに対する角度φに
於ける実効余裕ENは次の様に計算することが出来る。
【0071】
【数5】 EM=IM+10 log10N2/N1+50 log10ρ (5) N1は出発時のパルス数(図20−35の例では8又は
10)、N2は使われる実際のパルス数、IMは特定の
迎角に於ける初期の余裕で、迎角1.2°の場合は1dB
であり、ρは式(2)について定義されている。
【0072】CPI1(図20)で方位の横方向の時、
もとの8個のパルスに較べて11個のパルスを用いる
と、θ=1.2°φ=22.58°に於ける実効余裕
は、式(5)から次の様に計算することが出来る。
【0073】 EM=1+10 log1010/8+50 log100.9238 EM=1+0.969−1.722=0.247 CPI2では、余裕は、 1+10 log1012/10−1.722=1.791−1.722 =0.069 これは十分である。
【0074】θ=1.2°、φ=24.77°のビーム
では、式(2)から、SLは2.084dBと計算され、
従って、1.0dBの横方向余裕に較べて、少なくとも
1.084dB余裕が必要である。式(3)から N2/N1=10 1.084/10 =1.284 N1=8(CPI1の場合)、N2=1.28×8=1
0.27であって、これは整数ではない。この条件は、
11個のパルスによってのみ充たすことが出来るが、N
1=10(CPI2の場合)、式(3)からN2=1
2.84であり、これは13個のパルスを必要とする。
こう云う数11及び13が、φ=24.77°の場合に
ついて、図20の表に示してある。
【0075】θ=1.2°及びφ=26.99°のビー
ムの場合、式(2)から、SL=2.489であり、従
って、横方向に利用し得る1dBの時の初期余裕に較べ
て、少なくとも1.489dBの余分の余裕が必要であ
る。1.489dBの利得に対して要求される比N2/N
1は、式(3)から次の様に計算される。
【0076】 N2/N1=10 1.489/10 =1.409 N1=8(CPI1の場合)では、N2=1.409×
8=11.27であり、これは12個のパルスによって
充たされる。N1=10(CPI2の場合)では、N2
=1.409×10=14.9であり、これは15個の
パルスによって充たされるが、この何れも図20の表に
示されている。
【0077】こう云う計算は、普通にやれば面倒くさい
が、コンピュータ・プログラムによって実施することが
出来、こうして所望の余裕を達成する為に、横方向から
ずれた角度で必要な最小限のパルス数を決定することが
出来る。こう云う計算結果が、1.200°の迎角の走
査の他の方位角に対し、図20の表に示されている。
【0078】図20の最後の例として、φ=44.29
°のビーム角では、SL=−7.212dBであり、従っ
て横方向の余裕に較べて、6.212dBの余分の余裕が
必要である。6.25に対応する比N2/N1は4.1
8である。CPI1では、N2=4.18×8=33.
44であり、これはN2=34によって充たされる。C
PI2では、N2=4.18×10=41.8であり、
これはN2=42個のパルスによって充たされる。
【0079】図21乃至35は、図19のリストに示し
た2°、7°及び12.5°の走査(走査14,15及
び16)を含めて、3.8°から57°までの迎角θに
於ける種々の個々のビームに対するパルス数を表で示し
ている。種々の迎角θに対する初期余裕(IM)又は方
位の横方向に於ける余裕が、図20−35に付した文字
符号と共に、表IIに示されている。表IIで、最大の初期
余裕はθ=15°の時ではない。これは、迎角の増加と
共に大気損失が減少すると共にパルス幅が減少する効
果、並びにθ=15°の横方向からの離れた時の走査損
失の効果の為である。
【0080】
【表2】 表 II 公称θ IM(dB) 公称θ IM(dB) 20 1.2° 1.0 28 34.0° 2.5 21 3.8 1.6 29 39.5 2.5 22 8.0 2.1 30 45.3 2.5 23 12.4 2.3 31 51.2 2.5 24 15.8 2.3 32 57.2 2.5 25 19.6 2.4 33 2 2.4 26 24.0 2.4 34 7.2 2.4 27 28.8 2.5 35 12.5 2.4 前に図13aの説明で述べた様に、方位方向及び迎角方
向で、各々のビームと隣りのビームとの公称の重なり
は、表向きは3dBであり、両方向損失は公称6dBにな
る。多くのビームは、公称状態のもとでは、過剰の利得
余裕を有する。あるビームの重なりを3dB以外の値に調
節し、この余裕の減少を活用してビームを一層隔てるこ
とにより、この過剰の余裕を減少することが可能であ
る。ビームが、3dBの輪郭での重なりによって許される
以上に、大幅に隔たっていると、空間のある容積をカバ
ーするのに必要なビームの数が一層少なくなる。使うビ
ームの数が一層少なくなると、その容積を走査する為の
1組のビームを順次進むシーケンスに必要な時間が短縮
される。この為、ビームの間で利得余裕を一層同じに近
くなる様にし、容積走査に対する占有時間を短縮すると
云う利点が得られる。前に述べた様に、ペンシル形ビー
ムの公称3dBのビーム幅は約3°であり、従って、その
迎角は3°よりも大きく隔たっていると予想される。図
19の列I及びIIを見れば、走査2及び3のビームが、
迎角で4.278°隔たり、走査3及び4が4.338
°隔たり、走査4及び5が3.448°隔たることが認
められよう。他の走査のビームの角度間隔も容易に計算
される。迎角のこの様な隔たりは、約7dBの一方向又は
14dBの両方向損失に対応する。公称3dBの重なりで
は、ビームの方位方向の隔たりは公称値の約3°にとゞ
まる。
【0081】前に述べたように、2つのPRFのパルス
の組の逐次的に重なり合うペンシル形ビームが送信さ
れ、各組のパルス数は、電力利得余裕を維持する為に、
横方向からずれた角度では増加する。距離の曖昧さを減
ずる必要性を考慮に入れず、所望の一層短い距離をカバ
ーする為に、各々のビームに対して一層高いPRFが選
ばれる。即ち、図19で、走査#1は設計距離は約11
1km(列III )または60nmである。1レーダ・マイル
(送信機から1法定マイルの所にある標的まで行って、
それから送信機に戻って来る往復)に対して約12.4
μSの場合、60nmでは、パルス圧縮が出来る様にする
為に744μSに100μSを加えたパルスの持続時間
が必要であって、合計844μSになるが、これは約
1,180Hz(列VI)のPRFによって満足される。式
(1)から、λ=0.107m及びN=8個のパルス/
組と仮定すると、ドップラー・フィルタ幅は7.89m/
sec であり、これは15.3ノットに対応する。図19
の表に示す走査#5では、一層大きい5,370のPR
Fにより、ドップラー・フィルタ幅は35.9m/秒
(69ノット)になり、10,700HzのPRFを使う
走査#9では、ドップラー・フィルタ幅は約72m/秒
(140ノット)になり、走査#13(PRF=16,
500Hz)では、110m/秒(214ノット)にな
る。商業用航空機の着陸速度は、約120ノットの範囲
内にある傾向があり、空港の近辺に於ける半径方向の速
度成分が140ノットを越えることはめったにない。従
って、約10,000Hzより高いPRFを持つ走査で
は、全ての標的が最低のドップラー・フィルタ又は群ド
ップラー・フィルタに入ると予想することが出来る。こ
れは、全ての標的が混ざり合うので、不利である。前に
述べたこの発明のビーム多重化の特徴に従って、送信を
サブセットのビームの間でサイクル的に進め、こうして
高い容積走査速度を達成しながら、小さい速度ビンを達
成する為に小さい実効PRFを達成する。
【0082】図4−7に示す装置の動作は、ブロック8
0に付設されたレーダ計画及び制御プログラム(RSC
P)によって制御される。RSCP指令が、レーダ制御
コンピュータ(図3のRCCブロック78)によって実
行される。図4−7の装置は、容積を実効的に走査する
為に捜査容積全体にわたって位相調整形アレーのペンシ
ル形ビームを選択し、各々のビーム位置でレーダ信号を
送信し、有効範囲の容積内にある標的から反射された信
号を受信し、受信信号をディジタル化してバッファに入
れ、その後、標的の存在を検出する為に、受信信号を処
理し、和及び差チャンネルで受信した戻りを表わすデー
タから、検出された標的の距離及び角度位置を計算し、
標的に対して走査しながら追跡すると云う追跡処理を実
施し、追跡した標的の情報を、他の象限を受持つ同様な
装置及び外部のユーザに分配する。これは上に述べた通
りであるが、更に詳しくこれから説明する。
【0083】図4−7の装置の動作について説明する
と、レーダ制御コンピュータ(RCC)にあるレーダ計
画制御プログラム(RSCP)ブロック80が、経路7
9を介してタイミング及び制御装置ブロック58からタ
イミング及び状態情報を受取り、計画制御ブロックの形
で、動作モード及び実行すべきレーダ停留順序の計画を
立てる。計画制御ブロックがTCU 58に結合され
る。このTCUがレーダ装置に指令を出して、逐次ビー
ム選択順序により、適切なペンシル形ビームによる「走
査」を実行させる。走査順序は、ある迎角から別の迎角
へと走査し、各々の迎角で種々のビームを選択すること
が出来る。例えば、ある時には、TCU 58は、1
2.381°の迎角で、図19の走査#4の表に示す様
に、37.259kmの距離までの動作を指令することが
出来る。
【0084】この説明では、12.381°の迎角で公
称±45°の方位走査(図19の走査#4)では、各々
のペンシル形ビームを最初に3,096HzのPRF1で
走査し、次に3,870HzのPRF2で走査することが
望ましいと仮定し、更に、この例では、ドップラー・フ
ィルタが速度「ビン」を15m/秒幅未満にする様に、
実効PRFを2,000Hzより低く抑えることが必要で
あると仮定する。レーダのビーム多重化の特徴を用いた
2:1のビーム・インターレースを利用して、走査を実
施し、こうして図19の表にある3,870HzのPRF
を2で除す。この場合の実効PRF、即ちEPRF1=
1,548Hz及びEPRF2=1,935Hzは、実際の
PRFの半分である。希望によっては、3:1のインタ
ーレースを使い、EPRF1=1,032Hz、EPRF
2=1,290Hzにすることにより、実効PRFを更に
下げることが出来る。
【0085】2:1のインターレースの場合、ビーム位
置の走査順序は、2つのビーム位置の各々で、所要数の
パルスが送信/受信されるまで、交互の送信/受信動作
で2つの方位位置の間の切換えを用いるものであっても
よい。例えば、12.381°の迎角で±45°に最も
近いビームは、図23の表に示す±44.14°の方位
位置である。表に示す様に、±44.14°では、3,
096のHzのPRF1(CPI1)の23個のパルスが
+44.14°で必要であり、−44.14°では更に
23個のパルスが必要であり、合計するとCPI1では
46個のパルスになる。制御順序は、最初に図4−7の
ビーム方向ぎめ論理回路(BSL)48により、12.
381°の迎角で+44.14°の方位にビームを差向
け、装置から最初のパルスを送信させ、次に依然として
+44.14°のまゝ、受信モードに切換える。0.3
23msecのパルス間期間の間、最初のパルスの後、図2
3の表に示す様に、方位+44.14°、迎角+12.
381°にビームを保ち、これによって約26nmの短距
離からの戻りを受信することが出来る様にする。ビーム
方向ぎめ論理制御回路48は、この後、ビームを−4
4.14°に方向ぎめする様に変更し、次の送信/受信
(T/R)サイクルを3,096Hzで実行し、更に0.
323msecを使う。こゝで、合計46個の内の3,09
6Hzの2個のT/Rが実行されているが、2つのビーム
位置の各々では1つのT/R順序しか実行されていな
い。+44.14°で送信された最初のパルスは、2番
目のパルス間期間の間、外向きの移動を続け、次第に弱
くなる。アンテナ・ビームが−44.14°に差向けら
れている期間中に、装置に戻って来る標的からの戻りが
あれば、それはアンテナ・ビームの外側のサイドローブ
によって受信され、実質的には失われる。この為、PR
Fが3,096Hzではなく、1,548Hzであったかの
様に、3,096Hzの+44.14°のビームの曖昧で
ない距離が増加する。この後、TCU 58からの指令
により、BSL 48がアンテナ・ビームを+44.1
4°の方位位置へ戻し、3番目のパルスを送信する。
3,096Hzで、3番目のパルス間期間の終りになるま
で、ビームはこの位置にとゞまる。次にアンテナ・ビー
ムを再び+44.14°に差向けると、約46kmより大
きい距離の所で、−44.14°のビームの方向にある
標的からの戻りは、アンテナ・ビームのサイドローブで
失われる。装置は、各々のビーム位置に対して23個の
T/Rサイクルが完了するまで、異なる交互の2つのビ
ーム位置でのT/Rサイクルの順序を実行し続ける。方
位±44.14°、迎角12.381°に対し、3,0
96Hzの46回の順序の全体は14.msecを使う。迎角
12.381°で交互の±44.14°の位置で3,0
96Hzのパルスの46個の順序の後、RSCP80は、
図19−35に対応する内部メモリを参照し、2つのイ
ンターリーブ順序を指示する。その各々は28個のパル
スで3,870HzのPRF2(図19の走査#4のPR
F2)であって、方位±44.14°、迎角12.38
1°(図23のCPI2)である。これが2×7.24
msec、即ち、14.48msecを使う。これによって、こ
の特定の容積走査で迎角12.381°、方位±44.
14°での活動が完了する。迎角12.381°及び方
位±44.14°での送信及び受信の後、RSCP 8
0が、同じくインターレース形で、迎角12.381°
で±26.51°の方位で3,096Hzの2×9=18
個のパルスを指示し、その後3,870Hzで22個の
2:1インターレース形パルスを送出す。後で表VII に
ついて述べる様に、特定の迎角のビームが交互に使わ
れ、12°の最小の角度の隔たりを保って、前の送信を
行なった時のビームからの戻りを排除する。
【0086】図4−7に示したこの発明の1形式では、
制御タイミングが予めプログラムされたメモリによって
定められている。図4−7のレーダ制御コンピュータ
(RCC)78は、RSCPプログラム・ブロック80
を実行しながら、ビーム位置、PRFタイミング・パラ
メータ、パルス幅、計測距離、減衰器の設定、偏光の設
定の順序及びまとめるべきパルス数を内部メモリから呼
出すか又はそれを表わすデータを計算し、このデータを
タイミング制御装置(TCU)58に送ると、このタイ
ミング制御装置がビーム位置データ及びT/Rタイミン
グ制御信号を、アンテナ・ブロック19の各々のT/R
モジュールにあるBSL 48に送る。このBSLが、
TCUブロック58から受取った同期信号が順序内の次
のビームを実行すべきことを指示する時刻に、アンテナ
がビームを所望のビーム位置へ方向ぎめするようにする
のに適切な移相指令を、各々のT/Rモジュール26内
にある各々の移相器(図3の210)に対して計算して
分配する。この装置は、RCC 78内の1個のメモリ
が、レーダ動作順序を制御し、その為、メモリのプログ
ラムのやり直し又は取替えによって、容易に変更するこ
とが出来、その一方、TCU 58内の異なる別のメモ
リがビーム位置を制御し、同様にプログラムのやり直し
が出来ると云う利点があるが、RCCブロック78とT
CUブロック58の間、及びTCUブロック58とBS
Lブロック48の間で同じ様なデータの流れが必要であ
り、その為に、データ速度を非常に高くすることが出来
る比較的幅の広い(同時ビット数の多い)データ母線が
必要であると云う欠点がある。
【0087】やはり図4−7に示した別の形のビーム方
向ぎめ制御及びタイミングでは、アンテナがビーム位置
及びT/R順序(この順序は前に述べたものと同じであ
ってよい)を実行するのに必要な移相の順序全体が、各
々のアンテナのTRモジュールに記憶されていて、BS
Lは単に、TCUブロック58から受取った同期信号が
ビーム位置を変更する時刻を知らせた時に、何時でも移
相器の設定についてメモリの順序のルックアップを行な
う様になっている。方向ぎめを制御する方法のこの別の
方式では、RCCが、順序全体に対する1個の選定子を
TCUに転送すると、このTCUが1個の選定子をBS
Lに送り、こうしてビーム位置の所望の順序を実行する
のに必要なデータ通路の活動を大幅に減少する。この2
番目の方式は、必要な母線が縮小するが、各々のTRプ
ロセッサ・モジュールは、予めプログラムされたメモリ
を持っており、その為、制御順序、ビームの方向等を変
更するには、多くのメモリの取替え又はプログラミング
のやり直しを必要とする。
【0088】1回のT/Rサイクル(1つのPRFで1
つのビーム位置で1つのパルス)の間、図4−7のTC
U 58が、位相設定を変更すべき時、モジュールを送
信用にすべき時、及びモジュールを受信用にすべき時を
知らせる同期/制御信号を各々のモジュールにあるBS
Lに送る。
【0089】図4−7のタイミング制御装置58が、T
/Rサイクルの初めとアンテナ・モジュールを同期させ
ている間、この装置は、パルス幅、送信パルス・コード
及びPRFのタイミングを波形発生器(WFG)54に
対して選定すると共に、T/R装置50を送信用に構成
する。その後、タイミング制御装置58がWFG 54
に対して開始信号を出し、低レベルのRFパルス波形が
WFG 54からT/R 50を介してRF給電部30
へ送られる様にし、こうしてこのRFが放射され、そし
て受信されて内側アンテナ28(図1)を介して各々の
T/Rモジュール26に結合され、各々のT/Rモジュ
ールで移相されると共に増幅され、関連する外側アンテ
ナ・エレメント22に結合され、外部の環境へ放射され
る。図4−7のタイミング制御装置58は、パルスの持
続時間を計時し、パルスの送信の終りに、必要な場合、
アレー・アンテナ19に対する制御信号を出し、これに
よって各々のTRモジュールを受信用に構成する。更
に、送信パルスの終りの瞬間に、TCU 58がT/R
50に制御信号を送り、それを、RF給電部30から
の受信エネルギがあれば、このエネルギを受信機/アナ
ログ信号プロセッサ(RCVR/ASP)52へ結合す
る様に構成すると共に、WFG 54に対して別の制御
信号を出して、RCVR/ASP 52に対して発振器
基準信号を供給させる。発振器基準信号は受信信号があ
れば、それがコヒーレントに下向き変換される様にす
る。基準信号を発生する為のWFG 54に対する指令
と同時に、TCU 58は、ADC及びバッファ62に
対するディジタル化用タイミング信号を送り始め、受信
信号をディジタル化してバッファ・メモリに記憶される
様にする。バッファ・メモリがDCU 58によって、
ビーム毎に、距離の順序で、収集された戻り信号を構成
する様に制御されるが、これは後で更に詳しく説明す
る。例えば迎角2°、方位+31.58°でCPI1の
8個のパルスと、それと入り混じった迎角2°、方位−
31.58°のCPI1の8個のパルスと云う様に、2
つのビームによって送信された1組のパルスによって標
的が照射されると、標的からの戻り又は反射を表わすデ
ータが、ディジタル化され、図4−7のADC及びバッ
ファ62のバッファ・メモリに記憶される。TCU 5
8がタイミング及び制御信号をディジタル信号プロセッ
サ(DSP)68に対して出し、DSP 68にメモリ
・バッファからのデータの処理を開始させる。
【0090】BMPX順序の1つの部分にあるビームの
数が奇数であり、別の部分にある数が偶数である場合、
それでも、偶数の組のパルスを奇数の組のパルスの間の
すき間にインターリーブにすることにより、2対1の多
重化を依然として行なうことが出来る。簡単な例とし
て、PRFが等しいパルス8個のビームb8及びパルス
9個のビームb9を多重化する場合、パルスをp1b
8,p2b8,p3b8……p8b8,及びp1b9,
p2b9……p9b9と記すことにすれば、パルス9個
の組のパルスが8個のパルス間のすき間又は間隔を持つ
ことが理解されよう。パルスの組b8の8個のパルス
が、パルス9個の組のパルス間間隔に「挿入」され、こ
の時、パルス19個の順序p1b9,p1b8,p2b
9,p2b8,p3b9,p3b8,p4b9,p4b
8,p5b9,p5b8,p6b9,p6b8,p7b
9,p7b8,p8b9,p8b8,p9b9によって
所望の2対1の多重化が達成され、b8及びb9のPR
Fは実効的に半分になる。インターリーブの為に他のビ
ームの組が利用出来る様になるまで、ビームの組を遅延
させると云う様な、全体的には同じ形式であるがこの他
の更に複雑なインターリーブ方式を使うことが出来る。
その簡単な例は、別のパルス4個の組が利用出来るま
で、パルス4個の組とパルス9個の組を遅延させ、上に
述べたパルス8個及び9個の組の場合の様に、パルス4
個の2つの組をパルス9個の組と一緒に計画することが
出来る。奇数ビーム順序では、PRFのタイミングを保
つ為に、他の目的には何等必要ではない1つ又は2つの
追加のビームを計画することが必要になることもある。
これによってビーム多重化順序を走査するのに必要な合
計時間が長くなるが、これは捜査容積全体にわたり、約
2%以上にはならないと予想され、おそらくそれ未満で
あろう。この2%は、最悪の場合を考えて、図19の走
査13の468個のパルスに対し、余分の10個のビー
ムを使う場合を基にしており、10/468=2.1%
である。
【0091】この発明の1実施例では、図4−7のAD
C及びバッファ62のバッファ・メモリ部分(別個に示
してない)は二重ポート読取/書込みランダムアクセス
・メモリ(RAM)であって複数個のメモリ位置を持
ち、交互に「ピンポン」式に動作して、バッファがA/
D変換器からのデータを記憶区域の1つの部分に集める
ことが出来る様にすると共に、その間、既に前のデータ
がロードされている記憶区域の別の部分を処理の為にD
SPに読出すことが出来る様にする。
【0092】図4のADC/バッファ62にあるメモリ
・バッファの別の実施例では、2つの単独ポート読取/
書込みメモリA及びBを使うと共に、メモリとADCと
DSP 68の間で、データ/アドレス/制御入力及び
出力を適切に切替えることにより、バッファ・メモリが
構成される。その切換えの論理は、レーダ標的の戻りデ
ータが収集されて1つのメモリ、例えばAに記憶され、
その間DSP 68が他方のメモリBからデータを読出
して処理する様になっている。現在のデータ収集/デー
タ処理サイクルが終わると、メモリ切換え論理回路が次
にメモリBを次の標的データ収集サイクルに使う様に
し、前の収集サイクルの間に収集されたメモリAにある
標的戻りデータが読出され、DSP 68によって処理
される。
【0093】当業者であれば、収集されるデータ量に従
って、何れの実施例のメモリの規模もどの様に決める
か、DSPがデータを処理し得る速度をどの様に決定す
るか、そしてレーダ・データ処理のストリームが、レー
ダ・データ収集動作に不当な制約を加えない様に、夫々
の分野の兼合いをどうするかを承知していよう。
【0094】ADC及びバッファ62のメモリとして、
二重ポートRAMを使うこの発明の実施例では、メモリ
の2つの入力/出力ポートの内の一方を、ディジタル化
データをメモリ・バッファに書込む為にA/D変換器
(ブロック62の一部分)の出力に接続し、2番目のI
/OポートをDSPに接続して、RAMからディジタル
化データを読出して、処理の為にDSPに読込む。当業
者であれば、各々のポーに於ける読取/書込み動作が、
バッファRAMメモリのアドレス・レジスタに所望のデ
ータのメモリ・アドレス位置をロードし、読取でも書込
みでも、バッファに制御入力をセットし、データをバッ
ファから出し入れする時刻になった時、バッファにデー
タ転送信号を供給することによって制御されることを承
知していよう。更に当業者であれは、バッファの各々の
I/Oポートに於ける読取/書込み動作は、両方のポー
トで同時に同じ記憶位置がアクセスされない限り、独立
していることを承知していよう。この構成により、ディ
ジタル化されたデータをメモリに逐次的に記憶し、後で
異なる順序で読出すか、或いはその代りに、データを他
のある順序で記憶し、後で逐次的に読出すことが出来
る。何れの場合も、順序は任意に選ばれ、メモリに付設
されたメモリ・アドレス・レジスタに印加されるアドレ
スの順序によって完全に決定される。
【0095】ビーム多重化制御が、従来の方式では、デ
ータを発生する為に利用されず、距離の曖昧さを少なく
する為に使われる「不働」時間であった時間を利用する
ことにより、全体的な走査時間を短縮する。各々のペン
シル形ビームに対するこう云う「不働」時間を使って、
他のペンシル形ビームの送信及び受信を行なう。然し、
ディジタル信号処理アルゴリズムは、同じビームから取
出したパルスの順序を受取る様に普通の様に構成されて
いて、2つ又は更に多くのビームから来た混じりあった
情報を処理するには適していない。そこで、ビーム多重
化制御を使う時、受信信号の順序を変更する必要が生ず
る。その為、ADC/バッファ62に付設されたバッフ
ァを使って、1組のビーム、例えば2本のビームに関連
する多重化される全ての受信データを記憶し、このデー
タは、読出す時、1つのペンシル形ビームだけから取出
されたデータ・ストリームがこの後に続くディジタル信
号プロセッサに供給される様に、順序を変えられる。こ
れによって、ドップラー、パルス圧縮、並びにコヒーレ
ント及び非コヒーレントなまとめ、コヒーレント及び非
コヒーレントな移動標的表示(MTI)、互い違いMT
I及び周波数ダイバーシティ非コヒーレント処理を含む
その他の形式の処理を含めて、従来使われていた任意の
ものと同様なディジタル信号処理アルゴリズムをビーム
多重化制御に使うことが可能になる。この発明のこう云
う一面により、「ビーム多重化」制御をパルス毎に実施
し、メモリ記憶動作の1つの順序でデータを収集し、後
で所望の処理に適切な異なる順序で、DSPに印加する
為に、メモリからデータを読出すことが出来る。これは
全てTCU 58の制御のもとに行なわれる。このTC
U 58が、データ収集及びデータ処理の為のメモリ・
アドレス順序を決定する。TCU 58はビームの数、
パルスの数、及び計測距離の始め及び終りの値に関する
データを受取って、メモリ・アドレスの順序を計算し又
は発生する計算論理回路又は記憶メモリ論理回路を含
む。メモリ・アドレスの順序が、ADC及びバッファ6
2のバッファ・メモリ部分のアドレス入力ポートに印加
され、データ処理の為に逐次的な読取が出来る様にする
順序で、ディジタル化された信号サンプルがメモリに記
憶され又は書込まれる様にする。バッファ62にデータ
を逐次的に記憶すると共に、TCU 58にある計算論
理回路からの読取メモリ・アドレス順序を印加して、A
DC/バッファ62のバッファの出力ポートに、例えば
FFTプロセッサによって要求される様なある別の順序
でデータを読出し、こうしてDSPブロック68での処
理にとって適切なデータ順序を達成することが出来る。
【0096】1982年2月16日に付与された米国特
許第4,316,219号には、テレビジョンの場合に
ついて、複雑な同期順序を作る為にメモリを使う場合が
説明されており、1983年10月25日に付与された
米国特許第4,412,250号には、同じ目的の為に
規模を縮小したメモリを使うことが記載されている。読
取及び書込みの間に異なる順序を用いてメモリをアドレ
スすることが、FFTプロセッサの場合について、例え
ば1990年8月10日に出願された係属中の米国特許
出願通し番号第07/565,079号に記載されてい
る。
【0097】バッファ制御がどの様に行なわれるかを更
に例示する為、各々のビーム位置に4個のパルス(合計
8個のパルス)を用い、標的からの戻りによるデータが
入る距離セル又は時間スロットが3つある様な、2つの
ペンシル形ビームの位置に関する簡単な例を述べる。デ
ータが、ディジタル・パルス・ドップラー処理の為に収
集される。データが収集され、図3のADC及びバッフ
ァ62のメモリに逐次的に記憶され、その後、DSP
68にロードする為に、正しい順序で読出される。当業
者であれば、パルス・ドップラー処理を実施する為の適
正な読取順序は、あるビーム位置で所定の距離セルに対
するデータを、そのビーム位置でそれを収集したのと同
じ時間順序で読取ることであることを承知していよう。
表III は、全てのデータが収集された後のメモリにある
データの構成を示す。
【0098】
【表3】 表 III メモリ・アドレス データ内容 1 B1 P1 R1 2 B1 P1 R2 3 B1 P1 R3 4 B2 P2 R1 5 B2 P2 R2 6 B2 P2 R3 7 B1 P3 R1 8 B1 P3 R2 9 B1 P3 R3 10 B2 P4 R1 11 B2 P4 R2 12 B2 P4 R3 13 B1 P5 R1 14 B1 P5 R2 15 B1 P5 R3 16 B2 P6 R1 17 B2 P6 R2 18 B2 P6 R3 19 B1 P7 R1 20 B1 P7 R2 21 B1 P7 R3 22 B2 P8 R1 23 B2 P8 R2 24 B2 P8 R3 表III の逐次的なメモリ・アドレスは、データを収集し
た時間順序に対応しており、B1及びB2は、夫々ビー
ム位置1及び2に対応する。P1,P2,P3……P8
は送信パルス1乃至8を夫々表わし、R1,R2,R3
は夫々距離セル1乃至3にある受信信号を表わす。
【0099】表III について説明すると、最初のパルス
(P1)がビーム1(B1)で送信され、その後のパル
ス間期間の間、装置は聴取にまわる。パルス間期間が、
R1,R2,R3と記された時間に対して逐次的な3つ
の部分に分割される。最初の期間(R1)に到着する戻
りが、メモリ・アドレス又は位置1に結合され、距離が
最も短い標的を表わす。これより長い距離(R2)の標
的はその後に受信され、メモリ位置2に結合される。最
も遠い標的(R3)は、最初のパルス間期間の終る直前
に戻って来て、メモリ位置3に送られる。その後、装置
は2番目のビーム(B2)に切換え、2番目のパルス
(P2)を送信する。最も短い距離(R1)からの最も
速い戻りがまとめられ、メモリ位置4に結合される。同
様に、2番目のパルスから得られた中位の距離セルに対
する標的からの戻り(R2)がメモリ位置5に結合さ
れ、長い距離セルからの戻り(R3)がメモリ位置6に
送られる。パルス3がビーム1(B1)で送信され、夫
々短い距離、中位の距離及び長い距離の戻りR1,R
2,R3が夫々メモリ位置7,8,9に記憶される。残
りの戻りの分布は、表III とこれまで述べた所から明ら
かであろう。
【0100】表III に示した簡単なビーム当たりパルス
4個の例では、メモリからDSPに読出す為のメモリ制
御信号は、パルス4個のドップラー処理を実施するのに
必要な順序で、データをDSPに送込む様な順序でなけ
ればならない。パルス8個の処理ではなくパルス4個の
処理を使うのは、ビーム1(B1)に4個のパルスが一
意的に関係しており、B2に4個のパルスが一意的に関
係しているからである。具体的に云うと、パルス1,
3,5,7がB1に関係し、パルス2,4,6,8がB
2に関係している。表IVに示す順序で、メモリ位置をア
ドレスすることにより、ADC及びバッファ62にある
バッファの読取を制御することによって処理が行なわれ
る。
【0101】
【表4】 表 IV メモリ・アドレス データ内容 1 B1 P1 R1 7 B1 P3 R1 13 B1 P5 R1 19 B1 P7 R1 2 B1 P1 R2 8 B1 P3 R2 14 B1 P5 R2 20 B1 P7 R2 3 B1 P1 R3 9 B1 P3 R3 15 B1 P5 R3 21 B1 P7 R3 4 B2 P2 R1 10 B2 P4 R1 16 B2 P6 R1 22 B2 P8 R1 5 B2 P2 R2 11 B2 P4 R2 17 B2 P6 R2 23 B2 P8 R2 6 B2 P2 R3 12 B2 P4 R3 18 B2 P6 R3 24 B2 P8 R3 即ち、ビーム1(B1)から発する戻りR1が、メモリ
・アドレスに1,7,13,19を逐次的に読取ること
により、もとの受信順序、即ち送信順序P1 P3 P
5 P7で読取られ、その後、B1の4つのR2の戻り
が、アドレス2,8,14、20から、P1 P3 P
5 P7に対応するもとの受信順序で読取られる。その
後、B1の戻りR3が、メモリ位置3,9,15,21
から逐次的に読取られる。表IVに示す様に、ビーム2
(B2)の戻りを読取るのに同様な手順を使う。
【0102】更に複雑な例として、方位±44.14
°、迎角+12.381°でCPI1=3,096Hzの
2×23=46個のパルスを用いる、図23について前
に述べた例を考える。セル3個の簡単な例の場合より
も、距離の分解能及び有効範囲を一層大きくする為に、
100個の距離セルを使うと仮定して、表Vは、種々の
パルスから得られた戻りデータを送るべき位置を制御す
る逐次的なメモリ・アドレスを表の形で示している。
【0103】
【表5】 表 V メモリ・アドレス ビーム パルス 距離セル 1乃至 100 +44.14° 1 1乃至 100 101乃至 200 -44.14° 2 1乃至 100 201乃至 300 +44.14° 3 1乃至 100 301乃至 400 -44.14° 4 1乃至 100 401乃至 500 +44.14° 5 1乃至 100 501乃至 600 -44.14° 6 1乃至 100 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4401乃至4500 +44.14° 45 1乃至 100 4501乃至4600 -44.14° 46 1乃至 100 勿論、コスト及び距離の分解能と距離の有効範囲の条件
により、使う距離セルの数をこれより多くしても少なく
してもよい。バッファ・メモリからデータを読取る為の
対応する順序が表VIに示されている。
【0104】
【表6】 表 VI メモリ・アドレス ビーム 距離セル パルス 1,201,401,601,…4401 +44.14° 1 1,3,5,7,…45 2,202,402,602,…4402 +44.14° 2 1,3,5,7,…45 3,203,403,603,…4403 +44.14° 3 1,3,5,7,…45 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 100,300,500,…4500 +44.14° 100 1,3,5,7,…45 101,301,501,…4501 -44.14° 1 2,4,6,8,…46 102,302,502,…4502 -44.14° 2 2,4,6,8,…46 103,303,503,…4503 -44.14° 3 2,4,6,8,…46 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 200,400,600,…4600 -44.14° 100 2,4,6,8,…46 図4−7のDSP 68が、表VIに示す様に、ADC及
びバッファ62のメモリから読取ったデータを処理して
いる間、図4−7のTCU 58が、CPI2=3,8
70HzのPRFで、迎角12.381°、方位±44.
14°のビームに対する2×28=56個のパルスから
なる2番目の順序から得られたデータを収集する様に、
アンテナBSL 48、RF給電部30、T/R装置5
0、RCVR/ASP 52及びWFG 54を制御す
ると共に、表Vの場合と同様に、標的からの戻りデータ
を記憶する。
【0105】表VII は、実施する順序で、捜査動作モー
ドで迎角12.381°のパルス順序全体を表で示して
いる。
【0106】
【表7】 表 VII 一象限のパルス数 パルス幅 方位位置(度) PRF(Hz) (ビーム当り) (μsec) +44.14, -44.14 3096 23 10 +44.14, -44.14 3870 28 10 +26.51, -26.51 3096 9 10 +26.51, -26.51 3870 11 10 +41.35, -41.35 3096 19 10 +41.35, -41.35 3870 23 10 +24.24, -24.24 3096 8 10 +24.24, -24.24 3870 10 10 +38.68, -38.68 3096 16 10 +38.68, -38.68 3870 19 10 +22.01, -22.01 3096 8 10 +22.01, -22.01 3870 10 10 +36.10, -36.10 3096 13 10 +36.10, -36.10 3870 17 10 +19.82, -19.82 3096 8 10 +19.82, -19.82 3870 10 10 +33.61, -33.61 3096 12 10 +33.61, -33.61 3870 15 10 +17.66, -17.66 3096 8 10 +17.66, -17.66 3870 10 10 +31.18, -31.18 3096 10 10 +31.18, -31.18 3870 13 10 +15.52, -15.52 3096 8 10 +15.52, -15.52 3870 10 10 +28.82, -28.82 3096 9 10 +28.82, -28.82 3870 12 10 +13.41, - 1.00 3096 8 10 +13.41, - 1.00 3870 10 10 +11.31, - 3.05 3096 8 10 +11.31, - 3.05 3870 10 10 + 9.23, - 5.10 3096 8 10 + 9.23, - 5.10 3870 10 10 + 7.16, - 7.16 3096 8 10 + 7.16, - 7.16 3870 10 10 + 5.10, - 9.23 3096 8 10 + 5.10, - 9.23 3870 10 10 + 3.05, -11.31 3096 8 10 + 3.05, -11.31 3870 10 10 + 1.00, -13.41 3096 8 10 + 1.00, -13.41 3870 10 10 方位±44.14°、迎角12.381°(表Vの内
容)の46個のパルスからなる3,096Hzの順序が、
表VII の第1項として示されている。方位±44.14
°、迎角12.381°(表VIの内容)の56個のパル
スからなる3,870Hzの順序が、表VII に第2項とし
て示されており、方位±44.14°、3,096Hzの
順序に直ぐ続いて実施される。次の順序は3,096Hz
での±26.51°の方位であるがこれが発生するビー
ムは十分離れているので、一方のビームのサイドローブ
が、他方のビームの送信パルスからの戻りを排除する。
戻って来た情報が、前に述べた様に、受信したのと同じ
順序でメモリに記憶され、各々の距離セルにとって逐次
的なその順序でディジタル信号プロセッサに変化する為
に読取られる。
【0107】更に表VII について説明すると、送信/受
信と記憶/読取/処理は、軸上方向を中心として方位の
±にパルスの送信と受信を交互に行ない、一方のビーム
のサイドローブが他方のビームの軸上位置では低レベル
であることによって、交互のビームを隔離することによ
って、表VII に示す様に進められる。然し、方位が±1
°と云う様な間隔が密接しているビームは、この隔離を
行なう程隔たっていないことは明らかである。シーケン
スの進め方は、表にVII に示す様に、0°から13.4
1°まで距離を調節する。例えば、3,096Hzのパル
スの送信は、+13.41°と−1°のビームの間で交
互に行ない、これによって距離の曖昧さの所望の減少と
云うことが達成される様にするのに十分なビーム間の隔
離を施す。ビームの選び方は、約12°の最低限の角度
の隔たりが保たれる様に選ばれる。異なるビーム幅及び
サイドローブのレベルによって、この他の角度の隔たり
が選ばれることがある。この隔たりは、1つの順序内の
ビームの間だけでなく、1つの順序の終りにあるビーム
と次の順序の初めとの間でも保たれる。即ち、表VII の
下から4番目及び5番目の順序にある3,870HzのP
RFと3,096HzのPRFとの間の変り目では、ビー
ムの間の角度の隔たりは−9.23°と+3.05°で
ある。
【0108】表VII に示す様に迎角12.381°の走
査を行なった後、前に述べたのと同様に、他の迎角で捜
査モードでの走査が続けられる。後で説明するが、完全
な捜査モードの走査の後、短距離又は接近モードの様な
他の動作モードの走査が続くことがある。
【0109】多重化捜査ビームを実行する為のビーム多
重化及びPRI制御論理回路300のハードウエアが図
5に示されている。図5に示したBMPX/PRI制御
論理回路300は、ビーム多重化動作を実行せよと云う
RCCブロック78からの要請に応答して、図4のTC
Uブロック58内で発生される外部の「高位」制御によ
って制御される。BMPX/PRI制御論理回路300
自体はTCUの一部分でもあってもよいし、或いはアン
テナ・ビーム方向ぎめ論理回路(BSL)ブロック48
に取入れることが出来るが、後の場合、対応する構造を
用いてはいるが、若干異なる設計になる。
【0110】図5では、ビーム多重化が、一般的に、ブ
ロック310として示したビーム順序制御メモリ(BS
CM)の制御ワードとして、方位、迎角及び距離のビー
ム・パラメータの順序を予め記憶することによって行な
われる。支援論理回路制御回路及びタイミング回路によ
り、ビーム・アドレス・レジスタ(BAR)312が、
ビーム毎に逐次的にインクレメントし、こうして多重化
ビーム順序の各ビームに対する距離、方位(az)及び
迎角(el)制御ワードをメモリから逐次的に呼出す為
にメモリ310をアドレスする。距離、az及びel制
御ワードが出力データ距離、方位及び迎角ラッチ31
4,316,318に夫々ラッチされ、そこからaz及
びel制御ワードをこの後アンテナ制御入力ポートにス
トローブすることが出来る。距離制御ワードがブロック
318で示した距離カウンタにストローブされ、カウン
タを、指示されたビームのPRIにとって要求される距
離/遅延時間に相当するクロック・カウントを表わす値
にプリセットする。この時、カウンタ318はクロック
・モジュール320からの励振により、0までデクレメ
ントし、こうしてビームの停留持続時間を計時すると共
に、あるビームから次のビームへのPRIタイミング制
御を行なう。即ち、ビームからビームへのPRI又は実
効PRFが、メモリ310に記憶されたパラメータの距
離成分によって制御される。
【0111】図5で、使うことが出来る全てのビーム多
重化順序が、az、el及び距離ディジタル制御ワード
の形でビーム順序制御メモリ310に記憶され、各々の
順序には一意的な指数が割当てられる。この指数は、デ
ータが記憶されるアドレスでもあり、或いはそれが変換
メモリ332によってアドレスに変換される。作動され
た時、図5のBMPX/PRI制御論理回路が、方位及
び迎角ディジタル制御ワードをデータ通路59,42を
介してアンテナに送る。BSLがaz/el制御ワード
を、各々のアンテナ・モジュールに対する移相器の設定
値に変換する計算能力(図面に示してない)を持ってい
て、こうしてビームを指示された方向に方向ぎめする。
【0112】始動時、図4のTCU 58が論理1の値
を持つ運転不作動信号を図5のデータ通路322を介し
てノア・ゲート324に印加する。このゲートは、ノア
・ゲート324のクロック不作動出力326を強制的に
論理0にする。データ通路326の論理0がアンド・ゲ
ート328の入力に印加され、その出力を論理0にし、
この時クロック・モジュールの320の運転入力は論理
0に保たれ、クロックの動作を防止し、こうして距離カ
ウンタ・ブロック318の計数順序を禁止する。
【0113】図4のTCU 58が、ビームの小集合の
所望の順序を表わす指令順序指数を図5の変換(XLA
TOR)メモリ332のデータ入力330に印加する。
次に、図4のTCU 58からデータ通路334(図
5)を介して、直接的にオア・ゲート336の入力に、
又は遅延装置342を介して変換メモリ332の指数ロ
ード入力に順序ロード・ストローブ(LSEQ)が印加
される。オア・ゲート336がストローブに直ちに応答
してクロック付能フリップフロップ(FF)340のリ
セット(R)入力にパルスを印加し、FFをリセットす
る。LSEQストローブが遅延装置342で遅延させら
れ、FF 340がリセットされた後、変換メモリ33
2の指数ロード入力に印加される。ストローブは、メモ
リ332に対するアドレスとして、指令順序指数がロー
ドされ又は印加される様にする。変換メモリ332が、
ビーム順序制御メモリ310をアドレスする為に用いな
ければならない開始アドレス(SADDR)及び指示さ
れたビーム多重化順序に対する合計ビーム・カウント
(TBC)に関する予めロードされた情報を検索する。
LSEQストローブは、前もって遅延装置342によっ
て遅延させられているが、別の遅延装置344によって
遅延させられ、2回遅延したストローブがビーム・アド
レス・レジスタ312のロード開始入力とビーム・カウ
ンタ346のプリセット入力とに並列に印加される。2
回遅延したスローブ信号がビーム・アドレス・レジスタ
312のロード開始入力に印加されると、開始アドレス
SADDRがデータ通路348を介してビーム順序メモ
リ310に印加される。2回遅延したLSEQストロー
ブが遅延装置350によって更に遅延させられて3回遅
延ストローブを形成し、それがオア・ゲート352を介
してビーム順序メモリ310のアドレス・ロード入力に
印加され、メモリ310に対するアドレスとして、SA
DDRが印加される様にする。この結果、距離、方位及
び迎角制御ワードがメモリ310から夫々データ通路3
54,356,358に読出される。遅延装置350の
出力にある3回遅延ストローブが、遅延装置360で更
に遅延させられて4回遅延ストローブを形成し、これが
オア・ゲート362を介してラッチ314,316,3
18のロード入力に印加される。ラッチ314,31
6,318が、夫々データ通路354,356,358
からの距離、方位及び迎角制御ワードをラッチし、図4
のアレー・アンテナ18bのアンテナ制御ポート(図面
に示してない)に印加する為、又はその他の用途の為、
夫々データ通路364,366,368にこれらのワー
ドが利用出来る様にする。ラッチされた距離制御ワード
が距離カウンタ318のデータ入力ポートにも印加され
る。遅延装置360の出力に出る4回遅延ストローブが
遅延素子370によって更に遅延させられて5回遅延ス
トローブを形成し、これがオア・ゲート372を介して
カウンタ318のプリセット入力に印加され、距離制御
ワードがロードされる様にする。4回遅延ストローブは
順序ロード済み(SEQLDED)信号として出力ポー
ト374にも印加される。これは、TCU 58内の高
位論理回路に対し、選ばれた順序に対するビーム多重化
/PRI制御論理の初期ロード作業が完了したことを知
らせる。
【0114】図5のBMPX/PRI論理回路のポート
374からSEQLDED信号を受取った後、図4のT
CU 58が、図5の運転不作動通路322に論理0を
印加することにより、計画された時刻にビーム多重化順
序の実行を開始する。これによって、アンド・ゲート3
28が付能され、FF 340がクロック320を制御
することが出来る様にする。同時に、TCU 58(図
4)が順序実行開始通路376(図5)をストローブ
し、ワンショット(OS)マルチバイブレータ(MV
B)378からデータ有効ストローブを発生させ、それ
をオア・ゲート380を介してアンテナ方向制御入力ポ
ート(図に示してない)に印加させ、データ通路36
6,368のaz及びel制御ワードがアンテナ制御装
置にロードされる様にする。
【0115】順序実行開始ストローブは遅延素子382
によって遅延させられてから、オア・ゲート384を介
してFF 340のセット(S)入力に印加され、こう
してFF 340をセットすると共に、指示されたビー
ム多重化順序の最初のビームに対し、カウンタ318の
距離計数を開始させる。
【0116】指示された順序の最初のビームに関連する
最初のパルス繰返し期間(PRI)の終りに、距離カウ
ンタ318の出力カウントが0に達し、これは最初のビ
ーム位置の終りを表わす。この出力がノア・ゲート38
6に印加され、その出力が論理0から論理1に状態変化
し、OSMVB 388をトリガして、導体387にP
RI完了ストローブ・パルス(PRC)を発生する。P
RCパルスがオア・ゲート336を介してFF 340
をリセットする様に印加され、ビーム・アドレス・レジ
スタ312のカウントをインクレメントし、ビーム・カ
ウンタ346をデクレメントする。
【0117】現在の順序の次のビームを実行する場合、
ビーム・カウンタ346は0までデクレメントしておら
ず、従って、その出力データ通路347の内の少なくと
も1つのビットは論理1レベルにある。ノア・ゲート3
90が論理0レベルで応答し、これはクロック320を
不作動にせず、この論理0レベルがアンド・ゲート39
2の反転入力に印加されて、それを付能する。
【0118】通路387のPRCストローブによるビー
ム・アドレス・レジスタ312のインクレメント動作に
より、レジスタ312によって、新しい1組のアドレス
が発生される。通路387のPRC信号が遅延素子39
4によって遅延させられてから、オア・ゲート352を
介してビーム順序制御メモリ310のアドレス・ロード
入力に印加され、メモリから新しい1組のビーム・パラ
メータを読取って、通路354,356,358に利用
出来る様にする。遅延したPRCストローブは付能され
たアンド・ゲート392と別の遅延装置を通って、順次
オア・ゲート362,372に印加され、新しいビーム
・パラメータを逐次的にラッチする。遅延PRCストロ
ーブが遅延素子396によって更に遅延させられ、オア
・ゲート384を介してFF 340をセットする様に
印加される。これによってクロック320は、TCU
58(図4−7)によって設定された時間基準と同期
し、クロック320に再びカウント・ダウン距離カウン
タ318の動作を開始させる。
【0119】ビーム多重化順序が完了する時まで、この
動作が繰返される。順序が完了した時、OSMVB 3
88によって通路387に発生された最後のPRC信号
が、ビーム・カウンタ346を0にデクレメントする。
その出力データ通路347の全部のビットが論理0であ
ることにより、ノア・ゲート390の出力が論理1に変
り、アンド・ゲート392を不作動にして、制御ワード
が誤ってラッチ314,316,318にラッチされる
のを防止すると共に、遅延PRCストローブが誤ってク
ロック付能FF 340をセットすることを防止する。
ノア・ゲート390の出力の変化がOSMVB 398
をトリガして、通路399に順序完了信号を発生し、こ
れが図4のTCU 58に印加されて、現在の順序が完
了したことを知らせる。
【0120】前に述べた様に、図5のビーム多重化/P
RI制御回路300は、図4のビーム方向ぎめ論理回路
48に取入れることが出来る。機能的な条件は場所に関
係なく同じである。然し、図5のメモリ310には、a
z及びel制御ワードの代りに、移相器制御ワードが記
憶される。BSL 48に取入れる場合、BMPX/P
RI制御論理回路は中心形であっても分配形であっても
よい。中心形の場合、論理回路がTCUから順序指数を
受取り、個々のビーム指数を各々のアンテナ・モジュー
ルに分配する。アンテナ・モジュールにある論理回路
が、こう云う指数を使って局部的なルックアップ・テー
ブルに入り、指示された順序の指示されたビームに対す
る適切な移相の設定値を検索する。分配形の場合、順序
指数が各々のアンテナ・モジュールに直接的に分配さ
れ、各々のアンテナ・モジュールはそれ自身の局部的な
BMPX/PRI制御論理回路を持っている。分配形論
理回路は指示された順序指数を用いて、局部的なメモリ
に入り、移相設定値及びPRIタイミング・ワードを検
索して、局部的な制御レジスタ及びカウンタにロード
し、所望のビーム多重化動作を達成する為の適切な順序
で、ビームの指示された順序を実行する様に、必要なタ
イミング及び制御シーケンスを進める。
【0121】図6は、図20−35について前に述べた
様に、電力利得余裕を保つ為に、横方向(φ=0°)か
ら遠ざかる向きの方位角で送信されるパルスの数を制御
する為の制御装置の実施例の簡略ブロック図である。図
6の構成は、全体として、プログラム可能な制御装置4
00であり、その動作コードによって、それが図4のA
DC/バッファ62、ディジタル信号プロセッサ68及
びタイミング制御装置68と、図5のビーム多重化及び
PRI制御論理回路300とに対するデータ通路を経由
して制御及びタイミング順序を実施する様にする。図4
のブロック図の一部分が、参照し易い様に、図6に入っ
ている。図6の内、図4と対応する素子は、同じ参照符
号で示されている。図6で、プログラム可能な制御装置
400が、予め記憶されるパラメータに対するメモリ4
10と別の局部RAM 420とに結合されたまとめ制
御プロセッサ(ICP)402を含む。一般的に、全て
のまとめ順序がメモリ410にパラメータ・テーブルと
して予め記憶され、図5について述べたのと全体的に同
様な形で、TCU 58(図4)から受取った順序同定
指数を使って、プロセッサ402によって検索される。
プロセッサ402が、データ通路412,414によっ
てADC/バッファ62に結合されると共に、データ通
路416,418,422,424,434,436に
よってDSP68に結合される。FF 430のセット
(S)及びリセット(R)入力がデータ通路426,4
28によってDSP 68に結合される。FF 430
のQ出力がデータ通路432によってプロセッサ402
に結合される。別のFF 410のS入力がデータ通路
399に結合されて、図5のOS 398からの順序完
了信号を受取り、そのR入力及びQ出力が夫々データ通
路438,440によってプロセッサ402に結合され
ている。
【0122】図6のプログラム可能な制御装置400の
動作を図7の簡略フローチャートを参照して説明する。
まとめ制御処理プログラムが開始ブロック500から始
まり、ブロック508に達する。このブロックは、指数
転送完了(IXFC)及びまとめカウンタ・リセット
(RSETCNTR1)データ通路438,418に夫
々ストローブ信号を出す。RSETCNTR1ストロー
ブがDSP 68に、次のまとめ順序に備えて、パルス
まとめカウントを0に初期設定させる。データ通路43
8のIXFCストローブが順序準備完了FF 410を
リセットし、こうしてFFが、データ通路399を介し
てそのS入力に印加されるかも知れない順序完了ストロ
ーブを後で記憶することが出来る様にする。IXFCス
トローブはTCU 58にも送られて、次のまとめ制御
順序を受取る準備が完了したことを装置に知らせる。
【0123】図7のブロック508から、論理はブロッ
ク512に進む。このブロックは、図6のプロセッサ4
02が、FF 410によってデータ通路440に発生
された新順序フラグを読取ることを表わす。その後、論
理は判定ブロック514に移り、こゝで新順序フラグの
論理レベルが試験される。論理0であって、新しい順序
を開始すべきではないことを意味する場合、論理はブロ
ック512に戻って、再びフラグを読取る。最終的に、
フラグが論理1になり、ビーム多重化動作からのデータ
がADC/バッファ62にあって、まとめの為にDSP
68へ転送する準備が完了していることを知らせる。フ
ラグが論理1になると、判定ブロック514が論理を別
のブロック516に進める。これは、ICP 402が
データ通路404からの順序指数(SEQNDX)を読
取ること、並びにFF 410をリセットする為にIX
FC信号でデータ通路438をストローブすることを表
わし、指数が転送されたことをTCU 58に知らせ
る。
【0124】図7のブロック516から、プログラムが
ブロック518に進む。これはICP 402(図6)
が指数を使って停留カウント(DWC)、基本(出発)
アドレス・テーブル、パルスまとめテーブル及び距離ま
とめテーブルをメモリ410から検索して、RAM 4
20に転送することを表わす。このデータが、順序指数
によって同定されたまとめ順序を制御するのに使う為、
ICP 402に利用出来る様になる。ブロック518
から、論理はブロック520に進む。こゝで基本アドレ
ス・テーブルの主指数JBAT及び主停留指数カウンタ
DWICが両方とも0に設定される。論理が、DWIC
を1だけインクレメントすることを表わすブロック52
2へ進む。ブロック522から、論理は別のブロック5
24に進む。これは、まとめようとするパルスの数を表
わす変数PNUMBを、DWICによって割出されたパ
ルスまとめテーブルからの値PNUMB=PNT(DW
IC)に設定することを表わす。更に、距離セルの数を
表わす変数RNUMBをDWICで割出した距離まとめ
テーブルから導出した値RNUMB=RNT(DWI
C)に等しいと設定する。変数PNUMBが、停留の
間、DSP 68によってまとめられるパルスの数を制
御し、RNUMBが各々の停留でDSP 68によって
処理される距離セルの数を制御する。論理はブロック5
24からブロック526へ進む。ブロック526は、一
時基本アドレス指数IBATを0に設定することを表わ
す。変数IBATは、ADC/バッファ52から転送す
べき現在の停留に対する基本アドレスの一時記憶位置を
同定する。ブロック528で、IBAT及びJBATが
何れも1だけインクレメントされる。変数JBATが、
一時記憶アレーに転送すべき基本アドレステーブルから
の特定の値を同定する主指数である。ブロック528か
ら論理はブロック530へ進む。ブロック530は、I
BATによって一時基本アドレスNBATを割出すこ
と、並びにJBATによって割出された基本アドレス・
テーブル(BAT)の位置に記憶することを表わす。判
定ブロック532がIBATをRNUMBと比較する。
等しくなければ、論理は判定ブロック532のノーの出
口を出て、論理経路534を辿ってブロック528へ戻
り、そこでIBAT及びJBATを何れも1だけインク
レメントする。この時、ブロック530が基本アドレス
の別の値を転送させ、IBATが再び比較される。ブロ
ック528,530,532を含むループは、IBAT
がRNUMBに等しくなるまで続けられ、こうして、現
在の停留に対する全ての基本アドレスがNBATに記憶
されていることを知らせ、この時論理は判定ブロック5
32のイエス経路から出てブロック536へ進む。
【0125】図7のブロック536は距離セル・カウン
タRCOUNTを1に設定することを表わし、停留の最
初の距離セルを処理すべきことを意味する。論理がブロ
ック538へ進み、こゝでパルス・カウンタPCNTを
0に初期設定する。ブロック540は図6のICP 4
02によって、次のパケット要請(NPREQ)データ
通路424をストローブすることを表わす。NTREQ
を受取ると、DSP68がその内部バッファ及びその処
理負荷を検査し、その状態を準備完了又は使用中と決定
し、これがデータ通路426又は428の内の一方を介
してDSPREADY FF 430に伝達され、状態
情報を記憶する。プロセッサ402がデータ通路432
を介してFF 430から来るDSPRDY情報を読取
る。ブロック540はDSPRDYの読取をも表わす。
ブロック540から論理は判定ブロック542に進み、
このブロックはDSPRDYがイエスを表わす論理値で
あるかどうかを決定する。そうでなければ、論理は判定
ブロック542のノー出力を出てブロック540に戻
る。最終的にはDSP 68は、まとめるべきレーダ・
データの次のバッチ又はパケットを受理する用意が出
来、論理は判定ブロック542のイエス出力を出てブロ
ック544に進む。ブロック544は図6のプロセッサ
402によるRSETCLTRIデータ通路418のス
トローブ動作を表わし、こうして転送してまとめるべき
次のパッケージに備えて、DSP 68によってまとめ
カウントを0にリセットする。
【0126】図7のブロック544から論理はブロック
546に進む。これは、ブロック548,550,55
2を含むループの出発点であり、戻って来たデータをD
SP68にまとめる為に転送する。ブロック546で、
パルス・カウント(PCNT)が1だけインクレメント
される。ブロック546から論理がブロック548に移
り、そこで転送すべき最初のデータ点に対するバッファ
・アドレスADDRを計算する。バッファ・アドレス
は、現在の距離カウンタの値RCNTに対する現在のパ
ルス・カウントNBAT(PCNT)に対応する基本ア
ドレスにより、RCNTが0ではなく、1の値に初期設
定されていることを考慮に入れて1を減算することによ
って計算される。論理はブロック548からブロック5
50に進む。ブロック550は、バッファ・メモリ・ア
ドレス・レジスタ(BMAR)62aに印加する為、図
6のICP 402が所望のI及びQ情報のアドレスを
アドレス母線412に印加し、その後転送バッファ・メ
モリ・アドレス(XFERBMAR)データ通路及びX
FERSP通路416を逐次的にストローブすることを
表わす。XFERBMAR信号により、BMAR 62
aがADC/バッファ62bに対するアドレス有効信号
線448を作動し、その後データ・ストローブ信号線4
50を作動する。これは、位置ADDRに記憶されてい
るI及びQサンプルが、DSP 68に印加する為に、
データ母線454,456に現れる様にする効果を持
つ。XFERSP通路416のストローブ動作により、
DSP68が、データ通路454,456からI及びQ
データ・ワードを受取って記憶すると共に、まとめ制御
カウントを1だけインクレメントする。論理は論理ブロ
ック550から判定ブロック552に進み、こゝでPC
NTをPNUMBと比較する。PCNTがPNUMBよ
り小さければ、現在の停留の現在の距離セルに更に多く
のパルスを未だまとめるべきであり、論理は判定ブロッ
ク552のイエス出力を出て行って、経路554を介し
てブロック546に戻る。距離セルにそれ以上のパルス
をまとめる必要がなく、PCNTがPNUMBに等しく
なるまで、このループが動作し続け、等しくなった時、
制御作用は判定ブロック552のノー出力から別の論理
ブロック556に移る。ブロック556は、ICP 4
02がまとめ開始(STINT)制御線422をストロ
ーブすることを表わし、こうして現在のデータ・バッチ
が完成していて、まとめを開始することが出来ることを
DSP 68に知らせる。この時、DSP 68が区間
まとめ順序を開始し、その間論理は図7のブロック55
6から判定ブロック558へ進む。判定ブロック558
がRCNTをRNUMBと比較する。RCNTがRNU
MBより小さく、現在の停留で処理する為に残っている
処理セルがあることを知らせると、論理はブロック55
8のイエス通路を出て、ブロック560に達する。ブロ
ック560では、RCNTを1だけインクレメントし、
その後論理は節501を介してブロック538へ戻る。
こゝで現在の停留の次の距離セルに対するまとめ制御順
序が開始される。
【0127】図7の判定ブロック558でRCNTがR
NUMBに等しく、現在の停留の最後の距離セルに対す
るデータが図6のDSP 68に転送されていることを
知らせると、論理はノー出力から論理ブロック562へ
出て行く。ブロック562はプロセッサ402による停
留完了(DWCMP)信号通路436のストローブ動作
を表わし、こうして現在の停留に対する全てのデータが
転送されたことをTCU 58及びDSP 68に知ら
せる。論理はブロック562から判定ブロック564に
移り、そこで停留指数カウンタDWICを停留カウント
DWCと比較する。DWICがDWCより小さく、未だ
転送すべきデータがADC/バッファ62に残っている
ことを示すと、判定ブロック564がイエス出力及び節
502を介して制御作業をブロック522に移し、AD
C/バッファ62に記憶されている次の停留に対するま
とめ制御順序を開始する。DWICがDWCに等しく、
ADC/バッファ62からDSP 68へのデータ転送
が完了していることを示すと、判定ブロック564は論
理をブロック566に移す。ブロック566はICP
402によるバッファ転送完了(BXC)データ線43
4のストローブ動作を表わし、これが転送が完了したこ
とをTCU 58及びDSP 68に知らせる。論理は
ブロック566から節503を介してブロック512に
戻り、次のまとめ制御順序に対する次の順序指数を求め
る過程を開始することが出来る。
【0128】これまで説明して来た様に、レーダ装置は
能動形位相調整アレー送信及び受信装置を含んでおり、
複数個の予め設定された又は予め選ばれたアンテナ・ビ
ーム位置が、「走査形」高速容積捜査の為並びに航空機
の最終接近管制に使われる様な短距離用の為、順次アク
セスされる。これから説明する様に、レーダ装置の動作
は時間フレーム又はフレーム区間に分割されている。各
々の時間フレームの中で、「停留」と呼ばれる小区間が
容積捜査に割当てられると共に、専用の追跡停留を含む
幾つかのその他の目的の為にも割当てられる。これに関
連して云うと、停留は、特定の方位及び迎角の特定のビ
ームで信号を受信する期間を指し、例えば気象検出及び
追跡の開始又は操作停留の様な場合である。
【0129】この実施例の主な動作モードは、前に述べ
た容積捜査モードであり、これは容積探索とも呼ばれて
いる。レーダは単独パルス給電部を用い、容積捜査の間
に検出される標的に対する角度及び距離情報を処理する
から、容積捜査モードは、走査毎に検出される標的を追
跡する手段になる。従って、レーダは、DP 72に於
ける追跡処理と併せて、容積捜査を作動し、走査しなが
ら追跡する動作を行なう(即ち、ある容積捜査の走査か
ら次の走査へと、距離及び角度情報を収集しながら追跡
する)。この主な動作モードが容積捜査、走査しながら
の追跡、走査しながらの容積追跡、標的追跡容積捜査等
の名前で呼ばれている。
【0130】気象捜査は幾つかの点で容積捜査と異な
る。容積捜査は、個別の標的としての航空機を検出して
追跡する様に設計されており、これは、気象捜査で関心
の持たれる大気の擾乱からの振幅の小さい又はレベルの
低い戻りよりも、ずっと大きいレーダの戻りを生ずる。
この様なレベルの低い擾乱は、擾乱を生じている大気の
誘電率又は屈折率の小さな変化を含み、こう云う変化
は、僅かな温度、湿度、水分又は圧力変動に帰因するも
のと考えられるが、昆虫又は擾乱に関連する塵埃の存在
に帰因するとも考えられる。標的としての航空機の速度
は一般的に、風速が100ノットに近付く様な極端な場
合を除くと、気象の速度よりもずっと高い。標的を追跡
する容積捜査は、信頼性のある検出及び精密な位置の測
定値が得られるものでなければならないが、これは大抵
の標的では中位の数のパルスを用いて得られる。然し、
大気擾乱に対する気象捜査は、変化が非常に小さい速度
及び反射率の測定値を生ずるものでなければならず、そ
の為、終末(航空機の離陸及び着陸)動作中、航空機に
災害を及ぼす大気擾乱を検出して確認することが出来る
様にする情報を得る為には、ずっと多数のパルスをまと
めることを必要とする。気象及び容積捜査の間の別の違
いは、完全な捜査用の走査をその間に完了しなければな
らない期間並びにそれにわたってこの走査が行なわれる
容積である。航空機を検出する容積捜査では、大体5秒
毎に360°の有効範囲を完了しなければならない。危
険な大気擾乱の監視では、接近及び離陸航路を中心とし
て例えば±20°の様なずっと制限された容積を大体毎
分1回走査しなければならない。この様に走査範囲を減
少すると共に、容積を走査し得る期間を延長することに
より、この発明のレーダ装置は、空港の近辺で発生した
時、ウインド・シヤ及び伴流の渦の危険状態を検出して
警告することの出来る様なレーダ・データを収集するこ
とが出来る。方位で360°に及ぶ台風気象の作図は航
空機の捜査よりも多くのパルスを必要とするが、走査は
大体5分毎に1回完了すればよく、この為、この機能も
レーダの多重化機能能力に含めることが出来る。
【0131】レーダの用語として、レーダが、現在追跡
中の個別の標的の距離及び/又は角度並びに/又は距離
速度並びに/又は角度速度を測定する為に1つの追跡用
の停留を計画して実行する時、レーダは追跡停留に専用
になると云い、その為、「専用追跡停留」と呼ばれる。
更に、レーダの用語として、一旦標的がレーダにより
(どんな方法であっても)追跡された状態にあると、標
的及び追跡と云う言葉は同義語になり、追跡される標的
は標的とも追跡とも呼ばれ、この標的に対して専用追跡
停留が用いられる場合、専用標的と云う言葉も使われる
が、専用追跡ビーム及び専用標的ビームと云う言葉も使
われる。レーダが、それまでは追跡されていない標的を
検出し、その後この標的に対する追跡法を設定又は監視
する為に、一連のレーダ追跡停留を計画して実行する
時、測定の内のこの開始/移行期間は、追跡開始並びに
/又は追跡への移行と呼ばれ、レーダ追跡停留は、開始
停留、開始追跡停留、追跡開始停留、追跡停留への移行
等のいろいろな言葉で呼ばれている。
【0132】レーダ装置が特定のモードで走査を実行し
ている間、図4−7のRCCブロック78が、次に実行
すべき動作モードを決定する。専用追跡停留、気象検出
又は捜査停留又は追跡開始/操作追跡停留又は走査しな
がらの次の追跡捜査順序が、RSCPプログラム・ブロ
ック80に制御方式が入り込んでいる時間順序に応じて
計画される。装置はある標的を優先順位の高い標的とし
て選定し、普通の走査しながらの容積追跡レーダ機能で
可能であるよりもずっと高い速度で、個々の優先順位の
高い標的に対する追跡測定値を更新する為に、専用追跡
ビームを計画する。こう云う優先順位の高い標的は「専
用」追跡と呼ばれる。標的は、予定の一定の判断基準に
より、又はRSCPプログラムに埋込まれたプログラム
可能な自動的な判断基準により、優先順位の高いものと
して選定することが出来る。例えば、旋回、高度変更又
は速度変更を実施している標的に対しては、この様な
「操作中」の標的に対する追跡精度を維持する為に、高
い優先順位を割当てることが出来る。レーダ追跡の分野
の当業者であれば、操作中の標的に対してより多くのレ
ーダ資源を自動的に専用にする為に、RSCPの一部分
としていた従来技術に基づいて、どの様に操作認識アル
ゴリズムを構成するかを承知していよう。
【0133】走査しながらの容積追跡モードの間に新し
い標的が検出された時、レーダ装置は、新しい標的に対
する正確な位置及び速度ベクトルをより速やかに設定す
る為に、利用し得る走査しながらの追跡速度よりも一層
速く、専用追跡測定停留を実行することを自動的に計画
する。一旦新しい標的の追跡パラメータが十分正確にな
ると、RSCPが自動的に専用追跡測定ビームの計画を
中断し、標的の追跡を更新する為に、走査しながらの追
跡測定に頼る。走査しながらの追跡による更新に復帰す
る前に、新しい標的をしっかりと追跡する為に敏速な専
用追跡停留が使われる期間は、「追跡への移行」過程と
呼ばれている。
【0134】特定のRSCPは、考えられる資源割当て
の選び方の1つに過ぎないが、それを用いたレーダ動作
の簡単な例を述べると、専用追跡、操作追跡及び追跡へ
の移行には合計して毎秒100ミリ秒が割当てられ、気
象捜査には5秒毎に100ミリ秒が割当てられる。専用
追跡停留、操作追跡停留及び追跡停留への移行は、何れ
も公称1kHz のPRFでパルス10個の停留である。1
kHz のPRFは1mSのPRIに対応し、従ってパルス1
0個の各々の停留は、10mSのレーダ時間を必要とす
る。毎秒1回の追跡速度で、その内100mSが専用追跡
停留に利用し得るとすると、各々のアンテナ面によって
10個の専用標的を追跡することが出来る。容積捜査走
査を完了するのに要する時間は、図19に合計を示す様
に4.237秒である。前に列記した追跡及び気象の為
に選定された余分の時間は0.6秒であって、これは追
跡に対する5秒間の100mS/秒=500msecと、気象
捜査に対する。5秒間で100msec/5秒×5秒=10
0msecとに分れ、合計は、5秒間のフレーム期間毎に6
00msecになり、5秒のフレーム時間当たりの合計占有
時間は4.837秒である。この明細書で云うフレーム
時間は、速い追跡更新、気象捜査停留及び特殊レーダ機
能の停留とインターリーブした、走査しながらの完全な
追跡形式の容積捜査更新を実行する為にレーダを動作さ
せる期間である。こゝで述べるレーダの公称フレーム時
間は5秒である。当業者であれば、平均送信電力を増加
することにより、フレーム時間を短縮することが出来る
ことを承知していよう。
【0135】当業者であれば、レーダ資源は、レーダ占
有時間の限界内で、多数のいろいろなタスク条件を達成
する様に、この他のいろいろな形で割当てることが出来
ること、並びに判定を下す為の予めプログラムされた1
組の規則と合せて、種々の標的及び/又は環境条件に従
って、レーダの時間資源を動的に割当てることが出来る
ことを承知していよう。
【0136】図36−42は、走査しながらの追跡形の
多重化した容積捜査、専用追跡及び気象捜査機能を実現
する為に、RSCPを構成するのに適した論理図又はフ
ローチャートであり、こゝでは特に述べないが、自己試
験機能を含んでいてもよいが、特別の機能を随意選択に
よって実行する為の論理的な経路を含む。当業者であれ
ば、図4−7のDPブロック72とRCCブロック78
の間、及びTCUブロック58とRCCブロック78の
間の連絡は、直接メモリ・アクセス(DMA)と呼ばれ
る転送モードによって達成することが出来ることを承知
していよう。これによって、RCC 78の中央プロセ
ッサ装置は、その資源を、RSCPプログラムの実行に
専用にすると共に、プログラムされた入出力動作(PI
O)の余分の負担なしに、内部メモリの待ち行列を介し
てDP及びTCUに連絡することが出来る。これが、R
SCPプログラムの一部分として待ち行列管理を取入れ
た図12のフローチャートに反映している。直接メモリ
・アクセス(DMA)を用いるコンピュータでは、プレ
ンティス・ホール社から出版されたR.M.クラインの
著書「ディジタル・コンピュータ・デザイン」の第40
3頁乃至第407頁に記載されている様に、CPUがメ
モリを使わないコンピュータの動作サイクルの間、直接
的にデータをメモリに出し入れする為に、特別製の独立
した制御ハードウエアを使う。これによって、コンピュ
ータの動作プログラムの普通の流れを中断せずに、コン
ピュータのメモリに直接的に非常に高速のI/Oのデー
タ転送で出し入れを行なうことが出来る。こう云う形式
のデータ転送を用いると、プログラムの種々の部分は、
入力メッセージ及びデータを予定のメモリ位置から検索
することにより、外部の源からの連絡を受取ることが出
来、その後でDMA過程を介して転送する為に、予定の
メモリ位置に出力データ及びメッセージを記憶すること
により、外部装置に連絡を送ることが出来る。
【0137】図36−42は、図4−7の制御装置80
によって実行されるレーダ計画及び制御プログラムを示
す簡単にしたフローチャートの一部分である。図36の
論理図は「主」経路を表わしており、主なサブルーチン
のどれが特定の時刻に関係するかを決定する。サブルー
チンは、論理節1,2,3又は4への論理の流れによっ
てアクセスされるが、これらの論理節は、論理作用を夫
々図37,40,38,39に示すフローチャートに差
向ける。図37の論理図は標的の追跡に関係するもので
あり、その詳細が図42に示されている。図40の論理
図は気象捜査に関係するものであり、図38の論理図は
容積捜査に関係するものであり、図39の論理図はユー
ザが定めた特殊機能に関するものである。図37,3
8,39及び40の論理図は、完了した時、新しいサイ
クルを開始する為に、図36の論理節6へ戻る準備とし
て、論理の流れを図41に示す別のフローチャートに差
向けるものである。前に述べた様に、制御作業の一部分
は、予めプログラムされたメモリによって構成すること
が出来る。
【0138】一般的に、種々のモードに対する更新速度
は、例えば300秒毎に1回の普通の気象走査を完了
し、60秒毎に伴流の渦及びウインド・シヤの監視を行
ない、5秒毎に容積捜査を行ない、1秒毎に1回、優先
順位の高い標的の追跡を行なうと云う様に予め選ばれて
いる。一般的に、これは例えば、追跡走査では毎秒1回
の速度に分解して、容積捜査の一部分を実施し、各々の
5秒増分の小さい部分を割当てゝ、伴流の渦、ウインド
・シヤ及び規則的な気象走査の一部分を実施することに
よって行なわれる。
【0139】図36では、論理は開始ブロック1210
から始まり、ブロック1212に進み、これは入出力
(I/O)直接メモリ・アクセス(DMA)待ち行列の
初期設定を表わす。DMA I/O待ち行列の初期設定
が、図4−7のレーダ制御コンピュータ(RCC)78
のメモリ・ブロックを留保して、RCC 78がTCU
58及びDP 72から受取ったメッセージを記憶する
と共に、RCC 78からDP及びTCUに送るべきメ
ッセージを記憶する。前に述べた様に、DMAI/Oを
使うコンピュータ・システムは、コンピュータ・プログ
ラムの実行を中断せずに、留保したメモリ区域へデータ
を出し入れする特別の制御ハードウエアを持っている。
これによって、RSCP 80にある種々のサブルーチ
ンは、留保された入力メモリ・スペースから入力を検索
すると共に、留保された出力メモリ・スペースに出力デ
ータを記憶することにより、入力データを集めると共に
出力データを散布することが出来る。コンピュータ・プ
ログラミング及びコンピュータ・データ通信の分野の当
業者であれは、このI/O方式を最もよく活用する為
に、RSCPプログラム、DMA待ち行列及びプロトコ
ルをどの様に設計すればよいかを承知していよう。ブロ
ック1212は、図4−7のRCC 78にあるメモリ
に記憶された捜査ビーム・パラメータの場所に対する指
数を表わす気象捜査(気象走査)及び容積捜査(容積走
査)ポインタを1の値に初期設定すること、並びに次の
フレーム開始時刻(次のフレームが開始する1日の内の
時刻)を現在の時刻に設定することをも表わす。容積走
査カウンタが1の初期値に設定される。1日の内に完了
するフレームの数を計数するフレーム・カウンタが0カ
ウントに初期設定される。特殊機能フラグは最初は0又
は1に設定される。0は現在の形のRSCPに特殊機能
が含まれていないことを示し、1は現在の形のRSCP
に特殊機能が含まれていることを示す。現在の形のRS
CP(RCCで現在実行される形式)に特殊機能が含ま
れるか含まれないかは、レーダの必要条件並びに/又は
ユーザの好みによって決定されるが、それはこの発明に
は関係がない。専用追跡停留、追跡開始停留及び操作追
跡停留は一般的に、各々の標的に対し、走査しながらの
容積追跡(この例では公称5秒毎に1回)よりも高い速
度(この例では公称毎秒1回)で計画され且つ実行さ
れ、従って、包括的に、速い追跡、速い追跡更新等と呼
ばれる。速い追跡更新ポインタが0に初期設定される。
これは、速い追跡動作を必要とする標的がない状態を表
わす。
【0140】図36のブロック1212に於ける初期設
定の後、論理は判定ブロック1214に移り、これが現
在の時刻を次のフレームの開始時刻と比較し、新しいフ
レームを開始すべきかどうかを決定する。開始ブロック
1210に於けるプログラムの開始の直後、フレーム時
間が、初期設定ブロック1212で現在の時刻に設定さ
れる。これが次のクロック・サイクルの間のクロック増
分を定め、従って、論理が判定ブロック1214に達し
た時、現在の時刻は次のフレームの開始時刻より遅い。
従って、論理は判定ブロック1214をイエス出力から
出てブロック1216に移る。このブロックは、次の5
秒間の追跡、気象及び容積捜査制御ブロックに対するシ
ーケンス及び計画時間の計算と、次のフレーム開始時間
を5秒だけインクレメントすることゝを表わしており、
この為、新しいフレームの手順は、次の5秒が経過した
後に開始され、こうしてレーダのフレーム時間が5秒増
分ずつになる。最後に、ブロック1216がフレーム・
カウンタを1だけインクレメントする。新しいフレーム
が開始されてもされなくても、論理は別の判定ブロック
1218に達する。
【0141】論理ブロック1218は現在の時刻を、次
の追跡停留を開始する時刻と比較して、速い追跡更新が
必要であるかどうかを判定する。速い追跡更新が必要で
あれば、論理は判定ブロック1218のイエス出力から
出て、図37の論理節1へ進む。速い追跡更新が必要で
ない場合、論理判定ブロック1218のノー出力を出
て、別の判定ブロック1220に達する。判定ブロック
1220は現在の時刻を次の気象捜査停留の開始時刻と
比較して、気象捜査を実施すべきかどうかを判定する。
気象捜査を実施すべき場合、論理は判定ブロック122
0のイエス経路を出て、図38の論理節2へ進む。気象
捜査を必要としない場合、論理は判定ブロック1220
のノー出力を出て、判定ブロック1222に達する。判
定ブロック1222は現在の時刻を容積捜査に対する次
の計画時間と比較して、容積捜査を必要とするかどうか
を判定する。容積捜査を必要とする場合、論理は判定ブ
ロック1222のイエス出力を出て、図38の節3へ進
む。容積捜査を必要としない場合、論理は判定ブロック
1222のノー出力を出て、図39の論理節4へ進む。
【0142】図39の論理節4から、論理は判定ブロッ
ク1224へ進む。このブロックは、特殊機能フラグを
試験して、オンラインの保守の様な特殊機能の処理を必
要とするかどうかを判定する。特殊機能を必要としない
場合、論理は判定ブロック1224のノー出力から図3
6の論理節6へ進み、ブロック1214へ戻って、新し
いフレームを開始すべきかどうかを判定する。
【0143】図39の判定ブロック1224が、特殊機
能を必要とすると判定すれば、論理はイエス出力からブ
ロック1228へ移り、このブロックは注文によって設
計されたユーザの機能を実行する為に、パラメータ制御
ブロックを作り出すことを表わす。コンピュータ制御の
位相調整アレー・レーダの用語として、パラメータ・ブ
ロック、制御ブロック又はパラメータ/制御ブロックと
云う言葉は、RCC78からTCU 58に分配された
時、所期のレーダ機能に従って、特定の停留又は一連の
停留をレーダに実行させる為に、TCU 58によって
レーダの他の部品の動作を開始並びに同期させる為に必
要な全ての情報を供給するパラメータ及び制御表示子を
表わすディジタル・ワードのある構成の全体を指す。こ
う云う注文設計のレーダ機能がレーダ装置のオペレータ
によって選ばれ又は特定され、余分のレーダ占有時間が
割当てられる。特殊機能はオンラインの保守機能を含ん
でいてよい。論理はブロック1228から図41の節5
へ進む。
【0144】図36に戻って説明すると、判定ブロック
1222が現在の時刻を実行すべき次の容積捜査制御ブ
ロックの計画された開始時刻と比較する。容積捜査を実
施すべき場合、論理は判定ブロック1222のイエス経
路から出て、節3へ進む。図36の論理節3が論理を図
38に示した部分的なフローチャートの判定ブロック1
258に差向ける。判定ブロック1258が容積走査完
了ポインタの値を既知の最終値に対して試験して、容積
走査が完了したかどうかを判定する。容積走査完了ポイ
ンタの値が、容積走査が完了していないことを示す場
合、論理は判定ブロック1258のノー経路を出て、ブ
ロック1266に達する。容積走査完了ポインタの値に
よって示される様に、容積走査が完了していれば、論理
は判定ブロック1258のイエス経路を出て、判定ブロ
ック1260に達する。このブロックはフレーム・カウ
ンタの現在のカウントを容積走査カウンタのカウントと
比較して、次のフレーム時間の開始の前に、現在の容積
走査が完了しているか(又は完了するか)を判定する。
これは、現在の計画フレーム中に余分のレーダ占有時間
が利用出来ることを示す。
【0145】容積走査が完了していて容積走査カウンタ
がフレーム・カウンタと等しい時、現在の計画フレーム
が終る前にレーダの容積走査機能が完了しており、レー
ダは計画より進んでいる。これは、気象及びその他の優
先順位の低い機能の為にレーダ時間(レーダ資源)が利
用出来るので望ましい状態である。然し、他の機能の計
画によって容積走査の完了が次の計画フレームに入り込
むまで遅延した場合、フレーム・カウンタは容積走査カ
ウンタより大きく、レーダが計画より遅れていることを
示す。容積走査が計画より進んでいる場合、図38の論
理は判定ブロック1260のイエス出力を出て図39の
論理節4へ進む。容積走査が計画より遅れている場合、
論理は判定ブロック1260のノー出力から出て、ブロ
ック1262へ進む。ブロック1262は、容積走査カ
ウンタのインクレメント動作と、容積走査完了ポインタ
を1の初期値へリセットすることゝを表わし、これによ
ってこの後の論理ブロック1266は、現在の計画フレ
ームが完了する前に新しい容積走査を開始する。容積走
査が完了していないか、或いは容積走査が未完了である
か或いは計画より遅れている場合、論理は判定ブロック
1258又は1260のノー出力を出て、最終的にブロ
ック1266に達する。ブロック1266は、図4−7
のTCU 58に対する次の容積走査パラメータ/制御
ブロックを構成することを表わす。このパラメータ・ブ
ロックは、発生すべきペンシル形ビームを表わすデータ
と、各々の個別のアンテナ・ビームで送信すべき各々の
PRFのパルスの数と、図4−7のブロック62にある
バッファに対するアドレス順序と、送信周波数及びパル
ス幅と、パルス・コードと、減衰器(を使う場合は、そ
の)設定値と、偏光の設定と、検出閾値の制御と、計器
測定距離と、その他の変数とを含む。ブロック1266
から論理はブロック1268へ進む。このブロックは容
積走査完了ポインタの更新を表わす。ブロック1268
から論理は論理節5を介してこれから説明する図41の
論理図へ進む。
【0146】再び図36に戻って、速い追跡更新を実施
する時、論理は判定ブロック1218をイエス経路から
出て行き、論理節1を介して図37の論理図に入る。図
37で、論理は節1から判定ブロック1242へ進む。
このブロックは、専用追跡が確認されたかどうかを判定
する。専用追跡が確認されていなければ、論理は判定ブ
ロック1242のノー出力を出て、別の判定ブロック1
246へ進む。専用追跡が確認されていれば、論理は判
定ブロック1242のイエス経路を出て、専用標的に対
する優先順位の割当てを表わすブロック1244に達す
る。レーダ計画の設計の当業者であれば、従来、標的に
優先順位を割当てる方法が数多く利用出来ることを承知
していよう。これをするのは、どの標的に、それを追跡
するレーダ・ビームを割当てるかを決定し、どの標的に
は特別にレーダ・ビームを割当てないかを決定して、限
られたレーダ資源を最も効率よく利用する為である。当
業者であれば、標的の優先順位が、レーダの使命に応じ
て、標的の距離、速度、高度、下降速度、場所、旋回速
度又は上記並びにその他のパラメータの種々の組合せに
よって定めることが出来ることを承知していよう。図4
2は、ブロック1244で優先順位を割当てる為に考え
られる1つの方式を示すフローチャートである。
【0147】図42は図37のブロック1244で優先
順位を定めることを示すフローチャートである。論理は
経路1243を介して、図42のフローチャートに入
り、判定ブロック12012に達すると、各々の標的に
対し、速度が判っているかどうかの初期判定を下す。標
的の速度は、それを捉えたのが最近であって、速度を決
定する程の時間の間、それが追跡されていない場合、判
っていないことがある。速度が判っていれば、論理は判
定ブロック12012のイエス経路を出て、別の判定ブ
ロック12014に達する。判定ブロック12014は
標的の距離を検査する。20 nmより大きい距離の所
にある標的は、それより接近している標的程重要ではな
いと見なされ、従って距離が20 nmを越えれば、論
理は判定ブロック12014をノー出力から出て、ブロ
ック12016に達する。ブロック12016は最も低
い優先順位である優先順位P=5を割当てることを表わ
す。論理はブロック12016から中間論理経路120
23へ進む。標的の距離が20 nm未満である場合、
論理は判定ブロック12014のイエス出力を出て、別
の判定ブロック12018に達する。判定ブロック12
018は、標的が空港の滑走路を含む方位円弧又は扇形
内にあるかどうかを調べる為に、標的の座標の比較を表
わす。この円弧内にある標的が、この円弧の外側にある
ものよりも一層重要であると見なされる。標的が円弧の
外側にあれば、論理は判定ブロック12018のノー出
力を出て、判定ブロック12020に達する。これは標
的の速度に応じて優先順位を割当てる。速度が160ノ
ット未満の標的は、ブロック12022で優先順位P=
6が割当てられる。速度が160ノットより高い標的で
は、論理が判定ブロック12020のイエス出力を出て
行き、ブロック12024で優先順位P=7が割当てら
れる。論理は、ブロック12022及び12024から
中間経路12023へ進む。標的の座標が、重要と考え
られる円弧以内にあれば、論理は判定ブロック1201
8のイエス出力を出て、判定ブロック12026に達す
る。判定ブロック12026は標的の高度を調べる。高
度が7,000呎を越える所にある標的は、7,000
呎未満の標的程重要でないと見なされ、従ってこう云う
場合、論理は判定ブロック12026のノー出力を出
て、ブロック12028でP=8が割当てられる。標的
の高度が7,000呎未満であれば、論理は判定ブロッ
ク12026のイエス出力を出て、判定ブロック120
30に達する。判定ブロック12030は標的の速度を
検査し、速度が135ノット未満である標的では、論理
はブロック12032へ進み、そこでP=9が割当てら
れる。動きの速い標的は一層重要であると見なされ、速
度が135ノットより大きい標的では、論理は判定ブロ
ック12030のイエス出力を出て行く。論理は判定ブ
ロック12034のイエス出力からブロック12034
に達し、そこでこう云う標的にP=10が割当てられ
る。
【0148】優先順位の割当ては、未知の速度を持つ標
的に対しても、図42で行なわれる。こう云う標的が、
高い速度を持ち、それに対応して高い優先順位を持つと
想定する注意を払わなければならない。未知の速度を持
つ標的では、判定ブロック12012のノー出力を出
て、距離を検査する判定ブロック12050に達する。
距離が20 nmより大きい標的では、論理が判定ブロ
ック12050のノー出力を出てブロック12052に
達する。このブロックは優先順位P=6を割当てる。ブ
ロック12052から論理は中間経路12064へ行
く。距離が20 nmより大きい標的では、論理は判定
ブロック12050のイエス出力を出て別の判定ブロッ
ク12054に達する。判定ブロック1254は、標的
の座標を、判定ブロック12018と同じ様な形で、滑
走路を含む円弧又は扇形と比較する。この円弧の外側に
ある標的では、論理はブロック12056に達し、そこ
でP=7が割当てられる。円弧の中にある標的では、論
理はイエス経路を通って判定ブロック12058へ移
り、このブロックが標的の高度を7,000呎と比較
し、夫々7,000呎より上及び下の標的では、論理が
ブロック12060又は12062に進み、P=9又は
10が夫々割当てられる。
【0149】図42で一旦初期優先順位が割当てられる
と、論理は論理経路12023又は12064の一方を
通って判定ブロック12036に達し、このブロックは
標的が操作中であるかどうかを経歴データから判定す
る。標的が操作中であれば、ブロック12038で優先
順位PをP+1にインクレメントしてから、別の判定ブ
ロック12040に達する。判定ブロック12040は
装置が標的の照射をぐずぐず遅らせたかどうかを判定す
る。それまで遅らせていれば、論理はブロック1204
2へ進む。これはPをP+2の値へインクレメントす
る。これは、照射の遅れた標的が優先順位を素早く駆け
上がることの保証になる。その後、論理は判定ブロック
12044に達し、このブロックは標的が新しく捉えた
ものであるかどうかを判定する。そうでなければ、論理
はノー出力及び経路12066を通ってブロック120
48に進む。標的が新しければ、論理は判定ブロック1
2044のイエス経路を出て、ブロック12046を通
ってからブロック12048へ進む。ブロック1204
6は優先順位をPからP+1へインクレメントすること
を表わす。ブロック12048は、問題の標的に対する
優先順位データをその標的に割当てられたメモリに結合
することを表わしており、こうして更に停留の計画動作
がとれる様にする。論理はブロック12048から経路
1245を通って図37の判定ブロック1246へ進
む。
【0150】再び図37に戻って説明すると、論理はブ
ロック1242又はブロック1244から判定ブロック
1246へ移る。判定ブロック1246は図41のブロ
ック1282が記憶するデータを検査して、新しい標的
又は操作中の標的が存在するかどうかを判定する。新し
い標的又は操作中の標的が存在しなければ、論理は判定
ブロック1246のノー出力を出て、判定ブロック12
50に達する。新しい標的又は操作中の標的が存在する
と判定されると、論理はブロック1246のイエス出力
を出てブロック1248に達する。ブロック1248は
標的の優先順位を設定することを表わし、前に図42に
ついて詳しく説明したブロック1244と同様である。
論理はブロック1248を出て、判定ブロック1250
に達する。判定ブロック1250は、図41のブロック
1282によってメモリに記憶されている処理済みの検
出及び追跡ファイルを検査して、遅らせた追跡標的が存
在するかどうかを判定する。存在しなければ、論理はノ
ー出力を通ってブロック1254へ行く。遅らせた追跡
標的が存在する場合、論理は判定ブロック1250のイ
エス出力を出て、ブロック1252で標的の優先順位を
設定してから、ブロック1254に達する。ブロック1
252もブロック1244と同様である。
【0151】図37のブロック1254は優先順位の順
番に、追跡の優先順位を分類し、利用し得る停留時間を
全部使い切るまで、停留時間を割当てることを表わす。
レーダ制御の当業者であれば、特定の標的又は特定の標
的の集まりを追跡する為に専用にするレーダ時間の長さ
を割当てる(又は計画する)方法を決定するのに従来種
々の方法を利用し得ることを承知していよう。この1つ
の方法が一定テンプレート方式であり、この場合、ある
一定量のレーダ資源が、最大数の標的を追跡する為に、
常に規則的な間隔で利用し得る。一定テンプレート方法
では、一旦標的の最大数に達すると、それまでの追跡を
取消すまで、他の標的を追跡することは出来ない。更
に、一定テンプレート計画装置は、標的の特性に関係な
く、全ての標的に同じレーダ資源を適用するのが普通で
ある。一定テンプレート計画装置は、例えば追跡すべき
標的は1つしかないのに、10個の追跡停留に時間を割
当てると云う様に、使われないかもしれないのに、レー
ダ資源を割当てると云う欠点がある。
【0152】現在のフレーム中で専用追跡停留の為に利
用し得る残りの停留時間は、各々の専用追跡停留が10
mSを必要とすること、並びに専用追跡停留に毎秒100
mSより長い時間は割当てないこと、即ち、専用追跡又は
標的が10個より多く存在しても、容積捜査又は気象走
査から時間が「盗まれる」ことがないと仮定すると、ブ
ロック1254で計算することが出来る。10個より多
くの標的が存在する場合、現在の1秒の期間で照射する
ことのできない標的は遅らせる。前に述べた様に、遅ら
せた標的は、後続期間の間一層高い優先順位が許され
る。現在の5秒フレームで専用追跡の為に残っている時
間がTRと表わされ、これは次の5秒フレーム期間の開
始時刻(NXTFRM)から、現在のフレーム時間内の
次の専用追跡期間の開始時刻(TN)を差引いた値に等
しい。即ち、TR=NXTFRM−TN。追跡の為に残
っている時間がTTと記され、TTはTRと、現在のフ
レーム中で、容積走査(TVS)、気象走査(TWX)
及び特殊機能(TSPF)に割当てられる残りの時間と
の差である。即ち、TT=TR−TWX−TVS−TS
PF。追跡の為に利用し得る合計時間を正しく割当てる
ことが出来る様に、現在の5秒フレーム内に幾つの1秒
期間(NT)が残っているかを知ることが必要である。
NTの値は関数INT(・)によって決定される。これ
は、引数の切捨て整数部分である。NT=INT(T
R)。現在の期間の毎秒で速い追跡更新を実行する為に
利用し得る時間の長さ(TTN0)が単純な割合TTN
0=TT/NTによって決定される。次の1秒期間TT
Nの間に速い追跡更新の為に割当てるべき時間の長さ
は、TTN0及び100mSの内、関数MIN(・,・)
によって決定される小さい方である。即ちTTN=MI
N(TTNO、100mS)。
【0153】停留時間を割当てる2番目の方法は、レー
ダのある予定の限界又は物理的な限界に達するまで、容
積捜査の様な他の用途からレーダ資源を改めて割当てる
適応方式である。適応形割当てゞは、各々の追跡に割当
てられるレーダ資源の量は、優先順位又はその他の標的
のパラメータ次第であり、所定の割当て論理に従って、
必要なだけ頻繁に変えることが出来る。こゝで説明する
特定の実施例では、例としてだけ云うのであるが、ブロ
ック1254による追跡される標的に対するレーダ資源
の割当ては、毎秒100ミリ秒までゞある。各々の標的
に対する公称の割当ては、標的当たり毎秒10mSに対応
して、1kHz でパルス10個である。これは、夫々に対
し1Hzの更新で10個までの標的を追跡することが出来
る様にする。然し装置はパルス・ドップラー・モードで
動作するから、ある標的に対してPRFを調節して、一
層よい信号対クラッタ比を達成する為に、ドップラー応
答をゼロ・ドップラー・フィルタの外へ移すことが要求
されることがある。これは一層長い停留を必要とするこ
とがあり、標的当たり10ミリ秒より長い時間を要する
ことがあり、他の標的に割当てる為に残るフレーム当た
りの時間が一層短くなる。図37の論理は、優先順位が
一層低い標的であって、毎秒100ミリ秒の割当てを越
える様な標的を単に遅らせるものである。このアルゴリ
ズムは、使った合計時間及び利用し得る時間を記録して
おいて、この後に追跡サイクル毎に、残った時間の割当
てのやり直しをし、こうして優先順位が一層低いある標
的及び遅らせた標的は、5秒のフレーム時間にわたって
平均して、毎秒100ミリ秒と云う全体的な割当ての範
囲内で、資源が利用し得る時には何時でも、サービスを
受ける。レーダ装置は、この発明の本質を変更せずに、
この他の計画及び割当て方式を利用することも出来る。
【0154】図37のブロック1254は、次の追跡順
序の間、追跡する計画になっている標的に対し、図41
のブロック1282に記憶された追跡パラメータを使う
こと、並びに追跡停留を実行すべき時への標的の位置パ
ラメータの外挿を行なうことを表わす。外挿された距離
及び角度情報と距離速度が、各々の標的を追跡する為に
使われるPRM、パルス幅及びパルス数を選ぶ為に、ブ
ロック1254によって使われる。
【0155】論理は、図37のブロック1254からブ
ロック1256へ移る。これは、図4−7のタイミング
制御装置58に対する追跡制御ブロックを構成すること
を表わす。ブロック1256は外挿されたパラメータを
ディジタル・ワードに変換し、それを制御ワードと組合
せ、それがTCU 58の作用を受けた時、レーダが、
標的の位置及びその他のパラメータを測定する為に、標
的の方向に追跡ビームを放射する様にするのに必要な一
連の動作を実行させる。ブロック1256が、次の追跡
順序の間に実行することが計画されている全ての追跡停
留に対するこの様な全てのパラメータ/制御ワードを連
結し、その結果得られた情報ブロックを、図41につい
て述べた様にI/O待ち行列を管理するソフトウエアで
使う為、メモリに記憶する。追跡制御ブロックが、発生
すべき追跡ペンシル形ビーム、パルスの数とPRF、図
4−7のブロック62に対するバッファ・アドレス順
序、送信パルス幅、送信周波数、パルス・コード、減衰
器の設定値、計器測定距離の出発及び停止値、偏光の設
定値、検出閾値制御パラメータ、及び計画された各々の
追跡停留に対する標的追跡番号に関する情報を含む。論
理はブロック1256から論理節5を介して図41の論
理図へ進むが、これは後で説明する。
【0156】図36の判定ブロック1220が、気象走
査を実施すべきであると決定した時、論理は論理節2を
介して図40の論理図へ差向けられる。気象捜査用の走
査が、公称5秒のフレーム時間よりずっと長いある期間
の後に走査が完了する様に、各々の計画フレームの間に
停留時間が割当てられる。例えば、伴流の渦の捜査機能
は、60秒毎に1回繰返す様に選ぶことが出来、気象図
作成機能は300秒毎に1回繰返す様に選ぶことが出来
る。更に、この例では、気象走査は、連続的に繰返され
る気象捜査用の走査を行なう為に、完了した直後でも、
常に計画されて実行される。気象走査完了ポインタは、
予め記憶されている順序の中のどの停留が完了し、どれ
がこれから実行すべきであるかを表示する。図40で、
判定ブロック1270が気象走査完了ポンイタを検査
し、気象走査が完了したかどうかを判定する。完了して
いなければ、論理は判定ブロック1270のノー出力を
出てブロック1274に達する。気象走査完了ポインタ
が、気象走査が完了していることを示せば、ブロック1
274に来る前に、論理ブロック1272で、ポインタ
が1の値にリセットされる。これによってこの後の論理
が直ちに次の気象走査を開始する。ブロック1274
は、図4−7のTCU 58で使う為に、次の気象走査
のパラメータ・ブロックを構成することを表わす。論理
はブロック1274からブロック1276へ移る。ブロ
ック1276は気象走査完了ポインタをインクレメント
することを表わす。気象走査完了ポインタは、現在の気
象捜査用の走査の間、気象捜査用の停留の予め記憶され
ている順序の内のどの停留が計画され並びに/又は実行
され、そしてどの停留がこれから計画されて実行される
べきであるかを示す様にする分だけ、インクレメントさ
れる。論理はブロック1276から論理節5を介して、
これから説明する図41の論理図へ進む。
【0157】図41のブロック1278は、後で図4−
7のTCUブロック58にDMA転送する為、最も最近
に構成された制御ブロックを制御待ち行列にのせる為の
論理を表わす。ブロック1278が独特な指数コードを
用いて、パラメータ/制御ブロックにある各々の停留を
割出す。このコードは、ある停留と次の停留とで一定量
だけ前進する。停留指数はパラメータ/制御ブロックの
境界に関係なく前進し、予め定められた最大値まで増加
し続け、この最大値に達すると、予め定められた初期値
にリセットされ、そして割出し順序が再び開始される。
停留指数は、計画され且つ実行された全ての停留の記録
をとっておく為にレーダによって使われ、TCUメッセ
ージの停留実行状態部分にあるTCUブロック58によ
り、RCCブロック78に戻され、RSCP論理が、パ
ラメータ/制御ブロックの組立てとレーダの停留の実行
とを同期させることが出来る様にする。論理はブロック
1278から図41のブロック1280に入り、そこで
先入れ先出し(FIFO)データ・ブロック待ち行列か
ら、DPブロック72(図4−7)から次に来るメッセ
ージが取出され、その後ブロック1282で処理され
る。ブロック1282は、新しい標的の位置を計算し、
追跡報告から測定値を計算すると共にフィルタをかけ
て、新しい測定値で各々の追跡ファイルを更新し、遅ら
せた追跡及び検出されなかった追跡を外挿し、専用追跡
を必要とする標的を確認すると共に操作中の標的を確認
し、更新された結果を記憶する為に必要な、全般的に従
来周知の形式のプログラミング及びルーチンを表わす。
この後、更新された結果が、図37の追跡計画プログラ
ム論理回路によって使われる。プログラムはブロック1
282からブロック1284に移るが、ブロック128
4はTCUメッセージ待ち行列から現在の時刻及び停留
発生状態を集めることを表わす。論理はブロック128
4から判定ブロック1286へ移り、そこでプログラム
は現在の時刻及び停留実行状態を制御待ち行列にある最
後の制御ブロックの終り時刻に対して検査する。時間差
及び停留実行状態が、定常的な制御ストリームを保つ為
に、次の制御ブロックを組立てなければならないことを
示すと、プログラムは判定ブロック1286をイエス出
力から出て、論理節6を介して図36の主経路へ戻る。
定常的な制御ストリームは、レーダ装置を最も効率的に
利用するので、即ち、指示されたT/R動作の順序の中
で、その時にレーダ装置が遊んだまゝでいる様な目につ
く程の時間的なすき間がないので、非常に望ましい。そ
うでない場合、論理は判定ブロック1286のノー出力
からブロック1280へ移る。
【0158】図43は、従来の距離サイドローブを減少
する為に、図4−7のDSPブロック68に入れること
の出来る処理の一部分の簡略ブロックである。図43
で、ブロック62にある複素数アナログ・ディジタル変
換器からのI+jQ信号が入力ポート1310を介し
て、ブロック1312として示したパルス圧縮器に印加
される。入力のI+jQ信号はディジタル形式であるこ
とが好ましいが、アナログであってもよく、1つのペン
シル形ビームの位置で標的から反射された一連のパルス
を表わす。パルス圧縮器は従来公知であって、例えばア
ナログ装置では送信パルス・コードに釣合わせた表面音
響波(SAW)フィルタをベースバンドI+jQへの下
向き変換の前に入れることにより、又はディジタル装置
ではプロセッサとして構成することが出来る。パルス発
振器1312の出力は不所望の距離サイドローブを持つ
比較的持続時間の短いパルスである。距離サイドローブ
抑圧器が圧縮されたパルスに作用して、距離サイドロー
ブを減少する。距離サイドローブ抑圧器1314は、デ
ィジタルのI+jQベースバンド信号に作用する別のプ
ロセッサとして構成することが出来る。このプロセッサ
は、ゼロ・ドップラー偏移の仮定に基づいて設計され
る。パルス圧縮器の場合と同じく、ゼロ・ドップラー偏
移の同じ仮定に基づく距離サイドローブ抑圧は、この代
りに、ディジタル化したベースバンドのI+jQに変換
する前に、レーダ受信機のアナログ部分にある別のSA
Wフィルタによって行なってもよい。然しこの方式はド
ップラーに対する寛容性がなく、従来技術を表わすもの
であり、この実施例はそれに対する改良である。圧縮さ
れ、サイドローブを減少したパルスが、抑圧器1314
から、合せてフィルタ・バンク1316として示した狭
帯域ドップラー・フィルタのバンクに印加される。バン
ク1316の各々のフィルタ素子が、特定の狭い周波数
帯f1 ,f2 ,f3 ……fm に応答し、こうして到来信
号を複数個の周波数ビンに分離する。その周波数は、標
的の半径方向速度に帰因するドップラー周波数に関係す
る。図47はベースバンド・スペクトルf1 と別のスペ
クトルf2 ,f3 ……fm と示しており、それらを一緒
にしたものがフィルタ・バンク1316からの出力信号
である。所定のドップラー偏移を持つエコーが1つのフ
ィルタ出力だけから実質的な出力を発生する。速度の選
択性を最善にする為には、図43のフィルタ・バンク1
316のフィルタ素子f1 ,f2 ,f3 ……fm の帯域
幅は狭く、数ヘルツ又はそれ未満の範囲内である。ブロ
ック1316として表わしたドップラー・フィルタのバ
ンクは、速いフーリエ変換(FFT)アルゴリズムによ
って、離散的なフーリエ変換(DFT)を実施する信号
プロセッサによって構成してもよい。各々のフィルタの
出力は、一連のドップラー・フィルタにかけた距離トレ
ースの和となる距離トレースである。従って、特定のフ
ィルタの出力が、その中心周波数に対応する特定のドッ
プラー周波数、並びにフィルタの帯域幅に関係するが、
この中心周波数を中心とした小さい範囲のドップラー偏
移を持つ標的のエコーを表わす。各フィルタの出力が対
応する振幅検出器1318a,1318b,1318c
……1318mに結合されて信号を発生し、これらの信
号は、配列にした時、適当な検出器の出力を選ぶことに
より、標的の速度に従って分類することが出来る。各々
のドップラー周波数ビンの中で、標的の距離は信号の到
着時刻から判る。
【0159】前に述べた様に、図43のブロック131
2に於けるパルス圧縮は距離サイドローブを生じ、これ
は問題の標的からの戻りの実際の時刻以外の時刻を表わ
す振幅応答の形をしており、従って考えられる他の距離
を表わす。これが距離の曖昧さを導入する。ブロック1
314で示す距離サイドローブ抑圧が、ドップラー周波
数偏移に帰因するある移相に対し、実質的な距離サイド
ローブの抑圧を行なうが、他の移相では抑圧作用が小さ
くなることがあることが判った。この為、従来の距離サ
イドローブ抑圧は、標的の半径方向速度の特定の値に対
して最適にすることが出来るが、他の速度では抑圧が小
さくなる。
【0160】距離サイドローブ抑圧の感度を制御する量
は、圧縮されていない送信パルスの持続時間とドップラ
ー周波数偏移との積である。この積は圧縮されていない
パルスの持続時間にわたってドップラー移相として測定
することが出来、これを「ドップラー位相変化」φDV
呼ぶが、これは
【0161】
【数6】 φDV=2πfd 0 (ラジアン) (6) で表わされる。
【0162】こゝでfd はヘルツ単位のドップラー周波
数偏移であり、T0 は秒単位の圧縮されていないパルス
の持続時間である。
【0163】この発明の実施例では、距離サイドローブ
が、一連の標的のエコー又はパルスを複数個のドップラ
ー又は周波数「ビン」に分離し、各々のビンに別々に距
離サイドローブ抑圧を適用する方法によって抑圧され
る。
【0164】図44aはこの発明の1実施例のプロセッ
サの簡略ブロック図である。図43と対応する図44a
の素子は同じ参照数字で表わされている。図44aのプ
ロセッサは複数個の距離サイドローブ抑圧器1328
a,1328b,1328c……1328mを用いてお
り、ドップラー・フィルタ・バンク1316のドップラ
ー・フィルタ素子に1つずつ付設されている。各々の距
離サイドローブ抑圧器に異なるフィルタ・パラメータを
用いて、関連するドップラー・フィルタ素子の中心周波
数に対する距離サイドローブ抑圧を最適にすることが出
来る。これによって全体的な距離サイドローブ抑圧が大
幅に改善される。これは、各フィルタの出力に於ける周
波数の範囲が数ヘルツ程度と小さくなるからである。こ
れは、フィルタの中心周波数の小さな百分率を表わすこ
とがある。この為、各々の距離サイドローブ抑圧器を1
つの周波数で最適にすることが出来、最適にした周波数
の小さな百分率で周波数のある範囲に帰因する小さな移
相によって、その性能が過度に劣化することがない。コ
ストの点で同一の抑圧器を使うことが出来る様に、各々
の距離サイドローブ抑圧器に異なる抑圧パラメータを必
要としない様にする為、フィルタ・バンク1316の
(最低周波数のフィルタ素子f1 を除く)各フィルタ素
子からのフィルタ作用を受けた出力信号が、共通の周波
数範囲に変換される。適当な範囲は、フィルタ素子f1
の「ベースバンド」範囲であり、これは例えば0ヘルツ
から数ヘルツに及ぶ範囲であってよい。図44aでは、
フィルタ・バンク1316のフィルタ素子f1 からの出
力が直接的にゼロ・ドップラー・サイドローブ抑圧器
(ZDSS)1428aに印加される。これは、フィル
タ素子f1 の出力周波数範囲が既にベースバンドにあ
り、従って変換を必要としないからである。他の全ての
フィルタ素子f2 ,f3 ……fm からの出力が、各々の
フィルタ出力をベースバンドに変換する為に、乗算器1
420に個別に印加される。例えば、フィルタ・バンク
1316のフィルタ素子f2 の出力が乗算器1420b
の第1の入力ポートに接続される。乗算器1420bの
第2の入力ポートが信号 exp(−j2πf2 kτ0 ) k=0、1,…… こゝでf2 はフィルタ・バンク1316の対応するフィ
ルタ素子の中心周波数、τ0 は距離標本化期間及びkは
整数の時間指数である。の発振源(図44aに示してな
い)に結合されている。
【0165】従って、発振周波数は、フィルタ・バンク
1316の対応するフィルタ素子の中心にある中心ドッ
プラー周波数に負の符号をつけたもの(即ち、絶対値と
しては同じ周波数であるが、180°位相がずれてい
る)である。例えば、乗算器1420cに印加される発
振信号exp(−j2πf3 kτ0 )はフィルタ・バン
ク1316のフィルタ素子f3 が中心とする周波数f3
に負の符号を付したものである。発振信号に伴う初期移
相は重要ではない。これは、最終的にはドップラー・チ
ャンネル信号の大きさだけを使うからである。本質的に
はドップラー・フィルタ・バンク1316の個々の素子
2 ,f3 ……fm の出力信号が乗算器1420によっ
てヘテロダイン検波されて、ゼロ周波数を中心とし、こ
の時、同一のゼロ周波数ドップラー距離サイドローブ抑
圧器(ZDSS)1428を使うことが出来る。例え
ば、ZDSS 1428aがフィルタ素子f1 に結合さ
れ、ベースバンド距離サイドローブの減少を行なう。Z
DSS 1428bが乗算器1420bの出力に結合さ
れ、本来はf2 であるが、ベースバンドに下向き変換さ
れたフィルタ作用を受けた信号をそれから受取り、ベー
スバンド信号中のサイドローブを抑圧する。下向き変換
過程が全体として図47に示されており、この時、周波
数f2 ……fm を持つフィルタ作用を受けた信号が、矢
印1612,1613,1614……1614mで表わ
した乗算過程により、ベースバンドに変換される。他の
各々のZDSS 1428……1428mも、ベースバ
ンドに下向き変換された信号を受取る。この為、全ての
ZDSSは同一である。ZDSS1428a……142
8mの出力が夫々検出器(DET)1318a……13
18mに印加される。
【0166】図44bは、入力の変化が、有限の時間に
わたって出力に変化を生ずると云う意味で、「有限イン
パルス応答」(FIR)形フィルタと呼ばれる形式のタ
ップつき遅延線又は横形フィルタを示す。図44bのF
IRフィルタを図44aの構成で任意の距離サイドロー
ブ抑圧器1428として使うことが出来る。明確にする
為、図44bの構成では、図44aのゼロ・ドップラー
・サイドローブ抑圧器(ZDSS)1428bを示して
いる。図示の様に、ZDSS 1428bが遅延構造1
440を含み、これが入力ポート1442に信号を受取
り、この信号を、節1444a,1444b……144
4nとして示したタップを通り越して、右へ伝搬させ
る。隣合ったタップの間の時間的な間隔が距離標本化期
間τ0 に等しい。この遅延構造はシフトレジスタであっ
てよい。各々の節1444が、三角形の記号1446
a,1446b……1446nで示したタップ重み乗算
器に結合される。乗算器1446からの遅延させて加重
された信号が組合せ合計器(Σ)1450に印加され、
フィルタ作用をかけた又は距離サイドローブを抑圧した
所望の信号を発生する。合計信号が合計器1450の出
力から図44aの検出器1318へ印加される。タップ
の数並びに加える重みは、公知の形でフィルタ毎に容易
に計算されるが、これを後で説明する。
【0167】図45aは、図44aの構造よりも、一層
大きなドップラー周波数偏移並びに/又は一層大きな持
続時間−帯域幅積により適したこの発明の実施例の簡略
ブロック図である。図44aと対応する図45aの素子
は同じ参照数字で表わしてある。図45aで、レーダ・
エコーの複素数包絡線を表わすI+jQ信号と、このエ
コーと組合さった受信機の雑音があればそれを加えたも
のが、ポート1310を介して、パルス圧縮せずに、ド
ップラー・フィルタ・バンク1316に印加される。フ
ィルタ・バンク1316が信号を周波数ビンに分離し、
各々のビンの信号を別々のプロセッサ(PC&SS)1
528に印加する。プロセッサは、パルス圧縮及び距離
サイドローブ抑圧の両方の作用を果す。図44aの構成
の場合と同じく、周波数が一番低いビンからの出力、即
ち、f1 ビンからの出力が、乗算又は周波数変換をせず
に、関連するプロセッサ1528aに直接的に印加され
る。フィルタ素子f2 乃至fm からの出力信号は対応す
る乗算器1420に個別に印加される。例えば、フィル
タ・バンク1316のフィルタ素子f3 の出力ポートが
乗算器1420cの入力に接続される。乗算器1420
cは、フィルタ素子f3 の中心周波数に負の符号をつけ
たものである発振信号exp(−j2πf3 kτ0 )を
源(図45aには示してない)から受取る。前に述べた
様に、これはフィルタ素子f3 の信号出力をベースバン
ドに変換する効果を持つ。フィルタ・バンク1316の
(フィルタ素子f1 を除く)他の各々のフィルタ素子の
出力信号が同様に処理され、その結果、全てのフィルタ
素子の出力信号が、フィルタ素子の帯域幅と対応する帯
域幅を持つベースバンド信号に変換される。前に述べた
様に、この帯域幅が小さく、数ヘルツ程度又はそれ未満
である。
【0168】図45bは図45aで使うことが出来る信
号プロセッサ1528の簡略ブロック図である。明確に
する為、図45bは図45aのパルス圧縮及び距離サイ
ドローブ抑圧プロセッサ1528cを表わしている。図
45bでプロセッサ1528cがカスケード接続にした
2つのFIRフィルタ1530,1560を有する。図
45aの乗算器1420cからの下向き変換された信号
が、遅延線(アナログ)又はシフトレジスタ(ディジタ
ル)1540の入力ポート1541に印加され、この遅
延線又はシフトレジスタは信号が右へ伝搬することが出
来る様にする。距離サンプル間隔であるτ0 だけ隔たっ
た1組のタップ1544a,1544b……1544n
が、伝搬する信号を標本化し、サンプルを1組の乗算器
1546に印加し、この乗算器がサンプルに加重する。
組合せ形合計(Σ)回路1550が加重された信号サン
プルを合計して、フィルタ作用をかけた中間信号をデー
タ通路1552に発生する。この中間信号がデータ通路
1552を介して第2のFIRフィルタ1560に印加
される。フィルタ1560は、構造的にはフィルタ15
30と同様であるが、異なる遅延、タップ数及び重みを
持つことが出来る。フィルタ1560が、データ通路1
562にパルス圧縮して距離サイドローブを抑圧した信
号を発生し、それが図45aの対応する大きさ検出器1
318cに印加される。図45bのフィルタ1530,
1560は線形であるから、それらは何れの順序でカス
ケード接続してもよい。フィルタ1530がパルス圧縮
をし、フィルタ1560がサイドローブの減少を施して
もよいし、或いはその逆であってもよい。周知の様に、
フィルタ1530,1560の作用を1個のフィルタに
組合せることが出来る。こゝで特に必要なことは、距離
サイドローブを減少する機能が、各々の周波数ビンにあ
る信号成分に対して個別に行なわれることである。この
条件が充たされる時、距離サイドローブの抑圧は、各々
の周波数増分に対して最適にすることが出来、抑圧作用
を維持することが出来る。
【0169】整合フィルタ作用(即ち、パルス圧縮)及
び距離サイドローブ抑圧の全般的な方式を図45aにつ
いて説明する。パルス圧縮及び距離サイドローブの抑圧
の組合せが、各々の複素数乗算器の後に続く。各々の複
素数乗算によって、圧縮されていないパルスにわたる残
留ドップラー移相が除かれるから、圧縮されていないパ
ルスに残留ドップラー移相が残らない。各々のパルス圧
縮器及び距離サイドローブ抑圧器はゼロ・ドップラー形
である。従って、全てのパルス圧縮器及び距離サイドロ
ーブ抑圧器が、この為、同一である。
【0170】図44−47について説明したこの発明の
実施例の数学的な裏付けを解析すれば、次の様になる。
差当たって、図45aのFFTドップラー・フィルタ・
バンク1316の1つの出力に集中して考えると、この
出力は、τ0 で表わした距離標本化期間の所にある離散
的な時間の距離サンプルを表わす一連の複素数で構成さ
れる。この順序を次の式で表わす。
【0171】ps (kτ0 ),k=0,1,2,…;s
=0,1,……,M−1 こゝでkは整数の時間指数であり、sが種々のドップラ
ー・フィルタの出力を割出す。sが、フィルタsが同調
している幾つかのドップラー周波数を割出すと云うこと
も出来る。この後、複素数順序ps (kτ0 )に前に述
べた様に乗算器1420で次の複素数指数関数を乗ず
る。
【0172】
【数7】 exp(−j2πfs kτ0 ) (7) これはps (kτ0 )が、ドップラー周波数+fs に同
調したフィルタの離散的な時間の出力であることを意味
する。その結果得られる複素数の値を持つ離散的な時間
の順序は次の様に表わすことが出来る。
【0173】
【数8】 xs (k)=ps (kτ0 )exp(−j2πfs kτ0 ) (8) 次の工程は、xs (k)に作用してパルス圧縮を行なう
こと(即ち、整合フィルタ作用を行なうこと)である。
s (k)の信号成分をa(k)で表わす。
【0174】
【数9】 a(k)=xs (k)の信号成分、 k=0,1,2,……,N−1 (9) これは、a(k)が持続時間Nτ0 を持つことを云うも
のである。整合フィルタ過程は、xs (k)をa(k)
の共役の時間反転と畳込み積分することからなる。その
結果パルス圧縮機から得られる出力をy(k)と表わす
と、これは次の様になる。
【0175】
【数10】 こゝでqは加算の指数、a* はaの共役複素数である。
【0176】パルス圧縮器の出力y(k)は信号成分b
(k)と望ましくない雑音又は干渉成分とを含む。圧縮
パルスb(k)を発生する1つの方法は、図45bに示
すタップつき遅延線フィルタ又は横形フィルタ1530
を用いることである。信号を遅延線1540で遅延させ
る。重みa0 * ,a1 * ,……aN-1 * が、夫々加重素
子1546a,1546b,1546c……1546N
に関連する複素数の値であり、この為、図45bの加重
素子1546aを通過する信号の特定の値にa0 * が乗
ぜられ、加重素子1646bを通過する信号にはa1 *
が乗ぜられると云う様になる。この為、この過程は、多
数の複素数乗算及び複素数加算を行なう動作であって、
これによってデータ通路1552にy(k)を発生す
る。
【0177】図45bに示す次の過程は、距離サイドロ
ーブ抑圧の過程であり、これが図45bの横形フィルタ
1560によって行なわれる。
【0178】y(k)の信号成分をb(k)で表わすと
【0179】
【数11】b(k)=y(k)の信号成分 距離サイドローブ抑圧器1560を最適にするのは信号
成分b(k)に対してゞある。重み又は乗数f(k)
は、サイドローブ抑圧の特定の判断基準によって決定さ
れる。こう云う判断基準としては、(イ)最も大きいサ
イドローブの大きさを最小にすること、(ロ)積分して
自乗したサイドローブを最小にすること、並びに(ハ)
主ローブの左右の特定された距離区間に於けるサイドロ
ーブをゼロにすることが含まれる。
【0180】後に述べた2つの判断基準(ロ)及び
(ハ)が拡大クラッタの環境では特に適切である。更
に、これは気象作図機能と、マイクロバースト及び晴天
渦流の検出とに特に適切である。
【0181】式(11)で表わされる信号成分b(k)
は、到来ドップラー周波数が特定のドップラー・フィル
タの設計ドップラーと正確に符合すれば実数である。こ
れは、複素数指数関数の乗算器を持つミキサーが、今の
処理にとって問題にならない初期位相を除いて、残留ド
ップラー移相を除去するからである。信号のドップラー
位相が、それが通過するフィルタ・バンクの特定のドッ
プラー・フィルタと正確に符合しない場合、b(k)は
複素数になり、このドップラー・チャンネルに対するサ
イドローブ抑圧は、フィルタ及び信号が符合した場合
程、完全にはならない。然し、距離サイドローブ抑圧の
劣化は比較的小さい。これは、ドップラー・フィルタの
間の周波数の隔たりが小さく、ドップラー・フィルタ・
バンクに対する任意の入力が、フィルタの内の1つと殆
んど符合するからである。
【0182】積分して自乗したサイドローブを最小にす
ると云う判断基準を用いてサイドローブ抑圧器の重みを
選択することは、IEEEトランザクションズ・ジオサ
イアンス・エレクトロニクス誌GE−4号第25頁乃至
第38頁(1966年6月号)所載のS.トライテル他
の論文「高分解能ディジタル・フィルタの設計」に記載
された原理に基づいていて、サイドローブ抑圧フィルタ
の係数又は重みを決定する公式を使う。
【0183】下記の様に定義する。
【0184】f(k)=サイドローブ抑圧フィルタのタ
ップの重みで、k=0,1……M−1、b(k)=サイ
ドローブ抑圧フィルタに対する雑音のないパルス圧縮さ
れた入力信号順序で、k=0,1……N1 −1,d
(k)=サイドローブ抑圧フィルタからの所望の出力順
序、k=0,1……M+N1 −2とする。量r(k−
s)は次の様に計算される。
【0185】
【数12】 こゝでMはサイドローブ抑圧フィルタにあるタップの
数、N1 は整合フィルタからの出力順序の長さであり、
1 =2Nである。
【0186】量g(k)を次の様に計算する。
【0187】
【数13】 ベクトル及びを次の様に定義する。
【0188】
【数14】 T =[f(0),f(1),…,f(M−1)] (14)
【0189】
【数15】 T =[g(0),g(1),…,g(M−1)] (15) M×Mマトリクスを次の様に定義する。
【0190】
【数16】 重みベクトルに対する解は次の様になる。
【0191】
【数17】 -1 (17) 上に述べた定義により、量を複素数にすることが出来
る。然し、サイドローブ抑圧器をゼロ・ドップラーの場
合について設計する場合、全ての量は実数である。
【0192】未だ完全に定義していない1つの量は、所
望の出力順序d(k)である。距離サイドローブだけを
抑圧し、主距離ローブを抑圧しないことが希望であるか
ら、d(k)は、主ローブの持続時間にわたってb
(k)と同じである。気象作図及び関連する機能では、
分解し得る容積内の全ての散乱因子又は標的がエコーに
寄与する様に、主ローブを保存することが望ましい。云
い換えれば、伝送の固有の分解能が保存され、それを更
に細かくする試みはしない。これは、信号対雑音比の損
失を小さくする傾向がある。
【0193】上に述べたことを念頭において、M+N1
が偶数であると仮定し、順序d(k)を次の様に定義す
る。
【0194】
【数18】 d(k)=b(k),k=(M+N1 −2)/2;±1,±2,…,±n0 d(k)=0,他の場合 (18) N+N1 が奇数であれば、この条件を変更するのは容易
である。数n0 は、中心ピークの両側のn0 個の値が非
ゼロであることを示す。値2n0 +1は、この順序にあ
る多数の点で測定された圧縮信号波形の主ローブの非ゼ
ロ範囲に等しい。
【0195】サイドローブの減少の為に考えられるもう
1つの判断基準は、主ローブを中心とした特定の距離
(即ち時間)区間をゼロにし、他の場所では距離サイド
ローブを特定しないまゝにすることである。MITリン
カーン・ラボラトリイのテクニカルリポート誌209、
1959年8月28日号所載のE.L.キー他の論文
「位相符号化パルス圧縮方式に於けるサイドローブ抑圧
方法」には、バーカー2相符号化順序の場合にこの様に
して特定の距離をゼロにすることが記載されている。
【0196】キー他の論文の場合よりも更に一般的にす
る為、所望の出力d(k)は、式(18)の定義とは若
干違った定義にする。次の様に定める。
【0197】
【数19】 d(k)は他の(M+N1 )個の値に対しては不特定に
し、そういう値に対しては自由に任せる。云い換えれ
ば、式(18)で、所望の出力d(k)は、主ローブの
外側のどこでもゼロにする。式(19)では、特定区間
の外側で出力がどうなっても構わない。
【0198】次に下記のマトリクス及びベクトルを定義
する。M×Mマトリクスの要素B(i,q)が次の式
で表わされるとする。
【0199】
【数20】 :B(i,q)=b{(N1 −1)/2+i−q} (20) M成分ベクトルのk番目の成分d(k)が式(19)
で表わされるとする。
【0200】サイドローブ抑圧フィルタのM個の重みを
定めるM成分ベクトルのk番目の成分がf(k)であ
る。
【0201】この時、f(k)の解は、マトリクス方程
式の解である。
【0202】
【数21】 -1 (21) 上に述べたことは、距離サイドローブが、主ローブの形
に関係する形及び構造を持つ必要がないと云う意味で、
一般的である。然し、前に述べた様に、ある場合には、
サイドローブが主ローブの変位して縮小した形であるこ
とがある。これは、各々の位相に於ける停留がチップ区
間を限定する多相順序及び2相順序の場合特にそうであ
る。こう云う場合、サイドローブ抑圧フィルタのタップ
並びに若干のパルス圧縮フィルタのタップは、距離標本
化期間τ0 程稠密な間隔にする必要がない。タップの間
隔は、サイドローブが主ローブの変位して振幅が縮小し
た形である時、「チップ」又はサブパルスの持続時間τ
に等しければよい。こう云う性質を持つ信号は、サブパ
ルス又は「チップ」で構成され、その各々は単純な単一
周波数のサブパルスである。サブパルスはその位相によ
って互いに識別される。この位相が位相順序パターン又
は法則に従って変化する。この様な波形では、整合フィ
ルタは図46aに示す形にすることが出来る。図46a
で、図45bと対応する素子は同じ参照数字で示してあ
る。
【0203】図46aで、パルス圧縮フィルタ1530
が、カスケード接続にした2つの別々の横形フィルタ部
分1530a,1530bで構成されることが判る。フ
ィルタ部分1530aはサブパルスの形に釣合ってお
り、フィルタ部分1530bはサブパルス間のパターン
又はサブパルスの組の位相順序に釣合っている。サブパ
ルスに釣合ったフィルタ部分1530aのタップの間の
間隔が距離標本化期間又は間隔τ0 である。パターンに
釣合ったフィルタ部分1530bのタップの間の間隔が
サブパルス間隔τであり、これは距離標本化間隔τ0
り大きい。図46aの距離サイドローブ抑圧フィルタ1
560のタップ間隔もサブパルス間隔τに等しい。
【0204】図46aで、サブパルスに釣合ったフィル
タ部分1530aに関連するタップの数はN2 、即ち
(N2 −1)にタップ番号0を加えたものであり、こう
云うタップは時間的に距離標本化間隔τ0 だけ隔たって
いる。同様に、パターンに釣合ったフィルタ部分153
0bはN3 個のタップを持ち、それらがサブパルス間隔
τだけ隔たっている。τは、τ0 の整数倍である。図4
6aのサイドローブ抑圧フィルタ1560はやはり間隔
がτであるM2 個のタップを持っている。
【0205】パルス圧縮フィルタ1530の出力が、信
号時間自己相関関数b(t)を時間的に標本化した形で
ある。即ち、信号成分は、圧縮されたパルスを時間的に
標本化したものである。この時間的に標本化した形は下
記の様に記す。
【0206】
【数22】 b(rτ0 );r=0,1,…,(2N3 −1)τ/τ0 (22) b(rτ0 )の時間範囲が2N3 τである。これが距離
サイドローブ抑圧フィルタ1560に対する入力であ
る。
【0207】パターンに釣合わせたフィルタ1530b
に関連する重み又は加重関数は、θn を送信波形の位相
変化のパターンとして、 cosθn のパターンの共役の時
間的な反転である。
【0208】大きなサイドローブ抑圧フィルタ1560
のタップの重みはf(k)、k=0,1……M2 −1で
ある。距離サイドローブ抑圧器にあるタップの数である
2 の値が、サイドローブ抑圧の規模と複雑さ(タップ
数M2 の値)の間の折合いによって左右される。
【0209】距離サイドローブ抑圧フィルタの重みの値
f(k)に対する設計方程式は、一般的な場合について
前に示したものと同様である。重みベクトルが下記の
様なM2 個の成分を持つとする。
【0210】
【数23】 :[f(0),f(1),…,f(M2 −1)] (23) 使おうとする特定の判断基準に依存するマトリクス
び所望の出力ベクトルを定義する。パターンを釣合わ
せたフィルタの係数は次の式で表わされる。
【0211】
【数24】 a* (N3 −1−k),k=0,1,2,…,N3 −1 (24) 位相変化の実際のパターンは次の式で表わされる。
【0212】
【数25】 a(k),k=0,1,…,N3 −1 (25) 圧縮された出力パターンは次の式で表わされる。
【0213】
【数26】 サイドローブが主距離サイドローブの変位して縮小した
形である時、式(17)及び(21)に示される重みベ
クトルは同じであるが、その関係する量には若干異な
る解釈が与えられる。文字M2 を使って、多相又は2相
順序状態の場合のサイドローブ抑圧フィルタにあるタッ
プの数を表わす。所望の出力順序d(k)はやはりサイ
ドローブ抑圧に対する特定の判断基準によって決定され
る。トライテル他の論文で用いられている様な積分して
自乗したサイドローブを最小にすると云う判断基準の場
合、次の定義が用いられる。
【0214】f(k)=サイドローブ抑圧フィルタのタ
ップ重み、 k=0,1,…,M2 −1; b=(kτ)=b(rkτ0 ),k=0,1,…,2N
3 −1, b(rτ0 )の定義は前述の通り d(k)=距離サイドローブ抑圧フィルタの所望の出力 k=0,1,…,2N3 +M2 −2 =b(kτ),k=M2 /2+N3 −1 又は 0,他の場合 b(kτ)は単にチップ又はサブパルスの持続時間であ
るτの倍数の所で評価した圧縮パルスであることに注目
する。d(k)が距離サイドローブ抑圧フィルタの所望
の出力であるから、それはf(k)及びb(kτ)の畳
込み積分である。従って、距離サイドローブ抑圧フィル
タにある素子の数は、f(k)及びb(kτ)にある素
子の数の和より1つ少ない。量r(k−s)は次の様に
計算される。
【0215】
【数27】 量g(k)は次の様に計算される。
【0216】
【数28】 ベクトル及びは次の様に定義される。
【0217】
【数29】 T =[f(0),f(1),…,f(M2 −1)] (29)
【0218】
【数30】 T =[g(0),g(1),…,g(M2 −1)] (30) M2 ×M2 マトリクスは次の様に定義する。
【0219】
【数31】 キー他の論文で用いられている判断基準の場合、圧縮パ
ルスの主ローブの左右の特定された数の距離サイドロー
ブは完全にゼロに抑圧すべきである。その要素b(i,
q)が次の式で表わされる様なM2 ×M2 マトリクス
を定義する。
【0220】
【数32】 :B(i,q)=b([N3 −1+i−q]τ); i,q=0,1,…,M2 −1 (32) k=0,1……M2 −1として、k番目の成分が次の式
で表わされる様なM2 成分ベクトルを定義する。
【0221】
【数33】 :d(k)=0,k≠(M2 −1)/2 =b([N3 +M2 ]τ/2),k=(M2 −1)/2 (33) のM2 個の成分がd(0),d(1),……d(M2
−1)である。前と同じく、その成分が距離サイドロー
ブ抑圧フィルタに使おうとするタップの重みであるM2
成分重みベクトルを定義する。
【0222】
【数34】 =[f(0),f(1),…,f(M2 −1)] (34) d(k)が距離サイドローブ抑圧フィルタの出力の他の
値に対しては不特定であって、そう云う値は自由のまゝ
であることに注意されたい。
【0223】こう云う定義を用いると、その成分がサイ
ドローブ抑圧器の乗算器の重みである様なM2 成分ベク
トルの解は次の式で表わされる。
【0224】
【数35】 -1 (35) 従って、多相又は2相順序の選択により、タップの数を
減らすことにより、並びに/又は実施する動作の回数を
減らすことによって信号処理速度を速くすることによ
り、ハードウエアを減少することが出来る。
【0225】前に述べた様に、距離サイドローブ抑圧フ
ィルタのタップは、送信信号の波形が2相又は多相順序
である時、サブパルスの持続時間だけ隔たっている。特
定の種類の2相順序がバーカー順序及び擬似ランダム順
序である。擬似ランダム順序は、順序の長さを選ぶ際、
自由度が大きいが、順序の長さを長くするには、バーカ
ー順序を連結することが必要である場合が多い。バーカ
ー順序は、2,3,4,5,7,11及び13の長さに
制限されている。例として長さ65の順序を得るには、
長さ13の5つの順序を特定のパターンで連結すること
が出来る。サイドローブ構造は1個のバーカー順序程単
純ではないが、この発明では、連結したバーカー順序を
用いると、同じ様な長さを持つ擬似ランダム順序の様な
他の形の2相順序を用いた場合よりも、サイドローブを
一層よく抑圧することが出来ることが判った。即ち、サ
イドローブ抑圧フィルタの複雑さが所定の程度であれ
ば、連結したバーカー順序の方が、同じ長さを持つ擬似
ランダム順序よりも一層よくサイドローブを抑圧する。
【0226】図46aに示し且つ上に述べた様に、2相
及び多相順序に対するパルス圧縮は、1個のサブパルス
に釣合わせたフィルタと位相変化のパターンに釣合わせ
たフィルタとのカスケード接続と見なすことが出来る。
大抵の場合、1つのサブパルスの前後のドップラー移相
は非常に小さく、無視し得る。こう云う場合、図46b
に示した様に、ドップラー・フィルタ・バンクの前に、
サブパルスに釣合わせたフィルタを配置することが出来
る。即ち、1つのサブパルス釣合わせフィルタが全ての
ドップラー周波数偏移を相手とする。1つのサブパルス
釣合わせフィルタしか必要としないから、それはアナロ
グ・フィルタとして、受信機のアナログ部分を含めて、
ドップラー・フィルタ・バンクの前のどこに配置しても
よい。アナログ・フィルタとして、それは表面音響波
(SAW)装置を含めていろいろな形をとることが出来
る。
【0227】パルス圧縮及び距離サイドローブ抑圧の方
法を、この発明の実施例では横形フィルタの形で時間領
域フィルタによって行なわれる場合を例示した。時間領
域の代りに周波数領域で作用させることにより、同じタ
スクを周波数領域で達成することが出来る。この為に
は、時間領域フィルタのインパルス応答をフーリエ変換
し、こうして得られた複素数周波数成分をフィルタ作用
にかける量の周波数成分に乗ずる複素数乗数として使
い、その後、積を逆変換して時間領域に戻す。フィルタ
作用にかけるべき量の周波数成分は、こう云う量の離散
的な時間のフーリエ変換によって求められる。この様な
離散的な時間のフーリエ変換は、離散的なフーリエ変換
(DFT)アルゴリズムによって行なうことが出来る。
時間領域への逆変換は逆DFTによって行なわれる。
【0228】当業者には、この発明のこの他の実施例が
容易に考えられよう。特に、アンテナ・アレーの横方向
は15°以外の迎角に傾斜させることが出来る。図2−
3では、1個の内側アンテナ28が夫々TRモジュール
26を付設してある場合を示したが、1つは中心給電部
から、送信モードで送信された信号を表わす信号並びに
場合によっては受信モードの局部発信信号を受取り、も
う1つは受信信号又は周波数変換した受信信号を受信モ
ードで中心給電部に結合する2つの内側アンテナを用い
てもよい。図2−3ではアンテナ・アレー18が平面状
であるとして示されているが、内面34が弯曲してい
て、その曲率半径の中心を中心給電部30に置き、内側
アンテナ・エレメント28が受信した信号の位相を釣合
わせることが出来る。中心給電ホーン32は、所望の放
射パターンを発生する任意のアンテナ・エレメント又は
アレーに置換えることが出来る。図2−3のエレメント
としてのアンテナ22,28は、直線偏光でも楕円偏光
でも円偏光でも、或いは偏光が制御自在である様にして
も、適切にすることが出来る。
【0229】各々のアレー・アンテナに対する空間給電
部を説明したが、当業者であれば、スコルニク編集の
「レーダ・ハンドブック」第2版の第18頁乃至第19
頁並びにシャーマンの著書「単独パルス原理及び方式」
に記載されている様に、単一平面走査(単軸)又は直交
する2つの平面(2軸)の走査に対して、拘束形又は
「集合形」給電部も同じ様に使うことが出来る。この発
明に単独パルス方式を使う場合、当業者であれば、角度
の正確で適時の推定値を得る為に、受信機の和及び差チ
ャンネルを各々の軸に対して設けなければならないこと
を承知していよう。
【0230】ビームの方向は、方位角φ及び迎角θで処
理される場合を説明したが、照準線からの半径方向の角
度、並びに照準線の周りの時計廻りの位置、例えば、照
準線から5°離れて3時(垂直から90°)と云う様
に、各々のアンテナ面を制御することが可能である。
【0231】前に説明した様に、レーダ装置は、予定の
場所を逐次的に切換えることにより、又はビームをアク
セスすることにより、容積を「走査」する。原理的に
は、ビームが所望の位置を連続的に走査しても同じ結果
を達成することが出来る。
【0232】異なる近似によって、当業者にはこの他の
変形が考えられよう。例えば、走査損失は式(2)以外
の式により、又は式(2)の乗数並びに/又は指数を別
のものにすることによって推定することが出来る。これ
は取分け、横方向からずれた角度でまとめられるパルス
の数を変えることになる。
【0233】上に述べた機能を達成する為に種々の技術
を用いることが出来る。例えば、図1の26に示す様な
送受信モジュールに使うには、コスト及び装置毎の反復
性の点で、モノリシックマイクロ波集積回路(MMI
C)がハイブリット又は離散的な回路よりも好ましいこ
とがあるが、利得又は帯域幅の様なある特定のパラメー
タを最大にしようとする場合、離散的な又はハイブリッ
ト回路の方が好ましいことがある。同様に、1個のレー
ダ装置内でアナログ及びディジタルの両方の信号処理を
使うことが出来る。技術の進歩により、ディジタル処理
がアナログ処理にとって代っているが、その兼合いによ
り、その時々によって、アナログとディジタルの分け方
を変えた方がよいことがある。ディジタル信号処理の範
囲内では、専用のハードウエア又は汎用のソフトウエア
制御の処理を使うことが出来、ソフトウエア制御がハー
ドウエアより優位を得つゝある様に見える。
【0234】「パルス」の送信及び受信を説明したが、
当業者であれば、パルスは何れも、位相(2相を含む)
変調、周波数変調、周波数跳躍変調等種々の形で符号化
された連続したサブパルスを含んでいてよいことが理解
されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】位相調整アレー・アンテナを支持する様にした
シェルタ又は建物の斜視図。
【図2】図1の給電点と1つのアレーの間のエネルギ分
配を設定する方法を示すと共に、アレーの若干の細部を
示す簡単にした機能的なブロック図。
【図3】図2の構成に使うことの出来る送受信(TR)
モジュールの簡単にした機能的なブロック図で図2及び
図3を合せて図2−3と呼ぶ。
【図4】この発明によるレーダ装置の簡略ブロック図。
【図5】PRI及びビーム多重化制御を実施する図4の
一部分の回路図。
【図6】軸外ビームのまとめ制御を行なう図4の一部分
の簡略ブロック図。
【図7】図6の構成の動作を示す簡単なフローチャート
で、図4、図5、図6及び図7を合せて図4−7と呼
ぶ。
【図8】図2−3のアレー・アンテナの開口を薄くこと
を示す図。
【図9】図2−3のアレー・アンテナの開口を薄くこと
を示す図。
【図10】図2−3のアレー・アンテナの開口を薄くこ
とを示す図。
【図11】図2−3のアレー・アンテナの開口を薄くこ
とを示す図。
【図12】図12aは基準としてのポピュレーションが
一杯の一様に照射された開口の迎角放射パターンを示す
図。図12bはアレーのエレメントに一様な電力を印加
した時の図4の薄くした開口の迎角放射パターンを示す
図。
【図13】図13a及び14は併せて図8−11の薄く
したアレーによって1つの八分儀内に発生される全ての
ビームを示す図。図13bはその詳細図で、図13a、
13b及び14を併せて図13−14と称する。
【図14】図14は、図13aと併せて図8−11の薄
くしたアレーによって1つの八分儀内に発生される全て
のビームを示す図。
【図15】図8−11のアンテナによって逐次的に発生
される幾つかのペンシル形ビームの迎角放射パターンを
重畳した形で示す図で、特定の高度及び距離までの完全
な有効範囲がどの様に得られるかを示す。
【図16】図13a及び図14のビームの迎角を表わし
たもので、直線距離有効範囲を示す。
【図17】図13a及び図14のビームの迎角を表わし
たもので、直線距離有効範囲を示す。
【図18】時間線を示す図。
【図19】角度の関数として1実施例のレーダのパラメ
ータを求めた図表。
【図20】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図21】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図22】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図23】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図24】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図25】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図26】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図27】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図28】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図29】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図30】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図31】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図32】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図33】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図34】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図35】図13−14のビーム構造の各々の迎角に対
し、方位角の関数としてビーム当たりのパルス数、並び
にビーム当たりの経過時間を示す図表。
【図36】部分的なフローチャートで、これらの図を合
せたものがこの発明のレーダを制御する論理を表わす。
【図37】部分的なフローチャートで、これらの図を合
せたものがこの発明のレーダを制御する論理を表わす。
【図38】部分的なフローチャートで、これらの図を合
せたものがこの発明のレーダを制御する論理を表わす。
【図39】部分的なフローチャートで、これらの図を合
せたものがこの発明のレーダを制御する論理を表わす。
【図40】部分的なフローチャートで、これらの図を合
せたものがこの発明のレーダを制御する論理を表わす。
【図41】部分的なフローチャートで、これらの図を合
せたものがこの発明のレーダを制御する論理を表わす。
【図42】部分的なフローチャートで、これらの図を合
せたものがこの発明のレーダを制御する論理を表わす。
【図43】パルス圧縮、距離サイドローブの減少及びド
ップラー・フィルタ作用を行なう従来のプロセッサを示
す簡略ブロック図。
【図44】図44aは、この発明の1実施例の対応する
プロセッサの簡略ブロック図。図44bは図44aの構
成の一部分の簡略ブロック図。
【図45】図45aは、図44aと同じ処理を行なう別
のプロセッサの簡略ブロック図。図45bは、図45a
の構成の一部分の簡略ブロック図。
【図46】図46aは、図45bの別の構成を示す図。
図46bは、この発明の別の実施例の図。
【図47】図44a、44b及び45、46による処理
の効果を振幅−周波数表示で示すグラフ。
【符号の説明】
18 アレー・アンテナ 22 アンテナ・エレメント 30 RF給電部 50 T/R多重化器 52 受信機/アナログ信号プロセッサ 54 波形発生器 58 タイミング制御装置 62 ADC/バッファ 68 ディジタル信号プロセット 72 検出プロセッサ 78 レーダ制御コンピュータ 80 レーダ制御計画プログラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01S 13/44 8940−5J 13/91 P 7015−5J 13/95 7015−5J (72)発明者 ジョン・ジェームス・ガラガー アメリカ合衆国、ニュージャージ州、ター ナースビレ、ペンブルック・ドライブ、18 番 (72)発明者 マイケル・ストッカム・ペリー アメリカ合衆国、ニュージャージ州、ハッ ドンフィールド、ヒルサイド・レーン、 300番

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある持続時間及びパルス繰返し周波数で
    エネルギ・パルスを発生し、 前記エネルギ・パルスをアンテナ・アレーに印加して、
    各々の反復的な容積走査の間、予定数の離散的な方位角
    及び迎角に向けてペンシル形ビームとして前記パルスを
    送信し、 前記パルスを発生する工程を制御して、反復的な第1及
    び第2の送信−受信期間の各々の間、1個のパルスを発
    生し、 前記ペンシル形ビームの方位角を更に制御して、前記第
    1の送信−受信期間の間は第1の方位角に前記ビームが
    差向けられると共に、前記第2の送信−受信期間の間
    は、前記第1の方位角とは異なる第2の方位角に差向け
    られる様にし、 前記第1及び第2の送信−受信期間の間、エコー信号を
    受信し、前記第1の送信−受信期間の間に受信したエコ
    ー信号を前記第2の送信−受信期間の間に受信したエコ
    ー信号から分離する工程を含む標的をレーダによって検
    出する方法に於て、更に、 前記パルスを発生する工程で、前記ビームの迎角に応答
    する形でパルス繰返し周波数を制御する工程、 前記パルスを発生する工程で、少なくとも前記迎角に応
    答して前記持続時間を制御する工程、及び 前記パルスを発生する工程で、前記方位角に応答して、
    各々の容積走査の間、前記離散的なビーム角の各々で発
    生されるパルスの数を制御する工程と云う別の3つの工
    程の内の少なくとも2つの工程を含むことを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 前記エネルギ・パルスをアンテナ・アレ
    ーに印加する工程が、前記アレーにわたる振幅分布を先
    細りにして、アレーの中心近くに一層大きな振幅を作る
    と共に、アレーの縁の近くに一層小さい振幅を発生する
    工程を含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記先細りにする工程が、全面的に増幅
    器のポピュレーションを持たない開口からエネルギを放
    射する工程を含み、放射エレメントの密度が前記アレー
    の中心近くで最大で、アレーの縁の近くで最小である様
    にすることを含む請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 先細りにする工程が、前記増幅器からの
    パルスを減衰なしに関連する放射エレメントに伝える工
    程を含む請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 パルス繰返し周波数を制御する工程が、 前記離散的な迎角の内の1番目では、パルス繰返し周波
    数を特定の第1の値に制御し、 前記1番目の離散的な迎角に隣接する2番目の離散的な
    迎角では、パルス繰返し周波数を前記第1の値とは異な
    る特定の第2の値に制御する工程を含む請求項1記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 パルス繰返し周波数の第2の値が第1の
    値より高く、2番目の迎角が1番目の迎角より大きい請
    求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 持続時間及びPRF制御信号に応答して
    制御し得るパルス持続時間及びパルス繰返し周波数(P
    RF)を持つエネルギ・パルスを発生する制御可能なパ
    ルス発生手段と、 該パルス発生手段に結合されていて、方位及び迎角制御
    信号の制御のもとに予定数の離散的な方位角及び迎角に
    向けたペンシル形ビームとして前記パルスを送信する制
    御可能なアンテナ・アレーと、 該アンテナ・アレーに結合されていて、各々の反復的な
    容積走査期間の間、前記ビームを複数個の離散的な位置
    に相次いで位置ぎめする方位及び迎角制御信号を発生す
    るアンテナ・ビーム方向制御手段とを有するレーダ装置
    に於て、 前記アンテナ・ビーム方向制御手段及び前記パルス発生
    手段に結合されていて、前記迎角制御信号に応答してP
    RFを定めるPRF−迎角制御手段と、 前記アンテナ・ビーム方向制御手段及びパルス発生手段
    に結合されていて、迎角制御信号に応答してパルス持続
    時間を定めるパルス−持続時間制御手段と、 前記アンテナ・ビーム方向制御手段及び前記パルス発生
    手段に結合されていて、前記方位制御信号に応答して、
    各々の容積走査期間の間、各々の離散的な方位角で発生
    されるエネルギ・パルスの数を制御するパルスまとめ制
    御手段との内の2つを有することを特徴とするレーダ装
    置。
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